瑠唯・9時間前
短編小説
罪の名前
女神様視点
私は毎日くだらないいじめや争いに心を痛めていた。
[女神様]なんてろくなものじゃない……。なぜそんなに傷つけ合うのかしら。
その時ある一人の可愛い赤ん坊が目に映った。
『そうだわ……あの子に魔法をかけて遊びましょう』
どんな魔法にしましょう。人から愛される魔法?なんでも上手くいく魔法?
その時私は考えた。
そんな魔法をかけてしまったらあの子の中身を見てくれる人なんていなくなってしまうかもしれない。
人間は見た目だけに惑わされ、好きであると錯覚し、捨てていく。
せめてこの可愛らしい子にはそんな思いさせたくない。きっと綺麗な心をもつ女の子になるもの。
『そうだわ、醜くなる魔法なんてどうかしら』
『そうすればあの子の心を見てくれる人が現れるかもしれない』
そう簡単には行かなかった。人間たちは『醜い』ことを理由にいじめ始めた。
なぜなの?なぜ心を見てくれないの?あの子は綺麗な心をもつ美しい少女なのよ?
私のせいであの子が苦しんでいる。魔法を今からでも解いた方があの子のためかしら……。
その時ある少年が彼女を助けた。彼は盲目だった。
私は希望を持った……。
『あの男の子なら心だけを見てくれる』
少女はあるとき呟いていた。
「世界で1人だけの友達が欲しい」
それならあの男の子になってもらえるかもしれない。
少女はやがて少年に恋をし始めた。そして少年も少女に恋をしている。
あの男の子……彼女の姿を見ても気持ちが変わらないくらい綺麗な心をもっているのかしら。
もし、あの子が真の愛を手に入れられなければ……。
『確かめてみたい。あの少年があの子に害をなすかどうか』
私は魔法をかけた。“目よ治れ”と。
『あの子も軽い気持ちで男の子に気持ちを寄せていたらどうしましょう』
『どれくらいの愛をもっているのかしら』
私は気づけば白い美しいユリの花を黒く染めていた。
『お前に彼から贈り物だ。そら拾いなさい……』
大丈夫……これだけでお互いの愛を確かめられる。全てはあの子のため。
その時あの子は叫んでいた。
「いっそ死んでしまいたい」
私がそんなことを思わせたの……?
そんなつもりじゃなかったのに……!どうしましょう。このままじゃ……!
<泣かないで……僕が死ぬまでそばに居る>
男の子はあの子の姿を見ても気持ちを変えずに見つけ出した。
これがあの子たちの愛なのね。
彼ならあの子の全てを見てくれる。
『全て元にもどれ』
『美しい心をもった二人の愛は永遠に続くでしょう』
私は自分にあの子を苦しませた罰として消滅という呪いをかけながら
二人の幸せを願い、祝福を与えた。