#初恋

私が深く眠りすぎてしまったから

一途の愛をくれた君に尽くしても

形になって目覚めることはないの

貴方の横顔に惹かれていたら

急に真っ直ぐな笑顔が降ってきて、

私の初恋は奪われた。

触れた指先が熱を帯びて

愛されたいと願う初恋の夏

この甘さを噛み締めたいから

ぼやけた輪郭でも描いて

終わらないお茶会をしよう

感情だけ先走ってしまったあの日

君の気持ちを知っても

後に残ったのは祭りと後悔だけ

凍らせてしまった夢話を

捨てたくはないから

そちらで温めてくれませんか

どれだけ楽しい思い出たちで

繰り返し塗りつぶしたって

呪いのように消えてくれないの

芽吹いた感情が枯れてしまう前に

君の隣で笑う花になりたくて

一粒でも充分なくらい広がる愛情

蕩ける口元から零れてしまった感情

悪い虫が来る前に全て溶かしてしまえ

散ってしまった占いたちも

君のおまじないで

また綺麗に輝かせてくれますか

綺麗な月を見つけたとき

あなたに一番に伝えたい

隣で沢山の足跡を残してくれた貴方へ

少しでも君の人生に私という存在を

植え付けることは出来ましたか

大きな太陽の花は無邪気に笑う

終わらない炎天下で滴る暑さも

全部吹き飛ばしてしまう程の輝きで

初恋の定義ってなんだろう

初めて恋をしたこと？
初めて恋人ができたこと？
叶わない恋を初めてしたこと？
同性の方と初めてお付き合いしたこと？

実は私、そのどれもを経験しているの
けど、「あの人を振り向かせたい」と必死になって
積極的になっている恋は、今が初めてなの

誰かを好きになること
これだけは、もうずっと繰り返しているけれど
好きになる人はその時々でバラバラで
誰か違う人を好きになる度に
初めましての恋心を胸に抱き締めているの

困ったなあ、どの道初恋かもしれないや
必死になるのも、「あの人」を好きになるのも
この恋が初めてだから

あの人が本当に好きなの
本当に、困ってしまうな

ねえ、叶う初恋だって、きっとあるよね

揺蕩う心情と正直な思考は

警鐘が鳴り響く頭も捨てて

届かない貴方に手を伸ばす