紲月・11時間前
ある日の私の創作
たった1時間だけの戯れ
混じった匂いが染み付いて消えなくて
まだ優しくてしくれたあとが身体に残って
耳にかかった吐息も、優しい目も、頭を撫でる手も
忘れたくて、でも忘れたくなくて
かき消すように、香水をかけた
あの狭いホテルの一室から出る時
きらめく景色が目に刺さる
別れたあとの哀れな午後の帰り道は、
いつも以上に寂しかった
泣いてたことは、私以外誰も知らない