ベイクドもちょちょ・2024-03-07
砂の五線譜
お前の永遠になりたい
お前の目の前で死んで
一生消えない傷になりたい
覺えておくにはあまりに儚く
忘れるにはあまりに愛おしい
貴方が私以外の人を抱くたびに、
私ことを思い出して、夢に見て、
苦しんでほしいの
8番出口。
やっと7番目に差し掛かった時、
そこにはいなくなったはずの
あいつが立っていた。
「よっ。元気してる?」
それは異変と言うにはあまりにも精巧で。
「こんなとこで油売ってちゃダメでしょー」
待て、待ってくれ
引き返してしまったら、お前を異変と認めなきゃ
「俺はもういないって、分かってるくせに」
あれは、私の神ではありませんでした
私の神の姿を模した化物です
醜悪な怪物です
私の神があのようなことを言うわけがありません
言うわけが、無いのです
あの人のためならなんだって出来た
確かにナイフを手にした瞬間、私の内にあった衝動は殺意だったのです。けれど、私はあの方を殺そうとは思っていなかったのです。行き場のない激情が私の思考を狂わせたのです。無意識に握ったものがナイフだった。それだけです。
そうでなければおかしいのです。
私があの方を手にかける筈がありません。
だから、これは何かの間違いなのです。
ああそうだよ。
お前のせいで俺の人生めちゃくちゃだよ。
だから責任取れ。
走馬灯にまで焼きつけてやるから、
今更日和って捨てようとしてんじゃねえぞ
この腰抜け野郎が。