はじめる

#4

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全375作品・

“あえて”君に恋したら

君はなんと言いますか?

“友達”じゃなくて

貴方の彼女になりたいです

しゅな・2021-08-08
後悔
寂しい
遠距離恋愛
おすすめ載ったポエム
4

愛が哀に変わるのは

諸行無常の理を表す


哀を知ってる私だから

貴方の痛みを理解出来る


哀を知った貴方だから

誰かの痛みを理解出来る

茅草朱莉・2023-12-27
哀の痛み
ポエム
4
愛と哀
諸行無常
理解
貴方
知った
誰かの
理解者
なれる
おすすめ/by𓍯𓈒𓏸︎︎︎︎
100/𓍯𓈒𓏸︎︎︎︎
感傷のうた
茅草朱莉*
言葉のお遊び

生きてる理由なんてない




消えたいけどそんな勇気が無い




もしかしたら、




心のどこかではまだ生きたいって




思ってるのかも…






でも辛いよ

無理なんだよ

自分でもどうすればいいのか分かんないよ

生きてても自分は必要ないから

誰がに必要とされたかった

😑💭・2023-08-28
4
スクロール

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に375作品あります

アプリでもっとみる

もし俺達の出会いが運命なら
生まれ変わってもまた会えるだろう

月城 優羽・2021-06-27
4
運命の人

4

ミルクチョコレート🌟 _//✨🌙✨💫🪐💫・2023-09-06
4

解けかけの赤い糸は

無理矢理結ばないで

結んだときより優しく

そっと解いて欲しいの

淡純・2023-05-30
赤い糸の解き方
4

下を向いて生きていたって

転ばないわけじゃないのに

淡純・2023-12-21
涙色の雪解け
4
捻くれ者の曲折世界

ただこの時間だけが欲しい

立花 ひかり・2021-04-26
このままずっと
好き
4




『恋』




憧れなのか

恋なのか

叶わぬと知っていながら

君への想いに気づいてしまったんだ

葉月・2023-05-08
4
バレーボール
初恋

このまま付き合っていても

あなたに迷惑をかけるかもしれない

嫌な気持ちにさせるかもしれない

でも、どうしても

別れたくない

そう思うのはダメですか

🐬_低浮上・2021-08-21
4

Part4
「愛と殺意」

傷つけたいぐらい愛してる
紛れもない私の中の感情
でもわからないよ
この感情が殺意を帯びた愛なのか
愛を被った殺意なのか
私にはわかんないよ
君から受ける傷は愛で
刃物のように私を切り裂く
心を壊して笑いやがる
お前が嫌いだ
愛してるよ?‪w
貴女が型どる愛も
私の大切なもの
でもさ貴女の言う
愛してるって
本物なのかな
何割が愛?
何割が欲で
何割が優しさなのかな
私には測れないよ
割り切れないその感情が嫌い
貴女を愛する私
貴女に執着する私
貴女を憎む私
どれが1番重くてどれが1番本物なの?
私にはわかんないからさ
耐えきれなくてまた夜に沈む
貴女の心臓を握りしめながら

七望『現在使われておりません』・2021-08-14
天秤愛
4
フィクション

-4-

お姉さんはあなたを描かせてほしいと悲しそうに言って
キャンパスを出してきた

万年筆みたいな尖っているペン先を紙の上に置いた
すると体がチクッとした

ペンを進めると、赤い線が描かれた
体がチクチクして痛かった

それが血であること、ワタシのものだということが察せた
線が描かれるたびに体が疲れていくことが感じ取られた

お姉さんはキラキラ輝いていくような気がした

絵はとても綺麗で完成が近づくにつれて、
ワタシは立てなくなり、意識が朦朧としだした


----

自殺仲間募集・2024-04-11
4
夢の中

ずっとずっと笑い合っていれますように

想空/soa【一言】・2021-04-23
4
友達








STRAWBERRY MOON
特別編















すれ違い 4

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
華帆Side
PM7:00

「……」

『……赤井さん…、』

パーティー会場の扉にもたれる赤井さんを見る。








数時間前

私は、昴さんに連れて行かれ、あるホテルに向かった。


沖「フロントでの受付は終わったので、部屋に向かいましょうか」
『……部屋?、え?』
男と二人きりで部屋に行くとは、……。

沖「あ、勘違いをしないでくださいね。ドレスを部屋に置いてあるんです」
『…あ、…はい、』
少し勘違いをした自分に顔を赤くする。


私達は部屋に向かった。

『……これは、』
沖「華帆さんのために何着かご用意いたしました」
『……』
この男の人は一体何者なのか、そう怪しむ。

沖「この中から選んでくださいね。私は部屋の外にいるので」
そう言って、部屋を出た昴さん。

『……選べって言われても、』
数着のドレスを見つめる。
どれも綺麗で、私には似合わないと思った。
だが、外に昴さんを待たせてしまっているので、1番気に入った裾にレースのついている黒色のドレスに決め、試着した。



コンコンコン

『はい』
沖「華帆さん?入りますよ」
ドアを開けた昴さんは、顎に手をあて私を見る。

沖「…ほぉー、。」
まじまじ見られると少し恥ずかしかった。
『…どう、ですかね、』
沖「…かわいいですよ」
そう微笑んだ彼。

“かわいいな”

前にドレスを着たときに赤井さんに言われたことを思い出す。

『……』
彼は元気だろうか、私を心配してくれているのだろうか、……今、あの女の人といるのだろうか。
色々と、気になった。

沖「……華帆さん?」
心配そうに私を見つめる彼。
悲しそうな顔をしてしまっただろうか、。
『いえ、なんでもないです』
そう彼に笑いかける。

沖「……そうですか、。ドレスは決まりましたね。では、次に行きますか」
『次?』
沖「はい。美容院に行ってから、会場に行きましょう」
パーティーは7時半からなので早めに、と歩く彼について行った。

美容院に行き、髪をまとめてもらい、化粧をしてもらった。
美容院の外へ出ると、一台の黒い車が止まっていた。
昴さんがドアを開けてくれて、車に乗った。

沖「華帆さん、この車はそのまま会場に向かいます。僕は他の用事があるので、ここまでです。楽しんでくださいね」
笑顔でそういう昴さん。

『…そう、なんですか、。』
沖「おや、寂しいですか?」
『ち、違います!少し心細いだけで…』
沖「……大丈夫ですよ。貴女をお待ちしている方がいますので、安心してください」
そっと私の頭に手を置く彼。
それがなぜか、赤井さんに似ていた。

微笑む彼を見つめる。

『……ありがとうございました』
沖「いえ、お気をつけて」

私は昴さんと別れ、会場に向かった。
















そして、今。
目の前にはなぜかパーティースーツを着た赤井さんがいる。

『……どうして、』
「…他の男に連れて行かれた君を連れ戻すためにな」


そう言って私に近づく彼。
安室さんのことだろうか。

昴さんが言っていた待ち人とは赤井さんのことだったのか。

「……華帆、」
『…っ、なんで?赤井さん、、なんで、なんであの時、女の人とキスしたの、?』
「……」
『私は、赤井さんのこと信じたかった。でも、わからなくて、』
そう言って涙が零れた時、赤井さんにキスされた。

私が欲しかった、私が求めた温もりだ。

『…っ赤井さん、なんで?』
彼は私を抱きしめた。
「……すまなかった」
『っ、』
「…華帆を傷つけるつもりはなかったんだ、。今の任務で、ある組織側の女を捕まえるための指示だったんだ。組織の情報を聞き出すために彼女に近づき、落とすためのな。昨日、やっと組織のことを吐いたんだ。……まさかあれを、華帆に見られているとは思わなかったが、」
申し訳無さそうに私を見つめる赤井さん。

「…本気のじゃない。それだけは信じろ」
『……仕事のキスでも、嫌、』
「フッ、まいったな。…安心しろ。もうこういう任務は断ったからな」
『本当?』
「ああ、」
『よかった、』
安心からか、私は彼に抱きついた。

『……好き。…赤井さん、大好き』
「フッ、俺も好きだ、」


私達はもう一度キスをし、パーティー会場に入った。
会場はあるホテルの大部屋を使われての開催だった。



会場にはたくさんの人がいた。
皆綺麗なドレス、化粧もバッチリだった。
今更ながら、昴さんに感謝せねばと思えたのだ。

赤井さんは私をエスコートしてくれた。
パーティーが苦手なのを知っているのだろうか。

「…ドレスかわいいな」
『ほんとですか?やった!昴さんという方に用意してもらったんですよ』
「…そうか」
『途中で用事って言って別れたんですけど、いい人だったんです!』
「フッ、よかったな」

彼はそう微笑んだ。

昴さんとは、またいつか会えたらいいと思えたのだ。


『んっ!これ、おいしい、』
たくさんの料理やデザートが並ぶブュッフェに来ていた。

「フッ、早速デザートとは、」
『いや、見た目かわいいのに、味も美味しいって、すごいです!流石ホテルのパティシエだな、』
客に挨拶をする女性パティシエの松岡さんを見る。

「…知り合いなのか?」
『まぁ、そんな感じですね。両親が参加したパーティーに来ていたこともあるので、顔見知り程度ですけど、』
そう答えて、お酒を片手に持つ赤井さんを見た。

すると、ペコペコ頭を下げていた、松岡さんが私に気がつき近づいてきた。

松「海波さん、お久しぶりです。」
礼儀正しく頭を下げた彼女。
『こんばんわ』
「こんばんわ」

松「お母様のお友達の披露宴以来ですかね。大人っぽくなられて、。…そちらの方は?」
『あ、こちらは私の、』

“彼氏です”

と、俯きがちに小さく呟く。
赤井さんが隣にいて、そう言うのは恥ずかしかった。

松「そうなんですか!お幸せに」
にこっと笑う彼女。
『あ、ありがとうございます、』
「フッ、」
おどおどしている私を笑う赤井さん。

松「フフ、…ではまた、」
『はい、またお願いします』
松「じゃあ、今度はお二人の結婚式に呼んでくださいね」
『なっ!ま、松岡さん、』
松「では、」
そう言って去る松岡さんに顔を赤くする。

「フッ、真っ赤だな」
『…っ、』
頬に触れる彼の手。
私より背が高い彼を見上げるように見る。
「……、」

私を見つめる赤井さんは手に持つお酒のグラスを置き、私の手を引きベランダに出る。



「……華帆、」
『…はい、』
「そういう顔、他でするなよ」
『え、?』
少しずつ近づく彼の顔。
小さなリップ音が聞こえ、顔が離れる。

「また、他の男に襲われるぞ」
『っ、……』
その言葉には少しの怒りが入り混じっていた。

『……知ってたの、?安室さんとのこと、』
「……助けに行かなかったわけではない」
『…じゃあ、なんで、?止めてくれなかったの、』
「……華帆が拒むと思っていたからな」
『…拒めなかったらってこと、考えなかったの、?』
「…それは把握していなかった」
彼の言葉に私は俯く。
赤井さんは私を信じていた。
でも、私はそれを裏切ったのだ。

『………拒めなかったの、』
「……」
『…少しでも、欲しかった。誰かの温もりが、』
一粒、涙が零れた。

「……」
『…私、赤井さんを裏切っちゃった、』
「……」
『……赤井さんが好きなのに、安室さんのこと求めちゃったっ、』
「……」

『……ごめんなさい、』
「……」
『……私のこと、…きらいにならないで…、』
彼のスーツを握る。
怖かった。
彼が離れていくのが怖かったのだ。



「………華帆、」
上から彼の聞こえた。
『……』
彼を見上げる。
「……俺も勘違いさせたんだ。お互い様だ」
『……でも、』
「泣いた顔は見たくない」
私の頬につたる涙を拭う彼。

「……怒っていない、と言えば嘘になる」
首元に触れる彼の手。

「…安室くんに付けられたのか」
『…え?』

キスマーク、とだけ言う彼。
『キ、キスマーク?!』
ポーチから鏡を取り出し見てみる。

『あ、いつの間に、』
「随分お楽しみだったようだな、」
『いや、違くてっ!私は赤井さんしか好きじゃないし、赤井さんのこと愛してるし!…………あっ、』
自分で恥ずかしいことを言い顔を赤くする。

『い、いや、今のは、その…』
恥ずかしさで俯く。

「フッ、」
私を笑う彼。
『……、』
「……このマークを消さねばな」
『…え?』



赤井さんは私の手を引き、会場を出てホテルの最上階に向かった。

最上階の一部屋に入ると、壁に押し付けられた。

『っ、!』
「……上書きさせてもらうぞ」
そして、強引に私にキスをした。

『っ、』

押しても力が敵わなかった。
男が本気を出すと、力が本当に敵わないということを知り怖くなった。

『…赤井さんっ、』
「…華帆、」

私を抱き上げ寝台に寝かせる彼。
少しの恐怖と、彼への想いに気持ちがつまる。

「……二度と渡さないからな」
『赤井さん…、』



“愛してる”

私達の夜は始まった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーEND







裏話











赤井Side
AM5:00

隣で眠る華帆を確認し、ホテルの部屋の隅に置いてあるスーツケースを開ける。

明日分の服を取り出そうとしたとき、ケースからメガネが落ちた。

「……」

それを手に取り、スーツケースの奥へしまっておく。


『……赤井さん、』
「……」
寝台で眠る彼女の寝言。
それに静かに微笑む。



ターゲットの女に家の前まで来ていたとき、急にキスを強いられた。
落とすまで後少しだった。
華帆のことが頭に過るが、言われるがままキスをした。

その現場を華帆に見られるとは想定外だった。
涙を流す彼女を安室くんは連れて行った。

ターゲットの女が俺を呼ぶ声など、聞こえなかった。
ただ、大切な人を傷つけた自分を恨んだ。

二度目はごめんだ。

そう思い、ターゲットをFBIの仲間がいる所へ行くように仕向け、俺は華帆を取り戻すために、翌日沖矢の姿でポアロに行った。



あのパーティーに連れていくためまでの道のりは意外と簡単にできた。
それに、ターゲットの女も捕まえることができたのだ。

成功に薄く笑う。


彼女の眠る寝台に腰をおろす。

愛おしい寝顔を見つめ、優しくキスを落とす。

「…華帆、」

『…ん、…、』

「フッ、」

あどけない寝顔の彼女に、沖矢のことはまだ知らせることはできないのかも知れない。
それでも、今はこの幸せの瞬間を感じていたかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーEND

冬みかん🍊・2021-02-22
赤井秀一
安室透
沖矢昴
名探偵コナン
オリジナル
小説
STRAWBERRYMOON
特別編
4








STRAWBERRY MOON
特別編
















嘘 4

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
NOSide
AM4:10

夜が明け始める少し前。

華帆は目を覚ました。


腰に奔る痛み。

首元と胸元に赤くついた彼からの印。

全て、忘れなければいけないこと。


隣に眠る彼を見る。

交わってはいけないのに、私は彼を求めた。

……赤井さんを裏切った。

許してもらおうなんて、そんな軽いものなんかじゃない。
許されないこと。

それでも、拒もうとしなかった。


ジ「…華帆、」

目が覚めたのか、薄く目を開けたジンに腕を引かれた。

そして、抱きしめられる。

その温もりに応えるように、華帆は腕を回した。


ジ「…帰らねぇのか?」
『……帰れない、』
ジ「……」

薄く肌に触れる雫。

華帆は泣いていた。

目元を赤くしながら、声を殺すように泣いていた。

『……ごめんなさい、』
ジ「……なぜ謝る」
『…私は、誰かを傷つけることしかできない、』
ジ「……」
『…ジンさんのことも、私は、』

華帆の顔を上げさせる。

俺を見上げるように見つめている。


ジ「……利用したってことにしておけ」
『え、?』
ジ「……俺はお前に傷つけられた覚えはない。…勝手に一人で決めつけるんじゃねぇよ」
泣くな、そう言って涙を拭った。

彼なりの優しさか、その言葉に涙が溢れた。

『ジンさん、』
ジ「……」

彼は私に口づけた。

優しく、…でも深く。

顔が離れると、二人の間に銀の糸が見えた。

ジ「…浮気なんて勘違いするな。…俺達は互いに愛してなんかいねぇ」



そう、浮気なんかじゃない。

身体だけの関係。

互いに心なんてない。

そう偽って、現実から逃げればいい。


ジ「……」

華帆に覆いかぶさり、口づける。

最後まで堪能したかった。

もう、これが本当に最後になる。


偶然でも、必然でもない。

俺達を引き合わせたのは、この世に本当にあるかもわからない運命なのだ。


ジ「……次目が覚めるときは、俺はいない」
『……置いてくんですか、あの日みたいに、』

その言葉に目を逸らす。

こいつの側にいるのは、俺ではない。
こいつだってわかってるはずだ。

彼女がかけているシーツに手をかける。

ジ「……俺は、お前とはいられない」

華帆は顔を歪めた。

ジ「…最後だ、これが本当にな」
『…ジンさん、』

首に手を回してきた。

受け入れるのは、拒まないのは、。

問うこともせず、首元に吸いつく。

小さく反応する華帆をさらに攻める。

涙が滲む瞳。

吸い込まれそうなくらい深い黒。
純粋さがまだ残る彼女。

ジ「…お前は俺を愛せない」

口をつぐみ俺を見た。

華帆の瞳から涙が零れた。

ジ「…忘れろ、…わかったな?」
『……そんなの、無理だって、わかってますよね、』
ジ「……」
『…ずるいです、あなたは、』

涙を浮かべ、俺にそう言った。

……ずるい、か。

ジ「……罪悪感はないのか、あの男に」
『…っ、』
ジ「…あるのにも関わらず、他の男に抱かれるなんてな。…俺に期待させるお前もずるい女だな」

頬に手をあてる。

ジ「…抱いてほしいのか?」

そう問いかけると、少しの間の後、彼女は頷いた。

それに薄く笑う。

ジ「…華帆」
『…』

瞳を歪めた。

迷いのあるようなそれに気づかぬふりをし、口づける。

『…ジン、さん、』

呼び声に応えるようにもう一度口づけた。


夜が明け始めた。

別れまでの少しの時間、俺は華帆を求め続けた。


















AM6:20

微かに目を開ける。

カーテンの間から覗く眩しい太陽の光。

鳥のさえずりとシャワーを浴びる音がする。


左指を見ると、はずされたはずの指輪がつけられていた。

彼がつけてくれたのだろう。

本当に別れを意味しているということに、私はどんな顔をすればいいのかわからなかった。

私用に、と棚の隅に置かれた丈長めのパーカーを着て、再び寝台に腰掛けた。

シャワーの音が止み、浴室に続くドアが開いた。

ジ「……起きたのか」
『…私が起きてない時に帰るつもりだったんですか?』
ジ「…さあな」

まだ微かに髪が濡れている。
彼は私の隣へ腰掛けた。

そして私の腰を引き寄せ口づける。

その慣れたような行為になぜか気持ちが揺らいだ。


『……ジンさんって、慣れてますよね、こういうの、』

その言葉に驚き華帆を見る。

ジ「……てめぇに何がわかる」
『…なんとなくです』
ジ「…慣れてようが、関係ない」
仕事をするだけだ、そう言い、すぐ側にある煙草を手にとった。

『……仕事、ですか』
ジ「……なんだ、」
『…好きでもない人とそういうことしても、何も変わりませんよ、』
ジ「……」
『…嫌なら、断ればいいのに、』
ジ「…断らねぇだけだ」
『…え?』

煙草に火をつける。

煙が宙を舞う。

鼻をくすぐる匂い。


ジ「…好きでもねぇ女抱いて、それで欲を満たす、…男なら誰でもすることだ」
『そんなこと、』
ジ「ないって言えるのか?……お前のこともそう考えて抱いてるとしたらどうだ?…確実にないなんて言えるわけが」
『私のことも、ですか?』

言い終わる前にそう華帆は言った。

華帆の顔を見る。
俺は息を呑んだ。

彼女の頬に涙がつたっていたのだ。

『…なんとも、考えてなかったの?』
ジ「……華帆、」
『…私は、ジンさんのこと、』



“軽い気持ちで考えてないですよ”



消えいりそうな声でそう言った。

目を見開く。

軽い気持ちではない、か。

俯きながら泣く華帆に手を伸ばそうとした。

だが、寸前でその手を止めた。

…このままでは、確実に戻ることができなくなる。


ジ「……」
『…ジンさんは、私のこと見てはくれなかったの?』

答えられない。

真実も、嘘として偽らなくてはならない。

『…なんで、何も言ってくれないんですか、?』

止まらない涙を拭っている。

その姿に俺は何もしなかった。

することができなかった。


ジ「……愛も、言葉も、全て嘘の塊なんだよ、」

呟いた言葉は決して思ってはないこと。

華帆を前にしては思わなかったこと。

『……それが、ジンさんの本音ですか、?』

ジ「……ああ」

『………嘘つき、』

投げやりに呟く。

…わからなかった。

彼が本当は何を思っているのか。


私は私自身の気持ちには気づいていた。

初めて彼に会った時、…その時から私は一度も彼を忘れたことはなかった。

忘れられなかったのかもしれない。

特別な感情なんて芽生えてはいけなかったのに、。
赤井さんを、裏切るという意味だともわかっていたのに、。



ジ「お前はどうしたい、…」

頬を微かに擦れた指。

返事に迷い目を逸らす。

『……わからない、』
その言葉に彼はそうか、と呟いた。


ジ「………そろそろ帰れ」
『…でも、私は、』
ジ「…殺そうと思えばお前も殺せるということを忘れるな」

銃口を向ける先は華帆の額。

その行動に瞳が揺れる華帆。

これ以上俺とは関わってはいけない。

どんな風に思われようが、俺はこいつを突き放す。


持ちなれたはずのベレッタは不思議と重かった。

ジ「俺の気が変わらない内に消えろ」
『…ジンさん、』
ジ「……目障りだ、…帰らないと殺す」
『……ジンさんは、そんなことしない』
ジ「…俺は殺るときは殺る」
『…そんなことない』


『…こんなの向けないでください、ジンさん、』

ジ「っ、」

怖がっているはずの彼女は、ベレッタをそっと握った。
悲しそうに俺を見ている。

『ジンさん…』
ジ「…チッ、…ふざけるな」

彼女を押し倒す。
胸元に銃口を押し付けた。

ジ「…俺はお前が思っているような善人じゃねぇ」
『…』
ジ「優しい?…ふざけるな、何を馬鹿なことを言ってる。少なくとも一人、てめぇの目の前で男を殺したことだってある。疑わしきは罰する、俺は組織の為ならこの身を捧げる。………俺はお前を殺せる」

何も言わず、俺を見ている。

ジ「…早く消えろ、この場から」

壁にベレッタを向け、一発打ち込んだ。
空いた穴から煙が出ている。

『…っ、』
ジ「……次はお前の頭だ」


ここにいるのは本当の彼?

今まで見ていたのは偽りの彼?

私を愛してるって言ったのは、どっちの彼?


服の上からでもわかる銃の冷たさ。
そして、私を見つめる瞳。

言葉の本気さに、身が震える。

ジ「…忘れろ、俺のことも、今まであったことも」

ずるい言い方。

そんなのできないことくらいわかっているだろう。

なのに、彼はそう言って私の心を締め付ける。


どこか悲しそうなのは気のせい?

彼が本当に愛してくれているのなら、応えられるものなら応えたい。

『…好き』
ジ「っ、」

不意に言葉にされたそれ。

ジ「……やめろ、反吐が出る」
『……』
ジ「…あんなの嘘だって、わかんねぇのか」

強く言った言葉とは裏腹に、銃口は華帆の胸元からはずれ、寝台のシーツの上へとずれた。

ジ「……消えろ、」
『…ジンさん、』
ジ「…頼むから、消えてくれ」

初めて聞いた彼の弱い声。

悲しみのあまり涙が出た。

ジ「…お前は組織からはまだ認識されていない。…今のうちに早くこの場から去れ」
もうすぐ組織の奴が迎えに来る、そう言うと彼は私から離れた。

私を逃がそうとしてくれているのだ。

それは不器用な彼なりの、私に対する最後の優しさなのだろう。

ジ「…いいか、俺が指示したら1階に降り、裏口から出ろ。…真っ直ぐ通路を行くと大通りに出る、……後、40秒だ」

時計を確認し立ち上がった。

ジ「…35秒」
『…いいんですか、貴方は、』
ジ「……30秒」
『…組織の為なら、私を逃さないほうがいいのに、』
ジ「…25秒」
『…なんで逃してくれるの?』
ジ「……20秒」
『…ジンさん、』
ジ「……」

カウントダウンをやめた。

時計と見つめ合ったまま、彼は何も言わない。

『……私のこと、本当はどう思っているんですか、?』

ジ「……」

背を向けたままの彼にそう聞く。

『…嘘なんて、聞きたくないです』

ジ「……」

知りたい。
…これで別れならなおさら。

偽りの言葉じゃなくて、本当の彼自身から。

『…本当のこと、言って、』

私は、貴方にとって何なのか。


彼は私に近づくとそっと口づけた。


ジ「……これが答えだ、」

彼の後ろに見える時計の長針が、40秒を指した。

ジ「…帰れ」
『…っ、』

彼は鍵に手をかけ、部屋のドアを開けた。
真剣な眼差しが私に刺さる。

口づけが答えなんて、あまりにももどかしい。

それでも、もう聞くことはやめた。

『……さよなら、…ジンさん、』

別れなんて惜しんでいたら、きっと戻れなくなる。
だから一言だけの別れを告げた。

そして後ろを見ず、エレベーターに乗った。

エレベーターの扉が閉まる音が聞こえたと同時に泣いた。
頬をつたう涙を必死に拭いながら、今まで胸に秘めていた想いを全てさらけ出すように……。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーNEXT

冬みかん🍊・2021-04-18
赤井秀一
ジン
黒の組織
名探偵コナン
オリジナル
小説
STRAWBERRYMOON
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