#夢選びの観覧車

夢に浮かんだ思い出を
保管しておける観覧車

上限はなく
本人が気に入ったものならば
いつまでも保管して
置いておけるようになっている

今晩は夢を見なかったようだ
だから保管する夢も無い

カラカラと回る観覧車の
一つ一つのゴンドラに浮かぶのは
本人がまた見たいと思えた夢ばかり

ピンクの雲の上
ふわりと浮かぶその観覧車

現実にあるような
数の少ない観覧車ではなく
夢保管用の観覧車のため
たくさんのゴンドラ達が
くるりくるりと回っている

プシューっと音を立てて
夢口に止まったのは
一昨日に見た好きな人とのデート

最後のちょうどいいところで
母親に起こされてしまったため
続きを見たいとのご所望

カラカラカラとトンネルを
くぐり抜けて行った夢は
本人が大満足するであろう
特典ばかりが付いている

好きな人と付き合って
何回目かのデート
最後にはキスも待っている

都合のいい夢ばかりでは無いが
この夢だけは本人自ら
特典を盛りに盛って見ている

スッキリと目覚めた本人は
大満足のようだ

この夢はまた夢色観覧車へと
保管されるのであろう

本人が満足する夢を提供するのが
この夢の国であり
この夢色観覧車であるのだ

皆さんの頭の中にも
夢色観覧車は必ず存在する

起きた時に記憶が無いのは
夢色観覧車に保管されて居なく
本人が消したい夢であったから

本人が必要ないと思った夢は
すぐその場で切り捨てられ
起きた時には脳には残っていない

夢の中の秘密を知れたところで
今日皆さんはどんな夢を見たかな

怖い夢
楽しい夢
嬉しい夢
悲しい夢

ジャンル問わず保管する
夢色観覧車だが
本人が消したいと思った夢の記憶が
どこへ行くかご存知だろうか

消したいと思われた直後
すぐさま夢の国から排除する

本人が気に入る夢を提供するのが
夢の国の役目であり仕事だからね
本人が気に食わない顔をしたら
すぐさま脚本から書き直すんだ

大変な作業だと思うだろう
けれど夢の国からすれば
自分らを使ってくれるから
嬉しい限りでしかないんだ

これからも皆さん
たくさんご使用くださいね

それでは夢色観覧車の説明を
終わりにしましょうかね

ではまた皆さん
夢の中でお会いしましょう