はじめる

#竜之介

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全5作品・

「愛してくれる?」

いつも不安だった
裏腹な暖かい眼差しを浴びる度
冷徹な父を思い出して。


「ずっと側にいて?」

いつも穴の空いた心は悲しく鳴いた
裏腹な優しい愛に溺るる度
僕を手放した母の伏し目を思い出して。



君を離したくなくて。
君を縛り付けると
二度と消えないざらつきが
僕の心を支配して、オモウ。



オモウ、オモウ。


嫌ワレタンジャナイカ
キミガ離レテイクンジャナイカ


不安が寂しさを呼んで
君を求める心が制御不能となって



君をまた困らせる



何日も何週間も何ヶ月も何年も
君を縛り続けて君の自由を吸い尽くして

何してるんだろう
僕は、何してるんだろう



邪気や煩悩すべて取り払ってみたら
僕は確かに父と母に
愛されていたかもしれなくて

君も僕が大好きだと言っていた。
不安になることも寂しくなることも
苦しくなることも辛くなることも


なんだ。
なかったのかもしれない。


その事に気付けてやっと
たった一つの願いが見えた。

















君よ幸せで在れ。






僕の手で、その幸せを手繰り寄せ
君に与えられたらとも思うけれど
互いの幸せをひとつに束ねるには
遅すぎた。


壊れかけた時計を
どんなに元通りに組み立ててみても


疑念が、思い込みが、
すれ違いが、苦しくて
またすれ違ってしまうから。



君よ幸せで在れ。



例えそれが僕でなくてもいい
幸せに花咲く君で在れ


僕が好きになった君で在れ



そう願い始めた時、
僕はやっと動き始めた



「おい、早くしろ。新人」
「はい!」




たくさんの君を
犠牲にしたかもしれない。

だけど確かに僕はあの頃
たくさんの君を愛してた。

これからはたくさんの
君のままの君で笑っていてね。



形変わっても
側にいるから。



今も君が大好きだから。
例え君が薄れても
きっと嫌いになることはないだろう。



僕の大好きな人。

竜之介・2023-01-27
竜之介
小説
束縛
物語
別れ
互いを想えばこそ

【逢いたい~2誤差】

「それでね、愛樹がね」
「あー…」
最近、美琴の口からよく聞く名に嫌気がさして、
亮があからさまに怪訝な態度をとると
彼女は1オクターブ低い声で唸った。

「どうしたの?ちゃんと聞いてる?」
「聞いてるっていうか…」

拗ねたような美琴の顔が
脳裏に浮かんで亮はバツ悪く呟く。

「愛樹って奴、ずいぶん名前出るじゃん」
「そう?そんな事ないよ」

そんな言葉が欲しかったわけじゃない。
ただ、気にしていることを分かって欲しかった。

亮は、電話口の美琴に知られぬよう
小さな息をついて、気を取り直す。


「それで」
「うん、それでね、愛樹ってば私の脇腹のお肉つまんでぽちゃこって言うんだよ!ひどくない?」
「ひどいね」
「それで、咲子が愛樹を叩いたら泣き真似して私の背中にくっついてきて…」


問いかけに相槌をうった亮の眉間には
更に皺が寄った。
亮にとってかけがえのない大切な人。
触れたくても触れられない距離。

その彼女にセルフゾーンに
潜り込み、容易く触れる男に
激しく嫉妬した。


そればかりかひどい、と言いながら
美琴は何か楽しそうだ。
笑い声さえ響かせて、
じゃれ合いを見せつけられているようで
亮はついに、荒々しく一声をあげた。


「あのさぁ!」

いっときの静寂の中、
美琴のあっけにとられた声が耳に流れ込む。

「え、なに?…どうしたの」
「男の話ばっかり、なんなの」
「男…の話ってなに。私、友達の話を」
「友達ったって男じゃん。腹つままれて喜んでるようにしか聞こえない」
「…ひど。なに、なんでそんなにイラついてるの」


苛ついている。
誤りはない。
問題はその理由だ。

亮の胸に渦巻く感情は
単なる嫉妬ではないのだ。


「俺ばっかり…美琴と逢いたがってる」
たかだか、十六やそこらの「男の子」の
それでも真剣な、悲痛な想いを
亮は絞り出すように紡ぐ。

「俺がどんな努力してるかわかってる…?」
「私だって会いたいし、努力してるよ」
「どんな…?」
「欲しいもの我慢してお小遣いためてる」
「俺はバイトしてる」
「私の高校、バイト禁止なんだよ。亮もわかってるでしょ?」
「わかってる…わかってるけど」


極狭い世界で生きている歳の頃も
いかない子どもの精一杯の理解力は
すれ違いにこうも脆い。

どう言葉にしていいかわからない。
ただ亮の努力に比べて
美琴の努力が行き届かない気がして
仕方なかった。

疲れた身体を労う言葉はなく
離れている時間、亮はこうも
美琴を心に描くのに彼女はといえば
同級生とじゃれ合い、遊び笑う。

想いの誤差は如何程か。
亮は虚しかった。

寂しかった。
美琴と離れる今が辛かった。


だから告げた。


「違う、こんなこと言いたいんじゃない」
「うん…?」
泣き出しそうな亮の震えた声に気付いたか
美琴の声は優しげに亮を包み込む。

「ただ…、俺は、美琴に逢いたいんだ」
「うん」
「逢いたい…、美琴、逢いたい」
「うん、私もだよ亮」


亮はスマートフォンを
抱き締めるように
美琴の声を側に感じながら、


「電波を流れて…美琴のところにいけたらいいのに」


そんなメルヘンチックな事を
本気で空に祈った。

竜之介・1日前
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通話
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寂しい
一人になると
辛い
好きな人
すれ違い
竜之介

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