#花想録

枯れたら終わりだよ

修復可能な花はないもの

花弁一枚一枚に涙を重ねた

綺麗事を並べるだけじゃ

いつか、枯れちゃいそうで

散り際に自分を重ねて

踏まれたくないと思った

花が好きなんじゃなくて

君がくれる花が好きだった

どうせ自然に流されるんだろう

ずっとなんて存在しないさ

誰にも触れず枯れることを

愛だと呼んで咲っていた

離れてから咲くなんて

傷つけてからじゃ遅いのに

今咲いてる桜が散り終わったら

本当にさいごかもしれないね

花も木も空も海も夜も星も

私も君もあの子もあいつも

春も夏も秋も冬も

記憶も想い出も

それぞれに出会いと別れがあって

知れない何十倍の想いもあって

それが人生なんだなって

苦しさを摘んだ花籠

何処にも捨てれられず

抱えたまま苦しいまま

あの花が枯れたって

君は泣かないくせに

散れば季節が巡ること

世界は思ったより残酷ね

君からもらった言葉

心の瓶に詰めて思い返す

その感動は悲しみの為に

産まれたわけじゃない

こぼれた梅花を抱き寄せて

憂う君の傍らでサクラサク