伊田よしのり・2024-12-08
ポエム
お菓子
ねるねるねるね
持っていても、練らなければ、宝の持ち腐れなのだ。
ねるねるねるねは、お菓子なのだから。
🧙♀️「こうやってつけて、うまい!」
→
~🎶 (効果音)
… あのCMを超える傑作は、あの魔女が去ってから25年間、ついに現れなかったのだ。
せっかく大学にいかせてもらえるなら
田舎の、人気のない大学じゃなくて
都会の、名門大学に行ってみたかった。
そこで僕は、ねるねるねるねを練るのだ。
恋人もできて、そして…
そこでいつも、僕の空想は
終わってしまう。
今僕の目の前にあるのは
ねるねるねるねではない
名前もしらない
お菓子と、安酒だ。
いい夫婦の日…
そんな日があるということが、
一般的に夫婦とは良くないものだと
いうことを
逆説的に
物語っている。
しかし
そんなとき
ねるねるねるねを練れば
あるいは…
いや
これ以上はやめよう。
夫婦のつながりは
お菓子よりも強いはずなのだ。
あなたのために
あの魔女はねるねるねるねを
作ったのだ。
愛が存在した、証として。
そして
思いが変わってしまった、印として。
クリスマスのお菓子といえば
ねるねるねるねだ。
なぜなら
ねるねるねるねは
練れば練るほど
色が変わる。
つまり
ホワイトクリスマスは
ねるねるねるねの
象徴だったのだ。
午前1時20分…
練るには遅すぎる時間
ねるねるねるねは
昼のお菓子なのだ
夜
寝られなくて
誰かと雑談
したくなっても
あの魔女の部屋には
行かないほうがいい。
練られても
構わないなら
話は別だが…
クリスマスが近づいて
街が彩られていく。
それに比例して
僕の心は空虚になっていく。
少しでも抗おうとして
僕は禁断のお菓子に手を出した。
粉に水を入れて混ぜると
色が変わるという
不思議なお菓子なのだ。
つまり、あなたは、あと4週間以内に、一緒にねるねるねるねを練ってくれる相手を、探さなければ、いけないのだ。
11月11日は、ポッキー&プリッツの日。
つまり、11月11日は、ねるねるねるねの日でもあるのだ。
練ってみればいいなどと
偉そうに言ってはみたが
いざ練ってみようとしても
どういうわけか
うまくいかないのだ。
宇宙は膨張している。
そして宇宙には
銀河という名前の
ねるねるねるねが
点在しているが
それらもいずれ
消滅してしまう。
ねるねるねるねは
練れば練るほど
色が変わる。
そして
色が変わった後は…
練ったことがある人なら
その答えを
知っている。
それは
クリーミーで
スウィーティーな
ねるねるねるね
だったのだ.
彼女にとって
ねるねるねるねは
夢の世界の
お菓子なのだ。
だから彼女は
現実の世界では
練ることが
許されない。
彼女のねるねるねるねは
空想の中でしか
色が変わらないのだ。