#異端

ノーマルじゃなくていいよ｡
生産性なんて無くていいから｡
わたしはずっと異端者のままでいたい｡

夏の薔薇だ。

綺麗な真っ白な色で、
その茨で僕の心臓を潰すんだ。

官能的すぎるその芳香に、僕は負けた。


夏の鬼灯だ。

醜い真っ青な光で、
その瞳で僕の心を盗むんだ。

背徳的すぎるその廻りは、僕を犯した。

　　　はみ出したやつは切り取ろう
　　　異例は異端で処理をしよう

　　　こんなはずじゃなかったな
　　　こんなはずじゃなかったな
　　　こんなはずじゃなかったな

　　　…どんなはずだった？

性別「モナリザ」の君へ





Twitterで流れてくる

よくある漫画の広告のひとつ


僕は、試し読み程度で終わっているけど

その漫画の主人公は

『いつまでも確定しない性別』で

長いこと悩んでいる人だった


……あぁ、この主人公と僕は似てるのか


チラッと見ただけだったから

内容も理解しきれていないけど

もしこの世界に僕がいるなら

きっと、この主人公と同じように

『性別「モナリザ」』なんだろう


そう思うと、少しホッとした


この作品を、この作品の作者は

どういう意図を持って描いたのかは

もちろん分からない


それでも、この作者は


『現代社会に生きる僕みたいな社会不適合者の存在を知っているのか』と


そう思えた


僕の周りの人間は、幸い

僕の性別の理解者が多い


……でも、


世の中には、僕のような人でも

周りに受け入れられないのが

ほとんどだろう




僕は、自分を『人間の失敗作』だと

蔑んだことがあった


そのために、自殺未遂を犯すこともあって

その度に周りに迷惑をかけた



社会不適合者の烙印を押されるのは

何も性別の話だけじゃない


僕だって、性別を除いたって

発達障害、解離性同一性障害

ほら、異端だろう




それでも、立ち向かわなきゃいけない


死にたい時もある


消えてしまいたいと願うこともある



だけど、僕らがめげてちゃ

後の世代の僕らみたいな子たちが

また苦しい思いをしなきゃならなくなる


そうならないように

僕らが変えていこう


統一性を尊重しすぎた日本に

個性も大事なのだと

伝えられるのは

僕ら『社会不適合者』だけ



……そして

性別「モナリザ」の僕らだけ

ひとと同じことしてたら

ひとと同じになるだけだ

異端であれよ