#夜の泡

窮屈な世界に自由を求めて


ありもしない翼を拡げ空を翔る

詞に想が巣喰うように

脆い自分を好いていた

『夜の泡』






夜もすがら幻を抱く


魘夢が夢の片隅に在を置く


囚われたまま闇と心中


眠らずの街が騒ぎだす


寝息に包まれる


何時しか醒めない毎日を


無駄のために浪費する


肺が望んだ酸素を


無意識下で取り込んで吐き出す


血液から酒気を纏う


空を埋める


弾けて割れて仕舞え


世迷言ごとに躍らされるには


脳無しの馬鹿で在りたい

痛みを抱え

何をしてもしなくても

過ぎ行く時間に追われ

息絶え絶えに嘆く

"ああ、しんどいな"

シナリオ通りの

運命の出会いを

今夜も繰り返す

絶対零度に溶けだす愛と
凍てついた花を抱きしめて
もう僕等ははなさない

今宵は
この月影を憎ませて

銀湾に目を瞑り
哀を抱きしめる

《ストーリー》

自分語りは動画。

人生の物語の綺麗な瞬間だけを
切り取っている。



編集していると
《物語》が問い掛けてくる、



『今の生活に満足してる?』


ポケットサイズの日常が散乱してる。
私の《日常》はどこ?


比べてばっかりで、分からなくなる。


もういっそ、夜の泡となり、
君の《日常》に溶け込んでしまおうか。