#掌の上の世界

自分の首に手をかけ

自分を痛め付けた時


私は恐かった


この世界で生きていく事も

この世界から居なくなる事も


どうしようもなく涙が溢れて


その手は瞳を覆い

世界から目を背けた




やがて自分の体を抱き締め

心を抱き

世界を眺め

漂いながら



あの頃見た私の幻影の様な君を見掛ける


とても放っておけなくて

君の手を取り



君の頭を撫で

「大丈夫だよ」と

笑いかけ

笑い返してくれた君を見た時



何故だか光が差し込んだ気がした




これから私の中の世界も広げてみようか


そんな事をぼんやりと考えながら




そういえば

あのこは何処へ行ったのだろう


少し冷えた手

不思議と小さい頃の思い出が蘇り


嗚呼 そうだったのかと



太陽に手をかざして


まだ生きてみようと思った