灰野 ラスタ・2025-03-31
詩
【足音の死】
夕闇に照らされた背中に月が手をふれ
疲弊した顔が笑顔を失い
町が迎える合唱は醜く
足が遠のく帰路の色彩
空が吼える重さに怯えながら
翼を失った鳥が休む木陰で
目を光らせる獣の臭いは
生を溶解する血の暴力