#空蝉の街に、独り

諦められない

恋じゃなくて、

諦めたくない

恋だったの＿＿＿

𓂃◌𓈒𓐍

「生きていたかったな」


最後に零れた一言は

誰にも届くことなく

共に宙を舞う

燻らせた煙草を

くたびれた空に押し付け

世の無常を呪う

世界を弄る神様が唯一知らないのは、

“平等”って言葉だと思うんだ。

そう思っていないと、

あの人を好いていていい理由に

ならない気がしたから…

好きだ、と

君に伝えることはきっとない

今はただ

この関係が少し痒くて

少し嬉しいだけ

辛いも痛いも苦しいも

楽しいも嬉しいも愛おしいも

好きや嫌いだって


〝基準や感じ方は人それぞれ〟


それじゃ駄目なんですか＿？

時々あなたが恋しくなるの
どんなふうに別れたら
友達でいられたかなんて
考えても無駄なのに

時々あなたに会いたくなるの
私と過ごした時間に
後悔はなかったかなんて
今更聞いても遅いのに

時々あなたと話したくなるの
今はもう私の知ってる
あなたじなないって
わかっているのに

これは未練なんかじゃない
終わった恋を振り返り
昔の私と向き合いたいだけ
それだけだよ

掬い上げられたあなたの「死にたい」

ピンヒールに踏みにじられた僕の「死にたい」

同じ「死にたい」でも

綺麗な方が選ばれる、そんな世界

幾つもの殻を脱ぎ捨て
夜が明けるたび
虚しさを抱え
膝を抱える

今度は前に進めるかも
小さな期待は
挫折に変わり
空蝉は増えるばかり

こんな世界に独り
生まれ落ち
いつか慣れっこになり
諦める

それもいいさ
それでもいいさ

＃空蝉の街に、独り


解釈、使用自由です

贈り物はゆるゆると

あなたに
見てもらいたくて
一枚一枚脱ぎ捨てた
空蝉

これであなたに
愛してもらえますか

もうこれで
私を飾るものは
何もないから
あなた色に
染めてもらえますか