はじめる

#長編小説

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全391作品・

背中にあった翼は
君と共に無くした
飛べた頃の記憶は
擦り傷の様には消えてくれない


















運命とか神様とか前世とか目に見えないものを信じて縋らずにはいられない。それが人間。
でも普通に考えて存在しないし、僕は信じたくない。
信じたくないけど、否が応でも信じさせてくる。それが世界。
そんな長い長い僕の話きいてくれるかい。











僕は前世の記憶がある。
世界中に何人が前世の記憶を持つのか知らないが、少なくともどの時代を生きても僕は前世の記憶持ちに出会ったことはない。
しかし輪廻転生は僕が僕を持って証明した。
“生まれ変わっても…”なんていう使い古された言葉も僕にとっては他人事ではない。
そして数えることが嫌になるほど生きる中で運命という言葉も認めざる得なかった。













僕には運命の人がいる。
必ず20歳を迎える前に死んでしまうその人はいつの時代も美しい花のような女性だ。
僕と彼女との初めての出会いはずっとずっと昔。穀物を耕す小さな村で農民として僕は村娘の彼女に出会った。
結婚し子供が生まれ、幸せな時を過ごした。
歴史の教科書によく出る言葉、疫病。
当たり前だが、その時代でも疫病は流行った。
最古の疫病、結核。
当時は悪魔病と呼ばれ、人々を死に至らした。
僕の妻も19歳で悪魔病を罹った。
村で初めての罹患者であった彼女はこれ以上流行らないようにと生き埋めにされた。
森の奥深くに眠らされた。
人生で初めて愛した人を生き埋めにされて怒らない人間はいないだろう。
僕は反乱を起こした。
僕は少し強かったらしい。
すぐに死ななかった。
一緒に争った子供は死んだ。
いっそ殺してくれと願った。
何度かの争いで僕は死んだ。
夜光虫を引き連れて彼女の元に逝った。














次の僕が前の僕を思い出したのは彼女に再会したときだった。
僕は当然彼女も前世の記憶があるのだろうと疑わなかったが彼女は愚か、誰一人として信じなかった。
気味悪がり、親でさえ幼い僕を捨てた。
それでも諦めない僕に彼女は少しずつ心を開いたが、また彼女は病に伏せた。
それでも人目を盗んで彼女に会いに行った。
彼女は前世の話をする僕に言った。
好きな人をずっと覚えてられるのは幸せだねと。
そんなわけない。
思い出は何も語らない。縋り付くあても無い。
零れた涙はずっと君に届かない。
彼女はたった10で死んだ。
覚えていてと皮肉な言葉を残して。
僕はまた夜を生きた。















その後、何度生きても彼女は僕より先に死んだ。
4度目の彼女は天災で。
貴族に生まれた彼女は暗殺で。
妹だった彼女は自殺を。
戦渦だった彼女は餓死で。
いくつか前の彼女は交通事故で。
僕は彼女が死ぬたび守れない自分に嫌気がさす。
僕は彼女を守るために生まれ変わるのに。















現世で僕らは高校生をしている。
こう何度も生きていると上手に生きることを覚える。
この時代は平和を謳われる。
実際、人殺しを正義と叫ぶやつはいないし、医療進歩は目まぐるしい。
生きやすい時代だ。
それでも死はいつでも隣り合わせなことを僕が1番知っている。
その死から彼女を守ることが俺の役目。生きる意味。
忘れないし忘れられない。
僕は彼女に長く生きてほしい。それだけだ。















僕はとても久しぶりに彼女の恋人になった。
顔を真っ赤にして好きという彼女に僕の長年の恋心が一気に熱を帯びた。
彼女に負けないくらい顔が赤くなり、言い逃れできず晴れて僕は彼女と交際を始めた。
付き合うという行為をほとんど初めて行っている僕は何かをするたびに浮かれてしまう。
そんな僕を見て彼女は笑う。
あぁ、そうだ。
彼女はこんなふうに優しく笑う人だ。
彼女の笑顔に僕の心の靄が少し消えた気がした。














“運命って信じる?”
かわいい顔して聞く君に僕は愛おしく頭を撫でながら答えた。
“信じるよ。”
彼女は基本現実主義者だ。
世の中の科学や技術で証明されていないものは信じない。運命もその中の1つだと思っていた。
“珍しいね。”僕は思うがままに言ってしまった。
彼女は少し寂しそうに微笑んで言った。
“悔しいけど、受け入れなきゃいけないこともあるから。”
彼女はそう言っていつもより曇った笑顔を貼り付けた。
最近よくする顔だった。
彼女にその言葉の真意は聞けず、曖昧な距離のまま彼女を家まで送り届けた。














嫌なコール音が僕の携帯から流れた。
相手はもちろん彼女だ。
ただ、それが彼女じゃない可能性があることを僕は前世で学んでいる。
電話の相手はやはり彼女じゃなかった。
真冬の寒い中コートも羽織らず、1番嫌いな病院に向かっていた。
消毒の匂いだけで吐き気がする。
彼女の名前が書かれた病室には彼女と彼女の両親がいた。彼女はなんで…と呟いた。
両親は俺のいる経緯を彼女に説明した。
彼女は両親を責めたあと諦めたように二人を追い出した。僕はベッドの横の丸椅子に座った。
重たい沈黙を破ったのは彼女。
“ごめんね。”
貼り付けた笑顔。
僕は随分長くこの笑顔しか見ていない。
“何に謝ってるの。”
僕は少し強めの口調で言った。
彼女は俯いてしまった。また沈黙がうまれる。
“私ね、病気なの。”
勢いよく顔をあげるとまた貼り付けた笑顔があった。
それから彼女は病気の事について説明してくれた。
彼女は遷延性意識障害、俗に言う植物状態になる病気。
彼女は「人」として生きられる時間は限られていた。
そして僕は悟った。
彼女をまた助けられない。
“何もできないし感じないんだって。そんなの、死んだほうがましだよ。”
ポロポロと涙を零しながら彼女は吐き捨てた。
僕は瞬間にして頭に血が上る。
気がつけば彼女を強く抱きしめた。
“死なせない。もう死なせたくない。”
彼女の細い体が折れてしまうのではないかと思うほど、僕は彼女を強く抱き締めた。
彼女も応えるように手を僕の背中に回した。
そして僕は医者になった。
















彼女はあの告白後、19にして植物状態になった。
医大に進学した僕はどんなに忙しくなっても彼女に会いに行った。
相槌さえ打たない彼女に僕は前世の話を聞かせ続けた。
彼女はその3年後息を引き取った。
彼女を失ってからも僕は死ねなかった。
いつも彼女が死ねば何らかの理由で僕も死んでいたのに。卒業後は医学研究者として植物人間の研究と治療法について研究し続けた。
40を前にして僕の所属するチームが治療法を確立させた。一時のヒーローになった僕は素直に喜べなかった。
彼女と生きたい。それだけだった。
















治療法確立後、僕は研究職から身を引き、医者として総合病院に勤めた。
病院の拒否反応は治らず、今でも消毒の匂いに吐き気がする。
それでも僕は彼女を救えなかった現世の罰として彼女の最後に過ごした場所にいることを選んだ。
50半ばにして幼い子供が病院にやってきた。
まだ10にも満たない女の子。
事故により脳を損傷。
手術は成功したが脳に後遺症が残り、植物状態になってしまった。
そこでかつてのチーム所属者のいるこの病院に運び込まれたのだ。
僕は女の子をみて絶句した。
膝から崩れそうになるのをギリギリの精神で持ちこたえた。
ひと目見ただけでわかる。誰よりも救いたかった人。
彼女の生まれ変わりだった。
この子はなんとしても救わなければならない。

















その後はご察しの通り、治療により彼女は普通の生活を営めるほどに回復したよ。
今彼女は看護師になるべく勉強に励んでいる。
そういえば、昨日で22になったらしい。
僕も年を取るわけだ。
定年後は静かな村でゆっくりと過ごしているよ。
え、前世の記憶があってよかったか?
そんなのないに越したことないよ。
振り回されるなんて馬鹿馬鹿しいだろう。
でもそうだなぁ、大切な人との思い出をずっと覚えてられるのは幸せなことかもしれないね。
でももうおしまいだよ。
僕は来世では新しい僕だと思うんだ。
怖くなんてないよ。
きっとまた彼女に出会えるからね。
馬鹿にされるかもしれないけど、僕は運命ってあると思うんだ。

まな・2022-08-22
言ノ葉、ふわりと
長編小説
歌詞小説
長い夜を生きる理由
もう君はいないのに
海を眺めて
醒めない眠りに終止符を
思い出は、永遠に
後悔した過去と共に
タグお借りしました

「同性愛者ってだけで、差別するなんて酷い…

先輩だってそう思いません?」 


後輩である啓太は同性愛者ではないが

同性愛者に全く理解がない人物ではなかった。


「そう、だな…」

歯切れ悪く言葉を返す人物の名は彼方と言う。

周りにカミングアウトしていないが、実は彼は

自分と同じ男性しか(恋愛的な意味で)愛せない

言わゆる同性愛者であった。

が故に「同性愛者って "だけ゛」

という言葉に、内心傷付いていた。

悪意があって言った訳では無いと分かっている。

だからこそ余計に辛かった。


何故か?

それは同じタイプの人間にしか
分からない事なのかもしれないが、
散々苦労して、傷付いてもきたからだ。

気持ち悪いと言われる事もあれば、
異性愛者の知り合い(同性)から
自分を狙わないでくれよ等と

何故同性というだけで自分が狙われる等と思うのか

彼方側からしたらこちらにも選ぶ権利はある訳で
自意識過剰も大概にしてくれよと思う事もあった。

同性しか愛せない自分を責めて苦しんだりもした

何故自分は " 普通 " ではないのか。何故と。

女性を愛する努力もしてみたが、やはり無理だった。



そんな彼方にとって「だけ」という言葉は

自分の辛い過去を踏みにじられたような気がした。

また、そんな人には言えない沢山の辛さや苦労を

"だけ"という一言で纏められてしまうことに

内心悲しくなった。







近年LGBTQへの理解は広がってきているが

まだまだ受け入れられることが少ない時代だ。

彼方は、そんな時代の中で、やはり普通でない自分は

社会にとって異物でしかない存在なのだと

自己を否定される度に

強い孤独感を胸に抱く様になった。


でも嘆いた所で、現状は、社会は、何も変わらない。

きっとこのまま何一つ変わらない

息苦しい日々を過ごすのだろう

と思っていた。




そんなある日の事、


大学で知り合い、仲良くなった先輩が

全性愛者だという事を知る。

彼女は自分が全性愛者だと言うことを

周りに隠していない様だった。

いつ自己を否定されるか分からない中で

常に堂々としていられる彼女が

彼方は不思議に思えてならなかった。



(⬇)






「先輩は、全性愛者なんですか」


おそるおそる言葉を発した彼方。


周りには誰もいない。


彼方と彼女の二人きり。



「そうだけど、それがどうかしたの?」


先輩(彼女)は、臆することなく堂々と答えた。


どうしてそんな事を聞くのかと言わんばかりに

不思議そうに彼方の方を見る。



「先輩は、怖くないんですか」


質問に質問で返してしまう彼方。


なにが とは 、 彼女(先輩)は、聞かなかった。


「怖くないと言えばそれは嘘になるかな」

うーんと少し考える素振りをして

(彼女)先輩は、答える。



全性愛者である彼女もまた彼方と同じく

過去に、人には言えない辛い思い、苦しい思いを

沢山してきた。傷付いた事は数知れない。

心無い言葉を投げかけられる事もきっとあるだろう。

全性愛者という事を周りに公表してしまっている以上は


でも彼女(先輩)は、それでもいいと思っていた。



「彼方くんはさ、人が人を好きになるのは

いけないことだと思う?」


「いけないことだとは思いませんけど…」


何故そんな事を聞くのか。

質問の意図が理解できず

不思議に思いながらも

彼方は彼女(先輩)の目を見て答える。



「だよね」


よかったと言わんばかりに彼女(先輩)は微笑む。



「人が人を好きになるのは、悪い事ではないし

それをとよかく言う権利なんて

誰にもないと思うの。


だからね、恋愛的な意味においても

多種様々ではあるけど、仮の話

男の人が自分と同じ男の人しか愛せないとしても

逆に女の人が自分と同じ女の人しか愛せないとしても

それは何一つ、悪い事ではないんだよ。

性別がどうとか関係ない。


だから私は周りに何を言われても、

堂々としていられるの。

何が悪いんだって」


強い意志を感じる瞳で彼女(先輩)は

彼方を見ながら真剣に言葉を発する。


彼方はその言葉に胸を打たれていた。



「彼方くんが何でこういった話を振ってきたのかは
あえて聞かないでおくけど、もしそういった事で
悩んで、苦しんでいるのだとしたら、自分自身を
責める必要なんて何処にもないから、

周りに否定されたとしても、自分で自分の事を
否定する様な事だけは、どうかしないでほしいな」


胸の前で両手をぎゅっと握り締め、

今にも泣きだしそうに

彼女(先輩)が笑うものだから

彼方は何とも言えない気持ちになった。

それと同時に初めて理解者を得た様で、嬉しかった。



「ありがとうございます…」



何に対しての御礼なのか、彼女(先輩)は

全て見透かしているかのように聞かない。


実際彼女は、彼方が異性愛者ではないのか

と、どこかで薄々思っていたから。




「あ!後、気持ち悪いだとかキモイだとか

心無い言葉を言う人に対して、私はね、

何て可哀想な人なんだろうか、って

逆に哀れむようにしてるの。

他人の気持ちを踏みにじる行為は

人としてやってはいけない事だと

思ってるし?」


ふふっと何やら楽しそうに笑う彼女(先輩)

理由は過去の事を思い出して笑っていたのだ


今は強くなった彼女だが、

彼女も昔は、心無い言葉を言われる度に

深く傷付いていた過去がある。

何度も、挫折、絶望、言葉にできない事を

沢山経験して今に至る。


もし自分と似たように

好きになる相手が周りと違う事で

傷付いている人がいるのなら

彼女は少しでもいいから

助けたいと思っていた。


かと言って、今回の事で、後輩である彼方を

助ける事ができたかは、わからない。


ただ、少しでも心を軽くできたとするなら

彼女(先輩)は、ただそれだけで嬉しかった






目の前で俯き、泣き出した後輩(彼方)を

彼女は慌てて、抱き締める。


泣いている理由については、何も聞かない。

よしよしと落ち着かせる為に背中を摩るだけ




(なんで、なんでこうも)


彼方の思いはぐちゃぐちゃに混ざりあって

今まで堪えたものが涙となり溢れ出て

止まらなかった。


先輩の前で泣くなんて恥ずかしい。

そんな事考える余裕すらない程に




彼方は先輩が掛けてくれた言葉一つ一つを

胸に留めた。決して忘れる事のないように


















――――――――――――




彼女(先輩)は、彼方が泣き止むまで

ただひたすら背中を摩り続けていた。



泣くだけ泣いてスッキリした彼方が

我に返り顔が真っ赤に染まるのは

これまた別のお話___



「終」









あとがき



長いのに最後まで読んでくださり、

有難うございました。

黎明(小説垢)・2023-05-11
台本をなぞられた人生
君と僕らの色違い
小説
届け
長編
長編小説
同性愛
同性愛者
メイト🎀
感想くれると嬉しいです
不透明な僕ら
生を吐き出す

藍羽絵碧 (16)


「 小説書き 」

藍羽 絵碧_・2022-04-30
自己紹介
長編小説

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に391作品あります

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第53話︙温泉旅行④

日向Side

ダダダッ、と走っていると。ドンッ、と誰かにぶつかった。

峻「んぁ、日向?!なんでここに?…。もしかして当たったの?!」

兄ちゃんだった。…

日向「うん!兄ちゃんも乱くん達と来てるのか」

颯「はい!乱歩さんが当ててくれたんですよ!」

シグマ「ありがとな、」

乱歩「当然だろ?」

なんだろう、…安心した。………って、違う!

日向「兄ちゃん悪い、今、太宰に追われてるから!また夜に会おう!」

_____________________________数分後

あ、あれは…!?リムル、フェリシアーノさん、清隆、と空、白ちゃん?!

空「お~日向さん!お久しぶりっす」

空― ゲーマー、『 』の兄。賭けが上手い。

白「にぃ…友達?」

白― ゲーマー、『 』の妹。チェスが上手い。

日向「お前達!俺を匿え!」

フェリ「わ、わかったよッ!」

__________


太宰「おや、綾小路くん達、と、なんでそんなところにいるのかな?日向?」

日向「ッー!」

そう、今俺は…清隆の後ろに隠れている!

リムル「太宰か、あ~此奴、今日あった時からずっと綾小路にくっついてるんだわ」

太宰「へぇ?」

あ、まずい、…怒ってる…!

空「部屋まで送りますから。」

太宰「いや、連れて帰るから大丈夫だよ、空くん、白ちゃん」

綾小路「日向さんはどうしたいですか?」

え?俺?

日向「ん~!…はぁ…帰るわw、迷惑掛けたな。じゃまたバイキングで…」

空「そういえば、日向さん。なんで走って…」

日向「空!!!お前なら俺と同じ頭脳だからわかるだろ!!!」

翼 ☆🔹 🔹☆・2025-02-08
#最小幹部、守護神、自殺愛好家
長編小説


再投稿



ある夏の日の思い出




はるか昔の夏の日


川辺りに座っていた青年を


私は今でも憶えている





あれは、忘れもしない


中学二年の夏休み


祖母の家に遊びに来ていた


私は始めこそ珍しい里山を


見て回ったが







小さな子供ならともかく


既に娯楽を色々と覚え


都会に慣れすぎた私は







ハンバーガーやゲームが


恋しくなっていた。







その青年に出会ったのは


日の沈みかけた夕方


新鮮さを無くした


川辺りの道を







当てもなく歩いている最中で


か細い笛の音がどこからか


聞こえてくるのに私が


引き寄せられたからだ






笛を鳴らしていたのは…






真夏には似合わない


白い肌の青年だった


髪、肌、服、全てが


純白で、唯一瞳だけが






黒々と輝いていた


とても華奢で手首など


少し力を込めれば


折れてしまいそうな程だった





「こんにちは」





彼の声はとても甘かった


私はおずおずとこんにちはと返した


彼はとても綺麗だった








当時テレビで輝いていた


芸能人の誰よりも彼は


美しい姿をしていた






私は何故か彼から目を


離す事が出来なかった


この時私以外の人間が


この道を通らなかったのは





偶然なのか必然だったのか


今でも私には分からない




_話し相手が欲しいんだ


もし君が良いのなら


付き合ってくれないかい?





と彼は言うから


私は彼の隣に座った


彼は硝子の様な物で


できた細い笛を脇に置いて


私に幾つか質問をしてきた






_何処から来たの?


…東京の方


_ここの子供じゃないんだね


…お兄さんは?


…ここの人じゃないの?





彼は困った様に首を傾げた




_ここに住んで長いんだけれど


外を出歩いた事が無くてね


珍しいものばかりだね、ここは






彼は私の故郷の話を


凄く聞きたがった


彼はハンバーガーも


テレビもゲームも


知らない様子で








説明するのに骨が折れた


もし、もっと大人だったなら


あまりに浮世離れした青年の


容姿や言動にすぐ疑問を抱き


側を離れただろうが







当時の私は薄々おかしいと


思いながらもあまり気にせず


彼と会話を続けていた






話している内に蝉の声が


段々と小さくなり


辺りがオレンジ色に


染まり始めていた


私が帰ると言うと彼は


凄く哀しそうな顔をした






…お兄さんはどうするの?


_どうしようかな



…まだ帰りたくないのなら


うちに遊びにおいでよ


テレビとかゲームとかは


無いけど漫画ならあるし


おばあちゃんのご飯、美味しいから







夕日で体を橙色に染めた青年は


酷く驚いた様な顔をしてそして


泣き笑いの様な表情に変わった







_君は優しいね、


お兄さんと呼んでくれて


話し相手にもなってくれて


家にも招いてくれたんだもの






…だって、お兄さんは


お兄さんだし、それに


もう友達じゃない





_ありがとう、でも


僕はお兄さんじゃないんだ




…えっ、じゃあお姉さん?




_お姉さんでも無いよ


僕は唯の…出来損ないだ


こんな僕の事を友達だって


言ってくれて本当にありがとう






彼は少し


消耗している様だった


促されるままに


祖母の家に帰ったが


彼の言葉が気になって


まんじりとも出来なかった






あの綺麗な彼の何処が


出来損ないだというのだろう。


答えは次の日に見つかった。







翌朝同じ場所を訪れた私は


そこに一つ蜉蝣の死骸を見つけた


妙に気になったので、持ち帰り


図鑑を見ながら色々調べてみた所





その蜉蝣がオスでもメスでも


無い事が分かった、どちらの特徴も


すっかり欠けているのだ






中学生の私には


その意味は分からず


元の川辺りの柔らかい


土に埋めてあげた







今ならあれが何だったのか


よく分かる、あの蜉蝣は彼だった


一生の殆どを隠れて過ごし


つかの間の恋に身を焦がし







あっという間に


死んでゆく蜉蝣


やっと翼を得た彼が


自分に恋する資格が


無いと、知った時


一体何を思っただろうか。








そもそも彼は本当に


綺麗だったのだ。


今も昔も、彼より


美しい者なんて


私は知らない







彼の姿はずっと


網膜に焼き付いて


いつまで経っても


消えないのだ






こんな寒い夜に


彼の事を思い返したのは


ちらちらと雪が


降り始めたからだ






白い雪の中に彼が


紛れている様な気がして


ふと静寂の中に


透き通る様な淡い


笛の音を探した

垢変・2022-05-04
ある夏の日の思い出/By在瀬
小説
蜉蝣
目と目が合うと
長編小説
良ければ感想ください
失恋
青春
蜉蝣の儚い恋心

第51話︙温泉旅行②(結構長編

太宰Side

翌朝………

日向「わぁ、すご……綺麗…」

日向は思わず呟いた。まぁ、ホントに綺麗だったからね。

スタッフ「ようこそおいでなさいました。日向様方。部屋はこちらの鍵をお使い下さい。」

渡されたのは黒色のカードキー。

中也「確かに、スゲェ所だな」

太宰「凄いねここ。いったいどうなって…」

スタッフ「当店のホテルのテーマは宇宙です。皆様がこれから過ごすお部屋も宇宙がテーマとなっております。」

宇宙。わぁ、日向が好きそうなイメージ~。日向は口をパクパクさせていた。

中也「質問いいか?なんでテーマが宇宙なんだ?」

フョードル「確かに、僕もお尋ねしたいです。」

スタッフ「私共は本来。色々な月や星を観察する会社でした。いざ、建て替えるとなればテーマが必要ですよね?」

フョードル「確か、宇宙には様々な惑星がありますよね?ということはつまり…」

スタッフ「はい、ご想像の通り。様々な方々と触れ合い。そして新たな発見をしてもらう。これがテーマです。」

中也「成程な」

日向は目を輝かせながらスタッフを見た。

太宰「では、なんで選ばれた者しか行けないんだい?」

スタッフ「それは…。日向様が1番おわかりなんじゃないですか?…これは企業秘密なのであまり言ってほしくないですが。」

日向「スタッフさ~ん。云わないですよ~!!も~心配性ですね~!」

大袈裟に日向が云った。よし、これは聞く必要がありそうだ。…日向と二人きりになれる口実もあるしね!

スタッフ「それは良かったです。当店は、たくさんの方々が来られていますが。日向様のお知り合いもいるそうですよ?リムルさん…ですか?」

日向「流石ですね。リムルとは友人です!」

ワァ、日向またまた絡まれるんじゃ…

スタッフ「あ、言い忘れてました。あちらに浴衣があります。自分たちで選べるので時間のある時に。…また、卓球やカラオケ等といった娯楽もあるので、どうぞごゆっくり」

1番聞き忘れてたことを聞いてみる

太宰「露天風呂はありますか?」

スタッフ「はい、勿論ありますよ?バイキングもバーも各々充実しているかと…」

日向「え?なんですかそれ!最高過ぎますよ!」

気がつくと部屋の前にいた。

スタッフ「こちらがお荷物です。それでは良い旅を」

翼 ☆🔹 🔹☆・2025-02-06
#最小幹部、守護神、自殺愛好家
長編小説

第54話︙温泉旅行⑤

太宰Side

日向「あ、あのな太宰…逃げてごめん」

太宰「謝る必要ないでしょう?理由は分かってるんだから…それよりも日向、綾小路くんが好きなの?」

日向「ち、ちが…う…!清隆は友達として好きなんだよッ!」

一生懸命誤解を解こうとしてる様子

太宰「じゃあ、私は?」

日向「好き!//…恋愛的にも!//」

目を瞑りながら日向は云った。

太宰「ねぇ、日向を1日自由にできる権利…いつ使って欲しい?」

日向「……太宰がしたい時にして…?」

太宰「ふふ、ありがと、日向」

_______________________部屋にて

中也「お、帰ったか。」

日向「あ、うん…ただいま」

フョードル「大丈夫ですか?」

日向「まぁ、なんとか…着替えてくるよ」

______

日向「ど、どーだ?一応着てみたけど…]

似合いすぎでしょ?流石私!センスあるなぁ

太宰「似合っているよ日向!流石私の日向!」

ギュー、と抱きつく

日向「う、ひょぇ…//」

なんなんだ今の声?

太宰「日向、可愛いね」

日向「……ッ、//」

フョードル「寝る場所ってどうします?」

あ、フョードル…いい所で…!

中也「成程、シングルが2つ…」

日向「それさ~、バイキングの時に決めないか?」

翼 ☆🔹 🔹☆・3日前
#最小幹部、守護神、自殺愛好家
長編小説

第52話︙温泉旅行③

部屋にてパート1

中也Side

扉を開けると綺麗な景色…いや、宇宙空間が広がっていた。壁一面に

日向「……、…!!」

日向は無言で部屋を連写している。

太宰「へぇ、流石は宇宙がテーマのホテルだね」

なんて云ってる太宰も連写してる。

フョードル「なんだか、吸い込まれそうです」

中也「日向、手前もういいだろ?浴衣選びに行くぞ」

日向「え、え~!!ヤダヤダ!太宰!俺の浴衣持ってきて!」

太宰「はいはい、日向はその間何するの?」

日向「ん~、寝る!」

_____________________________浴衣選び終わり


帰ると日向は窓の外を見ながら座っていた。否、寝てねぇじゃネェか…

中也「日向、待たせたな」

日向「あ、おかえり、中也た……?!///」

日向の顔が一瞬にして赤くなる。どうしたんだ?

太宰「あ、そうだそうだ。日向の浴衣もあるよ?ほら」

日向「ぁ…、うん…。あ、あとで着るよ!置いてて!///」

スゲェ真っ赤だ。

フョードル「熱ですか?」

日向「ち、違っ……っ…//、お、俺…!ちょっとゲーセン行ってくる!!//」

そう云って、日向は部屋から出ていった。

太宰「多分あれは、私達が似合いすぎて顔が赤くなっちゃったんだろうね~」

ふふっ、と太宰が笑う。

フョードル「それにしても…日向さん。ゲームセンターに行って何するんでしょう?」

中也「さぁな、ま、太宰、日向追いかけてこい」

太宰「はいは~い」

後を追いかけるように、太宰も出ていった。

翼 ☆🔹 🔹☆・2025-02-06
#最小幹部、守護神、自殺愛好家
長編小説

第55話︙温泉旅行⑥

中也Side

バイキング パート1

バイキング会場に行くと、峻さん達もいた。

峻「あ、日向~!隣座りなよてか一緒に食べない?中也くん達も!」

中也「はい、あ、此奴もいいですか?」

颯「は?…日向兄さん、まさか…此奴まで恋人とか」

乱歩「違うよ颯、日向はこんな奴好きにはならないよ」

お~早速云われてるな

フョードル「おや、ですが日向くんは先程、僕の浴衣姿を見て顔を赤くしていましたよ?」

シグマ「ほ、ホントなのか日向?!」

日向「ははは、オレがこんな奴になんかドキドキしてないし、するわけねぇ」

太宰「だよね~!さっすが日向、!日向がドキドキしたのは私と中也だろう?」

ブワァ、と顔が赤くなる日向。

空「あ、日向さ~ん!」

日向「そ、空?!//」

綾小路「なんで顔が…あ、太宰さん達ですね」

リムル「ッたく、日向はそんなに好きなんだな」

白「にぃ、…日向、顔真っ赤」

フェリ「お幸せにね~!」

日向「わ、わわ!違う違う違う!なんでだよ~!//」

中也「ンで、寝る所はどうする?」

日向「あ…」

なんも考えてなさそうだな

太宰「勿論!私と寝よう!」

中也「はぁ?…ここは俺とだろ?!」

フョードル「僕ですよね?」

峻「待てや、お前はオレが許可してないんだわ」

颯「はい!フョードルはまだ許可出来ませんし!」

翼 ☆🔹 🔹☆・2日前
#最小幹部、守護神、自殺愛好家
長編小説

先 輩 は 今 日 も 優 し く な い 。
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸

𓏸𓈒 𝑷𝒓𝒐𝒍𝒐𝒈𝒖𝒆__ 🎞♡︎

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「あの、先輩っ。」

『ん?…って後輩じゃん。』

「…そろそろ後輩呼びやめて貰っていいですか??😞」

『え、やだ。』

「こっちも嫌なんですけど?」

『ふーん。』

‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸

ひとつ学年が上の先輩に恋をしました。
でも、わたしだけ冷たいんです。
片思いなのかな…😿💭
ねぇ、先輩。わたしのことどう思ってますか?
‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸

𓏸𓈒 登 場 人 物 ‪🌷𓈒 𓂂𓏸

໒꒱ • 如 月 り な ⌇ き さ ら ぎ り な

高校𝟐年生 ┊︎ 先輩に恋してる


໒꒱ • 平 野 紫 耀 ⌇ ひ ら の し ょ う

高校𝟑年生 ┊︎ サッカー部
好きな人にはツンデレ
‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸

初の長編小説…🙌🏻❕
ゆいたんのみて書きたくなったんです^ᴗ ̫ ᴗ^

恋愛小説です😣💘

毎週金曜日に更新予定です😽💞

𝓡𝓲𝓷𝓪. 🥞‪‪❤︎‬・2022-09-14
先輩は今日も優しくない。
ひらりな♡
✧ひらりな𝙽𝚘𝚟𝚎𝚕⏱️✧
長編小説
ひらりな𝚛𝚘𝚘𝚖.🎀🐾

第56話︙温泉旅行⑦(( ラスト!

日向Side

部屋 パート3

なんやかんやあって、中也とフョードルは兄ちゃん達の部屋で寝ることになった。

日向「よしっ!!フョードル居ない!!最っ高!」

太宰「ふふ、私もだよ」

そして、太宰と俺は同じ部屋で寝ることになった。

日向「んじゃ、おやす……ひゃっ」

太宰「おや、何勝手に寝ようとしてるんだい?」

耳元で話すな~///!!!

日向「いや、って…寝る時間だから…ンっ」

___________________________


太宰Side

日向「太宰!寝るから!離して!」

日向…可愛い…

太宰「一緒に寝ないかい?昔みたいに」

ピタッ、と日向の動きが止まった。

日向「お前……、ついに馬鹿になったのか?2人も入れないだろ!しかもシングルだぞ、シングル!」

太宰「大丈夫大丈夫~、ね?」

グイッ、と日向を私の方に向けさせる。……顔が赤くなっていた。

太宰「ほんっと、私の前では素直なんだよね~、昔から変わらない」

日向「い、…それは、お前が親友で…1番信頼してたから//」

太宰「実は私も誰よりも日向を信頼しているよ?今もね」

日向「え?、中也は?」

太宰「まぁ、アレが居なくなったら日向悲しむでしょう?だから汚辱を使った時に毎回止めるのだよ、私」

日向「あ、…え?……うん、ありがと?、でいいのか?」

少し戸惑う日向。私は日向の前だとホントに素直になる。全くまだまだだねぇ

日向「はぁ、仕方ない…寝るか!一緒に!」

太宰「そうしよう!」

それから一緒に寝たのだけど…

日向「すぅ、…」

日向に気づかれずに呟いた。

太宰「日向、誰よりも好きだよ、愛してる」

日向を抱きしめた。今までで1番優しく……

翼 ☆🔹 🔹☆・1日前
#最小幹部、守護神、自殺愛好家
長編小説






【喫茶:エンゼルランプ】








もしも、
生死をさまようぼやけた世界に









小さな喫茶店があるとしたら、















ーあなたは入りますかー














「はぁあ…、」


ため息をつく彼はトキワという




高校二年になったばかり






彼の名を変な名前と思うやつは多い







じゃあトワでよくねー?とか





何でカタカナなん?テスト楽そうーとか




・・
時は満ちた!!といじられたりもする







彼は学校が嫌いである






いじりが嫌いな上に人見知り






未だ友達とまで呼べる人がいない





しかも帰宅部





部活でのトラウマから抜け出せないのだ






「もう俺…学校行く意味なくね、?」




ホームのいす腰掛けながらぼそりと呟く







両親には恵まれている
だが共働きで話せる時間が少ない






相談が難しいまま
雇った家政婦も家事ばかり









もうすべて忘れてしまった気がする






友達のつくりかたも、







愛し方も






友達とは何なのか、とさえ思ってしまう








今日に感謝して、愛する







それはとても大切なことだろう







だけど、彼はもうそう思える感情がない





ない、というより見えないのである








「…、どこが、出口なんだろう」





暗い道の出口は、、もう、










『にゃあ』













「、え」




駅のホームに子猫がいる





何で??普通いないだろ、と




困惑する彼をあとにして





子猫は線路へ向かっていく






電車が到着する、というアナウンス









(…危なくね、?)







そんな気持ちが行動になる






子猫をひょいっと抱っこして





またいすへ戻ろうとすると








『にゃーっ!!』




突然暴れ出す子猫







「!?っわ、暴れんなっ、…!!」






バランスは崩れ線路を飛び出す






周りは叫ぶだけ、何もしてくれない









(もう、いいや)







子猫は助けようと






悪いけどホームへ投げ出した、


















はずだった




















“カランカランッ”














電車でもない、何か聞き覚えのある、







そうだ、オシャレなカフェに入ったときの、







「…、は?」






目を開けば木造のオシャレな店内





優しく香るコーヒーの匂い






目の前にはダンディーな老人







老人(店主)「?あ、起きたんか、」









(いやいや、え??)









恐怖さえ感じる驚きを隠せず









ただカウンター席から








彼はぼーぜんとしていた











To be continued







ーー
長くなったので前、後、で分けます

ここまで呼んで下さった方、
ありがとうございます!!!

春陽(はるよ)・2022-05-23
小説
長編小説
喫茶:エンゼルランプ
ポエム





長編小説



少し狂った世界の方が




生きた心地がして___。




















私、この世界住みにくいわ



だから少し遠くに逝く。





そう言って



私は空を駆けた




一瞬の出来事




私は死にたがり




ずっと居場所を探してた。






空に手を伸ばして


「空の青さに手を浸したい」



なんて言った。



"馬鹿だな"そう自分でも思って



いつもそばに居てくれる彼女




幼なじみの逢羅



逢羅は、幼稚園からの


友達で、家が近くて、


いつも一緒だったな。



そんな彼女へ私は言う


「ねぇ、逢羅


私たち大人になっても



ずっと一緒だよ」



そう言う私



その約束は



私たちが15の時に


無くしちゃった。



私が自殺を図るから。



11月の16日


紅葉が綺麗だった日



そして私の誕生日。




私は紅葉と共に散る__。




手紙が届く



私のLINEに。



今日は2年後



私は17になる



そんな私に逢羅は誕生日プレゼント


に手紙をくれる


乃彩へ




手紙って言っても、



貴女に届く訳じゃないけれど




私なりにお手紙届けるね。



お誕生日おめでとう



17歳だね。




貴女との出会いは



幼稚園からの仲で


2年前までは


ずっと一緒だったね。



乃彩っていつも


思うんだけど、



どこか抜けてて変だよね



悪口になるから




これ以上は何も言わないけれど




アンタのせいで




私の幸せが2倍になったわ





"おかげ"とは言えないけどね




だからこそ、





貴女が居なくなった時からの






この心は今までにない





辛い気持ちでいっぱいだからさ








でもね、もう私も前を向こうと思う




いつも上を見て




乃彩の事を思ったところで






貴女はもういないし、



私にできることは




貴女の事を思い出して





胸が痛くなる、そんな事しか





出来ないのだから、






それなら貴女のことだから





前を向いた方がいいと思ってね。





私と貴女が出会う頃は



多分もっと先で



私の髪が白くなって




声が低くなって






全く今の私とは別人かも



しれないけど




それまで待っててほしいな




"寂しい"とか言って




泣かないでよ?





泣かないか笑笑






貴女との日々は





何処か懐かしくて






何故か、新鮮で




心地がよくて





都会に住んでいる気分で





風に吹かれて、揺れる髪すら



楽しそうにしてた。





貴女が私の人生で




大きな想い出だし




宝物です。






大好きだよ












そう送られた。





逢羅は何故か海に足を浸けて




思い切り叫んだのだ。





返事くらいしてよ___。




そういうから




私はどうする事も出来ないけれど




必死に願った



神様_



どうか、彼女が


私のことを忘れて


前を向いてくれますように_




スマホを見る逢羅






返事がないのはもちろん




だけど、



既読が着いていたらしい




神様、ありがとう



逢羅、ありがとう__。

澄香・2022-10-01
長編小説
友達
幼なじみ
今亡き君を想って。
独り言
夜空に浮かぶ宙に舞う桜
約束と彼女の世界

"前を見ろ"と言われ前を見た

沸々と湧き上がる溶岩の真ん中に
ズドンと佇む大きな屋敷


"あれが俺の職場だ、着いてこい"


男に置いていかれないよう
小走りで隣に並べば
入り口のようなものが開き
ゴツい服を着た人が出てきた


"これが死神か?"

"嗚呼、死神に見初められた人間だ"

"名はなんという"

"…忍部 和流(しのべ かずる)"

"どちらで呼ばれるのが嬉しいか"

"どっちでもいいよ"

"忍部、"

"なに、?"

"まずは服を着替えよう
そのままだと人だと分かる"

"たしかに
悪魔が来たら食われるね"

"悪魔、来るの、?"

"普段はいないけど月一回、
見回りに来るんだ、それが今日"

"最悪じゃん…??"

"まぁ入れ、話はそれからだ"

"バル、お前は仕事に戻れ"

"はーい♪"

"じゃあね、カズル、また後で"

"うん、バル、またね"

"あ、バリュウ・ガドー
俺のフルネーム"

"バルは愛称ね"


フードの男はバリュウ・ガドー
という名前らしい

"バリュウさん"と呼べば
"バルって呼んで"と直された


"私はショーシ・ダンガ、
閻魔様の護衛だ"

"あいつは、…バルは、
私と同期で一番の雑魚だ"

"ショー聞こえてっかんな!!
誰が雑魚だよ!!!"


仲がいいんだろうなぁ
と困惑ばかりの現実から
目を逸らした


"これを纏って入れ
バレる確率が下がる"

"はい…"


赤黒い血のようなマントを渡され
それを体に纏った


"フードもだ"


フードを被りツカツカと歩く
ショーさんの後ろを着いていく


"そんな固くなるな、バレるぞ"

"いや、でも…"


鬼がいるなんて聞いてないし
人が溶岩に沈んでいくのを横目で
見なきゃ行けないとか拷問だよ…


"忍部はもう閻魔族の一員だ"

"胸を張って歩け"

"…はい"


出来るだけ胸を張って前を見たら
大きな扉が待っていた


"あれは…"

"閻魔様の部屋だ"

"後に挨拶に行くが
次々と飛ばされる人間たちを
見るのはまだ早いだろうから
また今度でもいい"


その言葉を聞いて言葉を失った

僕は死神で落ちてくる人間達を
多分…切るんだろう

本格的に戻れないと
言われているようで
背筋が凍った音がした


"…大丈夫だ
まずはこの生活に慣れろ"

"話はそれからだ、入れ"



ーーーーーーーー

登場人物紹介でーす

・忍部 和流 (シノべ カズル)
 死神に見初められた人間
 年齢は特に決めてない
 まぁ簡単に言えば未成年です

・バリュウ・ガドー
 フードの男
 外では強い口調だが
 地獄に戻るとほんわかに戻る
 カズルを連れてきた人
 一人称は俺 愛称はバル

・ショーシ・ダンガ
 閻魔様の護衛隊隊長の偉い人
 バルと同期
 一人称は私 愛称はショー


あと次回はもう一人出てくるよ

🌸🌻🍁❄️・2024-10-18
神に染められた地獄の果て
ホラー
長編小説
光の中で輝く星
↬10月

〈小説〉


ー注意ー
・bのlかも......
・神秘的に書きたかった!!!!
・稚拙な文でございます
・前編です










〈君との契り〉



愛なんて、知らない。



少し霧がかかって

肌寒い日。

少し目を擦って

布団を畳む


だだっ広い和室に

ただぽつんと置かれた布団

もう見慣れたが、

随分とこの部屋は寂しいものだ。

いや、

この部屋以外も何も置いていない

ただ埃被っている畳があるだけだ。


その部屋を後にして

障子を開け、縁側に出る。

庭にある紅葉がもうすぐ色付きそうだ

今年も綺麗に彩るだろうか


風が吹いて

体をブルっと震わせる

台所に行って

ご飯を作らなければと

足早に台所に向かう


僕は一人暮らしだ。

六歳から今までこの家で過ごしてきた

山の奥にある小さな小さな村

その村から歩いて十分程度の所にある

僕の家


この家は不思議なことに

玄関前に鳥居がある

聞いたところによると、

この辺は神様が出入りするとか、


神様のお嫁様にされる、とか。


だから、この一人暮らしは

俗に言う「花嫁修業」と

言われるものだろうな。


まぁ、僕は男だから

妊娠も出来ないし

きっとお嫁様になることは

ないだろうと、心に言い聞かせる。


神様が此処に降りてきて、

僕を何時連れ去るのか、

僕にも、誰にも分からかない。

朝、ふと起きているのか

昼、うたた寝してる時にいるのか

夜、眠る前にいるのか。


けれど、一つ言い伝えがある。

それは、神様は"秋の新月の日"に

白い着物を身に纏い

周りの神霊達が鈴を鳴らしながら

鳥居の真ん中を歩き

代々この家に"献上"された者達が

連れ去られるらしい。


神様は、紅葉が色付く前に

僕を連れ去ってしまうのか。

十年近く見守ってきた

あの紅く燃え上がるような

儚い紅葉を、見られずまま

連れ去られるのか。

少し寂しくなってきてしまった


ネギと大根が入っている味噌汁

唐揚げと漬物

それに主食の白米


それをお盆に乗せて

居間に運ぶ

広い部屋に、ただ一つの机。

静かな部屋で

独り手を合わせて、


「今日もいただきます」


ただ一人、黙々と食べ進める。

母と、父と、姉と、弟と、

一緒に机を囲んで食べたご飯が

懐かしい。

少し涙ぐみ、グッと堪える。


「ご馳走様でした」


また手を合わせ

台所で皿を洗う。


こんな生活が

十年以上続いているんだ。

何で僕なんだろう

他の人でもよかったじゃん

家族ともっといたかった

何回も考えて

何回も思ったけれど、

次第に"しょうがない"と

頭が理解した。

理解しないと、壊れてしまうから。


実はこの村ではしきたりがある

とても昔に、

神様を怒らせた子供達がいたそうだ。

子供達はその一週間後に

急死したらしいが、

神様の仕業だか

未だに解明されていないようで。

それでも神様の怒りは治まらず、

村に雨を降らせなかったり

地震をおこしたり

火事をおこしたり

その災害を止めるべく

考えたのが

"生贄"だった。

村の人間達は、

七歳未満の容姿の良い

子供を探し、

村から離れた所に

家を作り、

生贄はここだぞと

鳥居と言うしるしをつけ、

子供をそこに独りで

住まわせたらしい。


大人達は

食物を定期的に持ってきたが

子供に会わずに

十年以上、独りにした。


十五年くらいか。

そのくらい経ったある日、

定期的に届けていた

食物が減っていないことに

気付いた村の一人が

その当時の村長に報告した。


単刀直入に言ってしまうと、

その子供は跡形もなく

いなくなっていたらしい。

その子供が最後に座っていたであろう

その場所に、置き手紙が一つ。


「許してやろう

次も楽しみにしている」


子供の字では、

なかったという。


その子供がいなくなった直後は

とても穏やかな時が続いた


神様の言っていた

"次"とは

その年に一つ、

災害がおこる時。

それが"次"の合図だそうだ


その年に運悪く

生まれてきたのが僕だった

僕の容姿は特別醜くはない

僕以外に一人候補者がいたが、

その子は病に伏せてしまって

僕になってしまった。


今年で十七歳

もうすぐ、迎えが来ても

おかしくない年になってしまった。


そう言えば、

もうすぐ新月だったな。

縁側で茶を飲み

考えていた


太陽が暖かい

包まれるような感覚に陥って

こくり、こくり、と

眠りそうになる。


「このまま、連れ去られて

この寂しさを紛らわしてほしい」


なんて、僕は贅沢すぎる。


鈴の音が聞こえたと同時に、

僕の意識は途切れた。



「やっと、会えた。」



















「ん......」


いつもより

布団がふわふわしている気がする

そして暖かくて、

固くて.........固い?


「あ、起きた?」


僕の寝ている横に

物凄い美貌の男が

僕の目を真っ直ぐに見つめていた

何より、驚いたのは

......全裸だったんだ。


「ぎゃあああああ」

「うわっうるさっ」

「あっ、すみませ、」


そう言いかけると

とても美しい顔が近づいて

僕の唇に口付けを落とす

あまりに一瞬のことで

混乱してる僕に

優しく笑いかける美しい人


「"ごめん"はあまり好きじゃないね」

「そう、でしたか。」

「ごめんね、いきなりキスして」


甘い声で囁かれると

自分が自分でなくなりそうで

とても怖いけど、とても心地よかった。


「そういえば、自己紹介してないね

俺から紹介するね。

名前は"常若ノ神"っていう

堅苦しい名前があるけど

気軽に"常若(とこわか)"って

呼んでもらっていいからね」


「僕、僕の名前は、伽和(ときわ)です

呼び捨てで呼んでもらって構わないです

えっと...年齢は十七歳です。

これから、よろしくお願いします、」

「うん、よろしくね。伽和くん」

「はい、えっと、だ、旦那様?」


上目遣いになってしまっただろうか、

尻軽なやつに見えただろうか、

ピタッと止まった

だ、、旦那様を見て

不安が積もっていくばかりで。


「あ、もしかして、

旦那様って嫌でしたか?

じ、じゃあ直すので。

えっと、」


凄く惨めに見えただろうな

こんな焦って

きっと空回ってる

というか、何でこんなに

旦那様の目を気にしてるんだろう

あぁ、もう何もわかんなくなってきた。


頭がこんがらがって

まだ、時が止まっている

旦那様を見て

泣きそうになって俯く。


こんなことになるなら、

言わなければよかった。


冷たく沈んだ体が

暖かい何かが包んだ


「いや、凄く、凄く嬉しい。」


旦那様は

それを噛み締めるように

言っていた


少ししか見えなかったけど

真っ赤になった旦那様の顔が

とても可愛らしくて、愛おしくて、


あ、これは、僕、


恋をしている。


〈ー続け!ー〉

游來・2022-11-18
君との契
長編小説
bのl
何故全裸だったのでしょうか????????
思った以上に長くなったので
前編後編に分けることにしました
それに加えて学級閉鎖で五連休になったんで
余裕で書きまくります
続け!!!!
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