秘密さん・2023-10-29
gb4
擦れ違った春に
薄紅色を纏う
枯れないでと
願うばかりの恋心
純情だと愛を唄う
欠けた月に目を覆い
気付かぬ素振りと照れ隠
これ以上好きになる人なんて
現れないと思うくらい
貴方のことが好きだったの
ほろ酔いの最中
みた白昼夢
過去に囚われた
故人の泣顔
覚めない夢
色褪せた日常
ほんのり苦く
冷めた珈琲
揺らいだ夢をずっと
籠の中で飼っている
闇夜を抱いて
深い眠りに落ちる
片翼の天使
傷口を優しく愛でたら
その涙は止まるのかしら
独り言ちて
風に触れる
鼻先に残る淡模様
夕焼が映す君の背に
言えない儘の想いを飲み込んだ
遠い先を約束した
貴方の左手には勿忘草
未だ生温い温度が
僕の頬を伝う
いつかちゃんと
好きだよって
伝えられたらいいな
隠した意図を知らずして
儚げに笑う
貴方はずるい人
延長線に消えゆく
貴方の陰影
掛ける言葉を
見つけられぬまま
特別を全て
独占できるあの子が羨ましい