【君だけを愛す私と、私だけを好きにならない君】
「へぇ〜、珍しいね泣くなんて。もう一生見れないかもw」
「悪いかよ…」
「だって、私がどんなに泣いて辛くても、彼くんはいっつもなんにも変わんなかったじゃん。私はどんなに寂しくて辛くても、彼くんはなんとも思ってないんでしょ?」
「さぁな…。なぁ、お前俺なんかと一緒で、良かったのか…?」
「馬鹿なの?wいい加減理解したら?何年一緒にいると思ってんの?好きじゃなかったら、辛いなかこんなに我慢できないからw」
「…じゃあさ、俺と一緒にいて、幸せなの…?」
「彼くんが幸せになってくれたらそれでいいよ…」
「俺、お前に何もしてやってないのにか…?」
「逆に辛くないと思う?w彼くんなんにも言ってくれないしなんにもしてくれないじゃんw何考えてるのかわかんないよ…w」
「そこまで辛いのに、なんで一緒にいるんだよ…?」
「好きだから、それだけじゃ理由にはならない…?好きだから、死んでも守りたいし、好きだから彼くんが幸せになって欲しいんだよ…?」
「お前は、幸せになりたいと思わないのか…?」
「思うに決まってるじゃん…w」
「だったら俺なんかと居ないで、他のやつのとこ行けばいいだろ…」
「やっぱり迷惑なんだ…?w」
「…は?」
「彼くんがいてくれないと私は幸せになれないよ…?w」
「…じゃあさ、お前は幸せだったのか…?」
「わかんない…w」
「…俺がお前に何もしてやらなかったからか…?」
「さぁねw」
「何をしたらお前は幸せになるんだよ…?」
「彼くんが幸せになれれば、私は幸せだよ…」
「…そうじゃなくて、俺にして欲しいことはないのかよ…」
「…ないよ…」
「…嘘つけ…なんだよその間は…」
「別に…」
「言えよ…今日くらい…」
「…しい…」
「は?」
「…って欲しい…」
「だから聞こえねぇよ…」
「…好き…に、なって欲しい…」
「…は?」
「…ごめん、もう行くね…」
「…好き…」
「へ?」
「…これで満足かよ…」
「…ごめん、違う…」
「じゃあ、どうしろって言うんだよ…」
「…バイバイ…」
「だから、待てって」
「…何?」
「どうして欲しいんだよ…」
「別に…」
「いいから言えって」
「…」
「お前、このまま行くのか?」
「そんなの関係ないでしょ…」
「関係あるから言ってる」
「別に…そんなの私の自由でしょ」
「わかった」
「バイバイ…」
「迎えに行く」
「へ?」
「生まれ変わったら迎えに行く」
「…それは私のすることだよ」
「だったら俺もする」
「しなくていいよ…」
「なんでだ?」
「それも私の自由だよ」
「だったら、俺も俺の自由で迎えに行く」
「そっか…」
「それでお前は幸せか?」
「わかんない…」
「いい加減にしろよ…、お前は幸せになりたいんだろ…?だったら、願いくらい言ってみろよ!」
「…たい…」
「だから、聞こえないって」
「…も…に、なりたい…」
(ギュッ)
「ほら、これなら言えるだろ?」
「…両思いに…なりたい…!」
「…!?」
「…」
(さすさす…)
「やっと言ったな…」
「…」
「意外と好きだけどな、お前のこと…」
「…そっか…」
「これでも、足りないのかよ…」
「…」
「好きじゃなかったら、何年もそばに居ない。
好きじゃなかったら、生まれ変わっても一緒にいようだなんて思わない。
好きじゃなかったら、こんなに抱きしめない。
これでも、まだ足りないか?」
(ギュッ)
「好き…」
「よく言えました」
「生まれ変わっても一緒がいい…」
「約束な」
「…バイバイ…」
「もうちょい…」
「…!?」
「…」
「…ぐすっ…だいす、き…」
(さすさす…)
「俺も…」
(ギュッ)
「またな…」
「…大好き…」
(スー…)
「ぐすっ…ずっ…う、うぅ…」
『幸せだね…』
「あぁ…」
「ごめん…悪かった…好きだから…大事にするから…連れて行かないで…」
「「さようなら、初めて愛した人」」
《君を好きになった俺…》