抹茶・2025-03-05
月
独り言
月だけはいつも私を見てくれていた
僕の中の止まった時間を動かしたのは
太陽よりも明るい月の君だったんだよ
海の水の味が支配して夜空には
月も星も見えず暗い雲が全てを
覆い尽くしていた七下がりの雨
君を手にする為に求めたのは
月の引力か魅力か包容力か
とにかく僕は君と月に憧れた
辺り一面に広がる星屑
望遠鏡を覗き込んで
星彩に包まれる今宵
頬を染め上げた月は照れたように笑っている
今夜、私の想う月に夢の中で会わせて欲しい
絳響に悠揚として薄暮に見とれ
暮色から入相に変わる一時の候
水溜まりに映る月を見ている様
正子の夜凪と夜陰に燦爛する心星
耿々とした月は宙独星の盈月寂寥
鼎俎に初入し傀儡を恨み夜直厭世
冗談に混ぜなきゃ綺麗も言えずに
妥協でできた月が今日も咲いてる
静寂と月が共鳴して、
空気を切り裂くは
今宵は青藍
君が目を細めて笑うから
私も口角上げて笑うのよ
四更の時に窓を開け、暗い景色に
身を任せ月を見ながら待宵に捧ぐ
夜縹とメロディーは届かないまま
月を見て、
貴方のことを思い出してしまう
くらいには
貴方が好きです。
手を伸ばしても届かない月のような恋
染まりはしないなら月のように去って
散りゆく花恋に月が微笑む
漂う雲に輪郭を溶かして