#疑心

四の五の言わずに信じよう
百の疑心より一つの真実


俺ん事が好きってえ
あんたの事が好きってぇ


互いのその愛が本物


たった一つの重なる愛さえ
抱き締め合えたら
俺あそれだけで


すんげぇ幸せだよ姉さん

ぐちゃぐちゃになって

どろどろになって

ずっと報われない恋

それでも断ちきれない

こんな私、

ばかみたい

本音が正義とは思わないけど、

嘘に救われたためしもない。

あの夜から数日後。
あの日のことを思い出していた。

もちろん彼女には何があったかなんて言えなかった。

あの出来事のあと距離を取って話をしている時、10年ほど前から夫婦間の関係が良くないとも聞いた。
、、、よくドラマで聞くセリフだとも思ったが、Mさんの性格上、そう易々と浮気をするタイプではないとも思う。
余程なのだろうと。

そして一緒に過ごす時間の中で、自分にたくさんの驚きと発見を与えてくれる貴方に心を寄せてしまったと。
でも、妻を嫌いになったわけでもない、自分の気持ちひとつでどうとできる状況ではない事は分かっているけど、、心が先走ってしまった、と。

不思議なくらい嫌な気持ちにはならなかった。

私の方も、、咄嗟の事とはいえ抵抗できなかった。
20年、、もっと親しくなってみたかったと、ずっと憧れていたMさん。
その人に抱きしめられた。
私には彼女がいるのに、、ダメだと思う気持ちとともに、僅かに確実に抱きしめられたことへの喜びの気持ちがあった。

抱きしめられることも、キスすることも、手を握られることも、、
彼女からは絶対に得ることができない感覚。

でも、、浮気、、不倫相手、、
リスクが大きすぎる。

今後の流れはどう動いていくのだろう。。
下手に抵抗せず時の流れに身を任せてしまいたいような気もしなくもない。

まだ結婚とかするずっと前。
ある職場で趣味の合う男性Mさんと知り合った。
飲み会などで隣の席になると一緒に趣味の話をしていた。
でも既に彼は既婚者で、私にも婚約者がいたということもあり、あまり親密な関係になることはなく、良き同僚、情報通な憧れの人という感じ 。
たまたまその場の流れで皆でメール交換することになり、Mさんとも交換した。
以来20年近くのメル友で、私が退職後もだいたい月イチくらいで趣味に関する情報や近況をメールやLINEしていた。

今年4月 私の地元に単身赴任が決まったと連絡があった。
私が退職してから1度も会っていなかった事もあり、久しぶりに職場の昔話してみたくなった。
彼からも『久しぶりに会いたい』と。

Mさんについては彼女にも話したことがある。
『趣味とかで話が出来たりする知り合いは大切にしないと』と彼女も話していた。

彼女にMさんと会うことも話した上で、Mさんと予定を合わせ昼食をしつつ話が盛り上がった。
思い出話だけでなく、私が離婚したこと、お互いの家族のこと、私にパートナーがいること、趣味の話、、
私がパンセクシャルであることを告白して、パートナーがいることを話と嫌悪感持たれるかも、、嫌われるかもしれない、とも思ったが『私が貴女を嫌いになるわけが無い』と言ってくれた。

久しぶりに会ったMさん。
お互い年齢を重ねたけれど、その姿はほとんど変わっていないように思えた。
楽しい時間はあっという間に過ぎるのに話題は尽きず、その日以降も何度かお互いの予定を合わせて昼食やティータイムをしながら話をした。

DV離婚してから男性のことが苦手になってたけど、、Mさんは別みたい。
話しているとすごく楽しい気持ちになれる。
初めて出会って会話した時、Mさんともっと仲良くなりたい、一緒に食事行ったり、趣味の話をいっぱいしたいと思っていた。
それがまさか20年越しに叶うとは。。。

人は出会うべき時に必要な人と出会う。

Mさんはそう言っていたけど、もしそうなら私は今までの願いを叶えるために出会ったのだろうか。
それとも、、、

夏のある日。
家族のひとりがコロナになった。
高熱が出て、ずっと寝ている。
食欲もなく、病院で処方される薬はロキソニンだけ、という感じ。
対象年齢のこともあり予防接種が少ない者だったので、すごく心配だったし不安で、彼女に『すごく不安で心細い』とLINEした。
返事は、、
『心配したって仕方ないじゃない。』
『今日は親友と呑みに行く予定だから。』と。
心配したって仕方ないじゃない、、そんなことわかってる。
でも、心細さが占めている心にはグサッと刺さった。

その日、看病で忙しくはしていたけど、彼女からメール来たら、頑張れるような気がすると思っていたが結局、、真夜中の3時までメールの返事は来ることなく、『今日は久しぶりにいっぱい歩いたから疲れたー笑 あなたも体調管理気をつけてね！おやすみー！』で終わり。
遠距離だから仕方ない部分もあるけど、、なんだかちょっと。。

私も濃厚接触者扱いとなり、仕事にも出られなくなった。
看病と他の家族への蔓延防止にいっぱいいっぱいになっている時、Mさんが声をかけてくれた。
『自分ができることあればなんでも言ってください。必要なものがあれば、即日買い出しにも行きます』と。
Mさんも仕事があるのに、午後休取ったり、終業後に水分補給ドリンクやレトルト食品など、買いに行ってドアにかけてくれた。
窓越しにお礼を言うと、軽く会釈だけして去っていく。

去っていく車に何度も頭を下げた。
ありがとうございます。
ありがとうございます。。

少し時間出来てからLINEで改めてお礼をいい、『あんなに足早に帰らなくても、、』と言うと、
『私も話したかったのですが、、話すると止まらなくなりそうだったので。。もっと先読みして事前行動出来れば良いのですが、、レベル低くてすみません。1日も早く回復される事を祈っています』と。

疲れきっていた私はMさんからのLINEを読んでいる時から目頭が熱くなった。
メールを読み終え、スマホを握りしめて泣いていた。

こんな私と、私の家族のために、、ありがとうございます。
感謝してもしきれない。。

愛されるわけがないって

自分を否定してたから

相手からの好意を

素直に信じられないのかもって


今更気付くとか

どんだけ遠回りしてきてんの