書くとココロが軽くなる
はじめる

いつもみていた彼の背中。授業中、黒板をみるふりをして、振り向かないかなと思っていた。
彼の後ろの席ならば、いくらでもチャンスはあったのに。
例えばプリントが配られた時。彼になら振り返らずに適当に私の机に放り投げられたっていいと思う。
適当に扱われるのが好きなわけじゃないの。付き合うのなら、大切に扱われたいし、赤子をあやすようによちよちしてくれなくちゃイヤ。
だけど彼を前にするとフィルターがかかっちゃって、彼にならそうされてもいいと、むしろそうされたいと願ってしまう。
変態。
そんな自分は嫌いじゃないし、言葉にしなければ誰にもわからない。
チャイムが鳴ると、ふと誰かが私の席にきて声をだす。
「先生が呼んでる」
声のする方へ視線を向けるとそこに彼がいた。
座ったままの私と立っている彼。
なんだか見下されているみたいで堪らなくキュンとする。
同じクラスだから。
そんな理由で他人行儀ではない、冷たい言い方。
スキ。
内側から想いが零れる。
「え?」
踵を返したはずの彼が、私の方へと振り返った。

真鶴。🐰・2025-03-22
片想い
告白
彼になら
同じクラス
ss