#膝丸

東の空に 浮かぶ月

あれは 十三日目の月

月をかすめて 飛んでゆく

あれは 雁の棹

源氏の重宝、膝丸だ。

試し斬りで罪人を切ったら

両膝を一刀で断った事から名付けられた。

…………もっとも、兄者同様に、

他の名で俺を呼びたがる者もいるな

僅かな灯でも
見失わぬために今も
叫び続けるよ
いつまでも……


生命(いのち)尽き果てるまで
抱きしめたい
手を伸ばしても届かないなら
君と肩並べて
歩いて来て欲しかった
どれほど、どれほど
もしも今、あの頃に戻れるなら
戻れるなら
出逢えるなら

何度でも夢を見た

伸ばしても届かない腕

虚空(くう)を掴んだ

今望めばすぐ触れられる距離で

その瞳に僕が映るのなら

そこで君が息をしているなら

始まりも終わりも君に捧げよう

聞こえるか？
歳月(とき)が流れる音
季節彩なす音
ひと時も忘れはせぬ
敵討ちの誓い
桜 ちらちら
雨 パラパラ
聞こえないのは
私を呼ぶ弟の声

離れていても
行先は同じ
群れなす鳥のように
はぐれても
きっと出会いましょうぞ
ひと時も忘れはせぬ
兄上との誓い

風 そよそよ
雪 どーんどーん
届かないのは
兄上を呼ぶ私の声

嬉しいこと

悲しいこと

生きるということ

道端に咲いた花から

教えて貰えることも沢山ある

思い出のドア

開いてみたら

沢山のシアワセがあった

また

今日が過去になってく

その手を離さぬように

ずっともっと

そばにいたいけど

もう、行くよ

歳を重ねる度に僕らは
諦め方や嘘が上手くなり
幼い頃のまっさらな気持ちは
一体何処に置き忘れてきたのかな
何故か急に声が聞きたくて
メモリーの奥底
find your voice
変わらないね
優しい笑い声
あれから止まったはずの
時間が動き出す気がしたんだ

なんだかんだかっこいいよね。


好きだよ、いつもありがとう。

兄者のお名前覚えたけど、


たまに膝丸さんと混ざる。

どうか


君の記憶が

笑顔で溢れていますように