#夏の匂い

弾ける花火 夏の匂い

藍と紺の浴衣 君と僕の夕涼み

淡く寄り添った想い出のひと欠片

君の隣で見上げた夏の空は

去年の空よりも

青く透き通っていて

夏の風が鼻をくすぐった


＿来年も一緒にいたいよ。

夏の匂いが好き。
懐かしい、あの日のことを思い出す。

夏の匂いに想いを馳せて

自分の昔話を優しい言葉で表せるようになった。
別にドラマみたいな何かがあったわけではないけれど。
なんだか不意に
ベランダに出て夏の匂いを感じたくなった。
「夏夜のマジック」と共に
ベランダから見える暗闇をずーっと見つめる女の子。

夏に近づいてきた

天気 空気 匂い。


去年は一昨年の夏を

今年は去年の夏を

恋しく思う

けど今年の夏は

今までとは違う夏を迎える

今まで僕はずっと

「死にたい」って思ってたけど

今は「死ななきゃ」って思うんだ

草原の匂い…

稲穂を無てる風の匂い…

夕立の激しい雨降りたての雨の匂い…






そしてそして

一番大好きな匂い…

それは

2人乗り自転しがみついたあの時のあの人のシャツの匂い…




ひとつでも

すべてを思い出す匂い…


思い出の詰まった匂い


あの時、あの一瞬のシーン
大好きな匂い付きの


想い出…。

君から貰った一瞬の幸せだけで
僕はもう十分なんだよ

だからさ、泣かないで

その後悔と一緒に
この夏に僕のことを置いていって




君が笑顔になれるなら

僕は忘れられてもいいんだよ

もう、忘れてもいいかな
君のことも 君がいなくなった夏のことも

頬につたるこの水は、

汗なのだろうか、

涙なのだろうか。

夏の匂いを感じながら

僕は考えることを放棄した。

はぁ。
お風呂に入っただけなのに、
なぜかため息が出てしまった。
吸い込まれるようにベッドに座り、
そのまましばらくぼーっとする。
うーん。
さっきまでエアコンつけてたから
涼しいんだけど、
空気を少し入れ替えるべきかな。
そう思った私は、
ベッドの隣の窓と
閉めたカーテンの間に入り込み、
窓を開けた。
外は夏の雨の匂いがして、
虫の音が響いていた。

独りぼっちに感じるのも

死にたいって思うのも

胸が苦しくて涙が零れそうになるのも


全部、夏のせいだ

「夏の匂いがすると、あの頃を思い出すなあ」

髪を耳にかけて笑うきみは
夕陽に照らされてとても綺麗で、
今にも消えてしまいそうに儚かった。

夏の匂いがする

君に出会った夏の日も

君と暑い中身を寄せあって寝た日も

君と話した日も

いつもいつも

この匂いがしていた


思い出せない君の匂い

もう私

お線香の香りでしか

君のこと思い出せないよ


君と出会った夏が来る

君のいない、夏が来る