冴吏・2023-01-02
僕の人生物語
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薄氷の灯り
生きた証に白紙の頁
十人十色の同一人物
駄作は燃やして石の下
道化師は涙に溺れ
聖職者は憤怒に沈み
愛は灰と為る世界でも
想い出に重なりゆく
白銀に舞う卯の花色
陽の下輝く道しるべ
君が瞳に閉じこめた世界は
酷く輝いて見えたのに
見えなくとも感じる痕跡に
身体を澄ませて知らぬふり
命を燃やすふりをして
心はどこか別の場所
眸から零れてゆく熱が
幸せを融かしきる前に
桃源郷の霧の中
弱さ纏いし浪の音
揺られ揺られぬ雨垂れよ
生まず救わず無駄な無駄
いくら積もれど塵は塵
山桜桃の押し花が彩づく
枯れぬ花に美を求めても
代わりなんていくらでもいる
でも選んでくれたのでしょう
たった一章の人生
暗幕の途切れ目も知らず
瞳に映るのは未来だけ
正直に生きれなくても
上手に今日を笑えなくても
傷ついた日々 過去の夜も
記憶が飽和する
涙は孤独の再結晶
正の字数えて宙ぶらり
鈍色の空が僕らの行先