#僕と隣の黒猫

僕と隣の黒猫


隣の女の子によると

その黒猫は引っ込み思案で

警戒心が強くて

懐くまでにほんと時間がかかる

らしい


でも僕にはそんなこと

なかったみたい


空を見上げて大人しい僕に

木々をかき分けて

庭に入ってきた

黒猫は近づいてくる


カサカサと音を立てて草を踏む

その足音が少し僕を誘う


ヌメっと出てきた黒猫の顔に

僕は思わず吹き出してしまい

黒猫は驚いて少し離れた


そしてまたゆっくりと

僕に近づいてくる

ノソノソと足音が聞こえてくる


今度は寝転がる僕の頬を

足で踏んできた

そしてまた笑ってしまえば

頬をペロリと舐められた


可愛いなぁと頭を撫でてやれば

満足そうに笑う黒猫


ゴロゴロ…と

喉を鳴らしてくれたりと

ファンサービスもたっぷりだ


黒猫は僕の隣で丸くなった

そんなに僕のことが好きなのかと

勘違いしてしまうではないか


目をつぶった黒猫の頭を

そっと撫でてやれば

満足そうに微笑んだ


そして眠りに入った

僕も眠たくなってきて

睡眠前の行動も忘れるほどの

良い夢を見たのだった