あれからツンデレくんとは
なかなか時間が噛み合っていない
一緒に帰ることも出来ていないのだ
そろそろ春になるということで
新しい自転車に乗って
清々しく帰路を駆けていた時
「 あ 」
「 ん? 」
「 元気? 」
「 うん、元気 」
「 ならよかった 」
「 確認だけ? 」
「 うん、確認だけ 」
「 隣いい? 」
「 いいよ 」
久々に見かけたツンデレくんは
草むらに寝っ転がって暗い曇り空を
ぼんやりと見上げていました
隣に座って様子を伺う
いつもより元気の無い
ツンデレくんに話題を振る
「 そろそろ学年が上がるね 」
「 …うん、そうだね 」
「 クラスも変わるよね 」
「 うん、変わる 」
「 やなの? 」
「 …正直言えばやだ 」
「 わかる、気持ち一緒 」
「 わかる? 」
「 うん、わかる 」
いつもより元気がなくて
しょんぼりしているツンデレくんに
寄り添うように言葉を掛ける
まだぼーっと空を眺めている
その目には寂しさが宿っていて
「 私は離れたくないよ、君と 」
「 僕も、キミと離れたくない 」
「 えへへ、一緒だね 」
「 うん、一緒 」
のんびりとした暖かな風が
二人の髪をなびかせる
二人とも遠くを見つめていて
何かを想っているようだった
「 あのさ 」
「 ん? 」
「 私ね、君のこと好きになっちゃったの 」
「 …えっ 」
「 今年4月からはさ
3年生になるわけじゃんか 」
「 だから恋はしたくなかったの 」
「 でもね、心が君を逃したくないって
暴れて言うこと聞いてくれないの」
「 僕、は、…うん。キミが好きだよ 」
「 今年から受験生じゃんか 」
「 そうだね、大変だ 」
「 じゃあさ、恋も勉強も
両立出来るように頑張ろ 」
「 …それはいいかもね 」
「 でしょ? 」
どうする?と言わんばかりの
熱い眼差しで見つめてくるキミ
何も言えずに時間だけが過ぎてゆく
「 お試しに、
付き合ってみるのはどうですか 」
「 …うん、そうしよう 」
自分から誘って
キミが頷いてくれたから
帰り道を歩むことにした
「 連絡先、教えてよ 」
「 はい、どーぞ 」
画面を見せてもらい友達登録完了
したらなんだかな
心がポカポカと温まってきたんだ
「 なんか温かい 」
「 同じく 」
ふふ、と見つめあってゆっくり歩く
他愛のない会話をして
ドキドキを目を見つめてキスをする
高校生の恋愛はこれくらいに
積極的でいいだろうと思う
「 好きだよ 」
「 うん、僕も好き 」
ふへへ、と見つめあって笑う
そんな幸せな空間が
今までの帰り道以上に
愛おしく感じて守りたくなった
そして無事クラスも替わったのですが
二人は見事に同じクラス
急いで付き合う必要もなかったね
なんて笑いあって教室の空気を和ませる
そんな優しいカップルになるのだった
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これにて完結致しました
「ツンデレ男子に恋をしました」
全3話!
全て読んでくださった方
ありがとうございます!!
1話だけでも気に入ってくれた方
ありがとうございます!!!
久々に小説を書いたのだけれども
納得いくかどうかは明日決まります
ではまた!!