私の家に来てと伝えた集合時間
君は少しだけ遅れたみたいで
私と親友だけ先に家を出てしまった
行き先は私たちの通う中学校
きっとそこから見る初日の出が
一番綺麗だと思ったからだった
でも私は君に中学校に行くとは言ってなくて
そのせいで君は神社に行っちゃって
結局一緒に見ることは出来なかった
一緒に見れなかったことも残念だけど
それよりも君に申し訳ない気持ちで一杯だった
せっかく早起きして来てくれたのに
私の連絡不足で君に苦労をかけてしまった
それなのに君は「そっちは何も悪くないやん」
「俺もスマホ持ってたらなぁ笑」
そう笑顔で言うから余計に胸が痛くなった
新年早々本当にごめんね
だけどそのあとは一緒に初詣に行けた
その時間はおみくじもお守りも売ってなくて
一旦お参りだけして時間が来るのを待った
約一時間寒い中外で暇を潰していた
君は鬼滅の刃の最終巻を貸したら読み始めて
親友は「寒い寒い」と震えながらも
おみくじを引きたい私のために待ってくれた
そんな中私は呑気に
こんな朝早くから二人と過ごせるなんて幸せだな
と心からそう思った
一時間経っておみくじを引いてお守りを買った
一年前よりも距離が縮まった三人
そのせいかしている事は去年と同じなのに
今年は去年よりずっとずっと楽しく感じた
三人で絵馬に願い事を書いた
三人とも「志望校合格」そんな感じだった
私はそれに付け足して
「2人とずっと仲良しでいられますように」
そう書いた
本人らの目の前で書くのは恥ずかしかったけど
本気でそう願った
おみくじも引けたしお守りも買えたし
本当に楽しかった
そのあとは神社を下りて帰った
それでも私はまだ一緒にいたくて
午後も誘って私の家で遊んだ
親友はその頃親と初詣に行っていて
しばらく君と二人きりだった
少しだけど久しぶりにゲーム出来て楽しかった
マリオカートをして
全く同じ乗り物とキャラクターを使ったのに
結果は私の惨敗だった
やっぱり君はゲームが上手いね
親友が来てからは
特別遊ぶことがあるわけでもないけど
雑談しているだけでも割と楽しめた
だけどスマホのSiriで遊んでいる時
君にホーム画面を見られてしまった
そう 君の写真だった
君は「俺やん…なんで?怖」と少し引いていた
私は動揺して言い訳すら出来なかった
しかも君が私のiPadをいじっていた時
カメラロールを見られた
そこには半年前親友が隠し撮りしてた
私と君のツーショットが一枚あった
君はそれを見つけて何も言わなかったけど
きっと内心では相当驚いただろうな
ありえないくらい恥ずかしかった
あの一瞬君は確かに引いていたけど
そのあとは普通にいつも通り遊んだ
帰り際まで何もかもいつも通りだった
「バイバイ!」もちゃんと言いあえた
ホーム画面は確実に引かれたと思うし
私がやりすぎたと思う
ツーショットに関しては
カメラロール勝手に見た君にも非があるけどね
だけどただ君の写真使ってるとこだけ見ると
大分…いや間違いなく危ない人だと思う
だからこそ知ってほしい
確かに私は危ない人ではあると思うけど
純粋に君が誰よりも好きなんだということ
勝手に君を彼氏だと思う妄想癖なんてないし
別に君にストーカー行為を働く気も一切ない
君の立場になって想像してみたら
確かに凄く怖いしヤバい人だと思う
でも私は別に君を怖がらせたいわけでも
困らせたいわけでもない
ただ この先受験もあるし
今はまだ君に告白するべきではないと思うから
君への想いを少しでも我慢出来るように
君に会いたくて話したくて仕方のない時に
少しでも君の存在を感じて落ち着けるように
そのためにホーム画にしていただけ
いやそれも相当怖いよね 本気でごめん
この先春休み辺りまで会う機会はないと思う
クラスも違うし受験で遊べないしね
だからせめて嫌いにならないで
いつかどれだけ君のことが好きか
真っ直ぐに伝えられるようになるから