【設定】
⿴殺し屋コンビ〖Blood sky〗
⿻水澄 空理(ミト クウリ)
・気分屋、無関心
・天才ハッカー
・《担当》ハッキング&狙撃
⿻空澄 晴 (アスミ ハル)
・犬系男子
・天才ハッカー
・《担当》体術、ナイフ&爆弾(処理など)
なんでもこなす
⿻Rito
・何でも屋
・空理とは、仲良し
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⿸依頼ナンバー7
空理side
修学旅行から帰ってきて数日。
ニュースでは「消えた教師と生徒遺体となって発見」などと騒がれている事件。
俺たちは、のんびりと過ごしていた。
警察は今頃になって奥谷と杉浦の関係性や過去の事件を調べているらしい。
全く警察も暇だな。
今日は、二人とも家で調べ物の仕事をしたり学校の課題(それなりに学生はやっている)を片付けたりしていた。
今はやることがなくなってしまい晴はYouTube。俺は適当に掲示板で暴れてるやつの情報を調べ、バンするなどしている。
晴
「すごぉ!」
空理
「何を見てるんだ?」
晴
「これ?今は、護身用武器の動画見てたんだよ!」
空理
「護身用?あぁ、ストーカーとかそういうものから身を守るあれか。」
晴
「そうそう!」
現在は調べれば防犯ブザーから警棒、スタンガンまで幅広くネットで売られている。
まぁ、普通の人はまず買ったとしても上手く使えない方が多いけどな。そして、護身武器を持っていても相手に取られたらそれで詰んでしまう。
プルルルル……!
空理
「はい。」
Rito
「空理か?依頼だ。」
空理
「了解。内容は?」
Rito
「ストーカー男の殺害。詳細送っとく。今回もよろしくな。」
空理
「分かった。ありがとな。」
晴
「空理~依頼ー?」
空理
「あぁ。えーっとこれか。」
〇羊海 陸木 (ヨウミ リクキ)
19歳
職:学生
依頼者のストーカー。
毎日の連絡から家まで着いてくる。また、死ぬなどの迷惑メールまで。
空理
「典型的なストーカーだな。」
晴
「ん〜でもこれだけで殺すかなぁ?年齢も若いっぽいし。」
空理
「被害者からしたら警察巻き込んでよりもさっさと消えてもらった方が楽なのだろうな。」
晴
「確かにねぇ……。これ、殺し方の指定ある?」
空理
「特にはないっぽいけど………………あ。」
晴
「どうしたの?」
空理
「殺す前にボイスメッセージをそいつに聞かせて欲しいって書いてある。」
晴
「ボイスメッセージ?なんで?」
空理
「さぁ?まぁそのボイスメッセージも依頼書と一緒に送られてきてるから実行する時にわかるだろ。」
晴
「そうだね。んじゃ、準備始めますか。」
空理
「準備?」
晴
「まぁ、死ぬ前にストーカーしていたやつに聞かせる言葉なんてポジティブなものはないだろうからちょっと試したいものがあって~♪」
空理
「それって……」
晴
「気分ドン底お薬♪^-^」
空理
(ご愁傷様……)
嫌な予感しかしないがとにかく夜。実行時間までには準備を行わなければ。
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22時
空理
「今回は依頼人にある道を歩いてもらいそこで捕まえる。」
晴
「了解。」
空理
「今俺たちがいるのがA地点。依頼人が通るのはBからC地点。だいたい30メートルくらいだな。」
晴
「いくら依頼人でも顔見られるわけにはいかないな~どうしよ~。」
空理
「ほら。これ着て。」
そう言って黒いものを手渡す。
晴
「これは……パーカーとマスク?」
空理
「深めのフード付き。これなら顔は見られずにすむ。」
晴
「なるほどね~。じゃあ行こっか。」
連絡用の通信機をオンにする。毎回の日課みたいなものだな。
空理
「音声クリア。」
晴
「こっちも大丈夫。」
空理
「よし。READY…?」
空理/晴
「GO!」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
晴
「いた!あの人だね。」
目の前の道路にはボブカットの黒髪の女性。おそらく依頼人だろう。
空理
「あぁ。ストーカーはどこにいるんだ?」
しかし当たりを見渡してもそれらしき人物はいない。……一体どこに?
???
「おいお前ら!」
空理/晴
「ビクッ!!!!!!」
なんだ!?気づかなかった。
いつの間にか後ろにはくせっ毛の身長の低い男がいた。何こいつ……俺たちが気配感じなかっただと?
???
「お前ら!あの子のストーカーだろ!」
空理/晴
「はい?」
………………あ!!!!!!
空理
「晴、こいつターゲットだ。(小声)」
晴
「え?まじ?」
ていうか何?俺らがストーカー?
空理
「___。」
羊海
「あ?聞こえねーよ。さっさと警察に突き出してやる。」
晴
「く……空理?」
空理
「……んなわけねーだろ!!!!!!!!!」
バキィ!!!!!!!!!
次の瞬間羊海は吹っ飛んだ。
晴
「……え???空理それ……警棒?」
空理
「…………あぁ。今日調べてたものを月崎さんに渡してきてその時にたのんでもらってきた。ほら、俺運動神経が凄くいいわけじゃないから。こういうの持ってた方がいいかなって。」
晴
「いや、貰った~じゃないんだよ……。まぁ、持ってる分には賛成だけど。」
空理
「だろ?」
朝話していた護身武器の話だが
一般の普通に暮らしている人には難しいが殺し屋をやっていて、運動神経がいい方ではないと言ってもそれなりに動いてる俺は使えるってこと。
晴
「……あ!依頼人さんは?」
空理
「あーいないっぽいからごちゃごちゃ言ってる間に逃げたんだろ。」
晴
「まぁ、空理がぶっ飛ばしたおかげで捕まえる手間省けたから良かったと言うことで?」
空理
「まぁ……そうだな。」
終わりよければすべてよし。
この精神で行こう。
羊海はぶっ飛ばした時に意識が飛んだのか伸びてしまっている。何とか車につぎ込んで
人気のない工場へ。椅子に縛り付けて起きるのを待つ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
羊海
「………………は…ぅ…!?!?!?」
晴
「あ、起きたぁ?おはよぉ!」
羊海
「ここはどこだ!?は……あの子は!?」
空理
「捕まってる状態なのに人の心配?余裕だねー。」
羊海
「あの子が大切なんだよ!お前らは何なんだ!!!早く離せ!!!」
椅子の上でじたばたと暴れるターゲット。
晴
「残念ながらそうはいかないんだよねぇ。」
空理
「俺たちはあの人から依頼を頼まれて今ここにいる。」
晴
「要は、君が大切にしていてストーカーまでしているあの子に殺しの依頼を頼まれたってことだよ。」
羊海
「……え…………?」
顔面が一気に蒼白となる羊海。
ガタガタと体が震えているのがわかる。
晴
「まぁ、そんなわけで今からさっさと殺りたいと思うんだけどその前に。はいちょっとチクッとするよ~。」
ブス。
空理
(チクじゃねぇな。あの音は)
羊海
「ヒッ……。イッ……。」
晴が何かを注射器で打ち込んだ。
おそらく昼間に言っていた薬だろう。
羊海
「あぁ……嫌だ。嫌だ。嫌だ!!!!!!」
晴
「早速効き始めたようで何より♪」
即効性なのだろう。直ぐに正気では無い様子になっている。
晴
「空理~ここで、ボイスメッセージをどうぞ!」
空理
「あ、あぁ。えっと……これか。」
一緒に送られてきていたボイスメッセージを再生する。すると若い女の人の声が流れ始めた。
「こんばんは。これを聞いてるということはあなたはもうすぐ殺されるのでしょうね。最後に言いたいことだけ言っとくわ。周りの女子から妬みを買うのが嫌で話さなくなった訳では無い。むしろそんなこと一回も思ったことはないわ。じゃあなんでだろう?って思っただろうけど答えは簡単。あなたが嫌いになったからよ。最初は普通の友達として話しも合ったし良かった。でも告白されて振ってからあなたは逆に束縛が酷くなった。日々送られてくる気持ち悪いメッセージ。私の家の前で何かしていて近所の人に通報されたこと。私の友達に深夜まで及ぶメッセージを送ったこと。周りの女子たちを殺したいと言ってきたこと。もう、耐えられなかったの。どうせ周りに言っても同情されるのはあなたでしょう。ならば完璧にこの世界から消えてね。あなたなんて大っ嫌いよ。永遠に地獄にいなさい。さよなら。」
プツリと音を立てて途切れる言葉。依頼人が今から殺されるターゲットに向けて放った最後の言葉。その中には今までの苦痛。憎悪。嫌悪。憎しみ。そういったものが詰まっていた。
羊海
「ああああああああぁぁぁ……。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…………」
大好きな人に向けられた拒絶の言葉によって。壊れてしまったのだろう。うわ言のようにごめんなさいと言う言葉を言い続けている。
晴
「空理。もういいと思う。」
空理
「そうだな。」
チャキ………………パァン!!!
俺が引き金を引くと羊海は赤い海に溺れて行った。いや、依頼人の彼女の言う地獄に堕ちた。
晴
「愛は人を狂わせるって聞くけどここまでとはねぇ。」
空理
「あぁ。俺は恋愛はしたくない。」
晴
「僕もそう思うよ。」
空理/晴
「ミッションコンプリート。」
『その後、羊海は遺体として発見されストーカー被害にあっていた依頼人は解放された。そして、今日も赤い空が広がった。』
PS,今回は最近ストーカーに悩んでいるのでそれをネタにしてやりました。まぁまぁ実際に会ったこと入れて書いてます。言いたいことはボイスメッセージで言ったのでスッキリです!