はじめる

#なんか刀剣見に行くのでテンション上がりました

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全1作品・



総司は受け取った刀をあらためた。
すらり、と抜く。名刀菊一文字則宗が、身震いするような光芒を放った。
二尺四寸二分。細身で腰反りが高く、丁子乱れの刃文に、えもいわれぬ気品がある。

「ほんまに、立派なお差し料どすなあ」
お糸がため息をついた。
さすがに研ぎ師の娘である。
刀に込められた神気の深さがわかるらしい。

「お糸さん、見てごらんなさい。作られてから何百年もたっているというのに、この刀の光は変わらない。
これまでどれだけ人間の血を吸ってきたかしれないのに、この刀身には一点の曇りもない」
「へえ……」
「これから先も、ずっとこのままの姿で、後世に残っていくんでしょうね」

見つめていると、吸い込まれそうになる。
総司は、則宗をぱちりと鞘におさめた。
「菊一文字は立派すぎて、わたしなどにはふさわしくない刀ですよ」
思いがけない声音の暗さに、お糸は驚いたように総司を見た。
頬が青ざめている。

――このおひとは、何かもっと、別のことを言おうとしてはるのやわ。

それがいったい何なのか、だまって男の横顔を見つめるばかりだ。

総司は考えている。
(何人の男たちがこの刀を手にし、そして死んでいったのだろう。それぞれに哀しみも苦しみもあったはずなのに、そんなものは跡形もなく消え去って……。
菊一文字だけが、昔のままの姿で、今、俺の手の中にある)

もうすぐ自分も、この世から消えるのだ。
そのとき菊一文字則宗は、沖田総司という男の、痕跡さえ留めはしないだろう。

――人間の一生なんて、一振りの刀ほどの値打ちもない。つまらないものだな……。



「掌上の雪」より

千華・6時間前
なんか刀剣見に行くのでテンション上がりました
掌上の雪
沖田総司
遥かなあなたへ
再掲

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

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