連日 『熱中症警戒アラート』発令される 酷暑
今の ご時世 『日傘は、ご婦人方のもの』なんて
言ってる 場合じゃないでしょ?! と
朝 わたしの 黒い 日傘を 主人に 渡して
いつものように 彼を 送り出した
昼間 陽射しは 容赦なく 真上から 照りつけ
気温は ぐんぐん 上昇してゆく
つくづく 「彼に 日傘を 渡して よかった」
と 思っていたのに・・・・・
夜 ほろ酔い気分で
「ただいま」と 帰って来た 彼の その手に
傘は、 ない…… 「今朝 渡した 日傘は?」
次の 瞬間 彼の 表情が 固まり……
「・・・忘れた。。。」
・・・・一抹の不安は 的中してしまった
彼は 『失くし魔』 なんだよね。。。。
でもさ、 1日のうちに、 もう失くしちゃうの?
「ごめんよ 本当にごめん… 俺ってバカだー!」
「どこで 失くしたか、本当に 分からなくて…」
「弁償するよ デパート行けば 買えるんだよね」
顔色 真っ青になって 弁解し続ける 彼・・・
なんか もう、、、 怒りを 通り越してしまい
「 ・・・てか、 いいよ、もう・・・ 」
彼を 責め立てたところで 日傘は 返らないし
そもそも『失くし魔』なのを 百も承知で
彼に 日傘を 渡したのは わたしなんだし
ソファーで ただただ がっかりしてる
そんな 彼が かわいそうに 想えて……
ふと 窓の 外に 目をやると、 「え、雨?」
バケツを ひっくり返したような ザーザー降り
「あなた いい時に 帰って来たわね
もうちょい 遅かったら ずぶ濡れだったわよ」
振り向くと まだ しょんぼりしてる、彼。
「もう 過ぎたことよ しょうがないでしょう
でもさ、 物は考えようでさ、
もしかしたら あなたの 置き忘れた 傘で
この 突然の 大雨から 濡れずに 済んだ人
いるかもしれないよね そうだとしたら、
逆に あなたは ファインプレーしたよね☆ 」
「そんなふうに・・・思っていいのかなぁ。。。」
「そう 思いなさい、って 神様が 言ってるの」
少し 面持ちが やわらかに 緩んだ 彼
「ごめんな……日頃 持ち慣れない物でさ、、、」
「いいよ もう 自分を 責めないでね 」
わたしたちに 穏やかな 心が 戻った頃には
空を 覆っていた 黒雲も 去って
いつしか ザーザー降りの大雨は 上がっていた
愛してるから…… 許せる のかな?