はじめる

#過去と未来とまたそれと、

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全14作品・

生きてる意味って自分が分からなきゃ
誰も分からないよね。

じゃあ、僕の生きている意味は
誰も分からないや。

綴驪 嶺_。☂・2日前
秘密の愛言葉
出来損ないの最大限
過去と未来とまたそれと、
人工人間
明日の無い世界
タグお借りしました
ポエム
独り言
辛い
黒色の世界からの願い事__。
100突破
200突破

過去を受け止め

現在を呪い

未来を願う

灰崎 雪刀・3日前
愛無き世界で哀を語る

ボクはごく普通の人間だ。

家族はみんな優しいし、
友達は少ないけどいい人ばかり。
ボクは恵まれてるんだって。

そんな恵まれたボクでも
突然辛くなったり、理由は分からないけど
涙が出てくるんだ。

ねぇ、どうしたらいい?
ねぇ、どうしたら思い描いた
"世界"になるの?

凛紬リツ・3日前
ボク
ごく普通の人間
独り言
ポエム
辛い
思い描いた世界
NOTE15
ほんの僅かな期待
過去と未来とまたそれと、
天国と地獄の狭間で
タグお借りしました

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に14作品あります

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君とのことを

“過去”にできるかは

分からないけど



私たちの

“未来”のために

さよならするんだ。

夛茅風 日結・3日前
星を繋いで。
過去と未来とまたそれと、
タグお借りしました
大大大好きなしうくんのタグだぞ((
めちゃセンス良くない?
やっぱしうくん天才✨
ごめん、タグってのはしうくんへの愛を綴るとこちゃうね((
ちゃんとします笑
好きな人
恋人
初恋
大好き
ポエム
大好き
失恋
君にさよなら
辛い
苦しい
悲しい
寂しい
泣きたい
独り言
秘密の合言葉
君のいない世界
空へ行った、置いて逝った。
君と描く明日
二人の未来地図
この旅ジンセイのゴールはいずこに。
終わりなき愛
『好きだった』と言えない僕
過去にできない思い出の夏
心のフィルムに閉じ込めて、
恋、のち愛
さよなら、初恋
こんにちは、失恋
ばいばい
ごめんね、大切“だった”人

独占したいって

今も想い続けている

藤香・2日前
過去と未来とまたそれと、
心の隙間
好きな人
辛い


この



_____
|  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


埋められるのは


_____
| 《君》 |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

だけです__。

榊 白燈 / タグ使ってや( '-' )←・3日前
秘密の愛言葉
タグお借りしました
独り言
ポエム
好きな人
ありがとう
過去と未来とまたそれと、
罪と権利


辛い過去があれば、

きっと素晴らしい未来がある。

努力しないよりした方が

何千倍も素晴らしい未来が待っていると

今の自分に囁いた。

め ろ ん 🍈‪‪𓂃🥂🤍⌇垢変します。・2日前
過去と未来とまたそれと、
タグお借りしました。
めろんのPoem‪𓈒𓏸


「もし、未来か過去に戻れるなら
どっちがいい?」


漫画や小説、映画なんかで
よく耳にするこの質問


別に、最近そんな内容の映画を
見た覚えはないけれど

俺の隣で
ビルに挟まれた朝日を見つめながら
君は静かにそう言った。

「私はね、死ぬんじゃないの。
これから過去に行ってくる。」

そう言い君は、音もなく世界を飛び出した。





なんでこんなことになったかな…。

ここは彼女、佐伯紗和と
2人で来る廃屋の屋上。
もう誰にも使われていない。
寂れた鉄柱が寄せ集められて
やっと建っているような
忘れ去られたビルの屋上。


下を見ることはしなかった。
きっと今頃、アスファルトが血で塗られ
君の無惨な抜け殻が転がってるだろうから

紗和と出会ったのは、今日でちょうど10年前
その日もここで、この時間帯で…

彼女は確かに、死のうとしてた。

俺は静かに階段を下りる。
2人で昇ってきた鉄の階段は
カンカンと1人分の音を響かせる


不思議と悲しくはなかった
紗和がいなくなったら
自分も死ぬと思ってたから
それが今、早まっただけ。
死ねばどうせまた会える。
今の俺の中で
死ぬことは、君に会うための
単なる手段に変わっていた。

ただ俺は、君と出会った場所を
俺で汚したくなかっただけ。
いや単に、この場所で死ぬ勇気が
なかっただけとも言える。


これから君と過ごした家に帰って、
君が愛用していたソファに腰掛けて
君のマグカップを使って
俺が愛用してる睡眠薬で、
君を迎えに行くだけだ。

そう、思っていたんだ。

君の、死体があった場所を見るまでは。



そこにあったのは
血塗られたアスファルトじゃなかった。
いや、血なんてどこにもなかった。

代わりにいたのは、
10年前、つまり高校生の姿をした、
君だったんだ。


「……は?」

君は、酷く困惑しているようだった。
いや、当たり前か。
いや、俺の方が困惑してる。
これは、幻覚?

「なんで……?また、死ねなかったの?」

少しヒステリックになっているのか、
紗和は泣きじゃくりながら
自分の髪を掻きむしっていた。

「おい、やめろって!何してんだよっ」
爪に血がたまる程に
頭を掻きむしっていた彼女を止め、
落ち着かせるのはかなり大変だった。
「……誰?」
ようやく少し落ち着いた
彼女が発した言葉がそれ。

いやまぁ、仕方ないんだけど。

もしかすると、俺の彼女は
本当に10年前に行ったんだろうか?
それと入れ替わるように、
10年前の彼女が今ここにいる……?



つまり、紗和は、まだ、生きている?


酷く混乱している中で
俺の中でひとつの結論に辿り着く。

それが、真実かどうかは置いておいて。


その後俺は、結局彼女を連れて
家に帰ることにした。

10年前の紗和は高校生だ。
俺のひとつ下で、
肩くらいまで伸ばしていた薄い茶髪は、
静かに微笑む彼女によく似合っていた。


家に帰って、紗和の好きなココアを出す。
こいつの好みは、
さらに角砂糖3つとマシュマロ投入。

俺はこんなに甘いの飲めない。

自分の好みを把握してることに驚いたのか
紗和はしばらく俺の事を見つめていた。

「……あなたは、誰?」

ようやく冷静さを取り戻したのか
紗和は怯えるように俺を見ていた。
「祥太。加賀見祥太。」
まさか、10年後の君の彼氏ですだなんて
言えるわけも無いので
それ以外は口にしなかった。
付き合ったのはもっと前から
なんだけど……。


ちょうど10年前。
ひょっとすると俺に出会う前に
こっちに来たのかもしれない。

彼女は、俺の名前を知らなかった。

俺の名前にも顔にも見覚えがないと言う。
まぁ確かに、屋上で出会う前までは
サッパリ赤の他人同士だったわけだから
俺と出会う前ならばそうなのかもしれない。

だが、最愛の恋人に自分の全てを
忘れられたような気分は、最悪である。

疲れてしまったのか、
ココアで警戒心が解けたのか
紗和はソファで眠ってしまった。

一応、現在の恋人といえど、
現状記憶にもない男の家で寝るのは
いささか無防備すぎるとは思うが

今の紗和が愛用していたソファで
いつもの紗和と同じ眠り方をしていたので
なんだか無性に安心してしまった。

だが、佐伯紗和という人間は
果たしてこんな人物だっただろうか?

俺の知る限り、紗和はいつも笑っていた。
楽しそうに、穏やかに
年下とは思えないほど優しい目をして
柔らかい笑みを浮かべていた。

毎日死ぬことしか頭になく、
息をするだけで精一杯の
今目の前にいる様な人間ではなかったはずだ。

ああ、だがしかし。
俺と紗和の出会いは
紗和が自殺しようとしたことから
始まっている。

10年前のあの日。
確かに俺は紗和の自殺を止めたのだ。

_________________


俺は当時からよくあの廃屋に出入りしていた。
別に楽しいこともないし、
友人といてもつまらないと感じる時は
決まってここに逃げ込んできていた。

そこは、1度俺自身が
命を絶とうとした場所でもあった。
横になっている俺に気づかなかったのだろう
紗和は、俺につまづき、転んだ。

『いった!』
『ってー!』
ちょうどバラにあいつのつま先がヒットし
俺もなかなか痛かった。
『なにすんだよっ』
居眠りを邪魔されたことも含め
思いっきり睨みをきかせてやると
そいつは俺以上に睨みをきかせて
『さいっっあく。』
と言って立ち上がった。
そして丁寧に靴を脱ぎ並べ
柵を超えて下を向いていた。
そいつの手は、確かに震えていた。

きっと胸糞が悪かったんだと思う。
1度自分が死ねなかった場所で
今まさに死のうとしてる奴がいて。

だから俺は、そいつの腕を掴んで引っ張った。

『何すんのよ!』
紗和はさらに睨みをきかせて
俺に怒鳴りつけた。

『なんで、死ぬんだ?』

顔は見なかった。
別に怖かったからでは無い。
ただなんとなく、見ないようないい気がして。

『……疲れたから。』
そいつは、力を全部抜くように
その言葉を吐き出した。
『もう、いいかなって。』

掴んだ腕は、驚くほど細かった。
袖から少しだけ見える腕には
赤黒いアザが沢山あった。
いじめか、虐待か。
髪はめちゃくちゃに切られており、
スカートや制服はボロボロだった。

『じゃあ、死ぬ前に息抜きしようか。』

意地でもこいつを死なせたくなかった。
俺のちょっとしたゲームだった。
退屈しのぎの遊びだった。

あとは、過去の自分への罪滅ぼし。

まぁ、そいつと色んな場所に行くうちに
色んなものを見るうちに、
色んなことを知るうちに

俺の遊びは、人生ゲームに変わっていき、
いつかこいつとのハッピーエンドが
俺の中のゴールになっていたんだけど。

どうやら俺は、バッドエンドを迎えたらしい。
俺の目の前から消える紗和の姿が
頭をよぎる。
そう、今朝の風景だ。
今の紗和がなんの躊躇いもなく
俺の目の前から消えていく。

___________________


ひぐらしの声で目が覚めた。
どうやら俺もいつの間にか
眠ってしまったらしい。
あれは、夢?走馬灯?
外はすっかり日が落ちて、
西日が差し込んでいた。

隣では、過去の紗和が
まだすやすやと眠っていた。
よっぽど疲れていたんだろう。

裾から少しだけでている細い腕には
やっぱり、赤黒いアザが沢山あった。

そういえば、
なんで俺は死ぬのを辞めたんだっけ。

ただ単に、下を見た瞬間、
やはり死ぬ事が怖いと
感じてしまったのだろうか。

まぁなんにせよ、
俺は心底意気地無しなのだろうと思う。

いつも笑っていた紗和の記憶は
一体いつの記憶だろうか。

というか、紗和はいつから
あんな感じだったっけ
ずっと一緒にいすぎたせいで
きっと何かもかも忘れてしまっているだけだ。

そう、それくらい、
俺は幸せだったんだけど。

きっと紗和は違ったらしい。

過去に戻って、
俺との出会いそのものを
消し去るつもりだろうか?


その日の夕飯は紗和の好きな
オニオングラタンを作った。


それからしばらく、
俺は過去の紗和と共にすごした。
紗和は徐々に俺の知っている
紗和になっていった。

よく笑って、冗談を言って、
ソファの上でよくだらけていた。

まぁ、かなり無邪気に笑うようになったが。

1週間が経とうとしてる時、
紗和が言ったのだ。
「きっと、そろそろ帰らなくちゃなぁ。」
とても穏やかに、俺の知る紗和のように。

「……え?」
「私ね、初めてじゃないの。」
「…どういうこと?」
「自殺、したの。」
意味がわからなかった。
「いつも、あそこから飛び降りる。
あの古びた廃屋ビルから。」
紗和は、俺の方を見ずに話し始めた。
「最初は小学六年生、だったかな。
私の上履きに画鋲が入れられてたの。
誰がしたかはだいたい知ってた。
なんでこんなことされるのかも
だいたいわかってた。」

「そんなことをされるほどのことをしたの?」

「…それはわからない。
何も悪いことはしてなかったと思う。
ただ、あの子達のおもちゃが壊れかけてたから
もうやめよ?って言っただけ。」

いじめのターゲットを救ったということだろうか。

「でも、だいたいこうなることは予想してた。
ただ、私が持たなかったの。」

紗和は片親だ。
親父さんが転勤して、紗和に
生活費を送っている。
親父さんは、紗和の交友関係を考え、
転勤先に紗和を連れては行かなかった。
だから紗和は相談できる大人なんて
いなかったのだろう。

「その時は、なんの躊躇いもなく飛べたの。
でも、たどり着いた先はアスファルトじゃなくて
過去だったんだ。」

その言葉を聞いて、俺は背すじが凍るのを感じた。

「私が、おもちゃを庇う前。
私はおもちゃを見捨てることにしたの。
どうせ助けても、
このおもちゃは私を見捨てるもの。」

紗和は冷たく言い放った。

「やめなよって、呪いの言葉。
言わなかったら私は戻った。
あの廃屋に。自殺する前に。
学校ではいつも通りおもちゃがいじめを受けていて
私はほかの仲良しのこと
それを遠目から見てるだけ。」

紗和はスカートの裾をぎゅっと握りしめた。

「2回目は中学生の時、
仲良しの子に裏切られたの。
みんなに悪者扱いされて、
みんなが私を責め立てるの。」

俺はそっと紗和に近づく。

「その時、リスカ、いっぱいしてて
いつもより強く切っちゃったの。
あの廃屋で。」

自分の手首を見つめながら、震えていた。

「次に私がいたのは、裏切られる前の場所。
私はその子と縁を切った。裏切られる前に。
結局あの後、裏切られたのはあの子の方で
みんなに悪者扱いされてたな。
手首の傷は跡形もなく消えていたよ。」

紗和の声は震えていた。

「高校に入ったら、
あの時のおもちゃと、
裏切り者が仲良くなってた。
私は過去を変えたはず。
なのに2人は、私に嫌がらせを始めたの。
きっかけは、2人の好きだった人が
私のことを好きになったから……。
だけど全然知らない人。
私はちゃんと彼を振ったし、
誰にも知られてないはずだった。」

俺は紗和の手を握る。

「天罰なのかなって思った。
あの時、2人が私の身代わりになったから
全部私に帰ってきてるのかなって。
でも、私は2度も同じ思いをする
勇気なんてなかったし、
やり直せるなら、誰だってやり直すでしょ?」

震える紗和の手を強く握る。

「結局最後はいつも私がボロボロになる。
なんかもう、やんなっちゃって。
疲れちゃってさあ。
今度は、本当に…死にたかったの。」

紗和は泣いていた。
幼い子供のように泣いていた。
俺はただ、泣きじゃくる紗和を
抱きしめることしか出来なかった。

泣き疲れたのか、紗和はまた眠ってしまった。

そして俺の中に、ひとつの疑問が浮かんだ。
紗和は、あの廃屋で自殺した。
そして出会う前に、自殺した。
つまり、過去で俺とは出会っていない?

じゃあ、過去の俺はどこにいるんだろうか。

自殺する直前に、
紗和は俺と出会ったはずだ。
ならばなぜ、紗和は自殺を終えて
今、ここにいる?

そしてなぜ、今の紗和は過去に行く必要があった?
紗和の話を聞く限り、
紗和は自分が過去に飛べることを知っている。
しかも自分の死を通して。

つまり、紗和は過去に飛びたかった。
なんのために?何かを変えるために。

今ここにいる紗和と
過去に飛んだ紗和とでは、
もしかすると時間の流れが違うのか?
物事の進みが違うのか。

そして紗和は帰らなきゃと言った。

俺が思うに、紗和は
未来を変えるきっかけが出来れば
未来に強制送還される。
だからきっと紗和は
今いる過去で何かを変えれば
きっとこっちに戻ってくる。
俺はまた、きっと紗和に会える。

だが、何故か少し引っかかる。

なんだろう。すごく良くない予感がする。

相変わらず、高校生の紗和は眠ったままだ。
俺はすっかり目が覚めてしまった。

紗和は、過去に3度自殺していた。
3度も命を投げ打ちたくなるほど、
辛いことがあったのだ。

俺は、そんなこと知らなかった。

「なぁ、紗和。きっともう少ししたらさ、
お前はどうしようもないクズに出会って、
どうしようもないそいつに助けらるんだぜ?
笑っちゃうだろ。
でもきっと助けられてたのは俺なんだ。
だからさ、俺のためにも、
まだ、ちゃんと生きててくれよ。」

いつだって紗和の優しさに甘えて、
紗和の明るさに元気づけられて
あの日だって、そう。
お前がいたから、俺は今ここにいる。


…………あの日?
って、いつだ?

あの日、あの日だよ。

外は真っ暗だった。
俺はいつの間にか外に飛び出していた。

あの日、あの日である。

11年前。
俺が、過去の紗和と出会う1年前……っ

___________________

俺の母さんは、ろくでなしだった。
遊び好きで、男好きで、金遣いが荒い。

母さんの旦那は気の弱そうな人だった。
でも金だけは持っていたので
母さんはその人を愛したんだと思う。
元々その家にいた息子は
かなりの不良で
何度も警察に世話になっていた。

俺は、そんな母さんが連れてきた
どこの誰と作ったかも分からない子供だった。
母親に似ず、見たことも無い父に
似たのであろう、この目つきの悪い顔立ちは
旦那をとうとう壊してしまった。

旦那とその息子は
急に来た俺をおもちゃのように
殴りまくった。

母さんの遊び癖は
結局治らず、
俺が痛みに耐え忍んでいる間も
また違う男と遊びに行った。

増える痣と、目つきの悪さで
俺は学校でも1人だった。
たった1人、こんな俺に
話しかけてくれる奴もいた。
そいつはかなりの変人で
後に俺の大親友になるのだが。
俺は今までこの親友が
俺の自殺を止めてくれたのだと思っていたが
きっと違う。いや違ったんだ。
俺は確かにこの親友に助けを求めに行った。
だがそれはもっとあとの話だった。


そんな時に見つけたのがあの廃屋で
唯一俺の憩いの場だったのだ。

だが、とうとう旦那が
俺の首に手を掛けかけた時
俺は一目散に逃げたんだ。

気づいた時にはあの廃屋にいた。

いまさっき、確かに自分は死にかけた。
目の前にあった、
鬼のような形相の男の顔が
頭から離れない。

恐怖が俺を包み込んだ瞬間、
俺は思った。
あのまま死んでよかったんじゃないか?

誰にも望まれず、嫌悪され
憎悪をぶつけられ、気味悪がられ、
俺はここにいる意味があるだろうか。

気づけば柵を超えていた。
大きく息を吸い込んで
下を見ると、俺は恐怖で動けなかった。

死んでしまいたいのに。
死んでしまった方が楽なのに。

たった1歩が踏み出せない。

やっぱりまだ、死にたくないと
望んでいる自分がいた。

気づけば朝日がビルの間から見えていて
どうしようもできなかったその時に、
俺の横に、いつの間にか、君がいた。

『なんで、死ぬの。』

君は俺の顔を覗き込んでいた。
肩甲骨辺りまで伸びた薄茶色の髪。
20歳前半くらいのその人は、
確かに紗和だった。

なんで、忘れていたんだろう。
あの日。あの時だ。
救われてたのは俺だった。
俺は紗和がいなかったら
きっともう、この世界にはいなかったんだ。

だからあの紗和は、
俺に出会っていない。

あの後、紗和は1週間
あの廃屋に通ってくれた。
もう家に帰りたがらない俺のそばに
毎日毎日顔を出してくれた。

明日の朝で、ちょうど1週間。
あの時、紗和があそこに来る前に
俺のとこに現れたのは

『あれ、加賀見くん?』

お前だったな、

『……森田じゃん』

廃屋の屋上から外を眺めてる時に
下から俺を呼んだのは
変人、森田だった。

『もう1週間くらい学校に来てなかったから
心配してたんだけど?まさかずっとここに?』
森田は唯一俺に話しかけてくれる変人で
バスケ部のキャプテンだったやつ。

『……ん。』
『てかさ、ずっと聞こうとしてたけど
その身体中の傷、まさか転んだとか言わないよね?』
『……転んだ。』

_____________________

あの日が俺の人生の分岐点だったんだと思う。
あの後俺は、森田に連れられて
森田の家族に全てを話した。
それからは早かった。
児童虐待、育児放棄、
俺の家族は様々な問題が挙げられ
俺は森田の家に世話になることになった。

高校を辞め、バイトで金を貯めて
森田の家に金を返し、
紗和と暮らすようになってからも
森田とはまだ連絡を取りあっていた。

最近、森田に子供が生まれて
あまり連絡を取らなくなったのだが

そうだ、俺はあの日、紗和に会わなかった。
そして、紗和のことを忘れていた。

ちょうどその一年後だったのである。
その時代の紗和と出逢えたのは。

俺はがむしゃらに走っていた。

あの廃屋を目指して走っていた。

あいつが、紗和が過去に行く前に
俺たちは何を話していた……?

「ねぇ、祥太。私は祥太に救われたんだよ。」
「ねぇ、祥太。私と出会ってくれてありがとう。」
違う、違うんだ。
救われてたのは紗和じゃなくて、
救ってたのは俺じゃなくて、

あの日、あの時、あの廃屋で、
俺は確かにおまえに会っていたんだ。


「ねぇ、祥太?もう一度、私のこと救ってね。」


『俺さぁ、高校入ってすぐあの廃屋で
1回死のうとしてたんだよなぁ。』
『……え?』
『でもさ、俺の周りって変人が多かったみたい。
俺を引っ張り出してくれた人がいた気がするんだ。』
1度だけ、その話をしたことがある。
『……なにそれ』
そう言って笑う君を片隅に、
俺が思い出していたのは、
確かに紗和の事だった。

なんで忘れてたんだろう。
なんで思い出せなかったんだろう。

『じゃあ、死ぬ前に息抜きしようか。』
そう言って笑う君。

『明日も来るから。ちゃんと居てよ?』
優しく手を握ってくれた。

君の言葉を信じて、
君がくれる優しさに甘えて
君がいることに安堵を覚えて
生まれて初めて
誰かに必要とされてるって
感じれたはずなのに。

ねえ、君は今どこにいるの。
俺の事残してさ。

『きっと俺たちはさ、
お互いのこと救うために
出会ったんだろうな。』

そう言うと、君は
決まって穏やかに笑うんだ。

本当に少し、寂しそうな顔をして。

あの時から、
君は全てを知ってたんだな。

こうなることを。
だからあの時、初めて
ありがとうっていたんだろ?


ああ、もうすぐ夜が明ける。


まだ、君を見つけていないのに。
俺が家にいた時はまだ眠っていたはずなのに
廃屋には既に過去の紗和がたどり着いていた。

「…遅かったね。」
紗和は穏やかに笑っていた。
「私、未来ではこんなに幸せだったんだね。」
紗和はビルの隙間から朝日が昇るのを見つめていた
「今まで過去にしか飛んでなかったから
知らなかったけど。
こんなに幸せな未来があるなら。
きっと、私の今も耐えられるよね?」
柵を握る手が強くなる。
「なぁ、お前が戻ったらさ、
こっちの紗和も戻ってくるんだよな?」
紗和は何も言わなかった。
それは、きっと答えを知っているからだろう。

「なぁ。紗和。俺、あいつがいないとダメなんだ。
家事も洗濯も、あいつの方がうまいし、
料理とか、しばらくあいつのしか食べてないし」
「昨日作ってくれたオニオングラタン、
普通に美味しかったよ。」
「そう言うことじゃなくて!」
紗和は堪えきれないというように、
笑いだした。俺のよく知る、笑い方で。
「ねぇ、翔太。もう一度、私のこと救ってね。」


そう言い君は、音もなく世界から飛び出した。

_____________________

『神様は、きっと私にチャンスをくれたの。
私が後悔しないように。
私に素敵な人生を送らせるために。
でも私すぐに選択を間違えるから、
きっと何度もチャンスをくれたのね。
ごめんね、祥太。
私は、私のこの命は多分。
祥太を救うためのものだから。
初めてなんだ。
この力を助けるために使ったの。
初めてこの力を人のために使えたの。
何度も何度も、間違えちゃったけどね。

ねぇ、大人の祥太、どんな感じだった?』

『どんなって、あなたのが
よく知ってるじゃん』

『いいから教えてよ〜
かっこよかったでしょ?』

『……うん。』

『んふふ。あと一年後、あなたも出会うんだよ。
あのおバカさんにさ。』

『でも、その後は、?私は結局死ぬんでしょ。』

『まぁねぇ。でも私は、
祥太が生きててくれればなんでもいいの。
この力だって、きっと
そのためのものだったんだよ。』

『…私が出会う前の祥太って
どんな子なの?』

『ふふ、それは大人になってからの
お楽しみだよ。』

私は私に向かって
いたずらっぽく笑ったりすると
すぐにお茶会の席を立ち上がった。

既にティーカップの中身は
空っぽだった。

私のそっと立ち上がり、
目の前の私とは違う
方角を向いた。

『さて、私はまた、祥太に会いに行かなくちゃ』

_______________________

あの日から。
俺は性懲りも無く生きている。
君がいないとダメだと言っていたくせに。
何も出来ないと思っていたのに。

何とかならないこともなかった。

あの後、俺の世界の視野は
もう少しひろがった。

辛いことも苦しいことも
これまで以上に沢山あった。
だけど、思った以上に
俺は頑丈で、我慢強くて、
君がいなくても笑えるほどには回復していた。

それもこれも大半は
あの変人、森田のせいである。
まぁ、森田のだけのせいではないけれど。

今日は俺の妻が見事に第1子を誕生させた。

「女の子ですよ〜」

顔を真っ赤にして笑っている妻の横に立ち
抱き上げたその子の名前はもう決まっていた。

「名前さ、紗和、なんてどうかな?」

よく聞きなれた笑い声が
すぐ側から聞こえた気がした。

茉鈴 綹・2日前
過去と未来とまたそれと、
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初挑戦
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過去を振り返り

現在を生きて

未来を想像する

虹花⋆*❁*・3日前
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_ _
_ハザマ_

昔の温もりを

今日もまた求めている

過去には戻れないと知っていながら

未来には目を向けようとせず

過去と未来の狭間を生きてゆく

このまま一生を終えたくないわ

お願いよ

ここから私を連れ去って

衰・3日前
過去と未来とまたそれと、
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悲しいおとぎ話



過去に囚われてしまい
未来に惑わされて... どうしようもない

だけど 未来は、変えられるから
今を生き抜くしかない そう思ってる

レモンソーダ・3日前
過去と未来とまたそれと、
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