#彼の元へ

私が『行ってきます』と言うと

彼は『行っておいで』と言う。

私は…彼に背中を向けて歩く

けど、だけど、離れ離れになるのが苦しくて耐えられない
そんな事を考えていた…気づいた時には彼の元へ走る私。





彼は驚いていたけど微笑んで私を抱き締めてくれた。

そして、キスをした。

∞。.*°・゜。.*°・゜*°・☆三∞


赤い糸。

何処へ行くの？

彼の元へ連れてって…。

例え、

糸で首を絞められても、

バラのトゲで血まみれになっても。

連れてって…。

彼の元へ。

∞・°*゜.。☆三。.゜*°・∞

“別れよう”
彼の口から放たれたその言葉は、私の胸に深く刺さって抜けない。
私はその日から、彼のことばかり夢見るようになった。
彼に触れようとすると泡になって消える。
声を掛けようとすると声が出なくなる。
悪夢だ。
もう嫌、会いたいよ。触れたいよ。
どうしたら叶えられるの？



















今日は違う夢。彼の手にはカッタ―が握られていた。でも背を向けていて顔は見えない。
ねぇ、そのカッタ―をどうするの？
するとカッタ―を持っていない手を前に突き出し手首にカッタ―を翳す彼。
やめて、ダメ
彼の手からカッタ―を取ると私の横を通って消えた彼。
カッタ―の刃先は紅く染っていた。
嘘…嘘…
彼があっちに居るなら私もそっちに行くわ。



















私が最後に見たのは真っ赤に染った私の手首だった…