はじめる

#幼馴染の君と王子様の君_໒꒱

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全19作品・








   ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️

   幼 馴 染 の 君 と 王 子 様 の 君 _ ໒꒱

           𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟰🫧ଓ

   ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️













































- 勝 利 𝘀 𝗶 𝗱 𝗲 -


風《んでさ、はるなが昨日こんなことしてて
表ではツンってしたこと言っちゃったけど
ぶっちゃけまじで可愛くて..、》

翔《あー、確かに俺もれながそんなことしてたら
可愛すぎて悶えてるレベルだわぁ、、》

『 ... 』


彼女持ちの2人がお互いに幸せそうに惚気を
話している中、彼女がいない絶賛片想い中の
俺は1人黙々と弁当を食べてる。

そんな俺の頬をまだ冷たい風が撫でていく。
春になったのにまだどこか冬を感じる..。


風《...って、勝利やけに静かだな、どした??》

『..ん、別に、』

翔《てかどうなの、例の幼馴染ちゃんとは!!》

『いや..?? 特に進展ない、っていうか。』


いつもと全然変わんない。
会話の内容も態度も全部。

まぁだから普通のままなんだけどさ。

そのまま卵焼きを食べようと思ったら
翔太と風磨くんが2人揃って"はぁ?!"って
声を出すからびっくりして卵焼きを取り損ねた。


『ちょ、うるさいんですけど..、』

風《いやいやいや、未だに進展なしなの?!》

『だからそうだって、』

翔《もう~、勝利ってばほんと奥手だよねぇ、》

『今更態度変えたって..。』


それにそもそもゆいさは俺のこと意識なんて
してない。ずっと"幼馴染"止まりなんだと思う。
今更態度変えたところでゆいさに不審がられる
だけだし。

..分かんないっての、、


翔《そういう時はグイグイ行かなきゃ!!》

『無理無理..、』

風《やる時はやんなきゃ勝利さん!!》

『えぇ、、』


やる時はやる...分かってるけど。けどさぁ、、
思ってる以上にそう簡単にはいかないんだよ。

意外と厳しいんだから、現実は..。


風《しょーりー、俺らもサポートするからさ??》

『有難いけど大丈夫。』

風《えっ、そこ断わる?! えぇ?!》


とにかく騒がしい風磨くんは置いとくとして。
俺はさっき取り損ねた卵焼きを食べようと、
もう一度お箸で取ろうとする。


翔《..あ、そう言えばなんだけどさ..、》

『ん??』

翔《最近、勝利の幼馴染ちゃんがモテてるらしくて、》

『..なに、??』


..衝撃的な話が再び俺の手元を狂わせた。
俺が突然立ち上がったから弁当が落ちかけ...


風《ちょっ、弁当危なっ!!》


たところを風磨くんがギリギリでキャッチ。
中身が少なかったから特に溢れることもなく。

..って、そんな弁当の心配よりも、、


『翔太、ちょっとその話詳しく。』

翔《いや、それがさ俺んとこの部活の先輩が
勝利の幼馴染ちゃんのことが好きだって
俺に話してきたんだよ。
ちなみに一目惚れだってさ。》

風《..でも、ゆいさちゃんとその先輩ってなんか
関わりあったっけ??》

翔《いいや、ないらしいよ。》

風《がちの一目惚れってことね、、》

『 ... 』


一目惚れ..???
嘘でしょ、ちょっとまずい..。

ここに来て突然のライバル出現。
確かにゆいさは可愛いから惚れるのも
分かる..けど。

ゆいさとなんの接点もない奴に取られる訳には
いかないし、俺だって譲る気なんて更々ない。

こうなったら俺も少しずつでも進展して
いった方が良さそうだな..ってなると今のうちに
計画を考えれば、、


そう考えていた矢先。
再び翔太の口から衝撃的な話が飛び出した。


翔《んで、今日その先輩が告白するんだってs、》

『はぁ?!』

風《ちょっ、勝利!! 落ち着いて?!》‎

『え、いや、、はぁ、?!』


突然のことに理解が追いつかない俺。
というか追いついてくれない。
さっきの話といい、情報量が多すぎて
既に俺の頭はキャパオーバーしてるんだと思う。

待て待て、さっき計画しようとしたのに
もうそんな時間もないって..??

やばい、まずい、、どうしよう、


『..ってか、なんで早く俺に教えてくれなかったの、?!』

翔《いやー...それがさ、俺も早めに話しとこうとは
思ってたんだけど、どうも話すタイミングが
分からなくて、、多分勝利すごい反応するん
だろうなって目に見えてたから、笑》


苦笑混じりにそう言った翔太に俺はハッとして
少しだけ我を取り戻す。

毎回そう、、ゆいさの前ではなんともないように
してるけど翔太とか風磨くんの口から話される
ゆいさ関連の話についてはやけに敏感になって
反応しがち。

それほどゆいさが好きなんだなって2人と
いるとすごいそれを実感させられるんだけど。


風《..勝利さん、これはもうなんとかしないと、、》

『そう..だよね、、うん、分かってる、、』

翔《..なんか話してごめん!!》

『いや、逆に知らずに告られてたらそっちの方が
嫌だったしまだ予防出来るんだったら..、
だから翔太が教えてくれて有難かったよ。』

翔《勝利優しい..、》

風《...感動な場面なとこ悪いけど、とにかく
今はどうするかだよ?!》

『え、今の感動な場面だったの..??』

翔《ぶふっ、笑》


今の笑う?? ってとこで何故か笑った翔太。
何に笑ったのかは分からないけど、まぁ置いとくと
しよう。


『その先輩には申し訳ないけど告られたらさすがに
困るから、その前にゆいさを連れ帰るってのは??』

風《多少強引感はあるけど、勝利がそれで
いけそうなんだったらいいんじゃない??》

翔《ま、好きな子が取られちゃうって考えたら
さすがに焦るもんなぁ、》

『..じゃあ、これで。』

翔《あっ、ちなみに放課後ね!!
勝利たちのクラスに先輩行くと思うから
帰りのHR終わったらすぐに幼馴染ちゃんと
帰った方がいいと思うよ。》


放課後..あともう数時間しかないのか、、

なんとなく、この計画通りに行動したら
ゆいさに不審がられそう、てか絶対そう。

..でも、それくらい今の俺は焦ってるから。

あの時見せた笑顔を、俺以外に見せないで、
俺以外を抱き締めないで。
...って、だめだめ、感情上手くコントロール
しなきゃ影響が出る、、


『..分かった、ありがと。』

風《てことで放課後頑張れよっ!!》

翔《勝利なら大丈夫だから!!》

『うん、笑』


なんか、俺がゆいさに告白するみたいな
応援の仕方なんだけど..まぁいっか。


てな感じでやっと話題が変わり2人は
また何かに爆笑しながら会話を交わしている。

俺は卵焼きを食べながらさっきの話を
思い出していた。


先輩相手でも譲れないものは譲れない。

俺だって本気なんだから。





──────────





꒰ ☕️ ꒱

しょりくんの親友出演ははーたんの
風磨くんと、れーちゃんの翔太くんです🫶🏻🎶

2人になるべく似せて書いてみたんだけど
キャラ崩壊してたらごめんね😿💧

てか、しょりくんが幼馴染の世界線に
行きたすぎて無理😖❤️´-


そして、次回の𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟱は先輩の告白阻止( ?! )
ここから少しずつ進展が始まるかも…❔

次回もお楽しみにっ🎶💭

♡ 𝗦𝗵𝗶𝘆𝘂 ☕️𓈒𓂂𓏸・2022-12-14
ପしょりゆい𝙽𝚘𝚟𝚎𝚕𝚜🍼♡
幼馴染の君と王子様の君_໒꒱








  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️

   幼 馴 染 の 君 と 王 子 様 の 君 _ ໒꒱

          𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟯🫧ଓ

  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️






















































『..、...ってば、...、...起きろって。』

「...んん、??」


誰かに体を揺さぶられている感じがして
まだ多少重たい瞼を頑張って開いて
突っ伏していた頭をゆっくりと起こした。

ここは..なんだ、いつも通りの教室だ。
さっきまでまたあの夢を見ていたから..。
んん、、また変な感覚になる、


『もう昼だけど。』

「あー..うん。」


勝利の言葉に周りを見渡すとお弁当を持って
机を寄せ合う女子や購買に向かう男子たちなど、
既にお昼ムード。

時計もちょうど4時間目の古文が終わったあと。


『古文苦手なくせに、また成績下がるね。』

「はいはい..分かったから、
勝利は早く風磨くんたちのとこ行ってきなよ。」


勝利は呆れたようなため息を零して
教室の後ろ扉で待っている風磨くんたちの
ところへと向かっていった。


は[ゆっちー!!]

れ[屋上行こ~♪]


勝利と入れ替わりにれーちゃんとはーたんが
自分たちのお弁当を手に私の机にやってきた。

ボーッとしてる場合じゃないや..。
すごい速さで教科書類を片付けてスクバから
お弁当を手に取る。


「いいよ、行こ!!」



⸒⸒



𝗶𝗻.屋上‪ 𓈒𓏸


は[てか、さっきの古文の先生さ~...、]

れ[あー、確かに言われてみれば、、笑]


2人が楽しく会話をしてる中、さっき見た
夢を思い出しながら黙々とお弁当を食べてる私。

やっぱり不思議だったし..変な夢だったなぁ、、

ていうか、夢の世界の自分はあっちの世界が
現実だって思っちゃってるみたいだし。
それでこっちが夢の世界みたいだ..って。
まるで、今の私が思ってることと正反対。

勝利はやっぱり、こっちの世界の勝利とは
性格が真反対すぎて違和感の域を超えている..。


れ[..ゆいちゃ??]

「っへ?!..ど、、どしたの??」

れ[なんか、今日は全然会話に入ってこなかったから
少し、心配になっちゃって...大丈夫??]

は[ゆっち、朝からボーッとしてたし、、]


あの夢のことを考えていたら、いつの間にか
私は上の空になっていたようで..、

私を見ている2人の表情は心配の色を
浮かべている。

...話して、みようかな。
この2人なら信頼出来るし、何よりいろんなことを
包み隠さずなんでも話せちゃうから。


「あのね、...最近、変な夢を見るんだ。」

は[変な夢..??]

れ[悪夢、とか良くない夢なの、??]

「悪夢って訳じゃないんだけどね、
その...、」



… 💬 …



は[..まるで現実のような夢、ねぇ、、]

れ[お姫様と王子様って、確かに不思議、!!]

「しかも、勝利の性格がこっちと夢で真逆すぎて
めっちゃ違和感でしかなくてさぁ、」


さっきのお昼寝中に見た夢のことも交えて
2人に話すとうんうんと頷きながら聞いてくれる。


れ[夢の方じゃ優しくて現実では冷たいって、
ほんとに真逆すぎるよね、確かに違和感..、笑]

は[それに、毎日見るってのも不思議!!]

「そうなんだよねぇ..。」

は[...ゆっち、勝利くんのこと考えすぎてるとか??]

「..へ??」

れ[あー!! 一理ありそう!!]

「え、ちょっと待って?!」


はーたんの軽い爆弾発言によって、私は
頬をピクピクと引き攣らせる。

勝利のことを考えすぎ..???
いやいや、そんなことない、

しかも、少し前から見るようになっただけで
勝利のことで頭いっぱいになった日なんて、
正直言って全くもってない。


は[あれ、違った??]

「全然、!! むしろ勝利のことなんて
考えたくもないよ..、」


あんな感情があるかも分からないぐらい
冷たい毒舌幼馴染のことなんて考えてる暇ないし
考えたくもない、、

..けど、毎日のように夢に出てくるのは謎だ。
物語のようなあの夢は1番謎だけど..。


れ[けど、今朝ゆいちゃ勝利くんのこと
ずっと見てなかったっけ。]

「え、、あー..今日も相変わらず囲まれてるなって
見てただけだよっ、」


モヤモヤしてたから、とは言えなかった。
なんでか分からないけど、誤魔化した。


は[怪しい~~...、]

「なんも怪しくないよ、?!」


手に汗を握る状況。
これは..話題を逸らさないとマズイかも..!!!


れ[..まぁゆいちゃの体調が悪くないんだったら
良かったよ!! なんとなく元気なさそうに見えた
から、その理由も知れて良かったし!]

は[ま、それもそうだねっ!!
またいつでも話してね、ゆっち!]

「!!!
ありがとうっ、!!」


れーちゃんが助け舟を出してくれたおかげで
なんとか切り抜けられた。

けど、2人には心配掛けちゃってたみたいだし
私も2人といるときはあんまり考えないように
しなくちゃな..じゃないと、また上の空になって
ボーッとしちゃうから気をつけないと。


は[でもさ、ゆっちの夢なんか羨ましいかも。]

「そう..かなぁ、??」

れ[私も、翔太が王子様の夢とか見たいなぁ♪]

は[風磨が王子様の格好してたら、かっこよくて
無理すぎる..、]


そう話す2人の目はキラキラしていて、
気づけば話題はそっちで盛り上がっていた。

彼氏が王子様の夢..イケメン彼氏持ちの
2人の立場になって考えてみれば確かに
この夢は羨ましいものなのかも。

私は好きでもなんでもない勝利が相手だから
あんまりだけどねっ。..好きでもなんでもない。
そうだよ、だって幼馴染なんだもん。



だけど、その感情に少しだけ違和感を感じた。


...違和感??



「..やっぱり、最近の私変だ..、」


そうボソッと呟いた私の言葉は誰かに
聞こえることもなく、そのまま風に乗って
消えてった。





──────────





꒰ ☕️ ꒱

なんとなく内容グダグダになっちゃった気が
するけど、大丈夫かな🥲🌀

あ、ちなみに日曜日にセクゾの
ドームグッズ届きました~🫰🏻💭
また別で投稿あげる予定です🙌🏻♡︎

…それはさておき、最後に感じた
心の違和感の正体とは、、❔

展開がまだまだ未知数なところは
あるのですが、みんなに楽しんで
もらえるよう頑張っちゃいます⸝⸝> <⸝⸝🎶


そして、次回𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟰は勝利𝘀𝗶𝗱𝗲の回に
なります🧒🏻❤️

次回もお楽しみにっ🤚🏻໒꒱

♡ 𝗦𝗵𝗶𝘆𝘂 ☕️𓈒𓂂𓏸・2022-12-07
ପしょりゆい𝙽𝚘𝚟𝚎𝚕𝚜🍼♡
幼馴染の君と王子様の君_໒꒱








  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️

  幼 馴 染 の 君 と 王 子 様 の 君 _ ໒꒱

          𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟴🫧ଓ

  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️






























































- 勝 利 𝘀 𝗶 𝗱 𝗲 -


授業中..のはずが、休み時間のように
ガヤガヤとしている教室。



まぁそれもそのはず、今日の学活は
文化祭の出し物を決めているんだから。


風《なぁ~~、どうよ勝利?? 劇って、》

『..劇なんて幼稚園のお遊戯会以来だし、、
まぁ推薦されなければ平気だよ。』


そう、俺らのクラスの出し物は"劇"。

この他にも男女逆転喫茶とかお化け屋敷、
迷路などなど..文化祭では定番と化している
出し物が候補に上がってったんだけど。

..結果はなんでか劇に決まってしまった。
まぁ男女逆転喫茶に当たるよりマシだけど、


翔《もし推薦されたら、他のやつ適当に推薦しよ。》

風《おー!! それいいな、名案!》

『二次被害..。』


ボソッとツッコミを入れてから、黒板を見ると
役名が横並びにチョークで記入されていた。

よりによって"シンデレラ"ですか..。


チラッと隣のゆいさを見ると、席が近くの
はるなちゃんたちと話している。

もし仮にゆいさが何かしらの役で推薦
されたりなんかしたら..いや、ないか。

根拠のない自信に安心していると、学級委員長が
こちらを向いてクラス全体を見渡した。


【..それでは、次にそれぞれの役を決めていきます。
立候補、もしくは推薦でお願いします。】

「推薦だって..絶対来ないから大丈夫だよね??」

は《とか言ってたら当てられちゃうかもよ、?!》

「えぇ、はーたんとれーちゃん可愛いんだから
一番お姫様に推薦されそうじゃん!」

れ《劇かぁ..推薦されても相手が翔太じゃなきゃ
嫌だなぁ、》

「確かに相手による..。」


どうやらゆいさも自分は当てられる自信
ないのを自覚しているらしい。

まぁどうせ俺も来ないし、、風磨くんたちと
話しながらこの暇を潰そうか。


【それではまず..シンデレラの役、誰か
やりたい人はいますか??】

[えー、どうする..??]

[さすがに恥ずかしいよねぇ、]

[姫川さんとかシンデレラ役良くない??]

[確かに!! でも、海麗さんだって圧倒的お姫様
って感じするから海麗さんでも良いと思うん
だよね~。]

[それも確かに!]

[でも、佐伯さんとか..。]

[あのルックスだったらうちの劇の主役
抜擢なんじゃ?!]


[...委員長!! 佐伯さんなんてどうですか?!]



「えっ、」

『..は、??』


待て待て待て、なに、どうしてそうなった??

辺りをきょろきょろとして見るからに
混乱しているゆいさと焦る俺。

え、なんでゆいさに推薦したの??
俺の頭に浮かぶ疑問はそればかり。

相手はどうなる??
さすがに俺以外は..避けたい。


さて、どうするべきか..、


【佐伯さん、推薦されてますけどどうですか?】

「え...っと、」


『_委員長、ちょっといいですか??』


「え、勝利??」

【???...どうぞ。】


俺は手を挙げて委員長を呼ぶ。

委員長は突然呼んできた俺を少し怪訝な目で
見てきたけどすぐにいつもの表情に戻った。



もし、俺以外の男子が王子の役やることに
なったらそれこそ耐えられない。

それを避けるべきにもここは...、


『俺、立候補したいんですけど。』

【どの役にですか?】

『...王子の役で。』


[えーっ!!!! 佐藤くんが王子様?!]

[待って、私推薦しようと思ってた!!]

[うわぁ、佐藤くんが王子様やるんなら
私シンデレラ立候補しとけば良かったなぁ..。]


途端に歓声が上がる教室内。

てか、俺が立候補するのはゆいさが
シンデレラ役に推薦されたからであって
相手が俺以外にならないよう避けるためだし、
そうじゃなければ立候補なんてしていない。

ゆいさはと言うと目を丸くして俺を凝視している。
多分、ゆいさ的には俺が立候補するとはきっと
思いもよらなかったんだろう。


【分かりました。..佐伯さんはどうしますか?】

「あっ..えと、...や、やります、」

【..それでは、主役の2人は佐伯さんと佐藤くんで
決定です。】


あちこちからなる拍手。
俺は自然と頬が緩んでしまう。

ゆいさは未だ驚き顔で黒板を見つめていた。


風《勝利ナイスー!!!》

翔《やっぱ好きな子が推薦されたら焦る??笑》

『ちょっ、隣にいるんだからさ..。』


2人はニヤニヤしながら話しかけてくる。

...やっぱり風磨くんたちには俺が立候補した理由、
分かってたらしい。


は[へぇ~..??]

「..勝利が立候補するなんて、、しかもよりによって
王子様って全然らしくないし、!!」

れ[ゆいちゃが推薦されたから焦った..とか??]

「いやいや!!...てかどうしてそれで焦るの??」

は[あはは..、]

れ[えっとね、笑]



風《ふははっ、らしくないってよ!!》

『..何が??』

風《何がって、ゆいさちゃんが言ってたよ??》

翔《風磨、会話盗み聞きすんの良くないんだー!!》

風《ちょ、誤解生むから!!
   たまたま聞こえてただけだって!!》

『らしくない、ねぇ..。』


いや、俺だってそもそもこんなの立候補
するつもりなかったんですけど。
..って言ったところでって感じだし、、

ほんとの理由なんて言える訳もないんだから
らしくない、そう思われても仕方がない。


翔《けど、勝利まじでかっこいいから役ぴったり
   だと思うよ、俺は。》

風《それな、まぁふぁいとっ!!》

『..ありがとう、??』


素直に喜んでいいんだかなんなのか分からず、
曖昧な感謝を伝える。


【_それではこれで全員決定になります。
  劇の練習は来週からです、忘れないように。】


委員長の声が聞こえて視線を前の黒板に
移せば、話している間に決まっていたみたいで
役の名前とクラスメートの名前がズラッと
横並びに書かれていた。

来週ね..俺は黒板から隣のゆいさに視線を移す。
黒板を見つめながら時々委員長を見てきちんと
話を聞いているゆいさ。

そんな彼女をじーっと見ていれば、その視線に
気づいたらしくこっちを向いた彼女と目が合った。


「...なに??」

『いいや、なんでも。』

「ちゃんと聞かなきゃ分かんなくなっちゃうよ。」

『それ、普段のゆいさだから。』

「...うるさい。」


そう言って、再び視線を前に移した。

それでも尚、ずっと彼女を見つめ続ける俺。



窓から入ってくる柔らかい日差しに照らされた
ゆいさの横顔は普段の可愛い、ではなく
綺麗..だと感じる。

透き通るような白い肌に、艶がある黒い髪、
目は大きく二重幅が綺麗で、唇は血色が良いピンク色。





...実際、彼女がほんとのお姫様だって
言われたら信じられるくらい可愛いし綺麗。


って思ってる俺は相当惚れすぎなのだろうか..、





──────────





꒰ ☕️ ꒱

一応、季節設定は秋にしてます🍂🤍
夏が終わったばかりのまだ若干暑い
秋…みたいな☝🏻💭

なので、文化祭のお話入れちゃいますっ⸝⸝> <⸝⸝


次回、𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟵は少し飛んで来週のお話🪄💭
文化祭の劇の練習が始まる回です໒꒱

次回もお楽しみに~🙌🏻♡︎

♡ 佐 藤 ♡・2023-01-11
ପしょりゆい𝙽𝚘𝚟𝚎𝚕𝚜🍼♡
幼馴染の君と王子様の君_໒꒱

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に19作品あります

アプリでもっとみる









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  幼 馴 染 の 君 と 王 子 様 の 君 _ ໒꒱

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         𝗣𝗿𝗼𝗹𝗼𝗴 .. 👑🤍












































私は最近、変な夢を見る。


悪夢じゃないけれど、とても幸せで、

とても不思議な、そんな夢。




  『変な夢って、疲れてんじゃないの??』



_現実の、私に対していつも冷たくて毒舌すぎる
ムカつくくらいかっこいい幼馴染か、




  『ずっと、姫の傍にいると誓いましたから。』




_夢の中の、優しくていつでも温もりと癒しを
与えてくれる幼馴染とそっくりな王子様か..。



私は、一体どっちに恋してるんだろう、??



平 行 世 界 の よ う な 不 思 議 な 体 験 を し た
あ る 高 校 生 の お 話 _ 🪄.


𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸

⦿ 登 場 人 物 🌟 🤍


☕️┊︎佐 伯 ゆ い さ / 高 校 2 年 生
( さ え き ゆ い さ )

成績普通、運動神経も普通、とにかく全部
普通なごく平凡のそこら辺にいる高校生。
ちょこっと不真面目な一面あり😵‍💫🌀
ある日、突然不思議な夢を見るようになる。
幼馴染である勝利にある感情を抱いているけど
本人はその気持ちを認めたくない。


☕️┊︎佐 藤 勝 利 / 高 校 2 年 生
( さ と う し ょ う り )

成績良し、運動神経抜群、それでもって
学年トップを誇るイケメン高校生。
とにかくモテるし、年中モテ期。
幼馴染の佐伯に対して毒舌ばかり吐くが、
決して嫌いな訳ではない。
そろそろ鈍感な佐伯に自分の気持ちを気づいて
ほしいと思っているけど、自分も不器用なため
気持ちを伝えることが出来ずで進展なし。
佐伯が見るようになった不思議な夢の世界と
関係している…??

𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸

毎 週 水 曜 日 更 新 _ ໒꒱

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⸜ ☕️ ⸝

しょりゆい長編小説第2️⃣弾ですっ❕❕

今回は前回と違って、非現実的なお話を
交えた世界観のお話にしてみました💭𓈒𓂂𓏸

親友は私が作った架空の人物ではなく、
大好きな友達に親友出演してもらおうと
思っていますっ🫰🏻🤍

更新曜日は変わらず水曜日です🕯💭

来週から連載開始予定なので、ぜひぜひ
「幼馴染の君と王子様の君_໒꒱」楽しみに
待っててくれたら嬉しいです⸝⸝> <⸝⸝


𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸

𝗦𝘁𝗮𝗿𝘁 ┊︎ 𝟭𝟭 / 𝟮𝟯 .໒꒱

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♡ 𝗦𝗵𝗶𝘆𝘂 ☕️𓈒𓂂𓏸・2022-11-16
ପしょりゆい𝙽𝚘𝚟𝚎𝚕𝚜🍼♡
幼馴染の君と王子様の君_໒꒱








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   幼 馴 染 の 君 と 王 子 様 の 君 _ ໒꒱

           𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟭𝟰🫧ଓ

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舞踏会が終わった翌日、私はお城の
バルコニーに出て小鳥の囀りや草木を
吹き抜ける風などの自然の音に癒されていた。

優しく頬を撫でる風に心地良さを感じて
私はすっと目を瞑る。

その時に横からクスッと誰かが笑みを零した。


「なんで笑うの、笑」

『だって、なんか可愛いな~ってさ??』

「なっ..、」


サラッとそう言うことを言えちゃう勝利の
発言に私は顔を赤くしながら目線を逸らした。

相も変わらず優しく吹き抜けてくる風を受けて
顔の熱が段々と引いてきた時。


『そう言えばさ、』

「ん??」


さっきの優しい声色とは少し変わって、
どこか真剣な雰囲気が加わった声で話を
切りかけられて、私は前に向けていた顔を
再び勝利の方へと向けた。

私の隣にいた彼の横顔はどこか緊張した
面持ちで、私もどうかしたのかと漠然とした
不安が押し寄せてくる。


『..そんな不安そうな顔しないで。
  姫が思ってるような悪い話なんかじゃないよ。』

「え??」

『ふふ、ごめんね。話そうと思ったら、
  少し緊張しちゃって。』


そう言って私の方に顔を向け、優しく微笑む
彼にピンと張ったような空気がなくなって
少しだけ緩くなる。

おかげで、さっきの漠然とした不安もどこかへ
飛んでいってしまった。


「ううん、別に後ででも良いよ、?」

『いや、今話すよ。』

「..そっか。わかった。」


場の空気は少し緩んだものの、やはり
再び漂う緊張感。


『...俺らってさ、婚約者だからいずれは結婚
  するでしょ??』

「そうだね、?」

『その...俺は、そろそろ結婚したいと思ってて。』

「..えっ、」


一瞬、時が止まったような感じがした。
驚きすぎて反応が遅れてしまう。

結婚..正直、まだ先の話だと思ってた。
それを勝利はもう考えていてくれてただなんて..。

真剣な顔をした勝利を見つめながら、しばらく
私はフリーズ状態になって何も言葉を発せなくなる。


『もちろん、姫の意見も聞いて明確にいつ結婚
  しようかは話し合ってから決めて、その上で
  お互いの母上たちに伝えたいと思ってる。』


『...俺は、何があっても姫を守り抜くし、
  ずっと傍にいるって必ず誓えるよ。』

「...っ、」


真っ直ぐな眼差しで一度も目を逸らすことなく
話してくれた勝利に、段々目頭が熱くなってきて
涙が出そうになってくる。

泣くのを堪えて、私も同じように真っ直ぐ
勝利を見つめ返す。


「勝利が良いんだったら、私も結婚したい..です、」


緊張とドキドキのせいで声を震わせながら
言った私に対して、勝利は嬉しそうに微笑んで
私をぎゅっと抱き締めた。


『絶対幸せにする。』


そんな彼の言葉に私も微笑みながら、
彼の背中に腕を回して頷いた。





──────────





꒰ ☕️ ꒱

しばらく高校に慣れるまでは、
不定期更新多いかもです😖💧

小説書くこと自体は好きだし楽しいから
ちゃんと完結するまで書きます❕❕

完結するまであと数話くらいあるので
"おさきみ"(初めて略してみた)を
しばらくお楽しみください🫰🏻🎶


次 回 ┊︎ 𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟭𝟱 ໒꒱
久しぶりに現実世界でのお話🐇💭
幼馴染がクラスメートから告白を受けてる現場を
偶然目撃してしまい…❔

次回もお楽しみにっ☝🏻🎀

♡ 佐 藤 ♡・2023-04-20
ପしょりゆい𝙽𝚘𝚟𝚎𝚕𝚜🍼♡
幼馴染の君と王子様の君_໒꒱








  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️

  幼 馴 染 の 君 と 王 子 様 の 君 _ ໒꒱

          𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟭𝟬🫧ଓ

  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️




















































- 勝 利 𝘀 𝗶 𝗱 𝗲 -


『 ... 』


ベッドに座ってから数分。

俺は何をする訳でもなくただ無言で
ゆいさの瞳の中に映っていたものを思い出す。


舞踏会での社交ダンスのシーンの練習中..
俺は台本通り跪いてゆいさに手を差し伸べた。

その後にゆいさが手を取って踊るんだけど、
どうもそれまでのちょっとした間に妙な間があった。

手を取ったあと、まるで俺を誰なんだと
探るように見つめていたあの瞳。

...だけど、気づいたんだ。
多分ゆいさが映していたのは俺じゃない、
"他の誰か"_..。

転びかけた時はさすがに我に返っていたけど、
ゆいさは一体俺を誰と重ねていたのかが分からなくて
実際モヤモヤしている。


帰り道に直接聞こうかとも迷った。

けど、それでゆいさが素直に話してくれるか..
って思ったらきっとそれはない。

それに、ゆいさにとったら俺が聞いたところで
何か意味があるの?? ってなるだろうし。


『はぁ..分かんないや。』


ずっと頭の中で考えてたって答えが見つかる訳でも
出てくる訳でもない。

だから、俺は考えることをやめてベッドに
横になった。

けど..ゆいさのどこか幸せそうな表情が俺の
脳内をチラつく。

誰がそんな表情にさせてるの?
誰が、頭の中にいた..???
はぁ..ここまでくると重すぎるんじゃないかなって
自分自身でも呆れる。


『...いい加減気づいてくれないかなぁ、』


自ら想いを言わなきゃ伝わらないことなんて
世の中たくさんあるって言うのに。

どうしようもなくなった俺はそんなことを
一人、呟いてその呟きは宙に舞って誰かに
拾われることもなく、消えた。

ゆいさが鈍感すぎるのか、それとも俺が
不器用..すぎるだけなのか。

...はたまた両方なのか、、


考えすぎて疲れた俺はそのままそっと瞼を閉じた。





──────────





「..今日の勝利、なんか調子悪いね??」

『そ?? 別にいつも通りなんだけど、』


いつもと変わらない朝。
ゆいさと一緒に学校へ向かっていたら、
俺の顔を覗き込みながら放たれた言葉。

ゆいさって変なとこで勘が鋭いんだよなぁ..、


「んー、なんか悩んでますって顔。」

『 ... 』

「あれっ、図星?!」

『..だから、いつも通りだってば。』

「へぇー、」


尚も怪しそうに見つめてくるゆいさを横目に
俺は昨日のことを聞くか聞かないか、少しだけ
悩んでいた。

...いや、それで悩んでたらおかしい??
ゆいさからしたらそれで悩んでるだなんて
知ったらどう思うかな。


結局、俺は聞かずに喉まで出かけた言葉を
グッと奥まで飲み込んだ。



⸒⸒



《ゆいさちゃーん!!》

「あっ、聡くん!!」

聡《今日の放課後、僕ら集まりあるってさ!》

「え~..この前だって集まったのに??」

聡《なんか先生が、話を聞いてない人が多いし、
提出物が出てなさすぎるからだ..って。笑》

「あははっ、聡くんのものまねやっぱ笑える、笑」


昼休み、教室の隅で2人のやり取りを見ながら
いつの間にあんな仲良く..っていう疑問と、普段
俺の前では見せてくれない笑顔を引き出せている
聡くんに嫉妬を抱いて複雑になる。

壁に背を預けながら同じくその様子を見てた
風磨くんはクスッと笑った。


『...なに。』

風《いや、、笑
   やけに複雑そうな顔してんなーって。》

『そりゃあ..まぁ、』


ニヤニヤしながら見てくる風磨くんを
ジトッとした目で見つめる。

絶対、今この場に翔太もいたら風磨くんと
一緒にからかってきたんだろうな、、
幸い、今日は用があっていないけど。


風《松島は人懐っこいもんなぁ、》

『俺も聡くんみたいになれれば、、な。』

風《まぁまぁ、それぞれの個性ってやつよ!》

『そうだけどさ..。』


生憎、素直な訳でも人懐っこい訳でもない俺は
あんな風に明るく振る舞える聡くんが少なからず
"羨ましい"と感じてしまう。

物心がついた頃からゆいさとはいつの間にか
憎まれ口を叩き合う仲になっていて..、

ゆいさの楽しそうな笑顔を見たのっていつぶり、??
それくらい俺は冷たくしすぎている訳で。
素直に、なれないんだ。

だからいつだって頼っちゃうんだ..。


『はぁ..聡くんに気持ち行かないといいんだけど、』

風《焦れったいねぇ..いっそのこともう告っちゃえば
   いーのに!》

『そう簡単じゃないんだよ、それが。』

風《幼馴染の壁ってやつ??》

『..ってのもあるけど、』


幼馴染の壁以前に..ゆいさが俺のことを意識
してないのを俺は分かっている。

だからこそ、臆病な俺は想いを
伝えられずにずっとこの関係のまま。

下手したら一生こうなんじゃないのかなって、
最近はそんな不安も少しだけ抱き始めている。


風《まぁもしゆいさちゃんが勝利のことを意識
   していないとして、それでも告白されたら
   相手側は意識し始めるんだよ。
   だから、可能性はゼロじゃないってこと!!》

『んー...まぁ、、』

風《ま、とりあえず焦らないようになっ。》

『..うん。』


珍しく真剣なアドバイスみたいなのを教えて
くれた風磨くんの言葉をもう一度頭の中で
再生してみる。

"告白されたら相手側は意識し始めるんだよ"

確かに、そういうものかもしれないけど..
それでもゆいさは俺が告白したら少しは
意識してくれるのだろうか??


聡《でね、それがさ~..!!》

「え、そんなオチなの?!笑」


『...はぁ、』


いつか聡くんの方にゆいさが行ってしまいそうで
少し怖くなって、か細いため息が出る。

いちいち不安になってるくらいなら、風磨くんの
言う通りもう想いを伝えてしまおうか..。


少しのモヤモヤと不安を抱きながら、俺は
2人から目を逸らした。





──────────





꒰ ☕️ ꒱

切なめ❔シリアス❔
よく分からない雰囲気の回になっちゃったかも(× × )


次 回┊︎𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟭𝟭 ໒꒱
ゆいさ𝘀𝗶𝗱𝗲❕
夢の世界でとある会からお誘いの手紙が✉️🤍
その内容とは…❔

夢の世界としょりくんの繋がりはあるのか
ないのかはまだもう少し先になるかもです☝🏻💭

次回もお楽しみに~🫰🏻🎶

♡ 佐 藤 ♡・2023-01-25
ପしょりゆい𝙽𝚘𝚟𝚎𝚕𝚜🍼♡
幼馴染の君と王子様の君_໒꒱









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   幼 馴 染 の 君 と 王 子 様 の 君 _ ໒꒱

          𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟭𝟭🫧ଓ

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「ん~~..やっぱりお城の中より外が落ち着く..、」


とある午後の昼下がり。

私はお城を抜け出してそよそよと風が吹く
気持ちのいい野原でのんびりしていた。


「ん..?? なにこれ、封筒?」


瞑っていた目を開いて綺麗に澄んだ
青空を眺めていると突然一枚の白い封筒が
私の元へと飛んでくる。

それをすかさず手に取ってどんな手紙かを確認。

宛先は...、あれ、私宛??


「なんだろう、、??」


恐る恐る手紙の封を開くと、そこに入って
いたのは一枚の便箋。

便箋も開いて内容をしっかりと読んでみる。


「えっ、舞踏会?! ってことはこれ招待状..!!」


驚いてつい声を上げる私。

内容は舞踏会への招待状。
日時や場所などが事細かに書かれていて、
久しぶりの舞踏会に胸が踊る。


「舞踏会なんていつぶりなんだろう..、」


便箋をもう一度折りたたみ封筒に入れながら
自然と緩んでいる頬。

勝利も来るのかな..、それなら尚更楽しみかも、
なんちゃって。


「こんな風に踊れるのかな、」


招待状を手に私は自分の想像のままに、
くるっと回ってみたりステップを踊ってみる。


...あれ、?? なんだかこのステップ、どこかで
踊ったことあるような、、

それに自分の想像以上に踊れている。
まるで"どこか"で踊ったことあるような、
体がなにかを覚えている。


だけど、そんな不思議な気持ちより
私は踊ることに夢中になっていた。

広い野原の青空の下、解放感あるこの空間で
私はしばらく自由に踊っていた。


「やっぱり、踊るって楽しいな..、」

???《あの...、》

「ふぇっ??」


突然声をかけられて間抜けな声が出る自分。

頭を横に振ってから、こほん、と咳払いをして
声がした後ろを振り向く。

そこにいたのは金髪の美青年で、、
かっこいい、というか、可愛い、というか..。

...いや、それ以前に既視感のある顔。
どこかで見たことあるような、、その時に
不意に思い出した朧気な別の世界の記憶。

なんでだろう、別世界で見たことのある
顔の人たちとそっくりなような..??


???《あっ、すみません、急に声掛けちゃって..!!》

「いえいえ、!!
えっと..貴方は、??」

???‪︎‪︎《申し遅れました、僕は 聡 と申します。
   隣の国の世継ぎ..と言ったところでしょうか、》


聡、と名乗った彼はにこやかに微笑んだ。

"世継ぎ"の言葉に反応して改めて彼の服装を
確認すると、確かに貴族の格好をしている。


「世継ぎ..ということは王子様なんですか、??」

聡《そうなりますね、!!
   王子って呼ばれると恥ずかしいですけど、笑
   貴方様のお名前も聞いても宜しいですか??》

「ゆいさと申します。
私も同じくこの国の世継ぎの者です、」

聡《やっぱり..同じもの同士ですね!》


聡くん、って呼ばせてもらおう。

聡くんは意外とフレンドリーに話してくれて
思った以上に会話が広がる。

同じ身分同士だから、と言うのもあって
敬語からタメに変わってお互いの国のことや
好きなこと、趣味などの定番の質問などに
答えては共感したりと、とても気が合うし
居心地がいい。


聡《それにしても、踊り上手だったね、
   僕あんな風に踊れないなぁ、笑》

「いやいや!! ..って、そう言えばだけど、どうして
私に声を掛けてくれたの??」

聡《うーん..なんだろう、僕は今日ここに用が
   あってここに来たんだけど、通りすがりに
   偶然ゆいさちゃんが踊ってる姿が見えて..
   なんか居ても立ってもいられなくなった、
   っていうか..??》


なんて説明すればいいんだろう~~..!!!

そう言って軽く頭を抱える聡くん。
その姿に少しだけ笑みを零してしまう。

誰かに見られてたのは予想外だったけど..、


「あははっ、聡くんって面白いね、笑」

聡《え、そうですか?!》

「なんか話してて私まで明るくなるって言うか、??」


私がそう言うと嬉しそうな笑顔を浮かべて
えへへ、とどこか照れくさそうな仕草を見せる。

その姿に可愛い..と不覚にも思った自分が
いて、勝利とはまた違った彼に胸が弾む。


聡《...すごく嬉しい、ありがとう!!》

「ううん!! ほんとにそう思っただけだからさ、」

聡《ふふ、ゆいさちゃんもすごく話しやすいし、
   なんか落ち着くんだよね~、》


まだ出会って間もないのにね!!
って笑う彼は明るくて例えるとしたら
青空を照らす太陽..みたいだなって。

私まで明るくなれて、なんだか不思議だな..、


聡《あっ..そろそろ時間になっちゃうかも、》

「あ、そっか。聡くんはこっちまで用があって
来たんだもんね。」

聡《そうそう、時間になるし僕も帰るとするよ。
   じゃあ、またどこかでね、ゆいさちゃん!》

「うん! またね、聡くん!」


私はその場で聡くんに手を振ると、聡くんも
手を振り返してくれてそのまま付き添いの
執事たちと一緒にその場を後にした。

私もそろそろお城に戻らなくちゃ..。

そう思った瞬間、ぎゅっと後ろから
なにか温もりに包まれた。

驚いた私はつい、変な声が出そうになる。


「っわ?!」

『...探した、』


びっくりして肩を跳ねさせる私。

鼻を掠めるほのかな香水の匂いと
聞き覚えのある声ですぐに誰かだなんて
分かってしまった。


「ごめんね、って急にどうしたの、」

『別に..、』


普段、急に後ろから抱きしめられるなんて
ことないからちょっとだけ戸惑う。

ただ、勝利が少し不機嫌そうなのは分かった。

声色がどこかご機嫌斜めな、そんな感じ。


「別にって、絶対なにかあるでしょ、??」

『...さっきの人、誰。』

「さっきの人..??
あっ、聡くんのこと?」

『...うん、多分その人。』


"聡くん"、の名前を出した時、少しだけ
勝利の私を抱きしめる力が強くなった気がする。

...もしかして、だけど。
嫉妬してる、、??


「..偶然ここを通りかかって私に話しかけて
くれたの、お友達みたいな感じだよ。」

『それならいいんだけど..、』

「ねぇ、嫉妬してる、??」


前に回されてる勝利の手首をきゅっと
握って控えめに振り返り彼に聞く。

少しだけ不機嫌そうな彼は一瞬だけ
視線を逸らして小さく頷いた。


『...そりゃあ、したに決まってるじゃん、、
  好きな人が他の人と話してるなんてさ、』

「っ、!!!」


ドキッて胸が音を立てて高鳴った。

...だけど、それと同時に何故か別の勝利の
声が重なって聞こえたような気がした。

私は視線と顔を勝利から背けて視線を
俯かせる。


『ふは、顔真っ赤じゃん、』

「む、」


背後から正面に回ってきて、顔が赤い私の
顔を見るとクスッと笑って頬を摘まれる。

さっきまで嫉妬して不機嫌だったくせに..
いつの間にか立場が逆転してる。

..だけど、その優しい微笑みで結局
許してしまう自分がいるのも、確か。


「...あっ、ねぇ、勝利のとこは招待状来た??」


私は不意に舞踏会のことが頭に過って、
目の前にいる彼に質問する。

多分、私も来てるってことは..勝利も
招待状が来てるはず、??


『...招待状?? それって舞踏会の?』

「うん! ちょっと気になって、、」

『ふは、俺のとこも来たよ。
   姫は行くの??』

「久々だから行こうと思ってる、勝利は??」

『姫が行くなら俺も行く。』


私が行くなら、って..少しおかしくなっちゃって
ぷぷって笑いが抑えきれない。

そんな私を見て勝利は"どこを見て笑ったの?!"
って少々困惑気味の様子。


「だって、私が行くならって、、笑」

『いや、それは..俺が行かなくて姫だけ行ったら
   他の人たちが一緒に踊ろうって誘ってくるかも
   しれないでしょ?? それは嫌だから。』

「もう、なにそれ、」


勝利って意外と嫉妬魔さんだったりして、
なんて思考が頭を過ぎるけど、あながち
間違いじゃないのかも。

勝利と一緒に踊れるんだって思ったら、
どきどきとわくわくの気持ちが交わる。

早く舞踏会の日にならないかな、なんて。


『絶対一緒に踊ろうね、約束。』

「ふふっ、約束。」


2人で小さい子がやるような指切りげんまん
をして目線を合わせて微笑み合う。



たったそれだけなのに、やっぱり君が
好きだなって感じてしまうのは私だけなのかな。





──────────





꒰ ☕️ ꒱

ようやく、今日から長編小説の投稿
再開します…❕❕

待ってた人いるか分からないけど、もしいたら
長く待たせてしまい申し訳ないです🥲💭

ほんとは先週の今日に投稿再開予定だったん
ですけど、書き終わらなくて投稿出来そうに
なかったので今日にしました🙌🏻♡︎

前回のお話からだいぶ経ってるので、
前話から読んだ方がいいかもです☝🏻💧


次 回 ┊︎ 𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟭𝟮 ໒꒱
ついに文化祭当日❕

劇は無事に出来るのか…❔😖💭
そしてついに佐伯の気持ちが
動き出すかもです➰💞

♡ 佐 藤 ♡・2023-03-22
ପしょりゆい𝙽𝚘𝚟𝚎𝚕𝚜🍼♡
幼馴染の君と王子様の君_໒꒱








  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂☕️

   幼 馴 染 の 君 と 王 子 様 の 君 _ ໒꒱

          𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟮🫧ଓ

  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂☕️



























































「んん...んーっ、」


突っ伏していたテーブルから目が覚めた私は
頭を上げて暖かい日差しを浴びながら伸びをする。

あれ、いつの間に昼寝しちゃってたんだっけ..。


   _『姫、よく眠れましたか??』


傍から聞こえてきた聞き馴染みのある
男子にしては少々高めのその声。

姫、と呼ばれて振り向いた先にいたのは
_私の婚約者であり好きな人で王子様の勝利。

あれ?? 聞き覚えのある名前だって?
私もね、最初は驚いちゃった。
だって、高校生?の私のツンケンしてる幼馴染の
男の子と同じ名前でそっくりな顔をしていたから。


「いつの間にいたの?? 勝利。」

『姫が寝ていた時からですが..。』

「..ふふ、なんか寝ちゃってたみたい。」


辺りを見回すといつも通りの城の中。
私が眠っていたのはどうやらバルコニーに
設置されてるガーデニングテーブルだったみたい。

さっきまで私は確か..学校??にいて、勝利に
よく似た私に冷たい幼馴染がいて。
うーん..夢みたいなんだけど夢じゃないような、、
私にとって"この世界"が現実だから、あの学校
っていう場所にいたのは夢のように感じるの。


『..そっか。』


勝利が敬語を外すのは私と2人きりの時だけ。
執事が近くにいる時は敬語なんだけど理由を
聞いたら他に人がいるからなんか堅くなっちゃうって。

緊張してるってことかな。

だから、敬語を外してる時は勝利がリラックス
してる時なんだって思ってるんだ。

...仮にも勝利はあの世界の私たちと同じ幼馴染
だから、敬語ってなんだかくすぐったいけど..。


『..最近よく眠れてる??』

「どうして?」

『なんか、最近寝てること多いなって感じて。』

「寝てることが多い..、」


そう言えばふとした瞬間に寝てることって
確かに多いかも..??

でも、いつも寝て起きたら違う世界の私に
なってて最近こんがらかりかけるんだよね、
寝不足...?? ちゃんと寝てるつもりだけど、、


『寝不足だったりする?
なんか不安なこととか..、』

「..ううん、そういうのはないかな。」


穏やかにゆっくり進む会話。
あっちの世界の勝利とは大違いだな..。
顔も声も身長も、何もかもが似てるし
関係性も同じなのに性格だけは真逆。

なんか、不思議。


『あっ、ねぇ姫??』

「あ、また"姫"呼び、、」

『え??』

「名前で呼んでもらうのは、だめ??」


2人きりの時、敬語は外すのに"姫"呼びは
何故か外さない。昔はちょっと名前呼んで
くれてたけど..いつからだっけ、勝利が私のこと
姫って呼ぶようになったの。


『..そう..だな、、姫って呼ばれるのは嫌??』

「昔からそうだったから別に嫌って訳じゃ
ないけど、なんか..なんて言うんだろ、」

『距離、感じる??』

「..少しだけ。」


そう答えると勝利は顎に手を当てて考えてる。
私も"王子"じゃなくてずっと"勝利"って呼んで
きてるし、お互い名前呼びじゃだめなのかなぁ、、


『...じゃあ、今日だけは名前で呼んであげる。』

「今日だけ、なの??」

『特別だから、、ね。』

「..まぁ名前呼んでもらえるだけいっか。」


どうして私の名前を呼ばないのかが
分からないけど何か言われてたり..??

婚約者だから、みたいなさ、、私はそういうの
嫌というかあんまり好きじゃないというか。

まぁ憶測に過ぎないからほんとの理由は
全然分からないんだけどね、


『..でも、ゆいさっていう名前を呼びたくないから
じゃないよ。ただ俺が"姫"って呼びたいだけ。』

「ふふ、何それ。」

『だって、これが理由だし。笑』


勝利がどうしてそんなに私のことを"姫"って
呼びたいのかは分からないけど..確かに姫
だってことは事実ではあるけれど。

せめて婚約者という関係になっても幼馴染
なのは変わらない勝利からは名前で呼んで
ほしい..というか、

昔から一緒にいるから堅くしなくていいのに、
みたいな、、そんなこと言っても最近呼び始めた
話じゃないからだいぶ今更ではあるし慣れつつ
ある今日この頃だけど..。


「..やっぱり、勝利といると気が楽だな~、」

『俺も。ゆいさといる時が1番楽しい。』

「勝利のとこは執事さんどんな感じなの??」

『ん~、他と変わらないかな?? ゆいさは?』

「少しだけ厳しい..かな?ってぐらいかも。」

『そっか、』

「お母様がね、"勝利くんのお嫁さんになるなら
覚えることはしっかり覚えさせるからね"って
すごく張り切ってるみたいで、笑」

『ふふ、ゆいさは今のままで充分だよ。
むしろ出来ることは俺全部やるのに。』


勝利はにこやかに微笑んで、
その綺麗な瞳に私を映す。

出来ることは全部やるのに、って..、笑

さすがに私も勝利のお嫁さんになるんだったら
お母様の言う通り覚えなきゃいけないこと、
家事とか勝利を支えるためのサポートとか..
そこら辺はしっかり覚えたい。

たまに執事さんとかだったり、お母様からの
指導が厳しすぎて投げ出しそうになりたくなる
こともあるんだけど、、


「..私は、勝利の役に立ちたいからしっかり
覚えて勝利のとこに嫁ぐつもりだよ。」

『...無理、しすぎないでね??』

「え??」

『そうやって無理して辛くなっちゃったこと、
今までもあったんだから。
..出来るとこまでで、大丈夫だよ。』

「..うん、」


勝利はいつだって優しくて温かい言葉を
掛けて安心させてくれる。

今だって、改めて勝利が私の好きな人で、
婚約者でほんとに良かったなってそう思う。


『..ね、裏庭行かない??』

「行きたいっ!」

『じゃあ、お手を貸してくださいな。』

「..どうぞ、」


勝利が差し出した左手に自分の右手を
そっと重ねる。

そしたら、優しく包み込んでくれて"行こっか"
って優しく微笑んで隣に並んだ。

同じ歩幅で。私と同じ速度でゆっくりと..、
手はしっかりと繋がれていてその手から
勝利の体温が伝わってくる。

それを感じた途端、心臓がトクンって高鳴る。
ちゃんと傍にいるって感じられてるみたいで
すごく安心する。なんだか魔法みたいだな、、


「わぁ...来ない内にこんなに綺麗になってたんだ、」

『ね、..俺も久しぶりに来たけどいろんな花
咲いてるね。』

「最近行かなくなっちゃったからな..ここ。」


私はふわふわな芝生の上にゆっくり座る。
その隣に勝利も腰を下ろした。

最近は普段の稽古に加えて花嫁修業もやり始めて
ここに来る暇がなかったんだよね。
前までは1日に1回は来てたし、雨の日でさえも
傘を差してここに来てたくらい..。


『やっぱり、それだけ忙しいんだ、』

「..うん、、でも、久しぶりに来れてなんか安心した。」

『んふ、ほんと??』

「ほんと!笑」

『きゅひひっ。やっぱり、ゆいさは笑ってた方が
可愛いよ。俺、ゆいさの笑ってる顔好きだから。』

「っ、、そういう不意打ちずるい、」

『だって、ほんとのこと言っただけだもん。』


してやったりな顔をして笑ってる勝利に
多少悔しい、だなんて思ったりするけれど
勝利のおかげで笑えてるのは事実。

だって、今も勝利の笑顔につられて私も
笑えてるから。やっぱり勝利の前だと自然体な
笑顔でいられるし、何より素の自分でいられてる。
だから、居心地がどこよりも勝利の隣が私にとって
すごくすごく安心出来るの..。


「...ありがとう、勝利。」

『ん、辛かったら無理しちゃだめだからね。』





勝利の優しい声と言葉と共にぎゅって抱きしめられて

その心地良さに私は安心して目を瞑った。





──────────





꒰ ☕️ ꒱

今回は夢の世界のお話です🫧💭

少~しいろいろとこんがらがる部分は
ありますが…😵‍💫🌀
後々、それが明らかになっていくので
展開をお楽しみにです☝🏻🎶

てか、しょりくんが王子様の夢とか
贅沢すぎる…って書きながら思ってた🥲❤️𓈒𓂂


そして、次回𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟯は戻って現実のお話🙌🏻♡︎

親友たちに不思議な夢の話と最近引っかかる
モヤモヤを話してみることに…💬໒꒱

次回もお楽しみにっ🎶💭

♡ 𝗦𝗵𝗶𝘆𝘂 ☕️𓈒𓂂𓏸・2022-11-30
ପしょりゆい𝙽𝚘𝚟𝚎𝚕𝚜🍼♡
幼馴染の君と王子様の君_໒꒱








  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️

   幼 馴 染 の 君 と 王 子 様 の 君 _ ໒꒱

          𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟭🫧ଓ

  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️













































「..まただ、」


朝、ベッドから体を起こしてぼんやりしながら
今日見た夢を思い出す。

ムカつくあいつに似てるイケメン王子様が
出てきて、、場所は確かお城で、、やっぱり
私は"姫"って呼ばれて、、


「...変なの。」


ここ最近毎日よく見る変な夢。

..変、と言うより不思議な、の方が合ってる
だろうか。

まるで物語を見ているような気分で
毎日毎日この夢しか見なくなってしまった。
前までは夢ならではの空を飛んだり現実では
出来ないようなことをしたり..なんてのを
見ていたと言うのに。

突然見るようになって、でもそれがいつぐらいかは
明確には覚えていない。

感覚だと春休み明け辺りから..??
新学期ら辺だったかな、確かそこら辺。

なにかのきっかけがあった訳じゃない、
ほんとに突然。


..普通の夢って大体は断片しか覚えてないことが
多いけど、私が毎日のように見ている不思議な夢は
まるで現実にあったかのように鮮明に覚えている。

だから、夢なようで夢ではないような、、
気分も不思議だ。



⸒⸒



「いってきまーすっ。」


私の家庭は両親が共働きだから、朝早くから
仕事で私が家を出る前にはもう既にいない。

だけど、毎朝のように誰もいない家の中に
"いってきます"を呟いてしまう。..癖なのかなぁ、


『..はよ、』

「おはよ~。」


家の門の前に立って私をいつものように
待ってくれてるのは幼稚園の頃からずっと
一緒にいる幼馴染。所謂、腐れ縁ってやつ。

...そして、この幼馴染が"ムカつくあいつ"の
張本人なのである。

そいつは毎朝交わしている適当な挨拶を
しただけで先にスタスタと歩いていく。

..待ってる意味!! って思うけどもう今は
それも慣れっこ。


「ちょ、歩くの早いってば。」

『ゆいさが遅いだけでしょ。』

「勝利が早いだけだっての。」

『別に普通だし。』

「そーですか。」


淡々と進む会話。歩くのが相変わらず早い勝利。
それになんとか着いてく私。

早歩きなんじゃないの?? ぐらいの速さで
歩いていくからもう少しペースダウンしてほしい。
..なんて言っても聞いてくれないだろうけど。


『てか、ゆいさ最近授業中寝すぎでしょ。』

「あー、」

『隣見る度に寝てるし。
だから、成績上がんないんでしょ。』

「うるっさいな、」


最後に余計なひとこと。
それは言わなくてもいいでしょってことを
いつもこいつは言うから少しムカッてする。

..とは言っても正論言われてるから
私も改善しなきゃいけない点ではあるけど。

心配してくれてる、とも取れるけど
私に毒しか吐かないこいつが心配??

いいえ、そんなのするはずないです。
不器用ながらに心配してくれてるって思う人も
いるかもだけど、私はそこまで自意識過剰な訳
ではないのでいつもの憎まれ口だと受け取る。

だから、私も返答が当たり強くなっちゃうんだけど、


『...まぁいいや、成績云々の話はゆいさ自身の
問題だし。』

「そーだよ、勝利に関係ないし。」

『これでも気にしてやってんだけど??』

「余計なお世話だよーっだ。」

『そ、』


こんな会話も幼馴染ならではだからなのかな。

だんだん学年が上がるにつれて。
だんだん成長していくにつれて。

物心がついたころから..なのかな、
お互いすごくツンケンした関係になった
ような気がする。

多少の寂しさは感じるけど、それが
日常と化してくると慣れてきちゃって
これが普通だと感じるからどうってことも
ないんだけどさ。



⸒⸒



〈あっ、勝利くんおはよ~っ!!〉

『...うん、おはよ。』

〈うわ、挨拶返してもらっちゃった!!〉

〈えー、私も勇気出して挨拶しちゃおっかなぁ、〉

〈しちゃえしちゃえ!!〉


私には冷たいくせに他には優しいこいつ。

..いや、幼馴染だから接し方が他とは
違うのかもしれないけど。

なんか、、モヤモヤする。
"幼馴染だから"、そう思っても腑に落ちないし
納得いかない。


あぁぁっ、私最近変だ..、

前まで感じなかったモヤモヤを最近に
なってからよく感じるようになるし
意味わかんない。


『...さ、..、...ゆいさ、』

「...んっ?! え、ごめん何??」

『何って、ぼーっとしてないで早く教室行くよ。』

「あ、、うん。」


気づけば私はぼーっとしてたようで、
勝利は呆れたようなため息を零して
廊下を歩いていく。

いけないいけない、、別にこのモヤモヤに
意味なんてないんだから。

余計なこと考えないようにしなきゃ。

それに、私と他の女子の接し方が違うのだって
今に始まった話じゃないんだし。

私はさっきのモヤモヤを取り払うように
ほっぺたを軽く両手で叩いてからスタスタと
歩いていくその背中を追いかけた。





──────────





は[ゆっち~!!!]

れ[ゆいちゃー!!]


「はーたんとれーちゃんっ!! おはよ!」


教室に入って席に座ると2人のきらきらしてる
可愛い女子が笑顔で歩いてきた。

この2人は私の大好きな親友。

1人目が姫川れなちゃん。
翔太くんの彼女さんで学年トップ3に
入るほどの可愛さを持ってる子!!
優しくて可愛くてもう天使すぎるんだよね、、

で、2人目が海麗はるなちゃん。
風磨くんの彼女さんではーたんも学年トップ3に
入るほどの美少女。
れーちゃんもそうだけどはーたんはすごく
話しかけやすくて明るくてめちゃいい子なんだ♪


は[んーっと..今日も勝利くんは、、]

「相変わらずだよ、あいつ。」

れ[ほんとだ、今日も女子に囲まれてるね~、、笑]


私たちの目線の先にいるのは廊下で
クラスメートや他クラスの女子に
囲まれてる勝利の姿。

..まぁこんなのいつものことだから
日常茶飯事ってとこなんだけどさ。

けど、何故かまたあの時のモヤモヤが
蘇ってくる。

昨日も一昨日もその前だって..そう。
なんだか最近はあの光景を見る度に
心の中がモヤモヤして堪らないんだ。


れ[勝利くんってそれにしても人気者だよね。]

は[人気者っていうか..モテモテすぎるよね、笑]

「 ... 」

は[..あれ、ゆっち?? おーいっ。]

れ[ゆいちゃ~??]

「..えっ、あ、、あれ、またぼーっとしてた、??」

れ[ずっと勝利くんのこと見てたけど、、
...大丈夫??]

「ごめんね、大丈夫だよ。」

は[体調悪かったらいつでも言いなね!!]

「ふふ、ありがとっ。」


いけないいけない..さっき余計なこと
考えないって決めたのに、

結局、訳の分からないモヤモヤに引っかかって
またぼーっとしちゃって。

これ以上あの光景を見てたってこのモヤモヤが
悪化するだけなのに、なんでか目が離せない。

勝利もそんな私の視線になんて
気づくことなくて..、


『 ... 』

「あ、」


..とか思ってたら勝利が視線をチラッと
私に寄越した。

お互いの視線が絡んだ瞬間、私は咄嗟に
目線をサッと外す。

意味わかんない..本気でわかんない。

一瞬だけ胸が高鳴ったの、何??
てか、いつもは私の視線に気づくはずないくせに
なんで今日は気づいたんだろ..、

あ、私が穴があきそうなほど見てたから??
..だとしたら、なんか恥ずかしいんだけど。


【はーい、朝のHR始まるから全員教室戻って
席に着けー。】


少し離れた廊下から聞こえてきた担任の声。

それを合図に廊下にいた生徒、友達の席に
行って話してたクラスメートが散り散りになって
各自席に着く。


れ[じゃあ、また休み時間にね!!]

は[今日も頑張ろー♪]

「うんっ、だね!」



⸒⸒



【今日は古文の方を進めていこうと思います_、】


あれから時は周り、今はお昼前の4時間目。

今日は3時間頑張って起きてたけど
お腹空きまくってるのも相まって眠気が
半端じゃない。

しかも、よりによって古文の授業..。

...けど、睡魔には抗えない。よし寝よう。

私は先生の話を聞くのもそこそこに、
教科書とノートが広がってる机の上に
腕を組んでそこに頭を乗っけた。

窓際の1番後ろの席と言うこともあって、
日差しがちょうどいい感じに差し込んできて
日向ぼっこしてる気分..。

横から突き刺すような視線を感じるけど
気のせい..


『 ... 』


ではありませんでした。

頭を勝利の方に巡らせて腕の間から
チラッと表情を覗き見れば"ちゃんと授業受けろ"
とでも言いたげな目で私を見つめてる。

ごめんだけど、私そこまで真面目ちゃんな訳
じゃないから寝ます。おやすみ。

でも、3時間頑張ったんだから1時間くらい
寝かせてほしい..(




頭をもう一度窓の方に戻して柔らかな
日差しを受けながら重たい瞼を閉じた。





──────────





꒰ ☕️ ꒱

新小説、本格的にスタートです🆕🤍

前みたいなキラキラ感..的なのは
あんまりないかなぁ…👀𓈒𓂂

って書いてて感じたけど、夢の世界では
その分キラキラ感満載で❕って感じに
なると思います✊🏻🌟(多分…)

現実の世界ではお互いツンケンしてる
素直じゃない幼馴染なので…🥲💭笑


次回、𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟮は夢の世界のお話です🫧🤍

果たして現実とはどう違うのか…🗝💭

そして、今回の親友出演としてはーたんと
れーちゃんに出演してもらいましたっ❕

れーちゃんの苗字は私が考えたのだから
嫌だなって思ったら全然私に伝えてください🙌🏻💭

この2人には今回主に親友出演してもらおうかな
って思ってます🫰🏻🤍

その他の子たちもシーンがあったら
出そうかな…とか考えてます🫶🏻🎶

それでは、ぜひ次回もお楽しみに~🎶💭

♡ 𝗦𝗵𝗶𝘆𝘂 ☕️𓈒𓂂𓏸・2022-11-23
ପしょりゆい𝙽𝚘𝚟𝚎𝚕𝚜🍼♡
幼馴染の君と王子様の君_໒꒱








  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️

  幼 馴 染 の 君 と 王 子 様 の 君 _ ໒꒱

          𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟱🫧ଓ

  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️















































【...はーい、それではさようなら。】

「「「さようなら~。」」」


[ねぇねぇ、このあとどっか行かない?!]

[いいね~!!]

[プリ撮っちゃう?? それか、スタバ!!]

[え、どっちも行こうよ!!]

[さんせ~いっ!!]


帰りの挨拶後、そんなクラスメートの女子の
会話が聞こえてくる。

男子はと言うと挨拶が終わった瞬間、ダッシュで
扉から出ていった。


今日はどうやら部活ないみたいだし、
私もれーちゃんとはーたん誘ってどこか
遊びにでも行こうかなぁ..、


《_あの、ここに佐伯ゆいささんいませんか??》

「え、私??」



突然、初対面の人が私の名前を呼んだ。
この人誰..?? 見たことない顔だから同級生では
なさそうだけど、、



れ[..もしかして告白とか~、??]

「いつの間にっ?! ってそんな訳、、」

は[まぁまぁここは行くしか..、]



『ゆいさ、帰るよ。』


はーたんの言葉を渡るかのように勝利が
割り込んできた。


「えっ、でも私あの人に呼ばれてる..、」

『..いいから、帰ろ。』

「ちょっ、勝利?!」


手首をグイッと引っ張られてそのまま
扉の方へと歩いていく。

なんとか止まろうとしてみるけど、さすがに
男子の力には敵わない。

れーちゃんとはーたんはと言うと、
何故か私たちの方を見てにやにやしてる。
..なんか、誤解されてるような気が、、??


《ちょっと、》

『ん、..なんですか。』

《俺、その子に用があるんだけど..。》

『すいません、今日こいつ用事あるから
早く帰らないといけないんで。』

「えっ..はぁ、?!」

『 ... 』


なんでか用事がある設定にされて
なんでか勝利に帰らされそうになってることに
思わず声を上げたら 静かにしてて、とでも
言いたげな顔で私を睨む。

だから、よく分かんなかったけど素直に
口を結んだ。

..てか、勝利が敬語使ってるってことはこの人
もしかして先輩??


《じゃあ、明日の放課後とか、》


そう先輩が言いかけた時、勝利が
歩き出したから手首を引っ張られてる私も
体が動く。

..だけど、勝利は何故か先輩の横で止まった。


『こいつ、俺の彼女なんで。
...手出したら先輩相手でも許しませんから。』

《っ!!!》


勝利が先輩の耳元でなにかを囁く。
それを聞いたのか先輩はまずいような表情に
変わり、逃げるように階段を降りてった。


「勝利、さっきなんて言ったの??」

『...別になにも。』

「えー、教えてくれたっていいじゃん!!」

『嫌だね。...ほら帰るよ。』

「うわっ、」


再び歩き出した勝利に一瞬転びかけた私。

え、てか手首離さない訳..?!


「勝利、」

『 ... 』

「しょーりってば、」

『 ... 』


...。


完全に無視決め込んでるよね、これ。

てかなんで知らんぷりするの、ますます
意味が分からないんだけど、!!

私は周りからの視線を受けて背中に
冷や汗が流れた。



⸒⸒



「いつ離してくれるんですか、、」


いつもの家路を歩いている途中。

なかなか離してもらえない手首をなんとかして
離してもらおうと声を投げかける。


『..家帰るまで。』

「なんで?!」

『別になんでも。』

「はぁ、、」


家帰るまでって、まだ距離あるし..。

幸い、周りに同級生がいなかったから
まだ良かったけどさ、


「てか、どうして先輩に用事あるって
嘘ついた...っわ?!」


疑問に思ってたことを聞こうとしたら、
石が私のつま先に引っかかって体制を崩す。

しかも、この状態で自分の体支えるって
だいぶ不可能..このままじゃ顔面から_!!


「っ、」

『ちょっ...あぶな、』

「..あれ、、痛くな、、い、?!」


目をつぶって、せめて痛みに耐えようと
していたのに顔面は全然地面に当たらないし
想像していた痛みも全く来ない。

なんなら、上半身が少しだけ浮いてるような、、

って、不思議に感じて目を開いたら勝利が
私の体をギリギリで受け止めてくれていた。

もちろん顔は至近距離で..あれ、おかしいな、
勝利の顔なんて小さい頃から何度も見てきてるのに。
すごく、かっこいい..し、顔の端正さがとても
際立っていて王道イケメンの類に入るような..。

なんでか分かんないけどドキドキしてきた。
今までこんなこと、なかったのに。

顔はかっこいいだけの冷たい感情なんて
まるでないような奴だとか思ってたのに。


先輩を追い返したり、転びそうになったら
咄嗟に助けてくれたり..そのくせ、優しそうな顔で
見つめてくるから調子が狂う。

だけど、その優しそうな顔が誰かと
リンクして..、


『...何、俺の顔なんか付いてる??』

「!!! 別に何もっ?!」

『そ、』


...やっぱり態度はぶっきらぼう。
顔もいつも通り無愛想な表情に戻ってる。

意味分かんない..心臓がずっとうるさい。

なんでこんな、、変にドキドキしてるんだろ、


「意味分かんない...、」


心の中で思ったことを既に前を歩いている
勝利の背中に投げかけた。





──────────





꒰ ☕️ ꒱

少しキュン要素入れてみました( > ·̫ <⸝⸝ᐢ)

このあとの展開が未定だから、どういう
構成にしようかと考えてます🫶🏻💭

てか、最近セクゾの 冬が来たよ を聞いて
しょりくんに会いたい欲増してる😵‍💫🤍


そして次回、𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟲は夢の世界🪄🫧
まだまだ謎がたくさんです…(× × )

次回もお楽しみにっ🙌🏻♡︎

♡ 𝗦𝗵𝗶𝘆𝘂 ☕️𓈒𓂂𓏸・2022-12-21
ପしょりゆい𝙽𝚘𝚟𝚎𝚕𝚜🍼♡
幼馴染の君と王子様の君_໒꒱








  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️

   幼 馴 染 の 君 と 王 子 様 の 君 _ ໒꒱

          𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟵🫧ଓ

  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️





































































【それでは各自、まずは台本に目を通して_..、】



「...はぁ、」


委員長の話を聞きながら思わず出た
小さなため息。

どうして...こうなっちゃったのかなぁ、

勝利が立候補した流れで私もやるって
言っちゃったけど、、今思うとやっぱり
引き受けなければ良かったなって後悔。

よりによって勝利だし..!!!!
未だにどうして立候補したのかは分からないけど。


『何ため息ついてんの。
委員長の話、つまらない??』

「なっ、そんな訳ないでしょうが..!!」

『..ふーん。』


軽く睨んでみせるけど、それには動じず
視線を私から逸らした。

あぁ..こんなんでちゃんと練習やってけるのかな、
なんて、ちょっとした不安が頭をよぎる。

大体相手がムカつく幼馴染でまともに練習
出来てる未来が見えないんですけど..。


【セリフを一人で練習するのも有りですが、
他の役の人とペアで練習をしても構いません。
...特に主役の二人はペアの方が良いかなと。】

「うげ、」

【全体を通しての練習はまた後日になるので
しばらくは各自での練習、お願いします。】


委員長の話が終わると、みんなすぐに
友達のところへ行ってペアを組んでいる。

...やっぱり、勝利とですよね。
そりゃ主役だからとは思ってはいたけど
なんか..恥ずかしいな、

まだ一人でセリフを練習していたかった、!!


『じゃあ、俺らもやろうか??』

「っあ...そ、そう、、だね。」


勝利の声に反応した私はまるで錆びたロボット
のようにぎこちなく首を向ける。

勝利は恥ずかしさでいっぱいの私に対して
いつもと変わらない態度。
まぁ当たり前か..。

なんか変に演技することに緊張して
恥ずかしさを感じてる自分がちょっと
情けなく感じてくる。


『...さっきからめっちゃ表情変わるね。』

「え??」

『緊張してんのかなーって思ってたら、急に
少しだけ暗い表情になるし。
...まぁ見てて面白いけどね。』

「んな、」


こいつ...、
全てがいつもと変わらないし相変わらずすぎる。

...だけど、そこに少しだけ安心感を覚えた。


『..そんな緊張しなくても。相手は俺なんだからさ。』

「わ、分かってるよ、」


いろいろと心の内を見透かされたような気がして
ちょっと悔しい。

私は台本を手に取って、椅子から立ち上がる。

もう周りは既に練習を始めていて、教室内は
それぞれの声が混ざり合っていた。


「...で、どこから練習するの??」

『そりゃ、最初からでしょ。俺ら主役なんだし、』

「あー..うん、そうだよね。」

『てか、どこから練習する気だったのさ。笑』

「っ触れるな、ばか勝利。」


軽くキッと睨んでみせたあと、台本を開いて
セリフと動作を確認。

あれ..でも、最初から王子は出てこないじゃん。
舞踏会のシーンから前はシンデレラと
意地悪なお義母さんと姉たち、魔法使いのみ。


「勝利、最初からって出てこないよ??」

『うん、だから俺がそのゆいさの演技見てるから。』

「はぁ?!」


つい、大きな声を上げてしまった私に
一瞬だけ周りの視線を集めてしまって
少しだけ肩を竦める。

なんで勝利に私の下手な演技を監督して
もらわなきゃいけないんだか、、


『はい、それじゃ始めて。』

「はぁ..分かりましたよ、」



⸒⸒



[今日はここまでにしとこ~。]

[意外と演技するのって楽しいね!!]

[私、家でも演技上達のために練習してくる!]


セリフを喋っていたら聞こえてきた
クラスメートの会話。

いつの間にか多かった人数もだいぶ減って、
ほとんどの人はキリのいいとこで練習を辞めて
みんな家に帰ってるみたい。




そんなことを考えながら舞踏会に行くシーンまでの
セリフを読み終えた。



「...どう??」

『..めっちゃ上手いじゃん。』

「そう、??」


案外素直に褒めてきた勝利に少しだけ
戸惑ったけど、嬉しさのあまり無意識に
口元の両口角が上がっていた。

私なりに頑張って演技してみたけど..
"上手"って言われるとなんだか自信が沸いてくる。


『今日はここのシーンまでやったら帰ろ。』


そう言って勝利の指差したシーンは魔法が
切れる0時の前にシンデレラが慌てて階段を
駆け下りてガラスの靴を落としていくシーン。

てことは、社交ダンスのシーンは通過する訳
だから..そこ練習しなくちゃだ、、


だけど、周りを確認したら他に誰もいない。
...というかむしろ私と勝利以外みんな帰って
しまったようだった。

これならまぁ..安心かな。
本番では披露しなくちゃだけど、、
とりあえず練習中は見られたくないから。



どんどんシーンが変わっていく。

馬車でお城に着いて初めての舞踏会の様子を
あちこち見ていたら、ついに来た王子様が
一目惚れをしてシンデレラと踊るシーン。

勝利が私の目の前で跪いて柔らかく微笑んで
手のひらを差し出した。


『 "美しい姫、僕と踊って頂けますか??" 』

「っ、、"喜んで"」


一瞬だけ胸がドキッて高鳴った。

演技だから、そうこれは演技って自分自身に
言い聞かせて、だけど勝利の柔らかな笑みが
誰かとリンクするような何かを感じる。

王子様..???
夢の世界の勝利にそっくりな王子様。
そう思い始めると、それが段々と現実味を
帯びてきてなんでか心臓がバクバクと
激しくなる。


私は差し出された手を取って、その顔を
瞳をジッ..と見つめる。

勝利は一瞬顔をしかめたけど、またすぐに
表情を戻して私の腰に手を回した。


なんか不思議な感じ。
夢がまるで現実になったかのような..。


『...ん、ゆいさここのステップ違う。』

「へっ??」

『ここは右足をこうするの。左足はこっち。』

「えっと、、、うわっ?!」


勝利に言われた通りにしようとしたら、
足がもつれてしまった。

そのまま前に倒れ込みそうになる..
ところを勝利が受け止める。


「ごめ..、」


ん、と言いかけた時、あまりの顔の近さに
頭が一瞬真っ白になった。

それきり、何故か動けなくなってしまう。
逸らしたいのに、勝利の真剣な眼差しが
そうはさせてくれない。


『ねぇ、俺さ_.. 』

「..勝利、??」

『...ごめん、なんでもない。』


そう言って ふい、っと勝利が視線を逸らした。

何かを言いかけていたはずなのに、それが
分からず少しだけ残るモヤモヤ。


『今日はここまでにしよ。』

「う、うん..そうだね、」


勝利は私の身を離すと荷物を置いた場所へ向かう。

その背中を見て私はただ立ち尽くしていた。



"ねぇ、俺さ_.."
その後に勝利は何を言おうとしていたの??





──────────





꒰ ☕️ ꒱

個人的にきゅんきゅん要素多めの回☝🏻💞

劇の相手がしょりくんの世界線行きたい、
てかまずしょりくんと同級生で同じ学校の
世界線に行きたいです、😖🎀((


次 回┊︎𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟭𝟬 ໒꒱
しょりくん𝘀𝗶𝗱𝗲❕
一瞬顔をしかめた時の彼の気持ちとは…❔🌀💭

次回もお楽しみに~🎶💭

♡ 佐 藤 ♡・2023-01-18
ପしょりゆい𝙽𝚘𝚟𝚎𝚕𝚜🍼♡
幼馴染の君と王子様の君_໒꒱








  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️

   幼 馴 染 の 君 と 王 子 様 の 君 _ ໒꒱

          𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟳🫧ଓ

  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️




























































「んん..、」


窓から夕焼けが差し込む薄暗い部屋の中。

不意に目を覚ますと、いつも通りの景色。

そうだ、帰ったら疲れてたせいかベッドに
ダイブして寝ちゃってたんだ。

時間を確認しようと傍に置いたスマホを
手に取り、電源を入れると液晶画面が光る。
そこに表示されていた時間は既に18:00だった。


「...下行こ。」


ぐーっと伸びをしてから、制服のまま
下へと降りた。



⸒⸒



【それでは、明日の天気予報です_、】


テレビでニュースを付けながら冷蔵庫にあった
昨日の晩ご飯の残りを取り出して温めて
テーブルへと運ぶ。

私の両親は共働きの上、遅くまで働いてるから
晩ご飯を1人で食べることが多い。

普段は自分で家族3人分作ってるけど、
なんとなくめんどくさい時は残りのものを
温めて食べてる。

天気予報を右から左へと聞き流しながら
黙々と食べ進めていた時、不意に私の箸が
止まった。


【そして、なんと今夜は3年ぶりに流星群が
見られるらしいんです!!】

「...流星群、??」


思わず、テレビの画面を凝視する。

流星群...夢の中で勝利に似たあの王子様が
言っていた。


" 『今夜、流星群が見られるんだって。』 "



【今夜の20時がピークで、関東全域で
見られやすいようです。】

「20時がピーク..、」



" 『20時くらいからが見やすいって。』 "


..まさか。
夢での話が現実で起こるなんて今までは
有り得なかったはず..。

だけど、脳内で再生される言葉は全て
今回の流星群に当てはまっていて。

予知夢..???
すっかりフリーズしてしまった私を他所に
ニュースは流星群から次の話題へと移る。

画面が切り替わったと同時に私も
我に返った。


「流星群..気になるな...、」


ただ、時間帯的に1人で外に行くのは危ない。

だけど、一緒に来てくれる人なんて..。
...近くなら、大丈夫だよね。
1つだけでも流れてる星を見られればそれで充分、
そしたらすぐに家へ帰ろう。

そうすれば危険を防げるはず..。


「ごちそうさまでしたっ。」


逸る気持ちを胸に食器を流し台に置いて
足早に自分の部屋へと向かった。





──────────





「うわ..涼しい~、」


スマホを片手に家の扉を開いて外に出る。

昼間の生ぬるかった風とは違って、秋の夜
特有の涼しい風が頬を撫でていく。
それがとても心地よく感じた。

上を見上げれば、真っ暗な夜空に輝く無数の星。

今日はとてもいい天気だったからか、この
星空がすごく綺麗に見えた。


そうしてしばらく綺麗な星空を眺めていたら
ガチャリ、と隣の家の扉が開いた。

中から出てきたのは..、


「..勝利??」

『あぁ、やっぱ外にいた。』

「え?」


まるで私が外に来ることを知っていたかのように
勝利は驚くことなく、こっちに歩いてきた。


『...見に来たんでしょ??』

「何を??」

『流星群。』

「あ..うん、」


なんとなく馬鹿にされそうな気がして
顔を背けた。

どうせいつものように鼻で笑われるんだろうな
とか思っていたけど..何も聞こえない。

それどころかむしろ無言。
..かと思いきや、突然勝利のひんやりとした
手が頬に触れて驚いた私の顔を勝利の方に
向かせられた。


『..なんでこっち見ないの。』

「なんでって..馬鹿にされそうだったから、」

『なんでよ。..俺だって見に来ただけだし。』

「流星群を??」

『それ以外なにがあんの。』


あぁ、確かに..と自分のポンコツさに呆れる。

だけど、意外。
勝利ってそういうの興味無いとばかり
思っていたもんだから..。


『..それに、ゆいさ1人で行こうとしたでしょ??』

「まぁ、」

『ばかなんじゃないの..こんな時間に。』

「む、、行く人いなかったんだもん、!!」

『俺のこと呼べば良かったじゃん。』

「いやぁ..、」

『..あぁ何、俺がこういうの興味無いと思って
呼ばなかったとか??』

「!!!」


バレてた。図星をつかれて何も言えなくなる
私に勝利はほらな、と意地悪な笑みを見せた。

けど、そのあとにおでこを軽く人差し指で
ピンッと弾かれた。
...いわゆる、デコピンってやつ。

まぁまぁな痛さでも、私はおでこを抑える。


「いった!!」

『ゆいさがこんな時間に1人で外なんか
出るからだよ。』

「別に..勝利に関係ないし。」

『はぁ..._関係あるわ、ばか。』

「えっ、」


予想外の言葉に本日二度目のフリーズ。

熱がじわじわと顔に集まってきて、夜風に
曝されて冷たかった頬が熱く感じる。

頬に添えられた手のひらと言い、さっきの
発言と言い..馬鹿みたいにどきどきしてる。
なんでこんな奴なんかに..、


『っ...いいから、行くよ。』


私の頭を無造作にぐしゃぐしゃって
撫でたあと、先に歩いていく勝利。


「待ってよ、」


変にどきどきしてる心臓を抑えて、相変わらず
歩くのが早い勝利の背中を小走りで追いかけた。



⸒⸒



「う..寒い、」


ついさっきまで涼しく感じていた秋の夜風も
いつの間にか冷たい夜風に変わっていて、
何も着ず制服のみで来てしまった私は思わず
少しだけ身震いをしてしまう。


『暖かい格好しろって言っ...、』

「..なに、どうしたの??」

『...いや、なんでもない。』


変な間があったあと、勝利は自分の来ていた
上着を私に着させた。

..よくよく見れば、勝利も上着の下に
制服を着ている。


「えっ、ちょ大丈夫なのに、」

『いいから着てて。』

「...ありがと、」

『ん。』


どきどき..
そんな心臓の音が聞こえてくる。

ほんとに、、なんだか調子が狂う..。

いつもはこんなんじゃないくせに、
急に優しくなんかされたら戸惑うというか
変に胸が高鳴って仕方がない。


『...あ、』

「ん、??」

『今、流れた。』

「えっ!!!」


俯けていた顔をバッと上げて上を見上げると
一筋の光が暗い空にキラリと流れた。


「ほんとだ..!!!」

『多分、あっちのがよく見えるんじゃない??』


そう言って先に歩いていく勝利を
追いかけてたどり着いた先は小川。

遠くには多く建っているビルやタワーが見えて
そこから少し離れているここはどこか田舎の
ようなのどかさを感じる場所。

そう言えば..小さい頃、よくここで夏は
遊びに来たっけ、、


「すごい...、」


芝生に座って上を見上げると次々と
流れていく流星群。

静かな空間に小川のせせらぎと風が
微かに吹き抜ける音が響く。

夜の外ってこんなにも落ち着くんだな..。


『..見れて良かったね。』

「っ!!! うん、」


ふと、隣からそう言葉を投げかけられて
隣に顔を巡らせれば優しく微笑む勝利と
目が合う。

それにまたもやドキッと跳ねる鼓動。

勝利が瞬きをするのがやけにスローモーションに
見えて、目を逸らしたいのに逸らせない。
...そしたら突然、視界が真っ暗になった。


「んぇっ?!」

『あんま見つめんな..、』


指の隙間から見えたのは、暗い外でも
分かるぐらい耳が真っ赤な勝利。

それから遅れて自分の視界を覆っているのは
勝利の手のひらなんだと気づいた。

...ただ、どうして勝利が突然視界を遮断
したことと、耳が真っ赤な意味が分からず
頭にはてなマークを浮かべる私。


『俺より上見なよ。』

「勝利も見ればいいじゃん。」

『や、見てるけどさ..、』


これだからゆいさは、って小声で呟かれる
けど、ちゃんと聞こえてますよ??




_最近はなんだか勝利の様子も変だ。

だけど、私の勝利に対する意識もなんとなく
今までより違和感を感じるのも変だ..。





──────────





꒰ ☕️ ꒱

夢の中ではないけど現実世界の幼馴染の
しょりくんと流星群を見るという展開🌟💭

むしろしょりくんと流星群を一緒に
見られる世界線はどこなんですか❔😿❤️((


そして次回、𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟴は文化祭間近のお話😽🎀
一応しょりくん𝘀𝗶𝗱𝗲の予定ですっ☝🏻❤️

次回もお楽しみに~🫶🏻🎶

♡ 𝗦𝗵𝗶𝘆𝘂 ☕️𓈒𓂂𓏸・2023-01-04
ପしょりゆい𝙽𝚘𝚟𝚎𝚕𝚜🍼♡
幼馴染の君と王子様の君_໒꒱








  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️

   幼 馴 染 の 君 と 王 子 様 の 君 _ ໒꒱

          𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟭𝟱🫧ଓ

  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️


































































「ふぅ~...終わったぁ、」


そう呟き椅子に軽く仰け反って、天井を
見つめる。

今日は私が日直担当の日で、みんなが
下校や部活をしに行った後、1人教室に残って
仕事の1つである学級日誌を書いていた。

ついさっき、それを書き終えたところ。

今日1日の疲労感が溜まっていた私はしばらく
ぼーっとしていた。


「..職員室、行かなきゃ。」


外から聞こえるサッカー部の掛け声に、
はっと我に返り鞄と学級日誌を手に教室から出た。



⸒⸒



職員室に行くため、中庭が見える廊下を渡る。

中庭には花壇だったり木だったり、自然の
植物がたくさん植えられていて私はそれを
眺めながら廊下をゆっくりと歩いていく。

そのまま、視線を前に戻そうとした時だった。


「誰かいる..??」


不意に視界に映った、制服姿の誰か。

それも1人じゃなくて..2人。

よくよく見ると男女2人組で、もしかして
カップル??なんて思いながら、無意識に
しばらく見つめていたら男子の方に
どこか既視感が。

あれは...


「...勝利??」


幼馴染、だった。

多少モヤモヤした感情を抱えつつ、私は
女子と放課後に2人きりなんて珍しいなとか
そんなことをぼんやりと思っていた。

ほんの少し興味が沸いてしまった私は、
その先の展開がなんとなく気になって
勝利たちのことを見つめる。

どうやら、あっちは私に気づいていないみたい。


耳をすまさなくても放課後の中庭は静かだから、
少し離れているここでも会話が聞こえてくる。

良くないと思っていながらも、その会話に
耳を傾けた時だった。


[私、勝利くんのことが好きです。
  ...付き合ってください。]


「?!」


つい、反射神経で口元を手で抑えた。
何故か本人よりも私がびっくりしている。

だけど唖然すると同時に、心臓の辺りが
チクチクと痛む。


どうしよう、これ以上この場にはいられない..。

私はその場から立ち上がって職員室に
向かおうとした時、次の発言に私はこの場に
来たことを後悔することになる。


『ごめん。...俺、好きな人いるんだ。』

「っ、、」


意図もせず、ピタッと止まる足。

その後に耳の裏でサーッと血の気が
引いていく音が聞こえる。

気づけば、私は思い切りその場から走っていた。



"ごめん。...俺、好きな人いるんだ。"

さっきの勝利の言葉が頭の中で再生される。

好きな人..そのワードが余計に私の胸を
キリキリと締め付ける。

あれ、なんでだろう..なんで、別に勝利に
好きな人いたってどうもしないのに。

そうなんだ、で納得出来る話じゃん。

なのに、なんで..??
どうしてこんなに胸が痛くて苦しいんだろう。




どうして、私泣きそうになってるんだろう..??


よく分からない感情に、私はしばらく廊下に
立ち止まって俯いていた。

もしかして..、いや、だけど..
そんな拉致のあかない自問自答を繰り返しながら。





──────────





꒰ ☕️ ꒱

おさきみ、最終章突入です❕

ですが、残りまだ数話あるので最後まで
付き合ってくれたら嬉しいです😽🎶

おさきみが終わったらまた新たに
しょりゆい長編小説書こうと思ってるけど、
どういう内容にしようかはまだ未定🫧💭


次 回 ┊︎ 𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟭𝟲 ໒꒱

夢の世界で結婚式の前週のお話🫰🏻💍
結婚式も間近に迫ってきた2人が決める
ものとは❔

次回もお楽しみにっ🙌🏻♡︎

♡ 佐 藤 ♡・2023-04-26
ପしょりゆい𝙽𝚘𝚟𝚎𝚕𝚜🍼♡
幼馴染の君と王子様の君_໒꒱








 ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️

   幼 馴 染 の 君 と 王 子 様 の 君 _ ໒꒱

          𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟭𝟮🫧ଓ

 ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️




























































全体的にワイワイとしてる校舎内。

各教室はガヤガヤとみんなが楽しそうに
している。

校舎の至るところに飾り付けがされていて、
普段とは全くの非日常さを感じる。


...そう、今日がついに文化祭当日なのです。

私は舞台裏で衣装を着てクラスメートの
メイク担当の子たちにメイクをしてもらってる最中。

体育館の中は既にたくさんの観客となる
生徒たちが集まっていてザワザワしている。


「うぅ...緊張してきた、」

[大丈夫大丈夫!!
  今日の佐伯さん、すごく可愛いから!]

「そうかなぁ、、」


メイク担当の子にそう言われ、改めて
まじまじと鏡に映る自分の顔を見るけど
メイクのおかげで少し印象が変わってるくらい。

特別いつもと違うとか言う訳でもない..、かな。


[まぁまぁ、リラックスして練習の通りに
  やれば大丈夫だよ!]

「まぁ、、うん、」


相手があの憎たらしい幼馴染なのが私は
未だにどうも納得行かないけど、今更
そんなこと言ってる場合じゃない。

今回ばかりはなんとか乗り切らないと。

走行している内にメイクが終わったようで、
自信満々な顔をしているメイク担当の子と
鏡越しに目が合った。


[よし、完璧!!
  佐藤くんは先に舞台袖の方で待ってるみたい
  だから、佐伯さんも行ってらっしゃい!]

「えっ、あ...うん、!! メイクありがとう!」

[いえいえー!!]


メイク担当の子にお礼を告げると、勝利が
待っていると言う舞台袖まで小走りで駆けて行く。

すると、誰かが舞台袖にいる姿が見えた。

あれは間違いなく勝利だ。
近くまで寄ってみて私は少し息を飲んだ。
普段見る制服とは違ってよくおとぎ話の世界で
見るような王子様の服に包まれている勝利の姿。

それに何故か胸がドキッと高鳴って、私は
咄嗟に自分の胸を抑えた。


「...勝利!!」

『あ、ゆい...、』

「...?? どうかしたの?」

『...いや、別に。』


何故か私の名前を途中で呼びかけて、
勝利は顔をそっぽに向けた。

私、変なこと言ったっけな..いや、言ってない。

私は普通に勝利って名前を呼んだだけで、
他はなにも言ってない。

じゃあ、この反応はなんなんだろう..。

ちょっとのモヤモヤを抱いた時、ついに劇が
開演の時間。

司会者が話し始め、私たちもそれに合わせ
準備を始める。


やがて体育館内が暗転した時、私は小走りで
ステージへ出て次の瞬間スポットライトを浴びる。

初めて浴びる光に眩しさのあまり、目を瞑りかけ、
人の多さに緊張で心臓がバクバク音を鳴らし始めた
けど、深呼吸して前を見据えて今日の日のために
頭の中に入れてきた台詞を話し出す私。

そのままたくさん練習してきた演技を始めた。




劇の中盤、ついに私と勝利が舞踏会で
踊るシーンがやってきた。

最初のボロボロの衣装とは違って今は
キラキラなドレスを身にまとって手を差し伸べる
勝利に私は手を置く。

いくら練習してきたとは言っても、
内心バクバクで手汗やらなんやらいろいろ
気になるけど今はこっちに集中しなきゃと
言い聞かせてなんとか平然を装う。


『 "美しい姫、僕と踊って頂けますか?" 』

「 "喜んで。" 」


にこやかに微笑む勝利に私も微笑み返して、
華麗な音楽と共に踊り出す。

なんだか新鮮..それはあまりにも非日常すぎる
今この状況に、なのか、..王子様衣装を身に
まとったいつにも増してかっこよさに磨きが
かかっている勝利に、なのか。

時々、勝利の顔を見ると視線が交わるなり
優しく微笑みかけてくれて不覚にも心臓が
また別の意味で騒ぎ出す。

もう..緊張とよく分からないドキドキの
コンボのせいで心臓がとにかくうるさい、、



そしてついに劇も終盤。

真夜中0時前、魔法が解けてしまう前に
急いで階段を駆け下りた際にシンデレラが
落としていったガラスの靴。

それを持った王子様が執事と共にシンデレラを
探し出すシーン。


『 "この家にもう女性はいないのですか?" 』

[ "はい。" ]

『 "そうですか..、" 』

「 "ちょっと待ってください!" 」


王子が帰ろうとしたその時、舞台袖から
台詞を言って飛び出す。


「 "私にも履かせて頂けませんか?" 」

『 "いいですよ。さぁ、どうぞ。" 』


勝利が私にガラスの靴を履かせると、
サイズがぴったり合う。

なんだかちょっぴりくすぐったい気持ち。


[ "なっ、なんで!!" ]

『 "あなただったのですね!
   僕と結婚して頂けませんか?" 』

「 "はい、喜んで!" 」


私が返事をしたらゆっくりと下がってくる幕。

だけど、まだこれで終わりじゃない。
私は最初に着ていたボロボロの衣装から
舞踏会のシーンとは違うまた新たな
綺麗なドレスに着替えなくちゃいけない。



早着替えを済ませ、ちょっとした頃。


『...!!!』

「勝利?? 熱でもあるの?」

『ばっ、そうじゃなくて..なんでも、ない。』

「..変なの。」


少し様子がおかしい勝利を心配するけど、
何にそんな動揺して顔を赤くしているのかが
分からなくて変に思う私。

..だけど、あのシーンをやるって考えたら
なんだか私まで顔が熱くなってきたような、、

そして、下がっていた幕が再び上がった。
同時に私の緊張が高まる。

ついに最後のシーン。


『ん、』

「っ...、」

『..ちゃんとこっち見て。』


頬に手を添えられた時にあまりのドキドキに
目が合わせられなくて視線を外すと、勝利が
耳元でそう囁いてくる。

観客たちからの視線も感じて恥ずかしさが
尋常じゃない。

これは演技、これは演技...腹を括らねば、

私はゆっくりと視線を勝利に合わせる。
そしたら勝利の悔しいくらいに整った顔が
近づいてきて、、


『 ... 、』


[きゃーー!!!!!!]

[勝利くんがーー(泣)]

[佐伯さんと勝利くんお似合いー!!!]


「っ、、」


そっと唇が重なった。

それだけでも心臓がうるさいって言うのに、、


『ふは、、顔真っ赤、』

「うるさい、こっち見ないでよ、」

『相変わらずだな、笑』


そう言ってツンケンする私に対して、勝利は
優しく微笑む。

だから、余計に心臓がバクバクと騒がしくなって
顔に全身の熱が一気に集中する。

会場は拍手に包まれて、礼をした後
再び幕が下がって劇は終了した。





──────────





[佐伯さん!! めっちゃ良かったよー!!]

「えっと、ありがとう、!!」

[さっ、ほら着替えてきちゃいな!]


私のメイクを担当してくれたクラスメートの
女子が制服を渡してくれて試着室へと向かう。

扉を閉めたあと、脱力したようにその場に
座り込む私。


「ファースト、、キス、、」


自分の唇を触って、誰もいない試着室の中
1人そう呟く。

まさか自分のファーストキスの相手があの
幼馴染で、ましてやあんな大人数の前で
見られてしまうなんて..。

昔の自分には全く想像出来なかった未来だ。


だけど、不思議と"嫌"って言う気持ちはなくて。
それは演技だったから?? 役だったから??

...ううん、違う。
それとはまた別の感情が、心の中にある。

けどそれが一体どういう感情なのかなんて
よく分からなくて..だから、前から薄々と
感じていた、そして今日何度も感じたあの
胸の高鳴りの正体が分からない。

..いや、もしかしたらほんとは知ってるけど
知りたくないだけなのかも、なんて。


「分かんない..、」


ここで自問自答を繰り返していたって、
答えなんて分からない。



ただ一つ分かるのは、私の中で勝利への意識が
変わってきていること..。





──────────





꒰ ☕️ ꒱

ここから勝利くんへの気持ちが
動き出すかも…❔みたいな回です✊🏻💭


次 回 ┊︎ 𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟭𝟯 ໒꒱

次は夢の世界でのお話🫧🤍
久しぶりの舞踏会でまさかの…❔

次回もお楽しみにですっ🫶🏻🎶

♡ 佐 藤 ♡・2023-04-06
ପしょりゆい𝙽𝚘𝚟𝚎𝚕𝚜🍼♡
幼馴染の君と王子様の君_໒꒱








  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️

   幼 馴 染 の 君 と 王 子 様 の 君 _ ໒꒱

          𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟲🫧ଓ

  ☕️𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒𓂂𓏸𓈒☕️





































































『...姫、』

「んぅ、、??」


誰かに呼ばれた気がして寝ぼけ眼で
声を出すと上からくすくすと笑われる。
それにしても妙に暖かいな..。


「あれ..勝利??」

『椅子に座りながら寝てたから俺が運んで
移動させたんだよ。』


あぁ...そう言えばそうだっけ。
バルコニーのとこで読書をしていて、、
あまりにも天気が良くて日差しも
暖かかったから気づけば寝ちゃってたんだ。

だけど、日向ぼっこしながら寝るより
勝利の腕の中が1番暖かいなぁ..。

そんなことを考えながら再びうたたねを
し始めた時、私を抱きしめている腕が
グッと強くなる。


「...勝利??」

『ん??..あ、ごめん、、苦しかった?』

「んーん、そうじゃないんだけど..なにかあった??」


抱きしめられながら勝利を上から見上げると、
何故か表情が曇っていた。

その瞳が、少しだけ揺らいでいる。


『...姫がその内離れていきそうで、不安。』

「えっ、??」

『ごめん..俺が勝手に不安なだけなんだけどね、』


寂しそうに笑う勝利はいつもとどこか違う。

そう言えば..今日夢で見た勝利に似た
あの幼馴染もどこか様子がおかしかったな。

..似たもの同士、なんだかリンクしているようで
してないような、、不思議。


「私は、離れていかないよ。
それに..私は勝利しか居ないから!!」

『...ありがとう。』

「..少しだけでもいいから、その不安分けてね??」


ふふ、なんて笑いながらそっと抱きしめられた。
再びいつもの温もりに包まれる。

勝利も不安になるような夢でも
見ちゃったのかな..、
普段こんなことを言ってこない彼だから
きっとそうなのだろう。

私が勝利から離れるなんて何があっても
絶対に有り得ないことだし、勝利がいない生活って
正直考えられないなぁ、、

寂しがり屋な私にとったら寂しすぎて
死んじゃうかもしれない。..なんてのは言い過ぎかな??


「私も勝利が離れていっちゃったら嫌だなぁ..、」

『離れていく訳ないよ。俺だって姫しか
いないんだから、』

「えへへっ..うん。」


頭上から聞こえてくる優しい声。
勝利の声好きだな..全部を包み込んでくれそうで。

昔からいるからなのかな、誰よりもこの声が
安心出来るんだ。


『あ、そう言えばね、』

「???」

『今夜、流星群が見られるんだって。』

「えっ、流星群?!」


私は目をきらきらと輝かせて若干食い気味に
勝利に聞き返した。

そんな私を見て笑いながら頭を撫でてくれる。


『そうそう。20時くらいからが見やすいって。』

「そうなんだ..!! 見に行きたい、、」

『ふふっ、見に行こうよ。どうせなんだし!』

「ほんとっ?!」


うん、と頷く彼も私と同じでなんだか楽しそう。

流星群なんてめったに見られないし、
多分人生初なのでは..??

今夜のことに胸を踊らせていると、1つ
あっ、と疑問が浮かぶ。


「でも、使用人たちにはなんて言おう..。」


夜の外出は危ないから例え庭でも禁止だって
耳にタコが出来るくらい言われてきた。

だから...、


『あ、その件に関しては大丈夫。
俺がもう伝えに行って許可が下りたから。』

「えっ!!」

『姫が1人じゃないならいいってさ。』

「わ、やった~!!
勝利ありがとうっ!」


嬉しさのあまり抱き着いてきた私に
勝利はうわって少し驚いていた。

だけど、その後に抱きしめ返してくれる。

なんかもうぎゅーしかしてない気がするけど
会う度にやってるし、何より落ち着く。


『きゅひひっ。笑
今夜は冷え込むらしいから暖かい格好してね。』

「うんっ!」


...なんだかデートの約束でもしてるみたい。

身分的に、そんな迂闊にお出かけなんて
出来ないから余計にわくわくしてくる。

何より見ようって誘ってくれた勝利に
私は嬉しさを隠しきれない。



早く夜にならないかな、なんて

待ち遠しくなった。





──────────





꒰ ☕️ ꒱

個人的に今回は短いかも❔

ちなみにこの前あったふたご座流星群を
見た時にパッと思いついた内容☝🏻🌟

寝る前の時間帯がちょうどピークだったから
家の中から見たらすごくよく見えた🪄💭

人生初流星群、綺麗すぎました՞ ̳o̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ ̳՞♡︎


そして、次回𝗦𝘁𝗼𝗿𝘆.𝟳は流星群を見に行くけど…❔

次回もお楽しみにっ✊🏻🎶

♡ 𝗦𝗵𝗶𝘆𝘂 ☕️𓈒𓂂𓏸・2022-12-28
ପしょりゆい𝙽𝚘𝚟𝚎𝚕𝚜🍼♡
幼馴染の君と王子様の君_໒꒱

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