みるく。・2022-08-07
こんな娘でごめんなさい
親
最期の夏
『来年は旅行行こうね!』
ごめん。約束守れないや、。こんな娘でごめんなさい。
小説
あの日、飛び降りたのは
確かに君だった。
額の汗を拭い
慣れた手つきで整地ローラーを転がす
グラウンドに残されたのは僕1人。
いつもの事だが
今日は他の片付けにも追われ
全校下校の時間に間に合わなかった。
いつもは生徒の笑い声などで溢れる
この時間も
ローラーが地面を引き摺る音が響き渡る
夏至の日だからか_
もうすぐ日が落ちてもいい頃なのに
暑い日差しが照りつける
赤色の夕日に照らされていた
そう、
その赤い夕日に手を伸ばした時だった
夕日の前を何かが横切る_
「カラス…?いや、もっと大きいぞ…」
“人だ”
すぐに理解した
そして僕は最悪の事態に気づく
“彼女だ”
飛び降りたのは
確かに彼女だった_
第2部へ続く(かも)
「愛して」だなんて言えなくて_
今日は“僕”の最期の日
ないものねだりをし続けたって
そんなんじゃ、
死んでるのと同じじゃないか。
当たり前は《当たり前》じゃなくても。
絶対は《絶対》じゃなくても。
僕が死のうとした夏は
それはそれは綺麗で。
あの日を最期に
僕らの交した拳は
もう二度と交わることは無いよな。
今年初めての夏
泣いたり笑ったり
いつでも
一緒と思えるよ