梁瀬 黎菟. ⌇ヘッダーlook(・2日前
今世君と生き、来世君と逝きたい。
拝啓、アイせど願えど戻らぬ君
御伽噺は悪戯に
雨降りの日の残り時間
蒼い世界と紅い僕と。
夜を這いずる化け物の名は「孤独」
飛べぬ蝶、何を見た。
欲するは窒息する程の愛
燃ゆる花に褪せない色を
途切れた糸を「運命」と呼んだだけ。
穢れなき愛は専門外だった。
笑顔に覆われた本心の行方
宙だけが知るあの日の行方
現世、君だけが不足していた
夜闇で触れた孤独の輪郭
午前零時、君だけが不足した世界にて。
止まぬ雨の名は「涙」らしい
何度叫べど戻らぬ君の欠片だけが
「生きろ」ばかりのこの世界
そっと心臓に隠した「アイシテル」
朝焼けに滲む亡霊だけを残して
無意味だと捨て去った存在が未だ
ダークヒーローはアイさえ知らない
頬を濡らすこの感情の名はアイらしい
宙に焦がれたシアワセな心臓の行方。
袖口に隠し綴った僕だけの世界
世界とやらに立てた中指はきっと
温もりの消えた君の破片
枯れた涙と仮面と僕と。
最果ての心臓にはアイさえ無かった
壊しきれない世界をアイせなかった。
あの日、箱庭の中で飽和したアイが
明けぬ夜、正義とやらを嗤って見下ろした
銀湾に透かした心臓の記憶
イキたいの狭間を息る今日この頃
片割れ託した命の灯火
仮面の奥の本音を今、掲げて魅せよう
袖口に隠した無名の感情
青い春が過ぎ去ったこの世界で僕は