#吹奏楽部

パート練終わり、

先輩と一言でも交わしたくて、

冷えた教室から出ていく先輩に

「廊下暑そうですね、」と笑うと、

先輩が「そうだね」と足を止める。


意を決した先輩が一歩踏み出すと、

「うわぁ…」と心底嫌そうな声が

聞こえてきて。

私も後をついて廊下に出ると、

笑えないくらい暑苦しくて。

それでも笑っちゃうくらい

この暑さが大好きで。



そんな些細なやりとりが、

いつの間にか日常になっていた。

3日ぶりの再会。

別に大した期間じゃないけど、

私にとっては長い時間だった。

会えたとき嬉しすぎて

ハンドタオルで隠さないと

だめなくらい笑顔が止まらなかった…笑

明日はまた会えないから、

この笑顔はお預けね。

予想的中。


先輩、今年の自由曲好きだって。

めっちゃいいって言ってくれた。


先輩曲の中でかっこいいとこ
あると、

テンション上がって嬉しそうに
する。

今回もそうだった。

それを見て私も誇らしくなった。

そこはきっと私も好きなところ。

そこかっこいいですよねって

言いたかった。

次こそ言おう。



それに、

次来てくれたときには

もっとかっこよくさせるんで、

期待しててください。

コンクール無事終わりました！

本番で最後の入りミスった…

悔しいけど、でも楽しかった！

来年はみんなの聞く側かー

楽しみにしてよ！

いつまでも今日が

楽しかったって言えたら

いいなー

今日（昨日）

荷物準備と楽器運搬中

たまたま気になってる人と

部屋に2人きりになる

タイミングがあって、

自分でも赤いって分かるくらい

耳が熱かった。

その人にバレてないかが

すごく心配だった、笑

どこまで相手に気持ちを伝えて

どこまで相手に自分を隠すか

そうしていくうちあの人の

全部愛おしくて好きになる。

恋愛って難しい。

たくさん泣いて、笑って、
音にぶつけてきた毎日だった

悔しい思いも、嬉しい瞬間も
全部「次の本番」のために
乗り越えてきた

それでも
最後のコンクールは銀賞だった

誰が悪いとかじゃなくて
ただ、届かなかった

隣にいた仲間のあったかさも
帰り道の車で流れた景色も
全部が遠ざかっていくような気がして
どこかでぽつんと、孤独だった

あんなに一緒にいたのに
もう、同じ音は鳴らせない

それでも
「やりきった」って言ってあげたい
過去の自分に

音は残らないけど
あの瞬間の心だけは
ずっと自分の中に響いてる

気が付けば
初めての後輩だったあの子と
最後に話してから、もうすぐ1年

そして、今の後輩達と
一緒に過ごせるのも残り2ヶ月半

あの子や先輩達が過ごしてきた
このパーカッションパートは
この先どんなふうになっていくんだろう
まだ1年生の後輩達だけど
あの子達なりにこのパートを
守っていってくれることを
心から願ってる

音楽が私と彼と

仲間達も、沢山の人とを

繋いでくれた。

今の私は
焦って、空回りしてるだけ
私の焦りは後輩に伝わる
後輩が出来ない、分からないって
1人で困った時
何があっても私だけは
絶対に焦らない
頼れる先輩でいないといけない
1つ上の先輩がいない1年生の
この達にとって
パート内で先輩と呼べるのは
3年生の私達2人だけ
相方が夏休みの補充授業を
受けたいと言った時
｢後輩のことは私に任せて
受験生なんだから
こっちは気にせず行っておいで｣
そう言って、約束した
それなのに
1人で2人を見ていられなくて
空回る毎日
こんなので後輩達が
成長していけるわけがない
ゆっくりでいい
誰にも気付かれなくていい
後輩の背中を
ちゃんと押せる先輩でいよう
先輩って立場で
この子達に残して行きたいものは
数え切れないくらいたくさんある
残り3ヶ月で全部なんてできないけど
それでも、願ってる
この子達の音を、私がそっと
支えていけますように
この子達がまた他の誰かの音を
そっと支えていけるような先輩に
なりますように
そうやって少しでも
この音が受け継がれていったら
私は嬉しいから

「引退」
その言葉を聞くだけで
心の奥がざわついて
胸がぎゅっと締めつけられる。
終わりなんて来なければいいのに。
あんなに嫌いだったはずの吹奏楽部。
もうやめたい。そう何度も思った。
でも今の私は
まだここで演奏していたいって
そう、心から思ってる。
毎日当たり前のように
打楽器の前に立って
仲間と音を合わせてきたこの時間が
もうすぐ終わってしまうなんて
まだ信じられない。

もっとここで練習したい。
もっとここで上手くなりたい。
まだまだ叩き足りないのに
時計の針は止まってくれない。
残された日々を数えるたびに
怖くなる。
この部にしかない音楽に
必死で向き合ってきた私の青春が
終わりを告げるなんて。

本番の日が近づくほど
楽しみと同じくらい
引退の恐怖が大きくなっていく。
「もうここでは演奏できない」
そう思った瞬間、涙が込み上げてきて
声が出なくなる。

でも、だからこそ。
だからこそ最後の1音まで
絶対に手を抜きたくない。
恐怖を力に変えて
「終わりたくない」って叫ぶ
この気持ちごと音に込める。
終わりが迫っているからこそ
残された時間を
少しも無駄にしないように
私は今、全力で生きる。

他のパートのみんなよりも
ちゃんと後輩をもつのが遅かったなんて
そんなの言い訳にしかならない
あの時、あの子を止められなかったのも
今、この子達に上手く伝えられないのも
全部私だから

2日前「できない…」って
寂しい声で呟いて投げ出したあの子が
今日は「できた！」って
嬉しそうに笑ってくれた
その笑顔のきっかけになれたことが
先輩として、すごく嬉しかったんだよ

パーカッションって
一人じゃ成立しないし
だからこそ
パート内の仲間との衝突も多い
でもその“ぐちゃぐちゃ”を乗り越えて
「やっぱり私たちでよかった」って
思える関係を作れたのは
本当に大きなことだったと思う

たくさん遠回りした
2人の小さな喧嘩に
たくさん大人の手を煩わせた
でも、あんな経験があったから
今の私の演奏にも
ただ叩いて音を鳴らすだけじゃなくて
“心 ”が乗ってるんだと思う

まだできる気がしない
難しすぎるドラム
これを乗り越えた先で
私を待ってるのは仮引退
そう考えたら寂しいけど
最後だからこそ
私がこれをやり切りたい
大阪桐蔭ですら
easyの方の楽譜を使ってた
それって
私が難しい方をできるようになったら
大きな武器になるってことだよね
だったら私は挑戦してみたい
もう、次は一生来ないから
後悔はしたくない
胸張って笑顔で終わりたい