ある朝、
いつもの朝、
太陽が眩しくて
僕は起きた。
目を擦りながら階段を降りて、
妹に理不尽に怒られる。
そんないつもの朝。
だけど、君が来たてから、
いつもの朝じゃない朝がきた。
『おはよう』
「おはよ」
明るい君はすぐに
僕と仲良くしてくれて、
毎朝一緒に登校するようになった。
朝から太陽みたいに眩しい笑顔は
僕にはまだきつくて目を合わせられない。
『君って朝弱いよね』
そう笑う君は、
「夜に弱いじゃん」
『じゃあ、お互い様か笑』
そんな平和な登校が、
ずっとずっと続けばいいと、
せめてあと2年間は
続けばいいと思ってた。
でもいつしか僕は、
君に恋をしてしまった。
学校に初めて来た時は
可愛い可愛いと
あちこちから聞こえて、
女子ともすぐに仲良くなった。
男子からも好印象。
嫉妬するなんて、
立場じゃないのわかってるけど。
少し、妬けてしまった。
みんなが君を登下校に誘うのに
僕と一緒に帰るからって
下校まで断っているから、
無理しなくていいと言ったこともあったが、
『私が一緒に帰りたいの』
と男が勘違いするセリフを言って
不覚にもそれにまんまとひっかかって
満更でもない気持ち悪い顔をして承諾した。
告白は、
多分しても無理だと思ってる。
未だ誰も告白に成功していないのが、
その理由のひとつだ。
僕にとってこれは初恋だから、
悪い思い出で終わらせたら、
これ以上恋に臆病になってしまいかねない。
だから告白は、
もう少し後にする予定ではある。
多分。この臆病が治ったときにでも。