〈Taiki Der Seele.〉
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そして時が経ち、彼らは16歳となり成人した。
今でも仲良しだが、時が経つにつれ仲間は増えていくばかり。
それもそのはず、彼らは軍校を卒業し
友に戦う仲間を見付けたのだ。
そして小さい頃問い質したように、あの大樹の下でもう一度問う。
「ねぇ、皆はさ本当に願いが叶うのなら魂を捧げてまで何を願うの?」
皆、口を揃えて
「「「来世も、またここで皆と会えますように」」」
そう言った、前にも聞いたのだろうか。
いいや、この日が初めてだったはずだ。
そのはずなのに彼らは同じ事を言ったんだ。
そんな出来事に彼らは笑った。
そんな楽しい日々は何時までも続かない、
軍校を出て成人した彼らは初の戦場へと向かう。
空腹時のためのバナナチップスに武器を手に取った。
彼の手は震えていた、
死ぬのが怖かったのだ。
「大丈夫、俺たちが必ず勝つから」
そう励ます者も居たが、そんな励ます者さえも震えていた。
死ぬかもしれない、もう皆には会えないのかもしれない
そんな恐怖でいっぱいだった。
そしてヴーっと甲高い音でブザーがなり始めた。
「もうすぐ、みたいだね。」
「あぁ、そうみたいだ。」
何やら演説が始まった。
だが、演説が終わったら、いよいよ戦いの始まりだ。
「あーあ、諸君。この場に足を運んでくれた事を勇敢に思うぞ。今日はピクニック日和だな。だからと言って、呑気に飯を食って良いとは言ってないからな。」
わっはっはっと高笑いをする。
だかそれも束の間。
「さて、本題だ。」
彼は威厳に満ちた表情、声色をし話し始めた。
「戦争が初めてだと言う者も沢山いるだろうが、安心してくれ。俺たちは決して負けない。」
「諸君には大切なものはあるか?」
「家族、友達と色々とあれば、居ない人も居るだろうな。」
「負けたら大切なものへもう掴めない。まぁ、もちろん負ける気はないが」
「もしもの話だ、最後だったら?嫌だろうな、怖いだろうな、俺だってそうだ。」
「時に人々は言う。戦争は何故あるのかと」
「戦争は反対だとテロルも起きたな。」
「あーテロルも戦争と似た者同士だな、それならば俺はそのテロルに反対だ。」
「教えてやろう、何故戦争があるか。」
「国を潰したいから?気に食わないからか?大切なものが傷付けられたからか?そうだと思うなら、俺は全てNoと言うな。」
「そこに利益があるからだ。」
「戦争に勝てば、金、名誉、平和だとか俺達に利益のある事ばかりだ。」
「諸君は平和?と疑問に思った事だろう。」
「国々は同盟を組まないかぎり、敵対視している。今回の相手もそうだ。そうつまり、命が奪われる可能性だってあるさ。俺だけじゃない、大切なものでさえもだ。」
「そこで勝てば、国は俺達の物になるだろう。」
「だから俺は戦争が大好きなんだ。」
ニヤリと笑った
「だが、忘れてはいけない。命は粗末にするな、せめて最後まで戦え。戦争は死ぬためにあるのでない、前へと突き進むためにあるものだ。死ぬなら違う所で死んでくれ。」
「さぁ、戦争だ。感情なんて捨てちまえ。だが、仲間を見せ付けよ。仲間を一人でも見捨てるな。」
そう言って演説は終わった。
ウーっと甲高い音のブザーが再び鳴り響く。
始まりの合図だ。
彼らは走った、走り続けた。敵にぶつかるまで
刃物を持った部隊たちは
体力勝負だ、いかに呼吸が大事か。
一つ間違えれば呼吸が乱れ、
体力がどんどんと削られる。
銃を持った部隊たちは
集中力との勝負だ。
集中力が切れれば、正確には当たらない。
流れ弾が仲間に…なんてこともある。
共通点はそうだな、
速さが重要となるさ
何事にも戦は早い者勝ちだから
「シャロン!」
「あぁ!分かってるさ!」
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つづく、
秘密さん・2022-03-02 #TaikiDerSeele #あま天 #小説 #オリジナル小説
