なんで金賞をとりたいのか
そんなこと言われても
すぐに答えは出なかった
だから今日ずっと考えてた
3年間を振り返って
どうして私は金賞をとりたいのかって
1年生の最初は
本気で思ってたわけじゃなかった
先輩達が金賞とりたいって言うから
大好きな先輩がそう言うならって
本当にそれだけだった
でも、いつからか
先輩の夢は私の夢にもなって
私も、先輩と一緒に金賞をとりたいって
なんとなくでも思うようになった
吹奏楽の厳しさも知らず
先輩達はこんなにかっこいいんだから
きっと金賞もとれる
そう思ってた
でも、叶わなかった
大好きな先輩との
最初で最後のコンクールは
あっさりと幕を下ろした
2年生になって
人生2度目のコンクール
先生はいなくなって
自由曲でsoloをすることになって
不安だらけだった
でも
私のグロッケンsoloの音に
先輩のヴィブラフォンの音が
綺麗に重なったあの瞬間
この音を先生に聴いて欲しい
先生の指揮で行きたかった県大会に
今度こそ、この音を響かせたいって
心の底から思えた
たった一度の本番で終わりたくなかった
少しでも長く
あのメンバーで
あの曲を演奏していたかった
本気で今年は叶うと思ってた
コンクールやアンコンで
たくさん吹奏楽の厳しさを思い知って
それでも、信じてた
このメンバーなら絶対に金賞とれるって
本当に思ってた
「銀賞」の一言が
苦しくて、辛くて
県大会代表で呼ばれなかったことが
悔しくて
涙が止まらなかった
先輩達の涙を見て
来年は絶対に私達が金をとる
そう決めた
3年生になった
中学最後のコンクール
私がやりたいと言い出した自由曲
多数決でやりたかった方になった課題曲
soloはないけど
ずっと憧れだったスネアドラムを
私がすることになって
今年は私がこの音で
去年、一昨年の先輩達みたいに
みんなを引っ張って行くと決めた
わかったよ
私が金賞、代表をとりたいと思う理由
1つ目は
自分達の全力の音は最強なんだって
信じたかったから、証明したかったから
2つ目は
先輩や先生と
一緒に出たかった県大会に行って
少しでも長く演奏していたいから
でもね
本当はそれだけじゃない
こんな言葉だけには収まらないくらい
いろんな思いを抱えてきた
今までの道のり全部が
私にとっての理由だから
きっとこれが私の答え