蝶番・2024-09-14
伝えたい想い
portrait
「神は乗り越えられる試練しか与えない」
地獄然とした十字架を振りかざす神なんて
今すぐ金輪際、捨て置いていい
この先、生きるも死ぬも
呪いは幾度も足を引っ張るだろう
でもあなたは万にひとつも悪くない
もし他者を信じ己を罰した告白が
軽率だったと悔いるなら
そうしなきゃいけなかった理由がきっとあった
そうしなければ、とても息ができなかったんだ
今日も氷の花びらをありがとう
冷たいからこそ よりきらめいて
そんな気がするのはなぜだろう
透明ガラスの向こう側
視界は白一色なのに
合図を受けたように目を凝らす
きらり光を隠し持っていた言葉が
ほとばしるように色づき始めた
生き生きとした具体性をともなって
鳴り始める圧倒的なときめき
耳を騒ぎ駆け抜けていく風
あなたを変えたのは宇宙からの声
無邪気な笑みでのぞきこむ
洗いざらしのスリッポン
わたし、こないだ悪魔と出会った
人を操る頓着の無さ
当然に審判を下す選民性
そして
とびきり美しい言葉を転がす
ないまぜの吸引力
そうか
すくむほど逃げたいのに
どうしようもなく惹きつけられることを
人は悪魔的魅力と呼ぶのね
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ハロウィンの明けた朝
季節に遅れ、紛れこんだお菓子に手をつけた
悪戯は危ういからこそ甘く囁く
毒はしびれるくらいでお願い
わたしの顔はどんなだったかな
見えすぎる人が描く
無いものにしたくなくて
それだけでいいのに
届いてほしい
せめて、そこまでで手放せていたなら
ほら
あなたの顔を
何の思いも加えずには見られない
そうやって過去を色づけたのは
あなた自身なんだよ
あなたが何より大切にしてきたものが
不当に陰りを帯びて
たくさんの胸を叩き続ける
これを罪って呼んではいけないのかな
ささいな楽しみを
喜びに希望に替えて
けなげに日々を生き抜く人
その美しさ立派さに
胸がつまる
まぶしくて
頑なってことは悪くもないよな
自分らしく
誰かのために
まっすぐしか見えないのも能力
それでいて、内側は揺れる
右に すぐ左に
下にも上にも引っ張られ
千切れそうな自分を抱きしめて
それにも飽きて見上げた空の青さ
何度繰り返しても息をのむ
不器用すぎるよ
でも
自分をさらし続けることでしか
生きられないって
夜の狭間に今日も立つ
あなたは頑固で真面目で
とてつもなく強いのかもしれない
こんなに心を寄せていても
たやすく事実に流されて
信じ続けるのは何て難しいんだろう
冗長に弁明せず
必要な言葉を短く
そして静かに時を待つ
潔さに目眩するほどだ
真に強い軸は
簡単に折れるはずがない
今度こそあなたを信じよう
あなたのいた場所に
別の人がいるよ
あんなに泣いてた人たちが
新しさを受け入れてるよ
日常となって
もはや最初からこうだったかのように
残酷なほど未練なく
手放したように思えたその席も
…わからないね、他人の気持ちは
ほんとのことは何も
ただ過ぎていく
すべては流れていく
斬りつけられ包まれるわたしも
世界ががらりと
音を立てて反転した今
それでも
あなたの紡いできた言葉が
強く太く枷になるから
心配しないよ
あなたは落ちない
あなたの今の佇まいと
これから先の選択が
これまでの言葉の真価を問う
わたしに歌を運んできた
あの子は遠くない日
わたしの先を歩いていく
もう振り返りもせず
ずっと早く走れる
それでもきっと
いつか泣くのだろう
つないだ手が握り返さなくなった寒さに
胸に手を当てて
暗闇に座り込んで一人きり
それでもきっと顔を上げて
また歩いていく
わたしの代わりに
側に誰かがいてくれたら
わたしの代わりに
誰かが何かがいてくれたら
きっと風になる