はじめる

#もう一つの物語

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全3作品・


青く広い空に、大きな入道雲。

何処からか、楽しそうな笑い声が聞こえた。

少し強い風に、木の葉がふわりと
飛ばされていた。

「ミツだったら、この場ですぐ
絵を掻き出すんだろうなぁ…。」


この一瞬、この瞬間。

一分一秒、無駄にもせずに。


私は思わず苦笑した。


彼の描くものは、全てに命が宿っている。


彼が生み出しているのは、絵じゃない。

時に感情や彩りを持った生き物なのだ。


キィッ


私がいる屋上の、
少し錆びたドアの開く音がした。

「あれ、タカナシ?」

噂をすれば。

スケッチブックと
少し芯の丸まった鉛筆を持った彼は、

やっぱりそうだ、と言って、
私が座るベンチの左に腰を下ろした。

「何してんの?」

私は悪戯っぽく人差し指を口元に持っていった。

「なーいしょ。」

彼は、なんだよ、と笑いながら言って、
スケッチブックを開き、鉛筆を走らせ始めた。

「ミツ、いい事教えてあげよっか。」


私はちょっと言ってみたくなった。


私が思う、美しさ。

君が思う、美しさ。


「君が教室に戻ったあとにね、

ある少女が空を飛ぶんだ。」


彼は少しだけ、目を丸くして、
少し考え込むような素振りをした。

でも、君はやっぱり鈍感で。

「その少女の翼は、きっと純白なんだろうな。」

鈍感で。

でも、美しかった。


鳴き続けるヒグラシに私は耳を傾けた。

夏の暑さなんて自然と気にならなかった。


「ほら、ミツはもう帰りな!今日も塾でしょ!」

母さんか、と突っ込みながら、彼は笑い、
手を振ってドアに向かった。

本当によく笑う少年だ。

この笑顔がずっと続くことを私は静かに願った。

キィッとまた錆びた音がして、
彼は教室へ向かっていった。


さーてとっ。

じゃ、いきますか。


私は立ち上がって大きく伸びをした。


右手に隠した最後に見る大好きなチューリップは

鮮やかに、赤く、燃えているように見えた。

青い空*・2019-09-18
モノクロの鬱金香
AnotherStory
真実の愛
もう一つの物語
チューリップ
花言葉
note文庫
短編小説

何時までも忘れられない

君が残した泡沫の燦めき

浅黄・7時間前
もう一つの物語

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に3作品あります

アプリでもっとみる

他に3作品あります

アプリでもっとみる

その他のポエム

独り言
1051115件

ポエム
569998件

夏休みにやりたいこと
7048件

好きな人
338420件

469014件

恋愛
208394件

自己紹介
102677件

片想い
239005件

トーク募集
93984件

会いたい
47703件

辛い
195784件

片思い
191533件

苦しい
64713件

49068件

失恋
113397件

死にたい
103174件

7613件

人生
47080件

消えたい
35629件

海を眺めて
5086件

恋人
25480件

すべてのタグ