はじめる

#自作小説

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全129作品・








【傲倨な背中。】






「父さんに見せるの?」



高校一年の春。


高校のテストは、


人生を大きく左右させる。






「見せなかったとしても、


どうせ聞かれるだろ。」






「母さんが何とかしてあげるよ。」






「大丈夫。

じゃ、行ってくる。」





その時の俺の背中は


とても弱そうだったと母は言う。





「母さん。俺、頑張れたかな。」




「十分、頑張れましたよ。」




「ありがとう。」






時には妻や子にも手を上げるような



クソ親父。





昔から勉強だけには厳しい。







自分の部屋に戻って


父さんが帰ってくるのを待つ。






得意科目は九十七点と、


学年トップだった。






「ただいま。」



威厳に満ち溢れた声。


俺はこの声が大嫌いだ。






「父さん、おかえり。」




「ただいま、利在翔(りいと)。」




「おう。」




「テストは、どうだったんだ。」




「…はい。」





真剣な眼差しの父に、


テストの成績表を見せる。





「国語八十点?



こんな点でよくも堂々と

俺に見せられたな。」





「別に堂々と見せてねーよ。」





「数学は九十七点か。


3点も何を間違えたんだ?」







何なんだよコイツ。


いっつもそうだ。




コイツの普通は常に満点。



それ以外は論外なんだ。




「三問、分からない問題があった。、

完全に俺の勉強不足です。



ごめんなさい。」



と、訳もわからず謝った。





「そうだろうな、


お前はいつも努力が足りないんだよ。」






「はい、すいませんでした。」






別に、褒めてもらいたい訳じゃない。






「頑張ったな。」



「利在翔は凄いな。」





そんな甘い言葉、


貰わなくていい。






ただ、コイツの言葉は


いちいち突き刺さる。





目の前に見える、


結果しか信じない。




「分かったら、


ボーッと突っ立ってないで


勉強しろ。



何してるんだ?」






「ごめんなさい。」






細い針が何本も。



萎れてクタクタの風船を

破るような。




そんな気持ちだった。





「利在翔。」



優しくて、暖かい声。母さんだ。




「なに?母さん。」



「父さん、どうだったの?」



「大丈夫だったよ。

父さん、ちゃんと褒めてくれた。


ありがとう、母さん」





「そう!良かったわ!」





きっと、俺自身、



大丈夫じゃないんだろうな。






容姿とは正反対の豆腐メンタルだし、


本当のことを言えない内気な性格。





辛くない辛くないって、


言い聞かせて、




多分明日も、その次の日も、



この世界を生きるんだろう。







気持ちを切り替えようと、


テレビをつける。






「来週の父の日に向けて、


様々な店舗で新商品が


発売されています。」






よく見るアナウンサーが


安定の笑顔で話す。






父の日か…。


そんなことを考えながら


淡々とテレビを眺める。






「ゆうきくん、


パパには何をプレゼントするの?」






さっきのアナウンサーが、


見た感じ五歳くらいの


男の子に話しかけている。







「僕は、お手紙と、お花を、


プレゼント、します。」




小さい子特有の喋り方で言う。


それも満面と笑みを浮かべて。





その笑顔に、俺までも


ホッコリした。







「俺も父さんに何かしなきゃな。」





そう小さく呟いた。


ハンカチ?

ネクタイ?





あんまりお金は使いたくないな。


バイト代なんて、

ほとんど学費に使っちゃってるし。






通学代のことを考えたら、


趣味に使えるお金なんて



これっぽっちも無いだろう。






「僕は、お手紙と、お花を、


プレゼント、します。」


ふと、あの男の子の言葉が頭に浮かぶ。






手紙と花なんて、柄じゃないよな。






父さん、「なんだコイツ」って


思うかな。




どんな顔、


するのかな。







あんなに「クソ親父、クソ親父」



言ってるけど、




実際大切に思っているのは事実だ。








そこがちょっと、悔しかった。





机の引き出しの奥から、


何年も使っていない便箋と封筒を出す。







何を書こうか、なんて思う暇なく


スラスラと書き始める。





父さんには、勉強のことしか


話していないせいか、


言いたいことがたくさんある。








「トントン。」




手紙を書いていたら、


ノックの音がした。





「いーですかぁ。」


小さくて、幼い声。






「どーぞ。」






「ガチャ。」





ゆっくりと、ドアが開かれる。




そこに立って居たのは


妹の結利乃(ゆりの)だ。







「どうした?」



「利在翔兄。ここ教えて。」






右手には、キャラクターの

シャーペンを持ち、




左手には…これは中二のだろうか。



何やら難しそうな問題集を持っていた。






小五だっていうのに、


こんな問題を?





目を疑う程だった。







「ここは…。」





ほんの少し前に復習した


記憶がある難易度の高い問題を



結利乃は直ぐに理解した。






コイツが高校生になったら、


きっと父さんにも…。







その先は考えないことにした。




その後、結利乃は


「ありがとう。」と言って


去って行った。







もう一度、手紙を書き始めた。




何でだろうか。


どうしてだろうか。



涙が出た。






余程、愛されたかったのだろう。



昔から、羨ましいとは感じていた。






当たり前に、


褒めてもらえるあの子。




当たり前に、


笑いかけてもらえるあの子。






「どうして俺は?」


なんて、腐るほど思ってきた。





そんなことを思い始めてから、



手紙の内容は、どんどん


感情的になってきた。








出来た。




ごちゃごちゃな思いを


全部詰め込んだ


俺なりの不器用な一通。





封筒の開け口には


小さい頃、父さんに貰った



一枚の合格シールを貼った。








ドキドキしながら、


父の日を迎えた。








父さんの職業は、



警察官だ。







だから毎日忙しくて、


朝早くから家を出てしまう。








俺が急いで階段を降りた時には


もう父さんは玄関に立っていた。








「父さん!」




思わず叫んだ。



父さんはびっくりしたような顔で


俺の言葉を待っているようだった。








「こ、これ。


今日、父の日。





いつも、ありがとう。」









暫くして、父さんは口を開けた。






「こんなもの、


書いている暇があったら





勉強しろよ。




将来が見えなくなるぞ。」







と、俺の書いた手紙を持ち、



玄関の扉を強く閉め、出ていった。









悲しい?


そんなものでは表せなかった。





少しでも期待したのが


悪かったのかな。






なんで、父さんは俺が嫌いなんだ。







俺ってそんなに悪い子かな。










「なんでだよ…。」



涙が出て、咄嗟に死にたくなった。



「辛いんだ。」そう、


初めて自覚した。






学校に行く気力もない。







十分くらいだろうか。



ずっと、玄関に立ち止まっていた。










「利在翔?


どうしたの?」







優しくて、暖かい声。


母さんだ。







「ううん。なんでもないよ。」





「ふふっ。なんか、


喋り方が、父さんに似てきたわね。」







…は?


俺があんな、怖い喋りた方の父さんに?







どこがだよ。


その日もいつ通り父さんは





夜遅くに帰ってきた。







そんな夜に見た夢は


何故か記憶にはっきりと残っている。







「母さん、どうして、



父さんが好きなの?」






「頑固で、生意気で、


嫌だなと思うこともあるけど、





ああ見えて子供たちを


一番愛しているって




知ってるからかな。」






いい夢にも程がある。



正夢だったらいいのに。

そんな夢を

また見たんだ。






小さい頃は、


父さんの笑顔見てたっけ、

当たり前に。




ひらがなが書けるようになったら、


褒めて貰えてたっけ、

当たり前に。






なのに今じゃ、


真面に話も聞いて貰えない。








「悲しみ乗り越えたら、


楽しいことが沢山待ってるからな。」








どこかで聞いたことがある言葉が



頭の中を駆け巡る。







「そんなの綺麗事だろ。」




そう、口を尖らせていたら

目が覚めた。






階段を降りて、


玄関を覗くと、



父さんの靴はもう無かった。






あの日、


あの父の日から、



一度も話していない。




リビングに向かい、


テレビを付ける。






ニュース番組の字幕には


赤い文字で


「横浜市 立て篭り事件 LIVE」



と、大きく書いてあった。





視線をテレビだけに集中させ、


じっくり見るとそこには





警備服を着た父さんの姿があった。





数人の警察官に混じって、


何やら真剣に話をしている。







「カッコイイなぁ。」



思わず声が出てしまった。






目から涙が零れた。


大嫌いだ。



あんな父親。





散々辛くさせて、

ギタギタに傷つけた。





あんな父親、


要らなかった。





優しくて、


何もかも認めてくれる


父親が欲しかった。








それなのに、


それなのに。






俺に限ってあんな、あんな…。








「うぅ…。」




何回泣けばこの涙、

使い切れるだろう。




何回傷つけば、

認めてもらえるのだろう。




何回どんなことされても、

俺は父さんが大好きなのに。













暫くして、


番組は朝の子供向きアニメに変わった。








赤く腫れた目。


恐らく俺のであろう、冷めた味噌汁。


結利乃の飲みかけの

オレンジジュース。









俺は何がしたいんだろう。



何になりたい?






「将来が、見えなくなるぞ。」





父さんの言葉が、


また突き刺さる。






すると、つけっぱなし


テレビから




緊急速報の警報の音がした。




音につられて


テレビに視線が行く。









「横浜市 立て篭り事件

容疑者が発砲 警察官一名死亡」


という字幕。











「…は?」






頭が追いつかなかった。



考えるよりずっと

速く体が動いていたから。






電車に乗りながら、

スマホで詳しく場所を調べる。






汗でパジャマ代わりにしていた


ジャージがびっしょり濡れていた。










神様、


どうか。



どうかお願いします。








父さんを、父さんを救ってください。





電車を降りると、


大きなサイレンの音。






血を流した警察官。












遠くから見ても分かった。












あれは俺のお父さん。



銃で撃たれて死んだ、俺のお父さん。



死に方までカッコイイ、俺のお父さん。



優しくて完璧な、俺のお父さん。



俺の憧れで

俺の目標で。




俺がめざしてきた背中。




大好きな、俺のお父さん。







道路には父さんの血が滲んでいた。





俺のガラスの心には


「憎しみ」も「辛さ」も無く、




ただただ父さんへの「感謝」で


満たされていた。









後日、父さんの遺品が、


署から送られてきた。






事件当日に着ていたと思われる


警備服の胸ポケットには




手紙が二通、入っていた。






一つは、俺が父さんに渡した手紙。









もう一つの手紙の宛先は



「佐倉利在翔。」



俺だった。







封筒の開け口には


ピカピカの合格シール。









気になって封筒を開け、


便箋を取り出し、



夢中で読み始めた。









「拝啓


佐倉 利在翔






利在翔。


今まで本当にすまなかった。


数学、よく頑張ったな。


父さんは、お前が夜遅くまで


目を擦りながら、


勉強していたのをちゃんと見ているよ。


厳しくさせてすまなかった。


利在翔には立派に育って欲しかった。


そう言ったら、


言い訳になるかもしれない。


でも父さんは、


利在翔のことを愛している。


それだけ、知ってもらえればいい。






父の日、冷たく当たって


ごめんな。


父さんは、お前と違って


馬鹿野郎だよ。


お前より、考え方が幼いよ。


あの日は、本当にごめんな。










ところで利在翔。


お前の名前はな、


父さんがつけたんだぞ。


人の役に立つという意味の「利」


いつまで経っても、


お前は父さんと母さんの


大切な存在であるという意味の「在」


夢へ翔いてほしいという意味の「翔」


三文字一つ一つに意味がある。


お前がいることに意味がある。


辛いことがあったら、


思いっきり叫べ。


「悲しみ乗り越えたら、


楽しいことが沢山待ってるからな。」


死にたいと思ったら、


家族のことを考えろ。


それでも死にたいなら


死ね。


自分は天国に相応しい人生を


送れた自信を持ってから


堂々と死んでくれ。


人の可能性は無限大だ。


空を飛べる飛行機を作れたのなら、


月面着陸が出来たのなら、


お前は何だって出来る。


自分の可能性を、


一パーセントでも信じてみろ。










人の素晴らしさを知ってから



天国に行け。








六月二十三日


佐倉 武久」










父さんは、人生を教えてくれた。




俺が見てきた傲倨な背中は



最初から父さんだった。









なりたかったものは、


最初からすごく近くにあった。













「慰緒(いお)。


行くぞー。」





「父さん待ってー。」





「早くしろ。」









父さん、今もそこで


見ていますか。






俺は、良い父さんに


なれていますか。






「父さんってカッコイイよなぁ。



僕も将来、警察官になりたい!」







「きっとなれる。



人の可能性は無限大だから。」








「あはは。


何言ってんだよ、父さん!



気持ちわる!」








俺は、父さんが父さんで良かったと、


父さんに思うように。




そう思われる父さんになりたい。






それが、警察官という夢を叶えた



俺の新しい目標です。








目標を達成する度に、


父さんに近づけた気がして




幸せが増えるのは


親子だけの秘密にしましょう。









天国で再会できたその時には





俺に三枚目の合格シールをください。

瀬在・2021-06-17
傲倨な背中。
小説
5000文字以上
自作小説
自作
まじ頑張った(
打つだけで一時間とか
えぐすぎだろ
褒める代わりに
感想ください
あはは
つら
しんどい
父さん
父親
警察官
天国
瀬在(小説)
瀬在(おすすめ)







【咲かぬなら。】





「セイラちゃんかわいー!」




「私めっちゃ推してる!」










聞き慣れたその言葉。



なんの深みも感じない。






ただただ薄っぺらい一言。









「せーいら!」





「要くん。」






彼の名前は


木下要(きのした かなめ)。






高校入ってからずっと一緒で


周りから付き合ってるんじゃないかって




噂されるレベルで仲がいい。










「星良は今日も仕事かー?」






「そうなんだよー、


校内のミスコンがテレビで

取り上げられてから、



急に仕事増えちゃって。」










普通に女子高生ぶちかましながら


女子学生が見るような雑誌の




モデルだって務めてる。









プロに比べたら


ファンだって少ないし



もちろん人気も全然ない。









でも私って才能あるし


なんたって可愛いし。







そんな自己評価高めの


ポジティブ思考で




例えネットに悪口書かれても


平気でいれちゃうくらい。











「俺もはよ夢叶えてえなーっ!」





「なんだっけ、カメラマン?」





「ちゃんと覚えてよ笑」





「ごめんごめん」











「言っとくけど、


俺絶対なるからね、マジで。」








「うんうん、頑張ってね。」









ホームルーム前のチャイムが響いて



そのまま私たちは席に着いた。







昨日のカメラマンの悪口とか


スタッフさんの態度とか




嫌なことばっか考えてたら



ホームルームの時間も終わった。










「星良こんまま仕事?」





「そーそー、じゃあね要くん。」





「おう!」








仕事が一気に増えてから


要くんとは一度も一緒に帰れてない。










「はーい、なんかポーズつけてよ。」




「ちがうちがう。」




「は?分かってる?」




「セイラちゃんやる気ある?」







うるっさいな。




どう違うのか


何が悪いのか


せめて言ってよ。






やる気あるし、


違うのも分かったから。







「モデルで食ってくなら


セイラちゃんにしかないもの、



出さなきゃすぐ仕事なくなるよ?」








「分かってます。」







大人は根拠の無いダメ出しばっかして


個性だの君にしかないものだの、







そんなもの


あるわけない。











周りで私を囲む大人の目線が


心を抉って、



刺して殺して引き裂いて。







これでもかってくらい、


ギタギタに踏みつけてくる。










痛いなあ。









ファンの子が生き甲斐とか



ファンの子がいるからとか






他人の評価で続けてるわけじゃない。








ただただ輝きたいし、


綺麗になりたい。







評価なんか悪くたって


私は私の中で





とびっきり可愛く居れてる。










薄い言葉も



ダメ出しも嘘も文句も






全部全部分かってる。














「星良元気ねえな?」






「何言ってんの、大ありだよ。」






「嘘つくなよ、」









「要くんって、


いちいちうるさい。」










分かんなくなった。



なにをしたいのとか、




結局何になりたいのとか。







なんかまた痛くなって。





走って逃げた。











「せーいら、飴いる?」





「いらないってば。」














「星良ー。




仕事頑張ってな。」











「うん。」














ある日から、


ネットの私への書き込みが





妙に心に刺さるようになって。










「セイラきもい。」





「セイラブサイク。」





「性格悪そう‪w」









無責任で



世間知らずで



他人の努力なんか



どうでも良くて




ただただ気に入らないとか




ましてや嫉妬とか





そんなくだらない思いを抱く


性格ブス達に付けられた傷は







いつまで経っても治らないし、


増えて増えて、痛いだけだし。












その日は夜遅くに仕事が終わって、



喜怒哀楽がごちゃごちゃになったまま






ただ無心で歩いてた。











そしたらなんかいるんだもん。



おっきい体でさ。





なんか知らないけど


はあはあ息上がっちゃってて。











「なにしてんの、要くん、」







「星良を、慰めようとしてる。」








真っ直ぐな眼差しで


真っ直ぐな言葉で





心に優しく


絆創膏を貼ってくれるような。






そんな気がした。










ずっと泣いた。



声を上げて。








メイクとか、


全部ぐちゃぐちゃになって。








「要くんたすけてよ」



って、





力いっぱい




叫んだと思う。










「星良すっごい可愛いよ。」





「なに急に。」




腫れた目を見られたくなくて


下を向いて話した。








「星良かわいいよ。」





「うるさいよ、どうしたの要くん。」






「俺の中で星良はさ、



すっごい可愛くて頑張ってて




なんかもうとにかく輝いてるよ。」












「そんなこと、


言う人だったっけ。」












「ううん、言わない人。」










月のくせになんだか眩しくて




月光に照らされる要くんが






なんかすっごい、



カッコよかった。









「太陽ってさ、


なんか歌とかにも使われるし、




眩しくて、俺たちを照らしてさ





なんかめっちゃ良いじゃん。」













「うん。」







急に変な話をし始めたけど



私はなんかそれが


聞きたくなって。






相槌ばかりうって、



真剣に聞いてた。










「でも俺は、


月の方が好きだなあ。







そりゃ、太陽って


めっちゃ眩しいし


でっけえし熱くてギラギラだし




でもさ、



月って、あんな暗い中、



キラキラしてさ、




夜じゃ1番輝いて見えるし





暗く沈んでる街をさ


月が照らすじゃん。








なんかカッコよくね?










だからさ、


星良は俺にとって月みたいなもん。








辛い時とか、沈んでる時



めちゃめちゃ輝いて見えんの。」











要くんのくせに、



いいこと言いやがるから。






また涙が溢れて。










「でも月って、


太陽の光で輝いてるんだよ。」






枯れた声で話した。








「じゃあ俺、


星良の太陽になるよ。





俺が照らすから



星良は輝いててよ。」












「なにそれ笑




日中は要くんの方が輝くじゃん。」









「あはは笑



俺にも輝かせてよ笑」








「しょうがないなあ。」













傷つけて



強く当たったのに







私が月だってさ。







要くんのくせに、


やるじゃん。














あれから3000回くらい


月光を浴びて




今はもう、



前とは違うんだから。











「セイラちゃんめっちゃ可愛い!」




「旦那さんがカメラマンって


すごい魅力的だよね。」






「もー大好き!」









薄い言葉は





深く暖かい愛に変わって。










国民的努力派モデルと





それを照らすカメラマン。










光り輝く月と





それを照らす太陽。













なんだ



私、めっちゃ可愛いじゃん。

瀬在・2021-08-20
咲かぬなら。
小説
自作小説
モデル
太陽
短編小説
高校生
疲れた
手が
あーあーあーあー
瀬在(小説)
すぐ消すかも
これはとても自信が無い
ほんとに
特に
下書きなし
瞬間的に思いついて
打ち込んだ系の
くっそ浅い
ごみ
感想ください
とか言ってみるけど
無理にはいいです
なんか変だし
無理やりだし
いや大丈夫そ
タグの量えぐい
ここらへんで
やめとく
さよなら
誤字あったら報告お願いします








【雄蕊と雄蕊。】




(題名から内容を察して頂いて、
苦手で御座いましたらお控えください。)









ただ手を伸ばして、



掴み取る前に





腕をへし折られてしまうような


その刹那。






感じたことがあるだろうか。










好きな花の好きな理由を言ったら




次の日にはもうその花が



消えていたその悲観。







感じたことがあるだろうか。
















「花野さん!」




花野さんは里に咲く一輪の花のよう。





と、いえば俺が



すごく気持ちの悪い奴のように聞こえる。







だがこれは本当で


この人は本当に綺麗だ。









「あーっ!朔良!!」




活気良く品格のある口調。




ああ、ずっと隣に居たい。と、




この人といると簡単にそう思ってしまう。













俺がおかしいのは分かってる。





ただ、今もこう、



風に揺られる髪を


邪魔だとでも言うように撫でる君が




愛おしくて堪らない。










「なーにボーッとしてんだよ。


俺、今から散水行くから


朔良も来れば?」







彼、花野 冬夜は


花屋を経営する一家の次男で



朗らかな男子高校生だ。







彼のことが好きだと伝えるのなら


驚かれるのがこの世界の現実である。








「そろそろコイツが咲く頃だぞー?」





と、花野さんがくしゃっと笑みを浮かべ



散水しているのはバラの蕾だった。







「バラは色や本数によって


花言葉が異なって___」








長々語る花野さんの嗜好の話を



俺は淡々と聞く。









その中に、俺だけしか知らない


花野さんが少しでも居ればなあ、と願う。






きっと花野さんは



バラが1番好きなんだろう。










これ程に「バラになりたい」と



思う人間は俺以外に居るのだろうか。










「冬夜ーっ!!」








俺の幸せが壊れる声がした。









「冬夜!お花買いに来てあげたよー!」








頼むから邪魔しないでくれ、と



思いながら





俺は目の前に立つ彼女を睨みつけた。










その刹那、花の匂いが香ると共に



花野さんのキラキラした目が



俺の心を締め付ける。











まるで席を外してくれとでも言うように




花野さんは彼女の元に歩み寄った。











ああ、消えたい。






あわよくば今すぐ


この女を蹴り飛ばしたい。








そう思ってしまった。







「じゃあ、これで失礼します。」






腹を立てると共に


今すぐにでも泣いてしまいそうな顔を




一時も見られることがないように



静かに速く話した。













すごく上げられて


すごく落とされた感じだ。







それはプラマイゼロのように思えるけど



「終わりよければすべてよし」



その言葉にのっとられた


自分からしたら





これでもかと言うような辛さだ。










ふと振り向くと



俺の知らない花野さんの笑顔があった。






ああもう、なんで振り向いたんだよ、俺。








もう一度振り向くのならば




そこには俺だけしか知らないと



思っていた花野さんがいそうで、





怖くてたまらなかった。










彼女と花野さんの関係は



俺が花野さんから聞く限り、





恋人ではない、はず。








と、したら彼女と俺は



ライバルになるのだろうけど




俺がとてつもなく不利なのはずるい。












「せめて女だったら」



とは思わないけど、



ただ俺は性別の壁が憎い。








一体どうやって



諦めればいい。







神様はどうして



俺と花野さんを




出逢わせたんだ。










俺はこのまま立派な恋愛映画の



主人公の友達のような役を





務め続けるのか。










四月だというのに



風はかなり冷たくて





握りしめたカイロに


なんの温もりも感じなかった。










ヴー。







スマホの通知音が聞こえて


思わずそこに目をやると






『さーくら!今日はごめんな!


明日、図書館行かね?』







この怒りも悲しみも


吹き飛ばしてくれそうな口調。





勿論、メッセージの送り主は


花野さんだろう。









図書館か、



本、あんまり好きじゃないんだけど。







そう思いつつも



恋する俺に「行かない」という




選択肢は微塵も存在しない。









『俺と花野さん、


2人だけなら行きます。』








それが本音だとバレないように



続けて可笑しそうに

笑う犬のスタンプを送信する。






俺、可哀想すぎる。











「何だそれ笑

じゃ、駅前に1時な!」








ほらな、「何だそれ」だってさ。



俺、可哀想すぎる。













恋占いとか





名前やら血液型だけで

分かる彼との相性とかで





満足感を満たそうとする程、


俺は彼に溺れては余裕が無い。
















特に好きな服に


特に好きな靴に


特に好きなバッグに


特に好きなネックレスを身につけ







今日の幸せの始まりである



駅前に向かう。









「お、私服姿好きだわ。」






なんて言われたいとか、



そういう高望みはしないから






せめて


「似合ってんじゃん」の




一言をください。








相変わらず



願ってばかりの恋心。












「よっ、朔良!」






「っわ!びっくりした。」











胸の高鳴りは




ただ単純に驚いただけなのか、



それともこの笑顔に心をやられたのか。













そうやってどんどん



ずるくなる彼を




どんどん好きになってしまう。














「そういえば、



どうして図書館に?」










「あー。優希がさ。



花言葉教えて欲しいって言って」










もう聞きたくないと思っていることを



あからさまに表に出す


つもりは無かったのに、





俺は彼がそれを言い切った後に



今までにないような咳払いをし、






すぐにバラの育て方を教えて欲しいと





無理矢理別の話題に変えた。













優希、というのは、



あの女の事だろう。









花言葉を教えて欲しいと言われたけど、



自分も詳しく知らない部分があるから





図書館に行きたい。







どうせそんな事だろう。











ああ、あんな質問、



しなければ良かった。










この服、


この靴も


バッグも


ネックレスも







嫌いになりそうだ。












「朔良!



俺こんな花、初めて見たわ。






しっかりした白に


濃いけど優しい青が染まって…」











相変わらず無邪気に語るなあ、


と彼を想う愛おしさと







もうどうにでもなれと


投げ出したい屈辱と







自分のものだけにしたい


という独占欲が






ダイレクトに入り交じっていたことに



自分の体が理解していなかった。











真っ直ぐ俺を見つめる




花野さんの目を見て、








なにか驚いたような顔を


しているなと勘づいた時、








花野さんは一気に黙り込んだ。












俺は泣いていた。










そう自覚した時、




初めて頬を撫でる水滴を感じた。










最悪だ。










「え?朔良?何で、泣いてんの。


どうしたの、ねえ。」










「ごめん、ごめん、なさい。


ごめんなさい。」











体が勝手に動いて



俺はただ走っていた。







とにかく速く


もっと遠くに行きたいと




脳が叫んでいた。




花野さんを置いていくなよと




心が怒っていた。














息切れがひどく、




その場に座り込んだ。











辺りは俺が知らない景色。








行ったこともない花屋に


咲き誇るバラが目に入って、






神様、今は見せないでくださいと


願うばかり。












声を殺して






止まらぬ涙に腹を立てていた。









「花野さんが追ってきてくれたら」



と、少しでも期待する自分が



ダサい脇役にしか重ならなくて、



悔しかった。












「あ、似合ってるって



言って貰えなかった。」







弱っている心をさらに


締め殺すように思い出した。










ヴーヴーヴー。







スマホの着信音。



「花野冬夜」


という名前が目に入る。










「はい、相原です。


すみません。」








思わず謝罪した。









「はーい、花野です、」




「会いたいです。」








電話だから


本音だとバレないようにする為の


スタンプは送れない。









「今どこ。」





いつだって弾んでいる


花野さんの声は







聞いたことがない程低かった。











俺は気を遣えるライバルでも



優しい心を持つヒロインでもないから






少しあった抵抗を抑えて



自分の居場所を花野さんに送った。










「わー、変なとこ行ったなあ、



待ってな。」












今だけ、



この時だけでも、





花野さんを


独り占めしているような幸甚。








涙が乾いて痒くなった頬さえも、


気にならなかった。















いた。













俺の視界の中で



何よりも目立つその姿。







まるで目を細工されたかのような輝き。











好きが溢れると共に



もっと辛くなっていいのかと、



脳に問われている感じがした。












「はい、来たよ。


俺速くね?」








「めっちゃ速いっす。」








花野さんはそのまま俺の隣に座った。




春の花の甘い匂いが舞って、


心の底から安心した。








透き通る瞳を持つ花野さんは



いつもと違う、真剣な表情。











「ゆっくりでいいよ。



俺が何かしたなら、

強く当たってくれ。




あわよくば

自分で自分を殴らせてくれ。」











「花野さんのせいじゃないです。」













「…じゃあ、なんで呼んだ。」












「会いたいって


言ったじゃないですか。





「会いたい」に


理由がいるんですか。」










また困らせた。



花野さんの徐々に丸くなる


瞳を見て、そう思った。










「好きなんです。」







伝えるだけ伝えて、


逃げようと思った。








風の音が増して、


それでも俺は話し続けた。







周りの視線を無視して、


俺は話し続けた。








「好きなんです。


花野さんのことが。





どんな花よりも、


目に綺麗に映るんです。





俺の目がおかしいだけですか。






好きです。



ごめんなさい。





困らせて、


甘えて、


勝手に好意を抱いて、




ごめんなさい。



ごめんなさい。








女にだって


男にだって



取られたくないです。







ごめんなさい。







雄蕊と雄蕊で



成り立つ花はありますか。




俺が女に生まれ変わったら


いいですか。」











「好き」と伝えるだけで



終わりにしようと思ってた。






でも、花野さんが


真っ直ぐ俺を見るから、







俺の言葉を待つように聞くから、







本音を




恋を








愛を



語ってしまう。









震える俺の手を


不器用に包み込んでくれた。







泣いて乱れた呼吸を治すように


背中を摩ってくれた。








止まらない涙を


優しく拭ってくれた。











「雄蕊と雄蕊で成り立つ花は


聞いたことがないよ。」










しばらく経ったその時、


彼はそれだけを告げた。













これが答えか。


と、分かっていたはずの結果なのに






それを受け止められる程、


強くなれていなかった。













「でも俺たちは、


花じゃないだろ。」














「え_?」








「それが俺の答え、かな」












「え、 え、?」









夢を見ているのか、



ただの冗談か。










涙を流しすぎたせいか、



頭が働かない。












暖かい風に乗り運ばれた




甘い香りが俺たちを包んだ。














「なんでそんなに謝った。





男が男を好きだと、


相手に謝らないといけないのか?







じゃあ俺はどれだけ謝ればいい?」















「え、花野さん





俺、また泣いちゃいます。」














「おー、泣け泣け。」











ああ、眩しすぎる。




暗い夜に、ましてや草原に、



ただ我武者羅に咲く明るい花のようで。









俺の涙を拭ってから、



花野さんはもう一度手を握ってきた。










「形がどうあれ、


「好き」は「好き」だろ。」










「花野さん、ポエマーみたいっす。」











「うるせーばーか。」













四月の下旬、



二輪の雄花が愛を誓うように、






俺たちは2人、笑顔を咲かせた。




















「冬夜さん、鍵。」




「持った。」









「お弁当。」




「持った。」










「ハンカチ。」




「持った。」









「財布。」




「持った。」













「スマホ。」




「持った。」












「行ってらっしゃい。」



「おう!」















高嶺に咲く、



輝く花が好きだとして




自信を持ってそれを取りたいと


誰もが言える世の中になればなと思う。












好きな花の


好きな理由を



堂々と語れる世の中になればなと思う。












自分の「好き」を



何よりも大切にしたい。











春に冷たい風が吹いても、



笑い事にできるくらい、



手を繋いで暖かくしてほしい。













雄蕊と雄蕊で



何が悪い。

瀬在・2021-11-29
雄蕊と雄蕊。
小説
自作小説
LGBT
LGBTQ
同性愛者
両性愛者
gay
瀬在(小説)
感想ください
手が死にました
打ち込むのが1番辛い
いや大袈裟に言い過ぎた
毎回タグで独り言
してる気がする
たぶんね
あはははははは
よし
勉強してきます

これらの作品は
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【幸せな奈落】










会いたいなと、


最近思うのです。




これは奈落で綴る


私の日記です。






生まれてから十六年間程生きた時、



常に笑顔で満ちていた少女は





深く愛した想い人に告白をし


交際することとなりました。







想い人はスポーツも出来て


成績優秀なこともあり、





好意を持つ女子は少なくは


ありませんでした。







そんな中、少女は



世間で言う"虐め"という行為を






受けるようになりました。







その被害は想い人まで害し、





想い人は少女に別れを告げました。









少女は人生で初めて




死にたいと思うようになりました。







そこから始まる少女の





塵みたいな日常を



此処、奈落で綴ります。

















「死ねよ。」







「わかった。」









「ざまあ」






「うん。」













虐めは別れてからも




止まることは無かった。










関に野に


笑に真




そう書いて


せきの えま。







いついかなる時も



真実の笑みを魅せるという意味で






笑真と名付けられた。








シャーペンの先で



肉を引きちぎられ



腕に描かれた







"死ね"の文字。









その痛々しく




考えられぬ傷は






文字は掠れ読めなくはなるも




痕が消えることはない。










笑真は両親に隠し続けた。





いついかなる時も



偽りの笑みを面に貼り付けて。










そんな彼女が



唯一本音を打ち明けたのは





アルバイト先の本屋の





シミズリョウヘイ
清水凌平





一つ年上の高校生であった。











「うわっ、なあにその指の傷」






隠せない手の傷だが



彼は何も察する事無く指摘した。








「拒否として伸ばした手を



躊躇なく叩かれたら





赤くなって。




これは、内出血というものなのかな。







何時間かしたら青く染まった。」











「すっげえ痛そう。




んな奴殺しちゃえばいいのに。」










「殺したいとは思わない。





自分が死ねばいいのだから。」











「えー、そう?




俺は逆に死ねって思うなー。」













凌平がそう言いきった後、





二人の間には



少しの沈黙が続いたが







凌平はもう一度口を開いた。









「痛くねえの?」







「1から10で表すのなら


体の痛さは7くらいで、



心の痛さは0以下。」








「0以下ってなんだよ。




お前ドMなの?」









「よく分からない。




死にたいと思うのは



心が痛がってるとは思わないから。」












「お前、病んでんな。」










「病んでない。」













真実の笑顔とは何だろうか。





ふと溢れ出す笑みか



面白い場面を見た時か








よく、分からない。










「じゃな。



送ってこうか?」








「…え?」









「そんなこと言える人だったんだ、




みたいな目で見んじゃねえよ。






俺結構言える人よ。」











「びっくりした。




じゃ、さようなら。」











「遠回しに断ってくんなし。



ん、また今度。」













お風呂に入る時




傷が染みるのはちょっと面倒だし、







下にものを置く時





背中が痛むのは結構嫌だし、












体に傷をつけるのは




出来れば辞めてもらいたいと思う。











良いことをした人は天国に




悪いことをした人は地獄に







生まれ変わったらまた…とか









そういう決めつけを謳うけど、






真実ではないのに、



何故 子に孫へと





伝えられていくのか。










そして何故


皆それを当たり前に






信じるのか。











奈落に逝きたいと思う。






よく分からないし




あるのかも分からないけど








逝きたいと思う。













朝起きると、




1番に感じるのはやっぱり体の痛み。








骨の髄から皮膚の表面まで




一時も休むことなく





伝わり響く痛み。










「笑真ー?




起きてるのー?」








朝日が窓を貫通して




部屋が暖まってきた







少し遅い朝の時間。











母親が笑真に声をかけた。











「おーきてるよー!」






喉から精一杯声を出した。












母親に二時からバイトだと




言うことを伝えると、






電車賃の他に



おやつに食べる用と





タッパーに入った


塩漬けのリンゴを渡してきた。









季節は秋、



寒くもないし暑くもない。







椛や銀杏が枯れ散るを見て、



人々は美しいというこの季節。









枯れる葉を見て美しいというのは



普通におかしいと思うけれど、






実際そう思ってる人って




私くらいしか居ないんだろうな。











そう教えられてきたから。





桜はピンク色が舞って綺麗だし



向日葵は太陽を向く姿勢が美しいし



秋の葉っぱは色付いて綺麗だし



雪がさんさんと降る銀世界は美しい。












そう謳われてきたから。






人は殺してはいけない


小・中学校は行かなきゃいけない


目上の人は敬わなきゃいけない







いずれは死に腐る


今とか世界とかそういうのに



囚われて





生きよう生きようって



足掻く人間たちが






"決まり"を作ったから。











私はそういう



私が生きるこの今が





どうにも好きになれない。














「おはようございまーす、」






「清水さん、もうお昼すぎてる。」






「別に良くねえ?



俺さっき起きて猛ダッシュよ。





ほんと、おはようの時間なの今は。」












「あっそうですか。」









「あっそうですよ。」











新入荷された本が入った



ダンボールを






はさみやらカッターやらで



手際良く開封して








本棚の下の引き出しへと




詰めていく。










この作業はレジ打ちと違って




無心で行えるし、






万が一


刃物で肉を切ったとしても








それにいちいち痛がってたら




私の虐められ役の立場なんて






今日まで続けてこられるわけない。











「そいや、関野はさーあ、





本が好きでやってんの?」










「別に好きじゃない。




本屋のバイトをしてる理由なんて



これといったものは無いけど、







今までやってきたから



他で続けられる自信はないし、






今の今までも続けている。」











「そうかー、





俺の理由、聞いちゃう?」











「別にどっちでもいい。




真横で話してたら



いやでも耳に入ってくるから





聞いてほしかったら



勝手に話して。」











「いや冷たいねほんと。






俺ね、本めっちゃ好きなの。





いや何でかとか分かんないけどね。









なんかすげえなーって思う。




感情をさ、こう、



揺さぶられるじゃん。









本だけじゃないけどさ、



エンタメってすげー!ってなんない?」













「はあ、まあ、なる、かな。」









「でしょ?




でもさすがに俺


小説家とか映画監督には




なれねえからさ。







せめて売る側になりてえ!って



思った。」












「そうなんですね。」










清水さんみたいな




夢で満ちていて







やりたい事とか



やってきた事とかを







当たり前に語れて




"生きてる"を





実感してそうな人を見ると






尊敬というか、なんというか









凄いなと、思う。









「清水さん、



巻き込んでいい?」







「ん、いいよー別に。




どーせ、面倒臭いことっしょ?






慣れてる慣れてる。」













「私、明日奈落に逝く。」








「え、まじ?」










「海で溺死を考えているので




親やら警察やらに





伝えといて貰える?」












「えー、まじか。




まあ、いいよ。










俺的には




逝ってほしくないけど。









まあ、会いたくなったら



俺が逝けばいいもんね。」











「うん。





この世界は



私には合わなかったみたい。」











「十六年間も生きてきて




よく言うよね。






でも逝ったらもう


こっち来れないよ?」










「奈落に飽きたら



そこで死んで






またどっかに行ける






そんな容易い



世界だと祈って








逝ってくる。」













「はいはい。




何処の海?」









「東京湾は目立ちそうだから、




千葉の、勝浦辺りに。」












「結構遠いとこ行くね。



じゃーさよならってことで。」












「うん、



今まで有難う御座います。




清水さん。」









「んな水臭いこと言ってんじゃねーよ。




感情無し人間が。」







「うるさいな、



感情くらいあるってば。」









その会話が



私の人生の最後。









明日は日曜日だし、




外に出る人は多そうだけど





なんたって秋だし、


海にはあんまり



人は訪れないだろう。







冷たい風が


髪を撫でて




家に帰ると

母親は笑顔で



「おかえり。」と言った






私は心の中で


「ごめんなさい。」と呟きながら




相槌を打った。








その日の夜は


すぐ眠ることが出来て




体の痛みですら


快感だった。






朝の3時半、


朝の弱い私だが




なんと理もなく目が覚めた。






まだ秋のくせに


ニットセーターに厚地のスカート。





コートにブーツと


暑苦しい服装で家を出た。







勿論、死ぬため。


早く溺れるため。


重りをつけるため。







冷たい風は


コートで遮られ



なんの寒さも感じなかった。






電車で2時間半。



千葉県勝浦市勝浦海岸。





ゴツゴツした岩場と


向かいに見える



館山市の山々に






何とも魅了された。








もう少し、


この景色を見ていこうと思い



岩場に腰をかけた。





無心で山々を眺める。




葉が赤や黄色に染まって、


なんだか虚しかった。






大して遠くなさそうな


水平線を目の当たりにすると




何処へでも行けそうな気がしてくる。






「さあ、逝くか。」




ブーツの上まで水浸しで


やがてそれは


スカート、胸下、





首までとなった。








勿論衣服はびしょ濡れで



やっと寒さを感じた。






一番新しい傷口が沁みて



やはりそれも快感であった。







その時、


波音より遥か大きい音がした。







「せーきーのー!!!!」





寒さで意識が朦朧としている中、



その声だけが響いた。








「俺!お前に死んでほしくねえ!



でもんな事言ったって、


どうせお前は



逝っちまうんだろ。





俺お前みたいに


感情無し人間じゃねえから、





悲しいって思えんだよ。






じゃあなー関野!!



俺がそっち逝ったらよー


思い出話聞かせろよ!!」











ただただ


涙が流れた。






その後、


二人の間には



少しの沈黙が続いたが、






「そんなこと


言える人だったっけ。」




そう涙を流しつつも


笑顔を零し、





私は逝った。








「感情、


ちゃんとあんじゃねーか。」













清水さん、



奈落には何も無くて


嬉しいことも無ければ


悲しいことも無い。






私が生きたあの世界とは違って


悩みも何もないけれど、




すぐこっちも


飽きそうだなと思う。






あの時、


清水さんが馬鹿みたいに叫んだ声



嫌でも聞こえたよ。





今から、


水臭いこと言うけど




鼻で笑って


指摘してよ。






「あなたが大好きです_。」












何年か経って、



ふとした時突然、




少女の目の前には


びしょ濡れの男が立っていました。







少女は笑みを浮かべて





「少し早くない?



清水さん。」




と、嬉しそうにした。







「言っただろ。



会いたくなったら



逝けばいいって。」

瀬在・2021-09-23
幸せな奈落
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【曇天】






「いやいや、違うの


曇りだって言いたいの」







「うん?だから、


暗くて嫌われてるって事でしょ」









「え、曇りって嫌われてんの?」









「暗かったら、嫌われるでしょ


何だって、誰だってそうでしょ」











「いや、俺は好きなんだよ。」













澄み切った青に



純白の綿が浮かんでいたら



それはそれは綺麗でしょう。









そこに更に鳥なんかが


飛んでいれば



風情を好む俳人達は




それはそれは大喜びでしょう。











だが、そんな物を好まない



変な人が居ました。







はい、今まさに目の前に。










「曇りがいっちゃん好き。




お前みたいで。」













「あのね、フォローになってないっていうか




それ、言われても嬉しくないっていうか





ていうか何なの!?




告白なの!?」













「ああ!告白だとも





付き合ってくれ、花見!」











「いっみ分かんないし!



それに私は好きじゃない。




悪いけど、諦めてよね。」












「くっそ…マジか。」












彼は栗色の髪を掻き回し



悔しそうに座り込んだ。









「ちょっと、ねえ、奈倉。」







「麦くんと呼べ」






「クソ麦。しゃがみこまないでよ」









「あーあー。



ねえ、俺のどこがダメなん」











「どこがって…



意味わからないところが、ダメ。」











「確かに俺、ミステリアスだもんな」









「あ、そういうとこも、無理」










曇天を好むこの男は



奈倉 麦 といって



誰もがお察しの通り、変な人である。








時は放課後の教室。





世はその教室を


オレンジ色だと言ったりする。






オレンジ色なんてものじゃない。






濁っているようで

淡くも鮮明な、変な色。






「んじゃ、またな花見」









「うん?」










そりゃ私だって



清き晴天のような人だとか



そんな風に言われたら良かった。









麦のデリカシーの無さに



少しばかり呆れながら



帰路を重々と辿った。









空を見上げれば



全面灰色がかった曇天である。








私は思わず溜息をついて



下を向きながら早足で進んだ。


















翌朝、昨日と見違える晴天で



今度は逆に、


上を見上げづらくなってしまった。











「おはよ、花見!」







胸糞悪い原因の元である



奈倉麦が、今日も無駄に朗らかに



話しかけてきた。










「はあ、おはよ。」








わざと溜息をついたりなんかして、


素っ気なく返事をしてしまった。









「むーぎ!」








短髪で赤毛混じりの



ピアスを4、5個雑に付けている男が



急に視界に現れたものだから






思わず吃驚してしまって、



先刻と同じように下を向いて



麦の横を通り過ぎて行った。








「おい御門、ジャマすんなよ」





「わりい、え、あの子?」




「そうだよ、あーあ行っちゃった」






運の悪いことに、


私と麦は席が前後で、



授業中はやたらと後ろを向いてくる。





「ねえ、ちょっと、集中しなよ」




「優等生だなあ花見は」



「何よ、暗くてつまんないって


言いたいの?」





曇天女と思われたのが


余程悔しかったのか


私らしからぬ言葉を吐いた。





「曇りは暗い、そりゃそうだけど


淡く美しく、俺を元気にしてくれる」






茶色く光る瞳が


余りにも真っ直ぐだったものだから


私は思いのほか驚いてしまって、


黙ることしかできなかった。






ホームルームも終わり、


時はあの放課後となった。






「シャーペン落ちてる、

ねえ未玖、誰のだろ」




クラスの女子の言葉で、

私は視線をシャーペンに向けると



まあなんとも見事に、


私のペンだった。




「黄瀬さんじゃない?

この席だし、」





「黄瀬?…


ああ、あの暗い人。」








昔から友達なんかいなかったし


キツい性格とか、

暗い性格とか言われてきて



自分がつまらない人間だなんていう自覚は


とうの昔からあった。





ただまあ余りにもド直球だったものだから


焦り、というか、そんな気持ち。




心を抉るようだったけど、


臆病で情けない私ですから



傷ついた、ということを


意地でも認めたくはなかった。








結局、シャーペンは受け取らず、



気づいたら教室を出ていた。







空を見上げると、


眩しいくらいの、晴天である。






うざっだるい。


目が眩む。





あと数秒でも見上げるならば


きっと吐き気が襲ってくるような



そんな嫌悪感。







…羨ましい。





羨ましいほどの眩しさ。






この嫌悪感は、



醜い妬みで




ただこの眩しさを



夢見て


憧れて






曇った心が廃れては傷んでいく。









曇天女の、どこがいいのだろうか。


曇った天気の、どこに惹かれるのか。


暗い気持ちの、どこに救われるのか。






「分からない。」





そう呟いた後、


無数の水滴が頬を蔦った。





「あ、花見ー!」




変人男、奈倉麦が楽しそうに寄ってきた。




「え、何、何で泣いてんの。」




「うるさいな。


そんなことより、


なんでそんなに嬉しそうなの。」






「え、花見がいたから。」






「それ、どれくらい嬉しいの。」






「んー、数学の授業が、急遽体育に

変わった時、のー

50倍!」





「ふはっ、何それ

分かりづら!!」




暗くて、つまんない、


そんな私が、


いるだけで、こんなに喜んでもらえるなら。




明るい、眩しい、羨ましい、


だとかの妬みも、段々と薄れてくる。






「あ、笑った。かわいい」




「な、うるさい。」







ありがとう、そう伝えたかったけど、


喉で重複して、


それから消えた。




「んで、なんで泣いてたの」



突然、声色が変わった気がした。



綺麗に光る、栗色の瞳が、


まっすぐに私の目を見てる。





「しょうもないことだよ。


暗い人、って、言われただけ。」





「誰に?」





「クラスの人」





「ごめん、やっぱ、嫌だよな」






「そりゃね、


でももういい。」






清き晴天とかいうものに、


憧れたって、



自分の本質的に、


なれるものじゃない。



もし、なれてしまったら


それはもう、私じゃないんじゃないかって


思えてくる。



「疲れたー!最悪だ!って思った一日が、


誰かにとって、


楽しくて、嬉しくて


忘れられない大切な一日なら


なんかもう、それでいいやって



それがいいやって、


思えるように、





暗くて、つまんなくて


嫌だなって思った自分が、



誰かにとって、


それがいいって、思える


大切な人なら、




なんかもう、それがいいやって、



思えるよ。」





私がそう言うと、


彼は目を丸くして




「好きだ」



と、又言った。




曇りの良さが、分からなかった。



皆を、落ち込ませるだけだと


思い込んでいた。





ただ憧れるんじゃなくて、


自分を理解して、


受け入れて、



そして又誰かに、


受け入れてもらいたい。












「花見!行こう!」




雨天の中の晴れ間のような

心優しい、物好きな少年と



曇天のような

淡く美しく、


人の心に、寄り添える少女は



彼の猛アプローチの末、


今は2人で手を繋いで




晴れの日も

雨の日も、


風の日も、

雪の日も、



曇りの日も。



手を繋いで、笑っている。

瀬海・2023-08-19
曇天
小説
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暖かい目で見てください
下手くそ
ぶっちゃけ
人が
死ぬことでしか
感動的を作れない
ど素人
誰か教えて
あ、
感想ください
欲しいです
お願いします
なんかこれ
どうなの
天気
よくわかんないね
腕が
疲れたよ
定期
だね
これは
あと何タグ付けしよう
とか?
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両思い
とかでいいか
よし
おやすみ
忘れてた
瀬在(小説)
よし


「伊黒さん!」

「なんだ?」

「あの、話したいことがあるので、お庭の方でお茶でもしませんか?」

(きゃー!言っちゃったわ!)


「…………わかった。行こうか。」

(………… 普通に楽しみなんだが…。)






「あのね、伊黒さん!私ずーーーーっと伊黒さんに会えるの楽しみにしてたの!」

「……そうなのか。俺も甘露寺と話すのを楽しみにしていたぞ。」


「え………あ、そうなの!?嬉しいわ!」



「……………」

なんだこれ………なんだこれ………前代未聞に心臓が速いぞ……………



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「私ね、ずっと気になってたことがあるの。」

「なんだ?」

「………伊黒さんの目って、片方……」

「あ………… 」


やはり分かってしまうのか……



「すまない。驚かせてしまって…こんなに醜いものを甘露寺に見せてしまって…。」

俺は前髪で目を隠した。


「………?? なんで?醜いって、何が?」

「え… 俺の目の色が異なっていることだが…」

「醜いなんてそんなのないわよ!琥珀色でキラキラしてる、宝石みたいな目でしょ!私にはない美しさだわ!隠すなんて勿体ない!」

「…………!甘露寺………!」




甘露寺。そんなことを言ってくれたのはお前だけだ…………。


「……ふふ、そうか。ありがとう……。」


「………! いえ!お礼を言われることはしてないもの!」




いや、甘露寺。俺はその言葉が











とても、嬉しいんだ…。

宇宙くらげ🐧🌌*2次元の沼にハマり中・2019-12-22
小説└(゚∀゚└)(┘゚∀゚)┘
自作小説
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「初めての出会い」
第六章-俺の瞳


最近甘露寺が言ってくれたあの言葉、


『宝石みたいな目でしょ!私にはない美しさだわ!』


……あの時から俺は、




「恋心」という感情を知った。












最近伊黒さんとお茶をした時の、

伊黒さんのあの顔__



『ふふ、そうか。ありがとう。』


きゃー!いつ思い出してもにやけちゃうわ!
なんか気持ち悪いわよ私!!





『これ』が……この感情が__








本物の「恋」なの………?











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




よし、今から任務に行くか。

「カァー!カァー!」

ん?俺の鎹鴉……?

「今カラ行ク任務ハ柱ノ一人ト協力セヨ!」

柱の一人?一体誰だ………


「ここ?鴉さん?」



聞き慣れた声。


「あ」
「あ」


か、甘露寺とだと!?か、鴉よお前は何を考えている!?
集中出来ないだろう!!






ええー!?い、伊黒さんとなのーー!?
どうしましょう、足を引っ張ってしまったらどうしよう!
顔真っ赤っかじゃないかしら?私大丈夫!?




「…………い、行コウカ。」
「え、エエ。」


いやいやいや、ギクシャクし過ぎでは?

柱として不甲斐ないぞ………


甘露寺はまだ俺より後輩なんだぞ…


俺がしっかりしなければ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「…………ここらしいな。」

「何も無いわね……。」



なんだ…… 何も無いのは怪しいぞ。




「甘露寺。何か変だ。気をつけ…………」





……………!!!!







____甘露寺がいない!

宇宙くらげ🐧🌌*2次元の沼にハマり中・2019-12-25
小説└(゚∀゚└)(┘゚∀゚)┘
自作小説
鬼滅の刃
「初めての出会い」
第七章-任務での


俺は技を出し続けた。

全身痛くなっても、倒れることは無かった。


こんなに不快になったのは久しぶりだ。



「これでお終いだ!」

俺は鬼の頸を斬った。









「甘露寺!甘露寺!大丈夫か!?」

「い………ぐろ…さん……… 大…丈夫よ… それよりも… ふふ…」

「? どうした?」

「伊黒さんが、私を庇ってくれてたのが、嬉しくって………かっこよかったから…… ごめんなさい!」

「…え、そそそ、そうだったか?とりあえず、甘露寺が無事でよかった。」

「………………」





……………寝たのか。まぁ無理もないだろう。





よく頑張った。


「………」


とりあえず、甘露寺を連れて帰らねば。




俺は甘露寺を抱え、鬼の住処から出た。

























…………あ、私、寝ちゃってたわ。



いつの間に蝶屋敷に着いたのかしら…





あ、これ………伊黒さんの羽織だわ。



私を運んでくれたのね……かっこいいわ!





「ふふ、伊黒さんの羽織、素敵…」





(それを見ていた蛇柱)

可愛いっ…………………







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








……今夜は満月か…。



ん、そこにいるのは……



「甘露寺。」

「わっ!伊黒さん!今日は満月なので、ちょっと眺めてて……。」

「ここに座ってもいいか?」

「ええ!勿論!」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「このお団子美味しいわ!伊黒さんも食べる?」

「ああ。頂こう。」



………あ!それなら伊黒さんの包帯の下も見れるんじゃないかしら!


「…………」

「伊黒さん?どうしてそっぽ向くの?」

「いや、甘露寺にこんな醜い顔を見せれるわけが無い……。」

「………伊黒さん。どうしてそんなこと言うのよ。」

「……?甘露寺。なぜ怒って……」

「なぜって、伊黒さんが一人で抱え込んでいるからでしょ!皆を頼ってよ…………私も………伊黒さんの…役に立ちたいんだから!」

「………!甘露寺……!」

「………ごめんなさいっ……急に…」

「分かった。」

「……え…………?」

「甘露寺が良いのなら…… 俺はこの包帯を取る。」

「………良いわ。どんな伊黒さんでも、私は絶対に受け止めるから。」

「…………」

伊黒さんはゆっくり包帯を取った。

口が裂けているような、傷のようなものがある。


「…………………伊黒さん…」

「甘露寺。何も言うな。やはり驚かせてしまったか…」

「驚いてなんかないわ!初めて伊黒さんが私に素顔を見せてくれた!それが私にとって…とても嬉しいの!絶対に驚いたりしないわ。伊黒さんは伊黒さんなんだから!」


「……甘露寺。ありがとう。」

「…ふふ。やっぱり伊黒さんの笑顔は素敵よ!」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








月が明るい。俺の顔が赤いのがバレないといいが。





今日は月が明るくて綺麗だわ!…私の顔が真っ赤なこと……バレないといいけど…。











「甘露寺。」
「伊黒さん。」




月が
綺麗ですね。

宇宙くらげ🐧🌌*2次元の沼にハマり中・2019-12-27
小説└(゚∀゚└)(┘゚∀゚)┘
自作小説
鬼滅の刃
「初めての出会い」
最終章-二人の想い
微ネタバレ


弟子と言ったか。いわゆる「継子」だな。

煉獄の継子なら煉獄と似てるのか……

「弐の型!上り炎天!!」


うおっ。驚いたな。女の継子か…

そんなことはさておき、早くこれを煉獄に…


「煉獄。稽古中邪魔するぞ。お館様からの
ものだ。」

「おお!感謝する!」


「…………」

なんだ?凄く視線を感じる……

「あ、あの!」

「……?なんだ?」

「私、煉獄さんの継子の…って、きゃっ!」

飛び出る勢いが強くて転けそうになっている。

「おっと。危ない。大丈夫か?」

「あ、ありがとうございます!」

「……………。」


なんだ?心音が速くなっている…?






















今師範と話している殿方は誰かしら…

お名前が聞きたいわ…。まずは自己紹介からね!よーし!

「あ、あの!私、煉獄さんの継子の…って、きゃっ!」


きゃー!飛び出た勢いで倒れるーーっ!!


…………あれ?なんで痛くないのかしら…?


「おっと。危ない。大丈夫か?」

う、受け止めてくれたーーー!?
凄い反応速度ね…!かっこいいわ!

「あ、ありがとうございます!」



………あれ?あれ?なんだろう?この感情…いつもの感じじゃない………












ふぅーーーーー。なんだこの胸の痛みは…病気か?いや違うか…ふぅーーーーー…


『あ、ありがとうございます!』

………………またあいつに会えるだろうか…














はぁーーーーー。どうしよう。ずっとキュンキュンしてるわ…いつもはすぐ治まるのに…


『おっと。危ない。大丈夫か?』




またあの殿方にも会えるかしら……

宇宙くらげ🐧🌌*2次元の沼にハマり中・2019-12-19
小説└(゚∀゚└)(┘゚∀゚)┘
自作小説
鬼滅の刃
「初めての出会い」
第四章-新たな出逢い







【ただ散れよとて】






吹雪の如く桜の花弁が

吹き散るのを見て


「もう春終わるね」と

北国の少女が云った。




隣の少年は

「まだ終わねよ」


と、口を尖らせた。





鰐田 想兵

( わにた そうへい )




この少年は14の春に

母親を亡くしている。






-----------------------------







「想兵!」



「こら、想兵!」




毎朝毎朝


同じ声が響く。




俺はそれを聞いて

目覚めて、


目を擦りながら

階段をゆっくり下りる。




「想兵、水筒持っていぐ?」



母さんが青色に光る水筒を

握って此方を向いてきたので




「持っていぐ、

母さん、今日は麦茶がい」





「はいはい、分がったよ」





昨日は水だったから


「ちぇ」と、少し拗ねていた。





麦茶が好きな訳では無いけど


授業中に麦の匂いがすんのは


悪くない。





退屈な空気の中に

俺が少し水筒を開けて

麦の匂いを嗅ぐんと



「あー、想兵ずるぇ」


って、遊子が云う。




「ならおめも持ってごいよ」




俺が麦茶を持っていく時は

いつもこのやり取りをしていた。







「はいよ」





母さんが水筒を渡してきたので


「どうも」と云うて


鞄に詰めた。






ひと月前に植えた


カブの芽が


すくすく伸びんのを見て


ちょっと嬉しくなりながら


学校に行くんは


悪くない。






春は俺の好きな命が


多いから登校中は



ずっときょろきょろしてる。





例えば後ろの席の


寛太の家の柵から



水仙が咲いてるのが見える。




花には詳しくないけど


水仙は小さい頃から


知ってる。





多分母さんが


白い花が好きだから、


俺は白い花なら

同級の子より



名前が言える自信がある。






何しろ冬から春にかけての


朝の空気ってもんは




澄んだ明るい水色を

している様で




なんか好きなんは



小さい頃に


「わたしの色」という本を



数回読んだからである。






例えば春はピンクとか


遊子は赤っぽいとか




決まってるんじゃなくて



俺が感じたままの色が


そのままそれに張り付くように



俺の世界を彩っていくのは


悪くない。





俺は国語が紫だと思うけど


遊子や寛太は赤だって云う。




そこで食い違ったって


じゃあ赤なんかな、って


変えるつもりは無いし




そこで食い違うのが


人間だと思う。







まあ誰が何と言おうと



国語は紫だ。







学校に着くと


先生らや学年委員とかは



卒業式がどうのとか


お別れ会がどうのとかで



バタバタしている。






「想兵!


こぃ手伝ってけ」




色とりどりの画用紙と


箱に詰まったマッキーを抱えて


遊子がそれを差し出してきた。






俺はこれを手伝うんかって


うんざりと嫌な顔をしたら



「嫌がねで

はえぐやって」



と機嫌を損ねるから


仕方なくそれらを受け取った。







すると遊子は



「どうもね、おめモテるよ」



と云ってくるので



「うるさぇな」と



返してやった。





どうやらこれは


卒業式の飾り物らしく、




今日中に完成させなければ

ならないと遊子が云った。





俺は居残りを覚悟して


ペンを握りしめた。






朝の予鈴が鳴るまで


小鳥の鳴き声とか


風のさらさらした音とか




そういう音をBGMにしながら


夢中で作業に取り組んだ。






すると朝の予鈴が鳴るので


「あー終わらん」と



一人で頭を掻きながら


ぶつぶつと不満を云っていた。







「想兵!

何すちゅの?」





後ろから俺の肩を


思いっきり叩いて



寛太が話しかけてきた。






「卒業式のやづだよ

俺 偉ぇびょん」







「おめは偉ぐねじゃ」






「うるさぇな

しゃべらへでぐれよ」







と些細な言い合いをして


2人とも席に着いた。





今日の授業は


国語と社会と、

そんで数学と理科がある。





後ろにある予定表を


眺めてたら




国語が紫


社会がオレンジ


って白いカードが

彩られていく。






「なあ、国語って紫だよな」




と、寛太に呟くと



「おめそれまだ

しゃべってんのが」




と、呆れたような顔をしてきた。








やっぱり国語は


赤って言い張る。






国語の先生が



訳分からん事を


長々喋ってるから




俺は鞄から水筒を取り出して


それを机の上で開けた。





そしたら濃い麦の匂いが


すん と香って




「今日はわんつか濃ぇな」



と、呟いた。







横を向くと、


真面目にノートをとる遊子が



筆を止めて急に

此方を向いてきた。






「今日は私も持ってぎだよ」



と、遊子が自慢げに云ってきた。






「俺の麦の方がいじゃ」




「そったごどね」







互いにムキになってると



国語の小林先生が




「2人ども静がにすなさい」



と、軽く叱ってきたので




俺と遊子は可笑しくなって


くすくす笑みを浮かべた。






1限目



2限目



と、麦の匂いを纏いながら

どんどんどんどん



時は過ぎる。






こんな呑気でいられるのも


あと少しだなあ、と




来年の受験への緊迫感は


もう殆どの人が感じている。






俺は休み時間は大抵


2組の康介のとこに行って


昨日のW杯の予選がとかで


会話を弾ませるが



今日はこいつ、


この飾り物が俺に

作られるのを待ってるから



仕方なく気持ちを抑えて


朝の続きをした。





カッターでさっさか


白い紙を切っては


画用紙に貼り付けて


筆を走らせ


マッキーで彩る。






ちょっとミスった時は


焦りながら頭を掻いて



遊子に謝るのを


繰り返す。





そしたら昼休みには


それが完成したものだから



担任の笹川にも


遊子や寛太にも


俺の組に遊びに来た康介にも




たーんと褒められた。






少しだけ、


ほんの少しだけだけど



「やって良かった」と


嬉しくなったのは


誰にも言えない秘密の事だ。












「母さん!

ただいま!」





俺が声を張り上げると





「おかえり!」



と云う声が台所の方から聞こえた。






大根や人参のような


根菜を切る音は




何とも心地よいと思う。






それが好きで


小さい頃、料理なんか


出来ないくせに




無駄に大根を切っては



母さんに怒られていた。







「今日はカレーだから

沢山食いなね」





先程の根菜は


どうやら大根ではなく


人参だったらしい。




と、ここで確信した。






作りたてで少し水っぽい

カレーを口に沢山含みながら



牛乳で流し込んだ。




「母さん めぇ」




と云うと




「当だり前だべな」




と、可愛げ無く云う。







「おめ進路はどうすんの」






嗚呼、最近はいつもこれだな。



と、目を顰め口を尖らせた。







「俺はなりたいものが無い。」




そういう夢がない俺を見て





「そのうぢ見づがるよ」



と、母さんが励ます。






10年後、


どんなことを

しているんだろうか。





想像もつかなければ



ずっと子供でいたいけど



こうやって庭に桜が降る度に



あと何回、あと何回って


一回ずつ、


一個ずつ歳をとる。






夢って持たないと


ダメなのかなあ、




スプーンを止めて

深く考えようとした。




「なあ母さん、

ゆっくりでもいよね、」





俺がもう一度

励ましを求めて言うと



「ゆっくり過ぎるのもだめだげどね」


と、可笑しそうに笑った。






そんな夜は眠ってる間も


何処かで未来を考えてた。



母さんは

何をしてるんだろう。




ずっと此処に居んのかな。


仕事はいつ辞めんのかな。





人生が


ちゃんと、

起承転結になってたら


俺の「転」は

いつ来るのかな。




そんで「結」は

いつ来るのかな。








「想兵!」




毎朝お決まりの

チャイムみたいな母さんの声で


今日も同じように目が覚める。






そう思ってたのに。



思ってた、というより

それ以外考えたことが無かった。





今日のチャイムは


聞こえなかった。








階段を駆け下りると


母さんが倒れていた。






顔は白っぽくなってて

母さんじゃないみたいだった。




時計の秒針の音が

太鼓の音みたいに


大きく聞こえて

冷や汗で服が濡れていることさえ


気付かないほどに

頭は働いていなかった。






声を振り絞って

出そうとするけれど


1回踏んばるだけでは

声は出なくて



2回、3回と

試みて



初めて声を発した。






「母さん」





俺が今まで発した中で


1番弱い4文字だった。





救急車の番号は

ばあちゃんによく教えこまれて


頭の中に張り付いてた。




受話器を真っ先に手に取って


1 、 1 、9 、

と、打ち込んで


電話が出んのを待った。





待ってる間も


電話が出て喋ってる間も



俺は倒れてる母さんを

ずっと見て


穴が開くんかってくらい

ずっと見て



目が乾いたのか

それとも悲しくなったのか

理由も分からない涙を

必死で堪えて

ずっと見て。





「母さん、起きて」





俺がそう云っても

母さんは白い顔して

返事もしない。




「母さん、

今日も麦茶がい。」











「母さん。」








とうとう、涙を

耐えられなくなって



嫌いな雫が

何滴も




母さん目掛けて


落ちてった。








「心臓性急死」



真っ白い白衣を着た

男の人が


申し訳なさそうに

俺にそう告げた。






どうやら母さんは


もう起きないらしい。







事情を聞いて

真っ直ぐ駆けつけた父さんは

声を殺して


大泣きしていた。





大人があんなに泣くのを

俺は初めて見た。







14の春


大好きな命が

一つ散った。





カブの芽も


水仙の花も



抜き取りたくなったのは

初めての事だった。





でもそんなことしたら


きっと母さんは




「想兵!」


って


いつもみたいに怒るから。




俺は麦の匂いを嗅いで


カブも水仙も



抜くのを我慢しようと思う。






10年後、


母さんはきっと

此処には居ない。




「絶対に居ない」と

断言したくないのは



俺がまだこの状況を

受け入れたくないから。





10年後、


俺が何をしているのか何て


想像もつかない。





でも、それを決めるのは

ゆっくりすぎないようにしよう。






嫌いな雫が



止まらずに


どんどんどんどん



頬を蔦るから






俺は俺の人生を


「結」して仕舞いたくなったけど






そんなことしたら



母さんが









母さんが、



想兵、って








怒るから。









俺はまだ


散らんとこう。





白くなった母さんの手を


父さんがずっと握ってる。





「想兵、こっち来な


まだわんつかだけぬぐぇはんで」






父さんがそう云うから


俺は父さんと一緒に



母さんの手を握った。






「ぬぐぇね」






この手の温もりを


微かな温かさを




俺は一生忘れないよ。





握った母さんの手から


仄かに麦の匂いがするから



俺は更に強く握って




「今日も、わんつか濃ぇね」




って、母さんに云った。






父さんは不思議そうに

俺を見てるけど



理由は説明しなかった。







「今日も水筒、どうもね


母さん。」











----------------------------









「想兵、麦茶飲む?」





少女がそう云うと




「開けるだげで俺はい」




と云うから


少女は水筒を開けるだけにする。







花の甘い匂いに


麦の匂いが混ざって





「春はいいなあ」




と、少年は何処か

淋しそうに云う。










春の命は


人の琴線に触れてから散る。



桜で云うならば


ただ散るのでは無く


冬に綻びを暗示して



春に人を魅了させてから


潔く散ってゆく。







だからこの少年は


春の命が好きだと云う。

瀬在・2022-04-24
小説
自作小説
瀬在(小説)
ポエム


「鬼殺隊……?」

「そうだよ。」

全く聞いたことがない。

「鬼を倒す特別部隊なんだ。私が率いてるんだよ。」

その男性は少し照れたように笑った。

「そうなんですか…」

「あ、君の名前はなんて言うのかな?」

「………伊黒小芭内です。」



「私は産屋敷耀哉。
では、小芭内。是非、鬼殺隊に入らないか?」

「…………………」







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


結局俺は鬼殺隊に入ることになった。

最終選別も合格し、俺は鍛錬を積み重ね、



ついに鬼殺隊の柱になった。

最初は信じられなかった。急な事だったからな。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「小芭内。」

「はい。お館様。」

「この荷物を杏寿郎に届けてくれないか?」

「………御意。」

「ありがとう。では頼むよ。」





お館様の命令なら仕方ないが、
正直煉獄は苦手だ…。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


…………ここか。

煉獄の家は広いな。





「あ、あの…どちら様でしょうか?」

「……………は?」

え、あ、え?煉獄か?でも小さ…

「あ、僕は弟の煉獄千寿郎です。ごめんなさい…」

「…ああ、いや。謝る必要は無い。それより煉獄杏寿郎は何処にいる?」

「ああ、兄上はお庭の方で弟子の方と稽古を。」

「そうか。」






はあ、早くこれを煉獄に渡して帰ろう。

宇宙くらげ🐧🌌*2次元の沼にハマり中・2019-12-18
小説└(゚∀゚└)(┘゚∀゚)┘
自作小説
鬼滅の刃
「初めての出会い」
第三章-蛇柱.伊黒小芭内

俺は少しも迷うことなく、

道のない道に

進んだ。

それはまるで、

この先に

道があるかのごとく、

進んだ。







しかし、







もぉ俺は、、




















この世の者ではない。















































いつの間にか、

俺は

道路のど真ん中に立っていた。


行き行く人々は誰も

俺の事を見る者はいなかった。


ずっと突っ立っていると、

俺の方に向かって

歩いてくる男の人がいた。

目の前まで来ても俺はどかない。

でも、その男の人は

普通に俺の体を通り抜けて行った。







正直俺は、この時

「恐怖」ではなく

「興味」「好奇心」がめばえていた。












俺はそれから、

自分の状態について調べることにした。


色々なことを試し、

何が出来るのか、

何が出来ないのか

徹底的に調べた。




そうしてわかったのが、


物を持つことが出来る事、

しかし、意識して持とうとしないと

すり抜けてしまう。

それと、

物には触れるが、

人には触る事が出来ないという事。

どんなに意識して触ろうとしても、

すり抜けてしまう。



よくありがちな

空を飛ぶとかは出来ないらしい。

風も俺の体をすり抜け、

体に当たることはない。

もちろん寒くも暑くもなかった。



























霊体は案外楽だと、正直そう思った。

柚樹 ♁ 龍風 12:00に垢変える・2020-06-01
小説
前半
自作小説
下手
人生について...
後に続く。
短め



「迷いの森」






" ああ、もぉいいか... "





俺は、暗い夜の森へ足を運ぶ。

夜の森は少し、昼の時とは雰囲気が違う気がする。




奥に進むにつれ、街の光は消えて見えなくなっていった。

" ガサガサ "

暗くてよく見えないが、かすかに気配がする。
(不気味だな...)

そう思いながら、俺は森の奥へと進む....









あれからどのくらいたったのだろう。
俺は森の奥深くまで進んでいた。

暗い森の中、月だけが明るく輝いていた。



" ガサガサ "


(やっぱり、何かいる)


" ガサガサ "


「誰かいるんだろ、隠れてないで出てこいよ」


そう言うと、木の影から誰かが出てきた。


「いやー君は鋭いねー」

(こいつ、何もんだ?)


見た目は人間の姿だったが、どこか普通の人とは違う雰囲気がした。


「お前は誰だ」


と、俺が聞くと、そいつは答えた。


「僕かい?」

「僕はね、この森の支配人さ」


と、彼は言った。


(は、何言ってんだこいつ)


彼は見るからに高校生くらいの歳だった。


「お前、まだ高校生だろ?」


「やっぱり君にもそう見える?」


(どうゆうことだ)


彼はニコッと笑い、こう言った。


「僕はね、何十年も前からここにいるんだよ?」


(何十年も前から...)


「まあ、僕の事は置いといて、君はなんでここに来たんだい?」


「え、」


急に話をふられた俺は戸惑った。


「お、お前には関係ないだろ」


俺はとっさにそう言った。


「ふーん」


(ほんとになんなんだよ、こいつ)


「じゃあ、ちょっと僕の話を聞いてくれるかい?」


(仕方ねぇなぁ、暇つぶしに聞いてやるか。)


「ん、」


「ありがとう」


彼はそう言って、話し始めた。









あれはもぉ何年も前の話。

ある男の子が学校でいじめにあっていたんだ。
それも、信じられないくらい酷かった。

彼はね小学校からいじめを受けてて、中学校でもいじめられた。
だから、高校ではいじめられないように毎日静かに過ごしてた。

でも、やっぱり高校でもいじめられるようになってしまったんだ。

ある日、僕は彼と話をしたんだ。
いじめの事を話してくれたよ。
その時に、彼は死のうと思うって言ったんだ。

もちろん僕は止めたよ。
でも彼は、こんな人生もぉ生きたくないって言って泣いたんだ。

僕は何も言えなかったよ。

だって、彼はずっと苦しんで傷ついて、それでも頑張ってここまで生きてきたのに、もっと頑張れって、生きろって
そんな残酷な事、言えないよ。




彼は、言い返せない事を分かってたんだね。
「ありがとう」って言って、彼は去っていったよ。

その数日後、彼は飛び降り自殺をしたんだ。

遺書には、
「ごめんなさい、」
って書いてあった。
そのごめんなさいは色んな意味が込められてた。

その後、僕は彼のお葬式に行ったよ。
そこには色んな人が来てた。

みんなすごい泣いてたよ。
彼はすごく愛されてた。

彼をいじめてた人は反省なんてしてなかったけどね。

まあ、彼は本当はすごく愛される人だったんだ。
だって、こんなに大勢の人が彼の死を悲しんでいるんだもん。
でも、彼自身はそれに気づけなかったんだね。


僕もすごく後悔したよ。
あの時、もっと彼に言える事があったんじゃないかって。

この後悔は一生忘れないよ。






「あ、長話しすぎたかな」

「おっと、君を泣かせるつもりなかったんだけどな」

(あれ、いつの間にか涙が)

俺は何故か涙が溢れていた。

(ああ、そうか、俺も同じ)

(いじめられて、生きる希望を無くした。)

(だからここに...)


「君も...」


「辛かったよね、よく頑張った」


「君もたくさんの人に愛されてるよ」


「僕は君に、無理に生きろなんて言わない」


「ただ、これだけは覚えておいて?」















「君がいなくなって悲しむ人は大勢いるって」










「君は1人じゃない」

























さよなら、どう生きるかは君次第だよ。











あの子に生きる希望を少しは与えられたかな。


















ねぇ、あなたも苦しんでるの?


そっか、

もし君も死にたいって思った時はこれを思い出してね。










「君を愛してくれている人はたくさんいる。」






「君がいなくなって、悲しむ人はいっぱいいる」





























さぁ、次はどんな子が僕のところに来るのかな。























_輝宙 柚樹_

輝宙 柚樹_さよなら・2020-05-23
小説
書いてみた
自作小説
迷いの森
あなたへ
あなたの心に
生きる希望を
みんなに向けたメッセージ


ふぅ………ふーーー………

なんだ今の継子…あいつを見ると心臓が途轍もなく速くなる………

危険人物だな。危ない危ない。



…………………………


だが、もう一度会いたいと思う俺は我儘なのだろう………






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




ふぅーーーーー。どうしたのかしら……あの殿方を見るとすっごく胸が痛いわ……
やっぱり病気かしら!?それなら大変だわ!

「おーい蜜璃!お前に話すことがある!」



「よくやった。ついに柱になったぞ!」

「え!?え!!?嘘!?やったー!!」

「わっしょーい!」




やったわー!それじゃあ早速隊服を着て柱の皆さんにご挨拶しないと!





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


はぁ。最近あの継子のことが頭から離れないのだが………








…………なんだ?煉獄が柱の全員に話しかけている……


あ、後ろにいるのは……………!















遂に来たわ!鬼殺隊本部ーー!!


皆さんに挨拶しないとっ!元気に挨拶ね!



皆さん個性的ね……なんだか楽し…………


………………!!あそこにいる人は!







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





「伊黒!俺の弟子だ!恋柱になった!」


「甘露寺蜜璃です!よろしくお願いします!」


「…………… 俺は伊黒小芭内だ。これから柱として頑張るんだな。」


「は、はい!」













甘露寺というのか………












伊黒さんっていうのね…!

宇宙くらげ🐧🌌*2次元の沼にハマり中・2019-12-20
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自作小説
鬼滅の刃
「初めての出会い」
第五章-再会



  オレンジのガーベラ   episode1





これほど雪が降り積もっているというのに、手汗が出ていて顔も真っ赤。



“好き”



そう言ってしまえば楽になるだろう。だが言ってしまえばこの恋は終わる。

この恋が終われば、私の生きる理由がなくなるのも同然だ。



毎日クラスメートから受ける虐めに、親に期待されるプレッシャー。

耐えられない、死にたい

そう思い、自殺しようとしていた。

だけど君に助けられたんだ。


「君が死にたいと言うなら僕はなにも言えない。だけど、死んだらその顔で、その体で、その声で、君のままでもう生きることはできないよ。 少しずつでいい。だから、、だから僕と一緒に乗り越えてみない?辛いことから目を背けて楽しいことだけを見つめて良いんだよ。生きることに希望を持てるならそれでいい。愚痴も悩みも望みも全部聞くよ。だから一緒に生きよう?」


自然と私の手は、君の差し出した手に引き寄せられていた。

君の手は少し震えていて、君は一生懸命私を救おうとしてくれたのだと分かった。

嬉しかった。

この世に私を求めてくれる人がいるのが。

私に微笑んでくれる人がいることが。



それから君は虐めから私を守ってくれた。

親に本音を伝える勇気をくれた。

辛かったこと、全部君が無くしていってくれた。

そして、 笑いかけてくれた。

毎日私に笑顔で話しかけてくれた。


君という存在が私の生きる希望となった。


しかし、もし私が君に好きと伝えれば君はもう笑いかけてくれないのではないか。

そう思うと気持ちを伝えるのが怖くて逃げてしまっていた。


「飛鳥?」


そう私の名を呼ぶ世界で一番愛おしい人。

伝えたい。喉まで言いたいことは出てきてる。

深呼吸をし、呼吸を整える。

口を開いて声を出す。





「何でもないよ。呼んでみただけ。」

「なにそれ。笑」




言いたいことはこれじゃない。

早く言えよ私。

逃げるな。


「じゃーな、飛鳥。」


待って!

行かないで!

そんな気持ち届くはずがない。

はぁ今日もやってしまった。



ーepisode1endー





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

登場人物紹介

主人公 飛鳥(あすか)
    性別  女
    年齢  17歳

    翔(しょう)
    性別  男
    年齢  17歳



・現在登場したのはこの二人です。まだまだ出てくると思います。
・飛鳥が君と言っているのが、翔です。
・この物語は続きます。
・文章構成や、お話が下手ですいません。
・好き! や、贈り物 お願いします!

るぅや・2021-01-15
オレンジのガーベラ
自作小説
小説書いてみた
好きな人
切ない
私を救ってくれた人
まだ見ぬ希望を求めて
私の小説が誰かの心を癒やす存在になりますように

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