#春の終わり、君だけがいない

「私の方が好きだよ」


そう言った君の表情は、最後まで見えないまま

毎朝、返ってくるはずのないLINEに

おはようって送ってみるんだ

幸せになってね、なんて

君がいなきゃ叶わないって

なんでわかってくれなかったんだよ

俺の隣で 他愛ない話

屈託もなく笑う君の肩が濡れないよう、

そっと傘を君の方に傾けた

君の好きは 俺と同じでしたか

君だけがいればそれでいいのに

どうして君だけがいなくなったの

君と見た空は あんなに綺麗だったのに

いつ死んだっていいって言ったくせに

もっと一緒にいたかったなんて言わないでよ

アルバムの中の君の笑顔が痛くて

どうして気づけなかったんだろうなんてさ

今更後悔しても 君は戻ってこないのに

狂おしいほどに愛していたんだ