STK・16時間前
私の代わりに泣いてくれる空に、聞いてもらったの
私、本当は気付いてたの。
あれは、全部夢だって。
クチにしたら、
現実に引き戻されてしまうから、
言わなかっただけ。
隣にいてもね、
私を見てないのよ。
私を通り越して、
大切な人を視てるの。
目線は合っていてもね、
心のピントは合わないの。
後ろ姿や横顔、
ぼんやりしてる時、
私を待ってる時、
私の話に相槌を打ってくれてる時。
うれしかったのよ、私は。
そうやって、
いろんな角度から見て、
たくさんの表情を見ていて、
あぁ、ここが引き際かしら。と、
思えたの。
そんな瞬間を、
愛しいと思っていたのは、
私だけだったみたいだから。
いつまで経っても、
待っても、
愛ある空気に、
触れられないんですもの。
私にはもう、成す術がなくて、
お手上げになってしまったわ。
疲れてしまったの。
こっちが、現実。