#枯れない花

「まだ枯れない花を君に添えてさ」


ちゃんと想い合っていたはずの二人

それなのにすれ違ってしまうのは

何故なんだろう

ちゃんと伝えていたはずの“好き”が

届かなくなるのはいつからなんだろう


『枯れたのは本当の花だったから』

恋という花が枯れてしまっても
愛という花は絶対に枯れない

向日葵のように真っ直ぐな

君に恋をしてしまった

この花のように

私もいつか散るのかな

君に捧げようと思った華が

枯れてしまわないように。

指先の冷たさも
頬の冷たさも
暖めるのは
あなたの手

やるせない怒り
頑なな 拳
開くのは
あなたの手

我慢して
こらえきれない
涙を ぬぐうのは
あなたの手

あなたとの時間は
満ち足りていた

あなたを探し
探し疲れ
眠る夜

それも 幸せと思える

そんな時間と
眠る夜






*

【二人の花言葉】




「好きって感情を植えて、芽生えたのが恋。そして、咲いた花が愛。」

君はそう言って笑った。

「花言葉は？」

僕はそう聞いた。

すると君は、

「花言葉は、お互いの生き甲斐。」

僕を見つめて言った。

「この花は君にあげるね。」

そして君は、僕の手を握った。

「僕もあげるよ。」

そして僕は、君の手を握った。



僕らの花。
僕らの花言葉。
枯れることはない。
これまでも、これからも＿＿＿。

死を悼むなかれ｡


ほんとうは


この世界こそ


死ˆんでいるのだから｡

枯れる恋なんて嫌だから
枯れない花を君に添えて

私のこの想いは

枯れぬ花のよう

君の言葉が想いになる枯れない心の花束

この花は


枯れない花だから｡


手で触れると


砕け散る｡

恋がもし

植物ならば

私なら


散る桜より

散らぬ松がいい

あなたへの想いが
募るばかりで──。