新型コロナウイルス感染症
相変わらず厄介者。
……でも私は感謝もしている。
先生と仲良くなれたのは
この出来事のお陰だから。
ヘッダーにも書いたことだけど
この出来事の影響で
中学の時三年生を送る会が
延期の後中止された。
結構先生達も悩みに悩んでの中止だったらしい。
でも卒業式が1番だからと
中止を決定したと担任の先生から聞いた。
三年生を送る会では在校生からの出し物や
プレゼント等が用意されており
その後卒業生からの出し物をするという流れだった。
そしてその会の最後には
お世話になった各先生方に書き上げた手紙を
代表が読み上げて渡すのだと聞いていた。
その手紙の係を担任と仲良しだった私は
大切な先生の手紙係にしてもらい
代表にまでしてもらっていた。
その手紙を準備している最中に中止が決まった。
でも書き途中の手紙には価値があるからと
先生達が卒業式前日までに各先生方に
渡しておくと言われた。
その中止を聞いた私は……喜んだ。
書き途中の手紙は人に聞いてもらうことを優先していたため
内容が他人行儀で堅かった。
でも中止になった今、主観でいいことを悟った。
思ったことを全て、伝えたいことを全て
この手紙を通して届けられることを知った。
それから私は手紙の構成を再度ゼロに戻した。
そして自分の想いが伝わるように書いた。
私が初めて音楽に本気で触れたのは
先生のお陰であることも
先生の道徳的な教えを今なお守っていることも
そして何より先生のことが大好きなことも
全てを詰め込んだ手紙ができあがった。
その手紙があの奇跡のハグを生んだ。
読んだのだと思えるくらい当たり前に
すんなりとあの奇跡を起こした。
もしあの時期に新型コロナウイルス感染症が
流行っていなかったら
もし新型コロナウイルス感染症が
大したことなかったとしたら
この奇跡は生まれなかったのではないかと
勝手ながら思っている。
少なくとも想いは伝えられなかったし
手紙も他人行儀だっただろう。