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#5分で読める小説

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全6作品・




「 君がいたから。」





死にたい、死ねない。を

毎日繰り返してた。



家に帰れば、降りかかる罵声と拳

学校に行っても、状況は変わらない。



助けてくれる人なんていなかった。










あの日は雨が降っていた。


学校に行く途中、なんだか急に

行って意味はあるのか。


そう思って、気づけば





今にも壊れそうなビルの非常用階段を


ガタッガタッと

音をたてながら登っていた。










非常用階段を登りきり


カタカタと、壊れたドアノブを捻ると


何も無い空間が、ただただ広がっている









揺れる髪を耳にかけて


カーディガンを脱いで


ビルの端に立つ。










怖いな。

死んじゃったら、どうなるんだろ


あぁ、誰か





「 助けて 」








『 変なの 』


後ろから聞こえる声に

振り返れば、同い年くらいの男の子が


面白そうだ という顔で、こちらを見ていた




『 死にたくて、そこに立ってんだろ 』


「 … うん。」


『 じゃあなんで、助けて欲しいのさ 』


「 … 」




何も言えなくなった私を見て

彼はクスッと笑った。



『 とりあえず、こっち、おいでよ 』




彼の笑顔を見ると、なんだか

自分とは違うような気がして


なんだか嫌だったけれど


言われるがままに私は彼の隣に座った。





『 君は、なんで死ぬのさ 』


「 自分の存在に、意味を感じないから。」


『 ふーんそっか。』


「 あなたは幸せそうね 」


『 そうでもないよ。』


「 そう。」







話を続けれていると


気づけば雨は止み、夜になっていた。






『 空をごらん。』


空を見上げてみると


たくさんの星が、きらきらと輝いていた





久しぶりに見た空だから?


やっと全部話せたから?





なぜだか、ただの星が


儚く綺麗に見えて、涙が出た。






『 ねぇまだ、死にたい?』




聞かれた時に気がついた


私は、死にたかったんじゃない。



誰かに、大丈夫?とそれだけ

言って欲しかったんだ。




『 僕はね、今日死ぬつもりだった。』


意外な彼の話を聞いて驚いた。


『 4年前、死んじゃったんだ。ここで 』






ここは4年前、病院だったそうだ。


有名な病院で、持病を抱えた彼は


ここで入院していたのだという。




治らない病、大量の薬。


無くならない手術跡、刻一刻と迫る余命




生きることが嫌になった彼は1度


ここで死ぬ覚悟をしたのだそうだ。




それでも、その時出会った少女により


死ぬことを辞めた




はずだった。



見上げた空に気を取られた時

後ろから来た男性に

背中を押されたのだという。



それから彼は今も

死神となってここに立っている。




『 僕は、君の人生を変えられない

けど、僕は君に生きていて欲しい。

出会ってないだけで、居るはずだから 』






『 君を認めてくれる人が 』






頬をつたる涙を手で拭いながらも


久しぶりに笑顔になれた。





「 死なないよ、私。」


「 生きるよ 」


『 よかった 』



満面の笑みで彼は、そう言った。








大学生になった今も、

時々このビルの前を通る。


彼の言ったことを忘れないように。



今は、昔みたいに

下ばかりを向くことはなくなった。



友達もできて、毎日笑えるようになった。




「 ありがとう 」


こんなに笑えるのは





きっとあの時、あの場所に















君がいたから。

遥翔・2021-11-22
5分で読める小説
君がいたから
短編小説
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流れ星
人生

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# 5分で読める小説


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5分で読めるぐらいの短編小説を

作ってみませんか?


◻︎ ジャンルはなんでもOK

遥翔・2021-11-22
5分で読める小説
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人生
流れ星

『ヒトのガワを被った悪魔がいる』と

知人のニンゲンに聞きました。


知人とは怖いねと言葉を交わし

それ以上のことは話しません。


そこまでの関係の知人ですから。


言葉通り悪魔は悪魔らしく

悪い人でした。


欲のためになら何でもしてしまう

利己的で優しくて脆い人でした。


『相手からの欲望に

応えないわけにはいかないのだ』


そんな悪魔の言い分は

誰にも認められません。


相手を想ったはずの悪魔は

味方を失い誰にも想われず

ニンゲンに睨まれ姿を消しました。


ヒトのガワを被った悪魔は

居なくなったはずでした。


それでも噂は絶えません。


いつしか自分が

ニンゲンのフリをした

悪魔に成っていました。


それも優しさの欠けた

ただの利己的な悪魔です。


どうか私を見ないで。

どうか私を見捨てないで。

どうか私を____。


最後には

どんな手段を使おうとも

欲は満たせなくなっていました。


周りに居たはずの大切なヒトは

もう一人も居ないのです。

ふ・2日前
悪党の悪足掻き
実話
だったりして
5分で読める小説

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に6作品あります

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『渇望』



他人に生き様を指定して貰えないと


生きていけない愚人です


生まれも育ちも知りません


気付いたら首に鎖


薄汚いぼろ衣を身につけていました


読みも書きも出来ないので


この世に落とされてから


声を使ったことがありません


そもそも声帯があるのかすら危ういです


鎖を握る手は冷たい手ばかりでした


何度春を勘定しても


母は来ません


人間は女の体から出てくるのでしょう


人はそれを母親と呼び


カテイと言う世帯を持つ


気前の良いお爺さんが


教えてくれました


とっくに死んでしまいましたが


彼は、とても良い人だった


長年、人の形をしていると


不思議と言葉は知るようで


世間一般の常識ぐらいは身に付きました


今は光一粒も無い狭い部屋


多分、地下室か何かにご丁寧に


鎖まで付けられて入れられています


実は前の契約者と上手くいかなくて


売り飛ばされちゃいました


看守の呆れ顔


出来ることなら一度買われた家に


留まり続けていたいですよ


此処の人達は扱いが杜撰すぎます


毎夜毎夜、快楽の為にケツに


ぶっ込んで果てたらそそくさと帰る


風呂もトイレも無い部屋です


看守さんに土下座


で済めばいいですがやはり対価は躰


綺麗にするには二度穢れる必要があります


病気で死ぬなんてみっともないですからね


指で掻き混ぜて


水と一緒に流してしまいます


腹が減っても水しかくれません


食い物が欲しければ躰を売るしか無いようです


理性も知恵もあります


そこら辺の猿とは違います


転々としてるからには値段は落ちます


今はせいぜい30万が相場でしょう


活きのいい綺麗な子は


1000万なんてザラにある


自分の元値なんて


とうに忘れてしまいましたがね


この部屋の壁は薄い


しっかりしてるのか抜けているのか


まぁどちらでもいいのですけど


近々、新しい子が入ると聞きました


可哀想に


たっぷりと注ぎ込まれるのでしょう


最初に絶望の味を知ると


感情って言うものは死ぬみたいです


そうそう私もとっくに死んでます


初めて絶望の味を知ったのは


物心付いてから5度目の春くらいですかね


もちろん春は嫌いです


苦くて小汚い季節ですからね


新人さんようこそ


素敵な夜を過ごしてくださいね


かく言う私は


自分一人では生も死も決められぬ


木偶の坊同然ですけれど


早く朝が来ないだろうか

・2021-11-25
5分で読める小説







【短編小説】






【恋する乙女は最強無敵】






「ごめん、失恋したこと無いから分かんない」

遡ること、約10分前。放課後、教室に残って雑談していた私を含めた四人のうちの一人が恋バナしよー!と言った。彼女は仲良しメンバーの一人、ミユキちゃんだ。しよしよー!とセナちゃんとエイコちゃん。正直、したくはなかったが、参加せざるを得なかった。
最初に話し始めたのは、発案者のミユキちゃんだった。
「ねーねー、好きな人っている??」
いるよね?みたいな謎の圧を出しながら聞いてくる。えー、いるよー。とキャッキャウフフと笑っている二人。それに会わせて笑う私。
「私はねー、同クラのハシモトくんが好きだなー」
とミユキちゃんは言った。ハシモトくんはこのクラスのムードメーカー的存在で、サッカー部のエースという絵に描いたような青年。ハシモトくんって確かエイコちゃんが好きって噂がなかったかな...?
そんななか、ミユキならいけるよ!と励まし合う二人。その二人に加勢して、大丈夫!と行っておいた。
「次は私ねー、私はカンザキさんかなー?」
そう言って照れているエイコちゃん。あ、あの噂が本当ならフラれたな、ハシモトくん...、と思った。ちなみにカンザキさんは頭が凄い良くて、あまり面識の無い人。他所から見る限りだと、天然で良い意味でみんなを巻き込む人だと思っている。
「次は僕ね、僕はユウサクくんが好きだったよー」
セナちゃんがホワホワとした口調で話し始めた。...だった...?
「え?だったって過去形?」
と、私が聞きたかったことを聞いていくミユキちゃん。
「うん、この前告ってフラれちゃったから...」
うぅ...、と泣きそうな声を出すセナちゃん。大丈夫、大丈夫、よしよし。とみんなで励まし合った。
「...で、アイリは?」
と、私に質問をふるエイコちゃん。えー、私ー?と周りに合わせて言う。
「...今はいないかなー?」
といっておく。えー!という三人を他所に。確かに嘘はついていない。と安心する。
確かに、今はいない。明日誰かを好きになってるかもしれないし、いないってこともちゃんと言っている。間違ってはいない。はず。
「アイリちゃんも失恋したのー?」
いつまでもホワホワ口調のセナちゃんは首をこく?と傾げた。
「ごめん、失恋したことないから分かんない」
思いきってそう言った。えー!と三人が口を合わせて言う。
「...あー、でもそっか。アイリってそう言う話聞かないもんね」
頑張ってサポートしようとしてくれてるミユキちゃん。
...私は、世間一般的に言う、『仕事と私、どっちが大切なの?!』で『仕事』と即答するような人だ。だから、恋だの愛だの正直興味は無い。
個人的に、あまりこういう話はしないで欲しい。と思ってる...。逃げれば良いとか言うんだろうな...。知らないけど。

...もしも、もしも私が誰かを好きになったとき、私はどんな風になるのだろうか...?そう考えると、案外面白いかもしれない...。

夜永 優兎・2021-11-26
短編小説
5分で読める小説
恋する乙女は最強無敵
♡♢♤♧

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