#一人

今の彼女を苦しめているのは、手と手を重ねてねるねるねるねを練った、甘い思い出なのだ。

初めから一人で練っていれば、悩むことなんて、なかったのに…。

探し続けた理想の日々
書き続けた居そうな君
私の描いていた絵日記は
妄想と夢でいっぱいだ

一人の部屋で

ねるねるねるねを練ると

ねるねるねるねの色が

涙の色に

変わった。

人間は1人で生まれてきて
1人で練って
1人で色が変わるのだ。

天の川の画像を見ながら
一人で
ねるねるねるねを
練ると
僕の目から
キャンディチップではない
何かが
こぼれ落ちた。

夢の中では今頃、

貴方と私で笑い合っているのかしら。


現実は、私一人

身勝手な恋心に苦しんでいるけれど。

この先ずっと
一人で練り続けるのか…
そう考えると少し不安になった。
しかし僕にとっては
二人で練ることのほうが
もっと怖いのだ。

友達や恋人と一緒に練ったねるねるねるねは、おいしいのだろうか。

知る由もないし、知りたくもない。

私はずっと、一人で練ってきたのだ。

雨の散歩道は雨の雫で雨音の音色

奏でる多重奏に何か優しげに



進みの足も穏やかに ゆっくりと




人の流す涙もそうであれと...




そんな気がした




午後の雨の小道に

孤高になれなくてもいい。

孤立と言われても構わない。

私は一人で

ねるねるねるねを作るのだ。

一人で練る強さを持て

人は誰しも

一人で生まれてきて

一人で練るのだ。

プロジェクトのメンバーには申し訳ないが

私はもう一人で

ねるねるねるねを練ることにした。

皆、練ることに対する意識が低すぎるのだ。

せいぜい、ねるねるねるねごっこを

続けるがいい…

学生だった頃

ねるねパーティーに

私は呼ばれなかった。

少しショックだったが

一方で安心していた。

ねるねるねるねは

一人で練るもの。

一人で楽しめないようでは

魔女には程遠い。

ねるねるねるねは…

一人で練る寂しさを知っているからこそ、二人で練った喜びが大きい。

そして、その逆もまた然りなのだ。