はじめる

#想い

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全12363作品 ・



【Real Me~性別のない人 第七話 交差】



千祐さんが俺を誘ったのは


行ったこともないような


小洒落た料亭だった。


しかも下手したら正座した膝が


ぶつかるような


小上がりの小さな個室だ。



正直、心臓が


いくつあっても足りない。


「ここ、落ち着くだろ?」


千祐さんはおしぼりで


手のひらを拭きながら


そう笑った。


「は、はい」


内心、落ち着かねーよ


と思いながら相槌を打つ。


「なんか食べたいもんでもあるか」


「そう聞かれても…こんなとこ来た事もなくて」


「じゃあ適当に頼むぞ」


「うっす…お願いします」



千祐さんは手慣れた手つきで


定員を呼ぶと


あれこれと悩む事もなく


注文した。



その姿はやっぱり


同学年の友人とは違い


スマートで、とても格好いい。



目がハートになる、なんて


表現があるけれど


まさにそれだ。


思わず見惚けていると



俺の様子に


気がついた千祐さんは失笑した。



「おい想、どうした?よだれ出そうだぞ」


「はっ!?よだ、あ、すんませんっ」



俺が慌てて口元を拭うと


個室いっぱいに


千祐さんの笑い声が響き渡る。



「いや、冗談だよ」


「ひ、ひど…っ!」


「なーに?そんなに俺いい男?」



それがジョークで


飛ばされた言葉であることくらい


わかっていた。


わかっていたけれど


飲んだこともないくせに


店の大人な雰囲気に酔ったみたい。



「か……かっこいいっすよ……、千祐さんは…すごくすごくかっこよくて、俺の……」


好きな人、と言いかけて

我に返って言い換えた。




「…憧れっす」



顔が見れない。


長い沈黙が続く…。



やっぱり


男からこんな事言うの、


おかしかったのかな。



普通の感覚がわからない…。




仕方なく俺はうつむき加減で


店員が置いていったお冷に


手を伸ばした。


「あ……」


その水には香りがついていた。


ほんのりと


レモンの味が口に広がる。


きっとピッチャーに


レモンを入れて作ったに違いない。


これにミントをプラスしたら


酒やニンニクの効いた料理を出す


バイト先の店のサービスとして


いいもてなしになるかもしれない。


俺は、ついさっき口走った事も忘れて


俯いていた顔を上げ興奮気味に言う。




「このもてなし、いいっすね、ミントプラスしてうちの店でも取り入……」


ところがだ。


千祐さんを見れば


挙動不審に目を動かしながら


赤面している。



「え?な、なんすか…?」


「お前が……有り得ねえ褒め方すっから…調子狂ったんだよ」


「褒め方?」


「あ、憧れ……とかなんとか……言ったろうが」




やばい、


普段大人で


さっきまで


すごくスマートで


かっこよかったはずの


千祐さんが


可愛い……。


「ほ、褒められ慣れてねえんだよ……」



心臓が、きゅきゅん、と跳ねた。



「な、慣れて無さすぎでしょ、そんな」


「おう、そうか…そうだな」



頭に血が上る。


これじゃあ2人揃って


茹で蛸だ。



俺がまた


レモン水に手を伸ばすと


千祐さんも俺に


倣う様にそれに口をつける。



一口、二口と進むうち


天の助けだ。


料理が運ばれてきた。



とても綺麗な料理ばかり。


気まずい空気が一変する。



千祐さんは獺祭を1杯頼み


チビチビとやりながら


料理に舌鼓を打った。



「お前も早く酒くらい呑めるようになれよ」


「呑みたいけど、法律が」


「昔は結構違反もしたけどな」


「そうなんすか?」


「俺なんか、スポーツ優等生の兄貴と違って、ヤンキーだったから真っ当な道歩んでねえし、余計かな」


千祐さんの遠い目に哀愁を感じる。


掛ける言葉が見つからずにいると


千祐さんの方が俺に尋ねた。



「想はこういう店に連れてきたい女いんの?」


「いないっすよ」



咄嗟に


奈々の存在を隠した。



隠したとして


何になる……?


素直になる気のない「俺」は


千尋さんの中で「男」なのに。


我ながら呆れて自嘲を漏らしたが


千祐さんには


違った意味に見えたらしかった。



「女いねえくらいで腐るな腐るな」


「腐ってなんか…ないっすよ」


「でもなぁ、俺が想くらいん時は、女と遊びまくってたもんだけどな」


千祐さんは、


いたずら少年のように笑う。


若い頃の千祐さんの話は貴重だ。


好きな人の、過去。


知りたくないけど…知りたい。



「えー?そんなにっすか?」


「最高、何人だ、えーと…同時に5人!」


「ご、5人……相当っすね、バレたら修羅場とか思わなかったんすか?」


「その頃は、そこまでの頭なかったな。でも結局バレて女結託して、5人から平手打ち食らってジ・エンド」


「うわぁー…千祐さんって遊び人だったんすね」


「その頃は……な」



それまで身振り混じえて


けたけたと笑いながら


当時の様子を


教えてくれていた千祐さんの目が


突然、変わった。


ぐい呑みに注がれた獺祭を


見つめて、物思いに更ける。



やがて、千祐さんは語り始めた。




「コウコはさ……元々、馬鹿でかいけどなよっちくて、気持ち悪い幼なじみ位にしか思ってなかったんだけど、いつの間にか兄貴と付き合ってて、心ん中は女だって言うじゃん、それからはどんどん…綺麗になって、隣で支えてる兄貴を羨ましいと思うようになって…気がついたらコウコから抜け出せなくなってた」



独白のように語る千祐さんの言葉が


矢と化して俺の心をいちいち的にした。


命中、命中、命中の百点満点。


切ない想いが、伝わって


俺の心まで悲しみの底に落ちてくようだ。



「高校時代、遊び人で通した俺がよ?コウコが好きだって自覚してから、コウコ一筋。一途。オンリー。笑っちまうだろ、あいつ、元々男なのにさ」


違う


違うよね千祐さん。


本当はわかってるはずですよね。



ぐっと握りしめた拳。


俺は震える声を絞る。



「コウコさんは元々、女の人っすよ……」


だってコウコさんは言ったんだ。


女の体を取り戻したいんだ、って。


彼女を好きだという千祐さんに


彼女が元々男だなんて


例え強がりだとしても


言って欲しくなかった。





千祐さんは



呆然と俺を眺めていた。



呆れられているのかもしれない。


なんせ千祐さんはバイト先の上司だ。


こんな生意気、許されない。


でも、もう止まらなかった。


「タラシから一途になれたんでしょ?千祐さんは、コウコさんを好きになって、まともんなったんすよ」


そこまで吐いて我に返る。

さすがにタラシだのまともだの


俺の言葉は失礼だと思い直し


千祐さんの顔色を窺った。


すると、千祐さんは


噴き出して大きく笑う。



あははははと声を響かせて


涙まで拭いながら笑った。



「し、失礼なこと、言ってすんません…」


「いやぁ?想の言う通りだよ」


そう言って千祐さんは


背の低いテーブルに


手をついて身を乗り出すと


俺の頭を優しく撫でた。



千祐さんの手のひらの重みが


ふわっと肌に広がる。


息遣いすら


鼻先に感じられる程の距離だ。


突然の事に頭の中は混乱状態だった。



「あ、やっ、いや、近っ、あの何…っ」



うまく言葉を発せられない俺に


千祐さんは今までに


見た事もないくらい


優しく微笑みかける。




「想」


「…は、はい」


「お前はいい子だなぁ…、ありがとう」




どうして礼を言われたのか


よく理解も出来なかったけれど


千祐さんが


とても素敵な笑顔で笑うから…


可愛い子、なんてずるい言い方するから


心臓は否応なく、跳ねた。












「今日はありがとうございました」


「うまかったかー?」


「はい、とても」


本当は心臓跳ねっぱなしで


料理の味なんて


ちっとも覚えていない。


美味しかったとすれば


千祐さんを独占出来た、


この時間のことだなあ


そんなこと考えて


俺は一人、羞恥に赤らむ。



「想、あのさ」


夜中の街を歩きながら


千祐さんは言った。



「なんすか」


「コウコはもう兄貴のもんだからさ、俺は口が裂けたって好きだとは言えねえけど」


「はい」


「お前は正直でいろよー?感じた時に正直でいねえと後で後悔すっからさ…俺みたいに」


眉間いっぱいに皺を寄せて


切なそうに笑う千祐さんが苦しい。



「千祐さんには…幸せになってほしいです」


俺は呟く。


「おー、俺は幸せよ?」


本当は泣きたいくせに


だって声が震えてる。


「後はコウコと兄貴が入籍でも出来るようんなってくれりゃ言うことねえんだけどなあ」


嘘ばっかり。


本当は


ねえ、千祐さん


コウコさんが自分のものに


なればいいと思ってない?



自分の思いが伝えられない事より


今、千祐さんが


無理をして笑ってる事が切なくて


心が痛い。



溢れ出す気持ち。


どうにも出来ない違和感。


好きな人の辛そうな姿。


柔らかい体で


抱き締めて


癒したいのに。


俺の身体は


なんて、硬いんだろう。



頭の中がパンクしそうだ。



気がつけば俺は


大粒の涙を


アスファルトに落としていた。



千祐さんに見られて


理由を聞かれでもしたら


なんて言っていいのかわからない。



それでも涙は止まらなくて


困った俺は


その場にしゃがみこんで


顔を伏せた。



「お?どうした、想」


さあ、なんてごまかそう。


「想ー?」


考え込むうち


千祐さんは俺の名を呼び


そばにしゃがみこむ。


「き、気持ち悪く、なって」


捻り出した、苦肉の策。



千祐さんは失笑して信じ込み


「おいおい、呑んでもいねえのに、大丈夫か?」


俺の背中を優しく撫でた。



「しゃあねえなあ、ほら想、おぶってやっから帰って休もうぜ」


「は!?え、」


「気持ちわりぃんだろうが。遠慮すんな」


「でも…」


「いいから、早くしろ」


「……うっす」


体調不良なんて嘘つくんじゃなかった


この歳になっておんぶなんて。



後悔したって後の祭り。


俺は千祐さんの背に覆いかぶさり


首に縋る。


「重くないっすか」


「軽い軽い」





どこまで、優しいんだよ…。


じわじわと腹に感じる、


千祐さんの温もりが愛しい。



愛しい。


愛しい。


千祐さんが愛しい…。



交差した想いがひどく切なくて…



きゅっと縋り直した腕の力に


言えるはずもない、


想いの丈の全てを込めた。


【Real Me~性別のない人 第七話 交差 (終)】

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