#カシオペアθ

絵を描くと褒められるのが嬉しかった幼少期
色を混ぜ、手を染めながら筆を滑らせた
ペンを握って邪念を追い出し目の前の絵で心を満たしてた
絵に頼らずとも気持ちをコントロールできるようになり
描く事はただの好きな事へと戻っていた

暖かいような寒いような
春と冬の間

青が見えそうな見えなさそうな
晴れと曇りの間

まだ冷たさを含む追い風を受け
風の行く先に目を向ける

何になろう、何を目指そう

動きの速い曇、隙間からは何が見えるだろうか
空の青か、日の赤か

雨に隠れた桃色月

涙に濡れた恋心

重い雲に遮られ

届かぬ淡い願い事

風に冷たさを残しつつ
さんさんと光差すひなたは熱を持つ
意識を遠くに持ってみると
冬眠から目覚めた生命の声を感じる
少し寂しい山の色
春の気配はすぐそこに

冷たい布団に潜り込む
布の匂いに満たされ、湿り始める袖
体温で温まり始めた毛布が
夢の世界へと連れていってくれる

現実が遠のく君との会話

心に残る余韻に酔うの

薄まる辛さ、強まる幸せ

線一本分の二人の時間

笑い過ぎて零れる涙は、幸せな色

辛くて悲しくて溢れる涙は、光を通さない色

怒りで落ちる涙は、血の滲んだ色

心打たれ流れる涙は、とても澄んだ色

君を想い漏らす涙は、何色になるのだろう

君の頬を濡らす涙は、何色なの

やっと見つけた将来の夢

光さす道のよう

期待に弾む心

だけど

進み出した途端に

雲がかり霞んでしまった

雨雲が隠す星々を探す心

地の二人が手放すのは

宙の二人が愛を手放し

シナリオを覆した未来の

その先でありますように

落ちて枯れていく時でさえ地面を彩る花々

暮れて老いてゆく時こそは君の人生に華を

君と迎える晩には敷き詰めた小さき幸せを

この景色をそのまま残そうと写真を撮る
記憶は美化されやすいから
実際は私の思惑が混入する画面上の今
だったら今を全力で楽しもうか
けれど、君と見た景色を何度も見返したい
君と過ごした瞬間に気持ちを乗せて残す選択を

降り積もった不安から成る白景色
予想しない突風によろけ
転げまいとついた手は鋭く痛む
赤くなるだけ、ただ痛いだけ
見えない苦しみを抱え、白い息を吐いた
残酷なはずの時の経過から得る癒し
歪んだ景色が正されていく
溶け残った不安を踏まないよう
吐いた息は白くない

散る桜の花びらのような
夜空に輝く花火のような
燃え尽きる前に輝く人生
記憶に残る綺麗なさいご
終わり方を選べるのなら
音も立てず役目を果たす
静かな終末に手を伸ばす

残った昼間のテンション

彩度の低い景色とのコントラストがきつい

夜空に輝くお月様

目を惹く君は独り輝く事はない

昼間の国で太陽が弾けるから

暗闇にポツンと光を増す

私だって独りじゃ輝けない

独りで生きる事もできないかもしれない

誰かの幸せで明かりを増す

そんな静かな輝きでいい

太陽みたく熱を増すのは

私には似合わない

寒空の下、月が仲間に思えた