"この手紙、渡してくれる?"
"誰に?"
"葉谷くんに"
"…分かった"
隣の席の鍵宮さんから渡された
左斜め前の席の葉谷くん宛の手紙
間に挟む人間の事を
考えたことがないのだろうか
直接自分で渡せばいいものを…
と悪態ついて休み時間に渡そうと
教科書の下に置いておけば
うっすらと文字が見えた
手紙を凝視して文字を読めば
見るものじゃなかった
と後に後悔するであろう
'葉谷くんへෆ
放課後17時過ぎ、
隣の教室に来てくれませんか'
"しくじった…
見るんじゃなかった"
ほら言った
宛先横のハートなんて
あからさま過ぎて笑えてくる
しかも時間指定で教室呼び出し
これはもう告白だろうなぁ
見たなんて今更言えないから
見てないふりをして休憩時間中
その葉谷くんに手紙を渡した
帰ってきたのは
昼過ぎの授業時間中
グループワークで
偶然同じグループになった
隣の席に座る葉谷くんに
ちょんと触られ置かれたのは
"鍵宮さんに渡してくれないか"
鍵宮さん宛の手紙
これはもう読めと
言っているようなものでは無いか
と了承しながら悪態をついた
次の休憩時間中に渡そうと
筆箱の下に置いた
今回はわざとだ
どう返すかが気になった
だって二人の間に居るのだから
応援するか応援しないか
見ないと決まらないと思ったから
まぁどっちみち
応援する気は全くないが
ピラッと開いた紙には
こう書いてあった
'鍵宮さんへ
ごめん!
今日は16時半から塾でさ、
学校終わったらすぐ出なきゃ
行けないんだよね!
また今度でもいいかな?'
鍵宮さん心抉られるだろうな
読んだ感想はそれだけだ
元々応援する気など
更々なかったので
安心も波乱も何も無かった
葉谷くんのこの文章
これで彼女だったら面白いな
と思い少し吹き出した
休憩時間になって
鍵宮さんに紙を渡し
どう帰ってくるか考えたら
口角が上がりまくった
"葉谷くんにお願いします"
"あ、うん…"
面白いなと思いつつも
この作業が段々と嫌になっていた
だって告白であろう手紙の中に
渡し役としてだけ入れられた
一人の生徒に対しては
どうすればいいと言うのだろうか
"まぁいいや"
毎回の如く開いた手紙には
'そっか!しょうがないね!
うんまた明日でも大丈夫!'
諦めてねぇなこの女
チラリと見た視線の先には
お願いしますと手を合わせた
鍵宮さんの姿があった
あーはいはい
とあしらうように目を逸らし
トンと葉谷くんの肩を叩いた
ん?とでも言いたげな
ニコニコした顔で
振り向いた葉谷くんは
"ありがと"と手紙を受け取った
そろそろ間に挟まれる
この生徒の気持ちにも
気づいてくれやしないのだろうか
このふたりの生徒は
"お願いします"
いつもやっているかのように
葉谷くんに渡された手紙には
こう書かれていた
もう普通に読んでんじゃん
'そっか、ごめんね…
あ、ごめん、明日も無理かも
彼女との約束が入りそうでさ
ほんっとごめんね!!'
ワァ…
鍵宮さんの気持ちも知らないで
どんどん抉っていくね葉谷くん
逆に気付かないの凄いと思うよ
そしてまた
読んでいないフリをして
鍵宮さんに手紙を渡した
そして帰ってきた手紙は
ふたりに挟まれた生徒宛だった
'手紙の内容読んでるでしょ
私が振られる所を間近で見て
そんなに楽しい?
さっき笑ってたもんね'
あ…これヤバイやつだ…
"人の失恋見るの
そんなに楽しかった?"
"…えっと、すいませんでした"
"まぁ期待した私も馬鹿だしね"
"葉谷くん優しいしね"
"でも見たのは許さないからね"
"はい、すいませんでした"
"あんただけ知ってるんだから
放課後付き合ってよね"
"分かりました"
"あとピザ奢って"
"はい、…え?"
"はい、決まり
放課後よろしく"
見たという弱みを握られて
鍵宮さんのパシリにされそうな
未来しか見えなくなってきました
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ちゃんちゃん。
想像以上に長くなってしまい
本当に申し訳ございません。
扇さんのタグって
小説生み出しやすいです。
少々汲み取り方違うお話に
なってしまったかもしれませんが…
楽しかったのでいいと思われます!
はい!以上!!!
最後に登場人物紹介
・間に挟まれた不憫な生徒
主人公ですが一番不憫
性別はどちらでも
・鍵宮さん
根はいい子な女の子
告白する気だったのものの
葉谷くんの返答で気が失せた
これから主人公を使うつもり
・葉谷くん
いい人オーラ全開の男の子
気になってる女の子から
告白かもしれない手紙が来て
舞い上がって返事してたけど
彼女との約束(ペットの病院)の
伝え方を間違えてしまい
一方的に振られた第二の不憫
こんな感じです!
全体的に不憫な生徒が多いですね!
可哀想!ごめんね!!
てことでそれでは!!!